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OverBlood
【おーばーぶらっど】
ジャンル
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アクティブアドベンチャー
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対応機種
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プレイステーション
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発売・開発元
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リバーヒルソフト
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発売日
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1996年8月2日
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定価
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5,040円(税込)
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象) |
配信
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ゲームアーカイブス 2011年2月23日/600円
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判定
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賛否両論
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ポイント
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即死ゲー 遊べるには遊べるが色々微妙
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OverBloodシリーズ 1 / 2
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概要
ポリゴンキャラを操作し3Dのフィールドを移動し仕掛けをとき進んでいく3D探索ゲーム。
リードプログラマとしてこのゲーム開発の中心に関わったのはLEVEL5を設立する前の日野晃博。
ストーリー
西暦2095年、1人の男がとある研究所の地下で目覚めた。
長いコールドスリープから目覚めたばかりの男は、自らの名前を含めた全ての記憶を失っていた。
なんとか極寒のコールドスリープ室からの脱出を図る男はそこで自らの名を知る。
男の名は「ラズ・カーシ」。果たして彼はこの研究所の謎を解き明かし、地上に脱出できるのであろうか…?
システム
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キャラクターの操作はこのタイプのゲームでは定番のラジコン操作。
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ごく序盤や一部のイベントなどを除き概ねパートナーと共に行動する。操作キャラは任意で切り替え可能。
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ライフゲージは戦闘中のみ。回復ポイントはないが、戦闘ごとにリセットされる。また戦闘中に使用できる回復アイテムも入手可能。
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戦闘はイベントによる固定エンカウントにより開始される。攻撃はこの間にしかできない。
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探索で入手できる武器は短銃1丁とマガジン数個しかない。大半の戦闘は素手で戦うことになるが、戦闘する機会は限られているのでそれほど困ることもない。
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なお戦闘中、アイテム選択中であっても画面が止まる事はない
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床の裂け目をジャンプで飛び越えたり、トラップ回避イベントでミニゲーム的なアクションシーンがあるなど戦闘以外でもアクション要素がある。失敗すれば即死。
評価点
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同様の3D探索ゲームで当時良く用いられていたレンダリングCGによるフィールドではなく、フルポリゴンで再現されており視点が豊富。
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固定視点の他、キャラクターの移動に追従する視点、主観視点を、一部の狭いフィールドを除きL1ボタンで任意に切り替え可能。
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ただ、追従視点の場合、視点変更不可能な固定フィールド上の操作に合わせたラジコン操作システムに違和感を覚えるかもしれないが。
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災害後の地下研究所の雰囲気はよく再現されている。
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ストーリー、謎解き共に結構本格的。
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謎解きは「なぜそこでそのような行動が必要になるのか」と言った疑問をあまり感じさせないようになっている。『バイオハザード』が「ピアノを弾いて扉を開ける」「宝石をはめて仕掛け解除」などいささか世界観にあわないファンタジー的な物があったのに比べると、かなり現実的な仕掛けになっている。
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ストーリーは短いながらもしっかりハードSFしており十分楽しめる。短さの中にどんでん返しを仕込む構成もなかなか。
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序盤主人公を献身的に助けてくれる小型サポートロボット「ピポ」は言葉は話せないものの、マスコット的な可愛さやちょっぴり泣かせるイベントもあり、モデリングが微妙なヒロインを差し置いてこのゲームの真ヒロインと揶揄されるほど。
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出演声優の顔ぶれがなかなか豪華。主人公のラズは屋良有作氏、ヒロインのミリーは小山茉美氏がそれぞれ好演している。
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なおこの2人は『スナッチャー』でも主人公とその相棒を演じている。
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ちなみに、ピポはピーポーといった電子音しか台詞がないため全く判別できないが、この2年後白血病で早逝した新山志保が声を担当している。
問題点
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ボリュームがかなり薄い。アイテム探しなどで詰まらなければ、3時間ほどでクリアできてしまう。
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基本的に銃、回復アイテムの雑魚戦での使用は禁物である。
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理由は入手できる弾数があまり豊富ではないことと、ラスボスがそれまでの雑魚と比較して格段に強いため。さらに制限時間付き。
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丹念に攻撃を空振りさせ隙をついて攻撃を繰り返せば素手でも何とかなるが、銃を温存しておくほうがはるかに楽。
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初見殺しの即死要素多数。基本的に戦闘以外でライフゲージが存在せずトラップ回避失敗=死のため、こまめなセーブを推奨。
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特に序盤の石像から反重力装置を回収しようとして押しつぶされるのは、誰もが通る道。
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余談だが死亡する時のラズの台詞が「ヴォオオオオオオオオオオオオ!!」という感じで妙にシュール。死にまくることを含めて本作をバカゲーとして評価する人もいる。
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ただし、メインメニューのカーソルのデフォルトの位置が「START(最初から)」なのでゲームオーバーになった後、ボタン連打していると長ったらしいOPムービーを見せられるハメになる、という余計なトラップがある。
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操作性劣悪。当たり判定が大味な上、ダッシュと物を押すボタンが同じ(×)なので、ダッシュしようとして引っかかり物を押す動作になってしまい、虚空を押そうとする主人公を頻繁に見ることになる。
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しかも、マリオのごとく連続でジャンプして足場を渡る場面もある。もちろん落ちれば即死である。
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パートナーを連れている場合にできるキャラクター切り替えだが、使う意味があるのは特定のイベント時のみで、活かし切れているとは言えない。
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一応ヒロインの視点になることで、主人公の知らないヒロインの事情の伏線めいたメッセージが見れるといった要素もわずかにあるにはあるが。
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キャラクターのモデリングの出来も今一つ。
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グラフィックレベル自体は時代相応で悪くはないのだが、イメージイラストでは眼光鋭い髭男のラズが、温和な顔立ちの髪の薄い髭男にしか見えず、ミリーは頭部以外主人公のモデルを流用した色違いキャラであり、あまり可愛くない。
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ニュートラルの立ちポーズが、何故か腰を落とし中腰で人差し指を出した片手を前に出すという、ウルトラマンのファイティングポーズのようなポーズ(銃を構えるポーズ?)。ヒロインと2人そろってこのポーズになるとシュールなことこの上ない。
賛否両論点
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謎解きの難易度が高め。
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基本的に最初から最後までほぼノーヒントなので、手に入った手がかりを元に自力で解答にたどり着く必要がある。
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というか始めた時点でいきなり極寒の部屋で体力を削られるという時間制限ありの仕様。幸いここからの脱出方法は説明書に記載されている。
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アイテムが落ちている場所も、光っているなどのヒントがなく怪しいと感じた場所を虱潰しに当たる必要がある。
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これらの仕様を「歯ごたえがある」と感じるか、「理不尽だ」と感じるかで本作の評価は大きく変わるだろう。
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ただ、本気で「わかるかぁ!」と叫びたくなるような代物はない。一応推理で解答を導き出せる範疇である。
総評
問題点は多いが、致命的な物は少なくクソゲーと断じるほどではない。
一方で操作性など人を選ぶ要素が多く、万人にオススメできるものではない。
しかしハードSF的世界観にハマれるなら楽しめるだろう。
その後の展開
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誰が予測したか20年後という設定の続編『OverBlood2』も出ている。
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前作との関連は前作を思わせる小ネタやラズがサブキャラとして登場することぐらいで、通行人もいる街中での探索からスタートする全く雰囲気の異なるゲームになっている。
最終更新:2023年11月25日 14:00