重装機兵ヴァルケン

【じゅうそうきへいう゛ぁるけん】

ジャンル アクションシューティング
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対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbiROMカートリッジ
発売元 メサイヤ(日本コンピュータシステム)
発売日 1992年12月18日
価格 9,064円(税3%込)
プレイ人数 1人
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2007年10月16日/800Wiiポイント
【WiiU】2015年1月14日/823円
プロジェクトEGG:2014年11月18日/800円(税別)
判定 良作
重装機兵シリーズ


概要

  • リアルロボットアニメを意識したゲーム性、演出、世界観と、書き込まれたグラフィックが魅力の傑作ロボットアクション。
  • メサイヤが1990年に発売したメガドライブ用ソフト『重装機兵レイノス』と同一世界観の作品で、本作の時系列はレイノスよりも過去の時代の物語となっている。
    • 本作のEDで、『レイノス』のストーリーに関係した通信が入る裏技がある。

ストーリー

(説明書より引用)

2050年代、枯渇しつつある石油などの化石燃料をめぐって、世界には不穏な空気が立ちこめていた。そんな中で、欧州アジア連邦と環太平洋合衆国という、世界を2分する巨大陣営が、先を争って月面軍事基地開発を急いだ。月面の表面に建設される戦術ビーム砲が、地球表面の任意の場所を的確に攻撃できるためである。
 2101年。ついに月面での鉱石採掘利権と大ビーム砲建造に絡んだ紛争が発展し、月、衛星軌道、大気圏、陸上、そして海へと広い領域に戦火が広まっていった。環太平洋合衆国兵隊の装甲機兵小隊に所属する主人公は、1兵士として重装機兵(アサルトスーツ)AS117に乗り込み、戦火の中へ身を投じる。


特徴

  • プレイヤーはアサルトスーツと呼ばれる人型兵器のパイロットとして、宇宙・地球全7面の戦場を戦い抜く。
    • ライフ制の横スクロールアクション。残機はなく、コンティニューは3回まで(裏技を除く)。ライフはHアイテムを取ることで回復する。
    • 各ステージの開始前に任務概要と全体マップが表示され、最後に待ち受けるボスキャラを撃破する(場合によっては周辺設備も破壊する)ことでステージクリアとなる。一つのステージが複数のエリアに分かれていることもある。
  • 総じて『装甲騎兵ボトムズ』の影響が色濃い。
    • ずっしりとした着地や短時間のバーニア飛行、ローラーダッシュにパンチ攻撃など、地上戦寄りの重厚なアクション群を丁寧に描いている。
    • ただし、射撃攻撃のメインを張るバルカンとレーザーは無限弾であり、リロード時間も短いので積極的に撃ちまくれる。

