ランドメーカー
【らんどめーかー】
ジャンル
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パズル
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対応機種
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アーケード(F3システム)
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販売・開発元
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タイトー
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稼働開始日
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1998年
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判定
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良作
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概要
同社の『パズルボブル』のような打ち上げ型パズルに分類されるゲーム。
プレイヤーが操作するのは画面下部の発射台で、上からずり落ちてくる色とりどりの「ピース(ブロック)」に、様々な色のピースを投げつけて拡大・消滅させて行く。
ご多分の例に漏れず、下のラインからピースがはみ出したらゲームオーバー。
本作は対CPUもしくは2P対戦を基本としており、相手からの攻撃もある。
特徴。
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システムは独特。フィールドは斜めにラインが引かれており、菱形状のピースが基本となっている。
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発射されたピースは斜めのラインに到達するとそのまま滑って行き、画面端に接触すると反射する。
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ピースは色違いのピースが発射されて隣接すると、発射されたピースに変色する。
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同色のピースの場合融合し、正方形状になると「プライズ(一つの大きな建物)」に変化する。
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発射したピースと接触したピースが角同士の場合、同色ならば消滅、異色ならば変化無し。ピースを巨大なプライズにしてから消滅させる事で高い攻撃力となる。
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相手から攻撃されるとプッシャーがせり出してくる。ピースを押し出しつつフィールドを狭めてくるので、攻撃やアイテムで押し戻す必要がある。
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消したプライズの大きさに応じてアイテムが出現する。2×2~5×5の全4種類で、ピースをぶつける事で効果を発揮する。
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2×2:アロー(矢印)。フィールドのプッシャーを一段上げる。こちらにプッシャーが無い時は相手フィールドのプッシャーを一段下げる。
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3×3:スター(星)。『パズルボブル』シリーズのスターバブルと同様、ぶつけたピースと同じ色のピースをフィールドから一掃する。
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4×4:ムーン(三日月)。フィールドにあるピースを全て、ぶつけたピースと同じ色に塗り替える。ピース密度が高い時に使いたい。
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5×5:フレア(太陽)。フィールドのピース・プッシャーといった状況を完全にリセットし、同時に大量のプライズ群を出現させる。出すのは非常に困難だが、これで出現するプライズ群を消す頃にはほぼ勝利確定の状況に持ち込める。
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キャラクターを選択する事ができ、キャラクターによって攻撃(相手へ送る色や配置)が異なる。
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使用キャラはデフォルトで8名。クレジット投入前の裏コマンド入力により、中ボス・ラスボスを含めた計10名から選択可能。
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古代中国に似た文明が舞台ということもあり、キャラクターや世界観は当時の人気漫画「封○演○」を彷彿とさせる。
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段位認定の要素があり、ゲーム終了までに消したプライズの大きさと数、そしてコンティニュー回数によって段位が決定する。
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ゲームクリア時の段位によってEDが変化。各キャラクター毎にC・B・Aの三種類が存在する。(中ボス・ラスボスは各1種類で固定)
評価点
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把握してしまえばかなり単純なシステムなので、誰にでもとっつきやすい。
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ピースの軌道は分かりやすく、『パズルボブル』のような精密な射角計算も必要としない。
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あちらでは基本的に1面のみだったガイドマーカー(軌道や着弾点を示す点線)も本作では常時表示となっているなど、ミスを最小限に抑える工夫が成されている。
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次に発射できるピースはフィールドに存在する色から選出されるため、サクサクとプライズを大きくできる(ただし下記の欠点にも繋がる)。
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対戦中のフィールド上では、ミニキャラが様々な動きを見せてくれる。集中を阻害しないレベルであり、余裕がある時に見て楽しめる。
