スーパーR-TYPE
【すーぱーあーるたいぷ】
| ジャンル | 横スクロールシューティング |  裏を見る
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| 対応機種 | スーパーファミコン | 
| 発売・開発元 | アイレム | 
| 発売日 | 1991年7月13日 | 
| 定価 | 8,500円(税抜) | 
| 配信 | バーチャルコンソール 【Wii】2007年1月29日/800Wiiポイント
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| 判定 | 良作 | 
| R-TYPEシリーズ | 
 
概要
1989年にAC(アーケード)版として発表された『R-TYPE II』のSFC移植版。
とはいえ、要素全体の半分以上が差し替えという大幅なアレンジが施されており、実質リメイクに近いものとなっている。
AC基板とのスペック差の他、原作そのままでは当時の家庭用向きには色々問題がある(超絶難度や一部アレなボス等)と見做されたのであろうか?
『II』からの変更点
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ステージとボスがかなり差し替わっている。
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原作6面のうち3面分は新規といってよい状態になった。
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更にオリジナルステージが1つ追加され全7面になっている。
 
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AC版で凶悪な強さを誇っていた4ステージボスのライオスの大幅弱体化、5ステージの増設工場の削除、敵の弾の量や耐久力の減少等、要所要所で難易度緩和が図られている。
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扱いにくかった新規レーザー(緑、灰色)も変更・調整された。
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緑は「サーチレーザー」ではなく、複数の光弾が縦並びで飛ぶ「スプリットレーザー」に変更。威力・攻撃範囲のバランスが取れた使い勝手のいい武器。
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灰色の「ショットガンレーザー」は爆風が大きくなりこちらも使い易くなったが、ゲーム中に二回しか登場しないレア武器に。
 
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拡散波動砲のゲージの溜まり方が若干違う。
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耐久力は低いが弱点露出が短いといったボスが増え、シリーズの中でもタイミング取りの比重が高い。リスクは高いが、タイミングによっては拡散波動砲一撃で倒せたりする。
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スーパーファミコンのボタン数を活かし、フルオート連射のボタンが追加された。
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キーコンフィグ機能は無いが、Rボタンがフォース脱着になっている等、SFCパッドの持ち方に沿った妥当な割り当てになっている。
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連射ありのボタンと無しのボタンは以降の作品でも分けられている。
 
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本作の2周目はEASY難易度以上で突入となり、1周目における設定難易度の一段階上でスタートするという仕様になっている。HARDで2周目に入ると、専用の難易度PROでスタート。
評価点
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大幅アレンジによって原作より万人向けの難易度になり、遊び易くなった。
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デフォルトの難易度がEASYであることも大きい。2周目がそのままNORMAL難易度であるため、2周目をある程度戦える腕が付いていればそのままNORMALへステップアップもできる。
 
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原作で評価が散々だった新武器も、使い易いものになった。
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緑は赤と比べると連射性は劣るものの攻撃範囲で大きく優り、威力も十分なのでかなり使いやすい。道中での出現量も多く、プレイしていてお世話になる場面は多いだろう。
 
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BGMは全編に渡ってブラスセクションやオーケストラヒットを多用した大胆なアレンジが施され、R-TYPEシリーズの中では他に類を見ない異彩を放っている。
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ボス曲は一作目からのアレンジとなっているが、副旋律にAC版IIのボス曲を使用している。
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旧作からのアレンジ曲も独自のアレンジが施されているが概ね好評。スタッフロール曲はズバリ『R-TYPE MEDLEY』であり、本作までのR-TYPEシリーズの集大成的な雰囲気も強い。
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本作の楽曲への拘りはスタッフロールに全曲の曲名リストが載せられているところからも窺える。ただ気合いを入れすぎてやや暴走気味のところも……(後述)。
 
賛否両論点
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ボス戦のゲーム性の変更
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本作のボス戦では概要欄の通りSFCへの移植に伴い拡散波動砲の使い方に比重が置かれる仕様に変更されているが、ボス戦での基本的な立ち回り方が前作及びAC版とまるで異なる事から過去作の経験者ほどボスで出鼻を挫かれやすいと言えるだろう。
 
問題点
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初期のSFCシューティングということもあり、処理落ちが結構激しい。AC版ユーザーからはこれについてかなり不満が聞かれる。
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復活ポイントが存在しない。ボス戦まで進んでいたとしても、ミス後は強制的にステージ最初から。パワーアップして進められるのはいいが、ステージ終盤でのミスが続くとだるい。
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個々の楽曲はゲーム内容から想像もつかないほどの長さを誇り、サウンドテストを用いなければ全尺を堪能する事が出来ない物もある。
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ステージ1のBGMは特に人気が高いが、半分ほど流れたところでボス戦になってしまう。
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コンティニュー画面のBGMに至っては1ループ16分以上の長さがあり、物好きかあるいは曲名『70'S BLAST ROCK OF ALL NIGHT SHAKING HEADS RADIO CONDITION 16 45』から推理するでもなければその事には気づかないだろう。
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但し、これらの曲については作曲者の冷牟田卓志氏がサウンドトラックのインタビューで「音の隠しステージ」と語っている。
 
 
総評
原作『II』がやや厳しい評価を浴びた作品だった事もあって大幅アレンジがなされた結果、万人向けの難易度になった。
余談
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本作仕様の自機は『R-TYPE FINAL』にて『II』のR-9cの派生機体であるR-9Kサンデー・ストライクとしてリファインされている。一応本作は無かった事にされていないらしい。
最終更新:2025年08月26日 17:12