The Sims 3

【ざ しむず すりー】

ジャンル シミュレーション


対応機種 Windows XP/Vista、Mac OS X
発売元 エレクトロニック・アーツ
開発元 The Sims Studio
発売日 2009年6月4日
定価 5,460円
判定 なし
ポイント シームレスにより街全体をシミュレート、
よりリアルになったシムの生活
シリーズ最大のやりこみ要素
The Simsシリーズリンク


概要

人生をシミュレーションする革新的なシリーズの第三弾。
今作の開発はMaxisの直下に作られた、『ザ・シムズ』シリーズ開発専門の独立チームであるThe Sims Studioが担当。尚、生みの親であるウィル・ライト氏はノータッチ。

本作の特徴

  • ムードレットの追加
    • 欲求メーターの他に「ムードレット」という概念が追加された。
      シムの気分を現すものであり、アクションによって「楽しい」、「興奮」、「怒り」といったムードが発生する。
    • 前作までは欲求メーターの平均で気分の良し悪しが決まっていたが、本作ではムードレットによって左右される。
      その為、多少欲求メーターが低くとも、美味しい料理を食べて幸せな気分になる事で帳消しが出来たり、仕事前にテレビを見てテンションを上げるといった遊び方が可能。
    • 欲求メーターが低下すると強力なマイナスのムードが発生する為、それまでのプレイ感覚も引き継いでいる。
    • 前作までに存在した「心地よさ」と「環境(部屋)」の欲求はムードレットに吸収される形で削除された。
      内装を豪華にするとプラスのムードが働いたり、安物の家具を使うと、使い心地の悪さからムードが悪くなるといった形で表現されている。
    • 恋愛に関しても、少しずつアクションを施して情熱的にするなどのムードにしなければ進展しづらくなった。
      • 前作までは好感度さえ高ければ、いきなりキスをして…という塩梅だったのでリアルな傾向になった。
      • ただし、一部の「特質」を持つものはいきなり交際や結婚を申し込んでもOKすることがある。
  • 箱庭ゲームになり、町と自宅をシームレスで切り替えできるようになった。
    • 自宅から公共施設に移動すると長いロードが挟むようになっていた前作と違い、一度の読み込みで全ての場所にシームレスで移動できるようになった。また箱庭ゲームになった為、町を自由に散策することが出来るようになっている。ホームレス生活といった特殊の遊び方も出来るほど自由度が抜群に上がった。
      • ジョギングするシムにセンタリングする事でシムと一緒にジョギングしているかのような感覚になれる。また、天気や時刻によって様々な風景の変化が起こるようになっている。
      • 他のキャラクターの家を直接訪問したり、寝泊りする事ができるようになった。ちなみにこれは前作で搭載予定だった機能のひとつである(もうひとつは四季の概念だが、今作では拡張パックにて実現されている)。
    • 外出中に出勤時間になった場合、直接職場に向かうことも出来るようになった。また、職場で直接就職出来る為、好きな仕事に就きやすくなった。
      • 職業が「教師」なら子供達と一緒に学校に入っていく姿が見える為、今まで以上に職業らしさが表現されている。
    • 街の施設に「図書館」や「スポーツジム」が登場、家に運動器具を買わずとも身体を鍛える事が出来たり、本によるスキル向上を図る事が出来る他、他のシムとの出会いの場にもなりうる。
    • 「市役所」や「劇場」も登場、氏名を変更したり、スキルのレッスンを受けることも出来る。
    • シームレスの導入により、街全体に同時に時間が流れるようになり、「出かけている間は家の時間が経過しない」、「出勤しているはずのシムが町で遊んでいる」といった矛盾が無くなった。
  • キャラクター作成のシステムが一新
    • 数種類のステータスにポイントを振るだけだった前作と違い、数十種類もの「特質」を自由に組み合わせることでキャラクターの個性を作り出せるようになった。「特質」は精神面、肉体面、社交面、生活面の四つのカテゴリーに分けられており、例えば「正気でない(Insane)」を持つキャラクターはスーツでプールを泳ぐと言った奇行に走ることも。
    • 好きな色や好みも決める事が出来るようになった。好物を食べると喜ぶアクションが入ったりとより個性的なシムが作れる。
  • チャンス(サイドクエスト)の要素の強化
    • 前作では仕事中に時々文章で選択肢が与えられ、どちらかを選ぶとランダムでボーナスが貰えたりしたが、今作では「ケーキを焼いて○○の家に届けろ」や「スポーツに関する本を5冊読め」など、よりバラエティ豊かになった。
      • これらのサイドクエストは仕事の昇級に関わる為、これまで味気なかった昇級という作業に少しアクセントが加えられた。
    • 昇進に関係ないチャンスも発生することがあり、特殊なアイテムがもらえたり、死人を復活させるといったチャンスも存在する。
  • 職業の強化
    • 「医者」なら急患で呼び出されたり、「泥棒」なら逮捕されて警察署に抑留されるといった職業によっては特殊なイベントが発生するようになった。
    • 昇進に関しても、他の家の調査を行ったり、特定の本を読破するといった条件が課され、単純にスキルをあげていた前作よりも表現がリアルになった。
      • それまでのシリーズでは仕事の昇進に「特定の数の友達が必要」という仕様だったが、本作では「同僚との関係の改善」となっており、より自然な形になっている。
    • アドオンの追加が必要となるが、「消防士」や「探偵」など、直接、シムを操作して働く職業も追加された。
    • 自営業の概念が追加された。絵画を売る事で生計を立てていたシムも市役所に申請する事で「無職」ではなく、「画家」や「農家」として扱われるようになった。お金を稼ぐことでランクも上がり、表彰される。
      • 町には「委託販売所」が追加され、自分で作った絵や野菜等を委託する事が出来る。高値で売れたり、中々売れなかった品をやむなく引き取るといった事も。
    • 仕事中の態度も指示できるようになった。気分を犠牲にして「一生懸命」に仕事をしたり、評価を犠牲にして「サボる」等、様々。
  • 収集要素の強化
    • 街中の至る所に「植物の種」、「鉱石」、「昆虫」といったオブジェクトが落ちており、拾うことが可能。
    • 植物の種は植えることでその植物を育てることが出来、鉱石は売ることでお金にすることも出来る。拾ったアイテムは図鑑に登録されるので収集する楽しみがある。
    • 所持している「昆虫」は配置する事で飼う事が出来る。シリーズ恒例のゴ○ブリも今作では「昆虫」扱いとなり、名前を付けて飼う事が出来る。
    • 「2」の拡張パックから続投した「釣り」も釣れる魚の種類が大幅に増加。
  • スキルの細分化
    • 「身体」、「技術」といったスキルはより細分化され、非常に多くのスキルが存在する。(スキルは1レベル修得するまでは表示されなくなった)
      • 単純なメーターだけではなくスキルによって特定の条件を満たすことで特典が得られることがある。
        例えばスポーツスキルではジョギングを行った時間が累積され、一定の距離を走るとマラソンランナーになり、寿命が伸びる。
        また、筋トレを行うことでもスポーツスキルは伸びるが、筋トレを続けることでボディビルダーになって疲れにくくなるという特典も存在し、一つのスキルをとっても様々な個性がある。
    • これにより、一人で全てのスキルをマスターする事が非常に難しくなり、シムそれぞれの個性を出しやすくなった。