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プライズを形成した時もその大きさに応じて異なるミニキャラが出現し、一種の目印となる。フィールドが混雑していても見落としにくい。
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巨大化したプライズを破壊した際、使用キャラのカットインと共に金属音が響き渡り中々心地よい。
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敵から攻撃を受けたり敗北した時の「やられモーション」も様々。炎や雷で黒コゲになったり、頭上から岩を落とされ気絶したりといったものが全キャラ分作り込まれている。
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特筆すべきは中ボスの「蘭嬬」。見た目は妖艶な女性で攻撃方法が誘惑術
ぶっちゃけ妲己なのだが、誘惑を受けたキャラが男性か女性かでリアクションが異なるという細かい仕様まである。
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BGMのメイン担当は渡部恭久。あまり自己主張はしないが中々カッコイイ。
問題点
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次に発射できるピースはフィールドに存在する色から選出されるため、少しでも余計な色が混ざるとその処理に追われる事態に陥りやすい。
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他の対戦パズルにも言える事だが、肝心な場面で欲しい色(所謂「ツモ運」)に恵まれないのはよくある事。
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大きなプライズを作った後に別の色がくっついて形が崩れると、アイテムの出ないピース群(1×1の集まり)にまでランクダウンしてしまうため、時には拡大を断念して消さざるを得ない状況も出てくる。
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比較的楽に作れるアローのアイテムを、不要な発射ピースの捌け口とする事である程度フォローは可能となっている。
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普通にゲームを始めてクリアすると、ランクCのEDはまず見れない。
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上記の通りEDは段位によって決定するのだが、まともにプレイすると数ステージほどでC→Bのラインを軽々と越えてしまう。
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狙って見る方法としては、まず適当なキャラでラスボス戦まで進め、EDを見たいキャラで乱入(それまでプレイしていた方は自滅)するというもの。
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本作の最大スコアは1億(厳密には9999万9999点でカンスト)だが、実はこれが狙いやすい部類に入る。
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ステージ毎の初期配置や相手の攻撃パターン次第では、5×5のプライズ(完成で100万点、破壊で更に500万点入る)は結構簡単に作れる。アイテム発動やその他諸々の攻防でスコアは更に積み重なる。
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CPU戦は最大11戦(10ステージ+ノーコンティニュークリア時のボーナスステージ)であり、敵の動きを見つつプライズを拡大する作業を徹底していけば、現実的にカンストできてしまう。
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同社の『クレオパトラフォーチュン』のようなスコアが爆発的に跳ね上がる仕様は無いため、もう1ケタ表示できていたら話は違っていただろう。
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同社の『パズルボブル』や『プチカラット』と似たような画面構成、しかも『パズルボブル』と大して変わらないルールなので、どうしても既視感が否めない。
総評
「パズルの皮を被ったSTG」と揶揄された『パズルボブル』に対し、本作はキチンと対戦パズルとしてのシステムを追及している。
しかし、タイトー直営店以外での出回りは宜しくなかった為アーケードではレアゲーとなり、どうしても知名度に劣る事になってしまった。
システム、サウンド、グラフィックともに良くまとまっているので、機会があれば是非一度触れてみて欲しい。
移植
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PS版に移植されている。安価だが数は少なく店頭では見かけない。
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上記アーケード版を移植したアーケードモードの他、指定されたサイズ以上のブロックを作っていく一人用のパズルモード、アーケード版とは異なるルールの対戦モード(対人専用)を搭載している。
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パズルモードは「土地(ステージ)を選択し、そこに街を発展させていく」という、『シムシティー』を思わせる筋書きとなっている(プレイヤーがやる事はあくまでパズルだが)。稼いだスコアは「人口」という形で表記される。
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「アーケード版の移植+α」というよりも「アーケード版も収録した新作」といった感じで、アーケードモード以外ではグラフィック・音楽が一新されており、全く雰囲気が異なる。
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アーケードは1試合ごとにロードが入るようになっているが、時間そのものは短い。せいぜい一呼吸程度。
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各EDで表示される1枚絵はACでは淡い線画のような物だったが、PS版ではそれらを元により鮮明な絵に描き直されている。
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ゲームアーカイブスにてPS版が600円で配信されている。興味があればプレイしてみよう。
最終更新:2024年07月14日 19:03