SDガンダム GNEXT
【えすでぃーがんだむ じーねくすと】
ジャンル
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ウォー・シミュレーションゲーム
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 高解像度で見る 裏を見る
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対応機種
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スーパーファミコン
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メディア
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12MbitROMカートリッジ
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発売元
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バンダイ
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開発元
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日本アートメディア ヴァンガード
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発売日
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1995年12月22日
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定価
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8,980円(税込)
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プレイ人数
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1~4人
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判定
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クソゲー
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ポイント
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バカすぎるCPU こいつら…動かないぞ! 戦艦差別ここに極まれり 対人戦ならわりと楽しめる
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SDガンダムシリーズ
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概要
ガシャポン戦士シリーズの流れを受け継いだシミュレーションシリーズ第3弾。『新機動戦記ガンダムW』までの機体を導入している。
ユニット大量追加、さらに広大、多様になったマップ、シナリオモード導入、最大4勢力に分かれての戦闘が可能など、順当な進化を遂げた。
しかしながら、致命的な問題点が足を引っ張り、シリーズの中での評価は低い。
特徴
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これまでのシリーズと同じく、機体を生産し、進軍させていき、戦闘を行いながら敵本拠地の占領を目指す。
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機体にはレベルが設定されており、「1・2・3・ACE」が存在する。一部の機体はACEになった際に基地へ格納すると変化する。
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シナリオモード追加。
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ガンダムシリーズの一部のシーンを元に初期ユニットが配置されており、規定ターン以内にクリアを目指す。
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このモードに限り生産は行えないので、手持ちユニットを活用して攻略する必要がある。
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プレイヤー・CPU合わせて最大4名まての戦闘が可能になった。
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それに伴いマップも広くなっている。
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登場勢力も多様化。『X』では4つ・『GX』では5つだったが、本作では12勢力(データ追加で更に+1)となっている。
問題点
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非常に低レベルなCPU。本作の欠点の多くはここに集約されている。一言で言えば「頭が非常にお粗末」。
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初期配置からほとんど動かない。動いても勢力を猿団子のごとく球状に密集する作業をひたすら繰り返す。
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前作と違い、コロニーレーザーに狙われてもまったく動かない(ボス含む)。
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戦艦は艦載機の出し入れを繰り返すという無意味な行動にひたすら終始する。
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さらに艦載機を搭載しつつ特攻をかけるという自殺行為まで頻繁にやらかす(中身は行動済なので次ターンまで再出撃不能)。
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廃コロニー、小惑星などのオブジェクトを一切動かさない。
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これにより破綻する逆シャアシナリオと0083シナリオetc。折角のアクシズ落とし・コロニー落としが…。
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本作は一定の資金を投入することでTEC(技術)レベルを上げることができる。しかし、COMは自らの手でレベルを上げることを一切しないため、初期設定時のレベルより上がることがなく、長期戦になればなるほどプレイヤーが有利になってしまう。
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高額ユニット(主に戦艦)をひたすら生産し続け、常に金欠になる。
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同盟を組んでも即座に裏切る。
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宇宙(または地上)の生産拠点で、移動適性が無く出撃不可能なユニットを作って拠点の生産枠を潰す。
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一応戦術の一つとして存在する手法ではあるが、CPUは無造作にやらかすので困りもの。
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『GX』はおろか浪費癖のある『X』でも流石に適正の無い機体は(生産可能でも)生産しない。
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戦闘でも「拘束系の武器に自ら突っ込む」「脱出してもまた突っ込む」「敵を救出する」など滅茶苦茶。
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厳しすぎるユニット制限(MS/MA:60、戦艦:20、計80)。マップは広大なのに動けるユニットは少ない。
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生産系統