操作方法

  • 十字キーで移動・射撃武器の射角調整*1、Yボタンで攻撃、Xボタンで武器の切り替え、Aボタンでローラーダッシュ、Bボタンでジャンプ・長押しでバーニア噴射、Lボタンでホールド(機体の向きと銃口の向きを固定)、Rボタンでシールドを構える。
    • 宇宙での無重力状態やブースター装着などで飛行している間は十字キーで全方向へ移動できる反面、ダッシュやジャンプ・バーニア噴射、シールドが使えない。また、右方向への強制スクロール時は機体の向きは固定され振り向くことができない。
    • 武器は初期装備で連射性能に優れたバルカンと接近戦用アームパンチ。アイテムを取得することで追尾性能のあるミサイルと貫通性能のレーザーが追加される。また、隠し武器としてナパーム(条件を満たすことで解禁)がある。
      • ミサイル以外の武器は無限弾となっており、バルカンは撃ち切るとリロードを行い、パンチ・レーザー・ナパームは時間経過でエネルギーが回復する。ミサイルは次ステージの開始時に弾数が回復する。
      • 武器にはレベルがあり(ナパームのみ条件を満たすことで解禁)、Pアイテムを取得することで現在選択している武器の性能がアップする。レベルアップに必要な個数は武器毎に違う。
      • レベルが上がる事で威力が上がるのはもちろん、バルカンなら弾が大きくなり跳弾の回数が増える、パンチはエフェクトが大きくなり、ミサイルは弾数アップと追尾性能の向上、レーザーは光線が太くなる。
      • 一部の面では武装が制限される。選択すること自体ができないため、そのエリアでは制限されている武器のレベルアップができない。
    • シールドを構えている間は武器のリロード・エネルギー回復が止まる反面、大半の攻撃に対して全身無敵となる。シールドで攻撃を受け止める必要はない。
    • Bボタンでジャンプするがそのまま長押しすることでさらにバーニアを噴射させ短時間の上昇・飛行ができる。長押しのタイミングを遅らせることで着地してから噴射しゆっくりと離陸したり、タイミングよく押すことで噴射と解除を繰り返してホバリングのような行動も可能。
    • 自機の通常移動は重量を感じさせる歩行だが、Aボタン・方向キー2度押しのローラーダッシュで一定距離を高速で移動できる。ダッシュ中も制動が利き、前方ダッシュにブレーキをかけそのまま後退する、といった動きも可能。ただし、ダッシュ中に方向転換はできない。
    • Lボタンで現在の機体の向きと銃の角度を固定することができる。これにより敵に相対し攻撃しながらの回避行動をしたり、上方に銃を向け対空射撃しながらローラーダッシュ、など戦闘の幅が広がる。
    • ポーズをかけるとレーダーが表示され、周囲のマップを見ることができる(一部の面を除く)。これにより画面外の地形がわかるため、落ちたら即ミスの穴なのかそれとも下にまだ足場があるのか、などを把握できる。
      • ポーズ中も武器の切り替えができる。戦闘しながらの切り替えが苦手なプレイヤーも安心。
    • これらのボタン配置はオプション設定により変更可能。ただし、自由にボタンを振り分けるのではなく4種類のある設定から選択する方式。うち2つは攻撃とホールドが一つのボタンにまとめられている。

評価点

  • 演出とゲーム性がかみ合ったロボットアクション
    • 本作のロボットはリアルロボットを強く意識しているため、まさに地面を這い回るようなコンセプト。しかしその不自由さが逆に、多彩なギミックを際立たせている。銃口は前方180度の方向へ自由に向ける事ができ、地上に居ながらもあらゆる所に狙いをつける事ができる。歩行は重厚でやや鈍重さも目立つものの、ローラーダッシュやバーニアが装備されているため、鈍重さだけではない機動性を持っている。他にもアームパンチやガードなどリアルロボットらしい機能があり、
      それらは全てただリアルロボットらしいギミックというだけではなく、ゲーム性と合致している。
      • ローラーダッシュやバーニアなどは、機動力を多少補助する程度。この点が機動力の使いどころを考えさせゲーム性を豊かにする。同時に過度に機敏ではないため、リアルロボットとしての色合いはむしろ強いものに。
    • さらにこの多くの機能を映えさせる演出は、本作の最大の特徴。高所からの着地時に体躯を沈めるアクション、バーニア、ローラーダッシュの制動など、機体のアクションにそれらしい重量感がある。そしてその鈍重さがプレイを妨げるようなストレスにならないレベルで調整されているのもポイント。
      • 壁、床近辺でバーニアを吹かすとブラストが巻き上がったり、整地された壁や床に弾を当てると凹んだり、排出される薬莢の挙動が地上と無重力帯で異なったりといった芸の細かい演出もアクションに華を添えている。
      • 随所でキャラクター達の通信画面が入り、世界観を一層際立たせる。ちなみにキャラクターデザインは『ラングリッサー』などで定評のあるうるし原智志。宣伝媒体などで描かれた全身なども描かれているキャラ絵は秀逸の一言に尽きる。
    • 敵もまたリアルロボットの世界観。立ちはだかるは人型兵器。正にリアルロボットの世界である。だからと言って似たような攻撃ばかりでも、そして人型兵器ばかりでもない。リアルロボットアニメに出てくるような、航空機、砲台、戦車などはもちろん、輸送機やジープなども敵として出てくる。中には生身の兵士すらいる。一方ボスキャラはボスらしく巨大兵器が多い。
  • 小惑星型宇宙要塞の地球降下作戦及び降下阻止、赤いライバル機、大気圏突入を巡る攻防など、ロボアニメ好きの心を大いにくすぐるストーリー展開。
    • 地上兵器という設定上、地上戦や迷路のようなステージが多いが、様々な特性を持った敵のおかげでマンネリ感を感じない。
    • 特殊な機体に乗った特殊な人物ではなく、量産機に乗った一般兵が主人公という設定も地味に熱い。
  • BGMも評価が高い。特に最終面での哀愁が漂うBGMは、まさに戦争ものを体現するかのような見事な出来。
  • 難易度は程よく、ある程度練習をすればクリアできるようになっている。誰でもその秀逸な世界観のラストを見届ける事ができる。
    • 前作『重装騎兵レイノス』のファンには、前作より低下した難易度に不満の声もある。
  • 本作には詳細な設定がされている。2冊出された攻略本のいずれも内容の大半はゲームの設定や世界観の解説という程。

