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シムシティ ソサエティーズ
【しむしてぃ そさえてぃーず】
ジャンル
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都市開発シミュレーション
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対応機種
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Windows
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発売元
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エレクトロニック・アーツ
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開発元
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Tilted Mill Entertainment
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発売日
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2007年12月20日
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定価
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8,190円(税込)
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判定
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改善
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ポイント
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誰得なシリーズ異色作 クラッシュ頻発、インストールすら出来ない事態も 底が浅く飽き易いシステム パッチと拡張版で単体のゲームとしてはそこそこ遊べる出来に
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シムシティシリーズ
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概要
傑作と名高い『シムシティ4』から4年ぶりのシリーズ完全新作。それだけに期待度は非常に大きく、発表当初は全世界のファンが歓喜に震えた。
プレイ画面のSSが公開され、シリーズ創始者であるウィル・ライト等旧MAXISのスタッフが全く関わっていない事が判明すると事態は一転、早くも落胆の声が大きくなりはじめた。
いざ発売されると、シリーズの基本概念をことごとく切り捨てており、とてもシムシティとは呼べない代物…、ならまだしも不具合多発でゲームどころではない状態になってしまった。
特徴
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概要でも述べた通り、本作には従来作のスタッフが関わっていない。そのせいか『4』とはかなり趣の違う作風で、どちらかというと派生作『シムタウン』に近いとされている。また従来作と比べて大幅に簡略化されている部分が多い。
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収支のバランスをとりながら都市開発を進めていく。シム(市民)達の満足度や、公害問題には注意が必要。
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表示はフル3D。シムの表情がわかるほど視点を寄せることが出来る。
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条件を満たすとメダル、トロフィーが獲得できる。
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本作では区画の概念が無くなり、建物を自由に配置できるようになった。
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建物・職場・娯楽施設などの建物は500種類以上。初期のもの以外は一定条件を満たすとアンロックされていく。
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各建物には何かしらの「社会的価値」の生産(+)/消費(-)値が設定されている。シム達の好みにも勘案しつつ建物を設置していくことが必要。
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合計がマイナスの社会的価値(=消費過多)がある場合、該当する建物は機能しなくなる。
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難易度は3段階。またメインとなる通常モードの他、資金の制約が無い「資金フリーモード」、何の制約も無い「フリーモード」がある。
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但しいずれのモードでも、使用できる建物はアンロック済みのものに限られる。
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後に大型パッチ配布で、建物の維持費や住民感情の傾向が加わり、戦略性を問われるようになる「ストラテジーモード」や、シリーズお馴染みの「シナリオモード」も追加された。
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マップは温帯地域・高山・砂漠・サバンナなど9種類。
問題点
シリーズものとしての問題
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区画整備や税金の概念が無くなった。
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建物はすべて自分の手で建てる必要がある。資金は職場を設置して収入を得なければならない。市長というより地主である。
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社会的価値を基準とするシステムは、別の都市開発シミュレーションゲーム『シティライフ』のシステムとよく似ており、
シムシティである必要がない
とファンに失望され、
シムシティの名をかたる偽物
の烙印を押された。
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『シムタウン』の後継とされているが、シムタウンほど市民と同じ目線に立てるわけでもなく、シムシティとしては都市経営の要素があまりにも薄い。どっちつかずで中途半端になっている。
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『シムシティ4』から受け継いで然るべき自由自在な地形造成や、斜面の有効活用もバッサリ切り捨てている。
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地形の造成が土地の平坦化以外無くなった上に、ちょっとした段差でも道路を敷設できなくなる。トンネルという選択肢は用意されていない。
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建物は斜めに建設できるのに、なぜか道路を斜めに敷くことは不可能。
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地下鉄はあるのに、(従来あった)鉄道や高速道路がない。その地下鉄も駅を設置するだけという簡素極まりないもの。
単体のゲームとしての問題
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建物が持っている要素の合計が一定数値貯まると、新しい建物のロックが解除される仕組み。それ以外のゲーム性が薄い。
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要素に絡む建物がそれほど多くなく、同じ建物ばかりで景観が画一的になりがち。
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軌道に乗れば、あとは好きな建物をただ建てて眺めるのみ。建物も従来作の区画に建っていた時のような成長をみせたりはせず、変化といえば壊れる事のみ。それだけである。
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環境対策をゲームのウリとうたっておきながら、対策手段が非常に少ない。
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従来のシリーズで有効だった植林やマップの端に追いやるという手段が効かない。
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不便な仕様
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シムの一括検索機能が無く、不満を持ったシムのニーズをいちいち聞くのが面倒。
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カメラのズーム範囲が狭く、都市の全域を眺めることができない。
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トロフィーやメダルといったやりこみ要素らしきものはあるが、お金がすぐに貯まるので達成が非常に簡単で底が浅い。
ゲーム性以外の問題
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町が大きくなり人口が増えてくると、途端にクラッシュ(強制終了)が頻発。人口10万人を超えろというだけで無理ゲーと化す。
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村レベルの大きさなら普通にプレイできるが、人口が数千人、数万人と増えてくるとメモリの消費が異常に増えて、動作がおぼつかなくなる。
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せっかく綺麗な町並みやシムの様子を眺めて楽しもうとしても、画質やアニメーションの再現レベルを下げないと快適なプレイが望めない。
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取ってつけたようなオートセーブ機能付き。クラッシュの存在は折り込み済みだったと疑われている。
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正規ソフトが違法ソフトと判断されてはじかれる謎の現象が多発し、インストールすらまともに出来ない事態に。
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インストールの不具合は現在も放置状態。必要スペックを満たしていてもプレイできるとは限らない。
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パッチと拡張版でいくらか改善はされたものの、PCへの高負荷は相変わらずで、これらの不具合も完全になくなったわけではない。
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発売当初の日本のメーカー対応は完全無視。そのお粗末さに失望して、ただでさえ少ないユーザーが完全にいなくなってしまった。
評価点
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五度にわたる大型パッチ配布で不具合の改善や新要素が追加され、それなりに遊べる内容とはなった。
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建物の維持費や住民感情の傾向が加わり、戦略性を問われるようになるストラテジーモードや、シリーズお馴染みのシナリオモードも追加された。が、シムシティなら最初からあって当たり前の機能ではある。
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シリーズ伝統の良質なBGMは健在。
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一部の曲は『シムシティDS2』でもアレンジを受けて使用されている。しかし皮肉にも「クソゲーでも音楽だけは良い」という図式が見事にあてはまってしまっている。
総評
ソフト単体ではクソゲー、改善点を足せば十分に遊べるものの、それでも尚ゲームの動作面の不安定さが付きまとうなど、シムシティファンの望むものとは成りえなかった。
この作品に対するシムシティファンの反応は「無視」。仮にもPC版シムシティ最新作でありながら、攻略サイトは皆無。
その現状がファンからの評価を端的に表しているといえよう。
余談
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2ch本スレには「シムシティ4の出来を100点とするならソサエティーズは30点」とある。
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が、それ以上の内容については誰も言及しない。そもそもインストールすらまともに出来ないのだから。
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Windows Vistaでは、大抵の場合動作しない。
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改善要素を盛り込んだ状態の日本語体験版が公開されている。
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クラッシュや動作不良に苦しむことなくこのゲームの良い点を存分に味わえる。正直これで十分。
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後に拡張版『ディスティネーションズ』が発売され、新たに観光客を呼び込む要素が加わったが、すべてはあまりにも遅すぎた。
最終更新:2024年04月08日 05:57