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存在意義の分からない「MS生産リストのパスワード」と無意味に細分化しすぎな生産レベル。
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特定のパスワードを入力すれば裏技が実行できるというのが唯一の使い道なのだが、その裏技の存在は攻略本を含めても、仄めかされてすらいない。
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サテラビューからデータを受信しないと、ウイングガンダム以外の『ガンダムW』のMSは一切ゲーム中には登場しない。
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一応、サテラビューがなくても追加データを使用できる「専用ロムパック&マップコレクション」も発売されている。
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何故か艦載数が2機に減ったサラミス。運用しづらい以前に設定無視。
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戦艦が弱すぎる。レベルを最大にまで上げた高価格ユニットでもなければ1回の戦闘にも耐えられないことが多い。
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この方がリアルでいいという擁護意見もあるが、戦艦の9割が1回の戦闘すら切り抜けられないようなリアルがあってたまるか。
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そもそもゲームに支障をきたすようなリアリティは必要ない。
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キャンペーンモードではMSの数はおろか性能差も大きいため、敵の高性能機は「戦艦に戻ったところを落とす」という戦い方が基本となる。
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いらなすぎる3D戦闘&主観戦闘。これが戦艦虐殺ゲーに拍車をかける。
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前作でも割と微妙だった対艦戦だが、本作はさらに劣化している。何故かと言うと戦艦側の弾幕数が減ったからである。前作はわりと弾幕が多めで、下手するとこちらがやられることも多かった。
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セーブデータは1つのみしか保存できない。前作では2つあったのに。
賛否両論点
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前作まで豊富だった戦闘曲は削られまくって地上、月面、宇宙のたったの3曲。
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その代わりか、フェーズテーマが前作までの5曲からチーム分の13曲まで大幅に増加した。
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しかも良曲が非常に多い。というか基本的にこれだけは外れ、というものはない。編成画面のBGMやタイトルなども結構ワクワクは出来る。
評価点
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豊富な機体数
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一応『新機動戦記ガンダムW』までを網羅しているため、機体数が非常に豊富である。
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『ガンダムW』は開発時期的に盛り込めなかったのか、先の通りデフォルトではウイングガンダムのみである。しかし、後に追加データでそれ以外の機体も追加された。『Gガンダム』は一応主役の5機体とマスターガンダムなど、それなりに機体は揃っている。
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後にこのデータが入ったメモリーパックが別売されている。そしてSガンダムなど一部のMSが差し替えられている。
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ただしこのメモリーパック、とりたてて人気があるわけでもないソフトの追加アイテムであるせいか、出回りが良くなかったのが悔やまれる。
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サテラビューではゲーム雑誌の企画と連動したオリジナルMSも追加されたが、『ファミ通』からは当時の編集長である浜村通信(浜村弘一)氏が「浜村通信」というそのまんまの名前で参戦(参照)。
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『ファミマガ』のオリジナルMSは読者公募作だったというのに『ファミ通』は…。
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因みに本作のガンダムエピオンは変形できない。
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対人戦ならそれなりに盛り上がる。
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対人戦における主な問題点は先の戦艦に関する問題点くらいであり、それを除けば戦略性を構築することは普通に出来る。
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そもそもこれまでの作品でも戦艦を前に出すものではないので、対人においてはそもそもあまり変わらない。
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機体制限など厳しい要素もあるが、そもそも対人戦をやる場合は短期決戦でないと時間がかかりすぎるため、よほど長期を見据えて広大なマップを選ぶなどしない限りは困らない。
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ちなみに生産できるユニットは加入国家によって異なる。あるいはテクニカルレベルをあげて生産機体を変更するかのどちらか。
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また、対人戦では前作における指揮官ユニットを、任意で選ぶことが出来る。指揮官ユニットは最初からレベルACEである。
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グラフィックがかなり綺麗になった。
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機体のグラフィックのディテールも上達している。『X』からの継続参戦の機体は若干モデルを使いまわしているのか古臭さがあるが、新規追加機体はわりとディテールが細かい。
総評
様々な要素が追加されたりと基本的にはかなり進化しているし、そこは評価できる。
しかし、粗が多く、しかもそのことごとくがプレイヤーのストレスに繋がる。何よりもポンコツすぎるCPUはフォローのしようがなく「これさえ無ければ」と惜しむ声が多い。CPUの劣悪さが全てを台無しにしたといっても過言ではない。
対人戦ならそこそこ遊べるという評価もある。実際のところ、不便な部分から目を逸らす事が求められるが、その点は前作も変わらないため、プレイヤー同士であれば十分楽しめる。
ただシリーズを通してそうなのだが、プレイヤー同士で行う場合はステージを絞らないと時間がかかってしまうため厳しい。
その他
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こんな出来だった為、前作『GX』がシリーズ最高傑作と呼ばれる。
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グレーな話題になるが、本作の出来に納得できなかった者たちによって一時期ネット上で改造計画がいくつか立ち上がり、実際に改造データが出回っていたこともあった。
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現在も思考ルーチンやグラフィックの改善という形で継続されている(2018年12月現在)
最終更新:2022年01月09日 12:07