問題点

  • 武器性能がアンバランス。特に後半で獲得できるレーザーの性能が突出している。ミサイルとアームパンチは威力こそあるものの癖の強さから必要とされる局面が殆どないに等しい上、レーザーのせいで更に霞む。
    • そのアンバランスさを逆手にとって、パンチのみで全面クリアに挑むのも面白い。かなり難しいが。
    • さらに強力なナパームという武器があるが、これは隠し武器でありどちらかというとお遊び的な意味の方が強い。
      • 実は『レイノス』でも序盤から強力な装備を得られる隠し要素があった。入手条件も両作でほぼ共通している。
  • 途中で永久に敵を倒し続けることが出来る場所があるため、スコアアタックはほぼ無意味になっている。
  • パッケージ裏に全11ステージと記載されているが、実際は7ステージしかなくボリュームが不足気味。
    • 一応EDは2パターン用意されているが、シナリオ分岐はなく一本道。
    • 実は色々用意されていたのだが、容量不足により削られてしまった。
      • 海上ステージ、もう一度宇宙へ、自機が大破し試作レイノスに乗り換える等。
  • スーファミの6ボタン全てを使う操作性には癖があり慣れが必要。
  • 『レイノス』では画面内に味方僚機が出現し、敵味方入り乱れての戦闘シーンの描写が高く評価されていたのだが、本作では基本的に味方は主人公一人しか出てこないため、少々寂しい。
    • 出撃デモや会話シーンでは同僚のパイロットも登場するのだが、戦闘画面に登場しないまま通信会話だけで戦死するキャラもいる。
    • 僚機は本作と同じスタッフが手掛けた『フロントミッションシリーズ ガンハザード』にて復活することになる。
  • 迷路のように広大なフィールドを行き来するため、プレイヤーの体質によっては酔ってしまう場合もある。

総評

陸戦兵器のリアルロボットという自由度の低いものながら、それを逆手に取ったようなゲーム性は見事。
しかもリアルロボットとしての演出とゲーム性が、絶妙にかみ合ってるのだから傑作と言う他はない。
マイナーでこそあるが、SFC時代のロボットアクションでは指折りの出来と言えるだろう。


海外版

  • 海外では『CYBERNATOR』というタイトルでコナミから発売されている。
  • 国内版との比較
    • 最終ステージでの大統領の自決シーンが無い。議会場のボス撃破後すぐに救援の通信が入る。
    • 通信時の顔グラフィックが出ない。

その後の展開

  • 2004年にPS2でリメイクされた。
    • しかし、ダメな移植として有名な作品であり色々な面で評価が悪い。詳細は個別ページを参照。
最終更新:2022年12月09日 18:46

*1 前方180度に撃ち分ける事が可能。銃口のグラフィックは9段階だが、それ以上の微調整に対応している。