評価点

  • 要求スペックの低さ
    • 普段あまりゲームをしないライトユーザーもプレイできるように、あまりPCスペックを要求しないのが特徴。2009年発売だが、Pentium4 2.0GHzのXPで動作する。
  • グラフィック・キャラデザの進化
    • 全体的にグラフィックの質が上がり、キャラクターのデザインは良い具合にリアルになった(初代と『2』の中間ぐらい)。カートゥーン風にある程度デフォルメされた前作と比べさらに表情豊かになり、美人やイケメン、壮年も作りやすくなった。
    • また体型のバリエーションも増え、ゴリゴリのマッチョや極端に太っているキャラクターを作ったりする事もできるようになった。
      • アップデートにより男性ユーザー待望の女性シムのおっ○いスライダーも実装された。
    • 服装のカスタマイズ性も上がっており、服装の一部分の色や素材の質感まで非常に細かくカスタマイズする事が出来る。
    • 町の表現も上がっており、近所の家が見えるのは当然として、そこら中の風景も非常に作りこまれている。また、水の表現力があがっており、海や湖が現実さながらのリアルな表現になっている。
    • また、特定の時間が来たらいきなり夜になるのではなく、時間の経過により段々と暗くなっていくといった現実に似た表現にもなった。
  • システムのシンプル化
    • キャラクターの状態を表す欲求ゲージの種類が減り、また回復しやすくなった。スキルを習得する為に必要な時間が短縮されたり、仕事の昇級のペースが上がったりと全体的に遊びやすく、簡単となった。
  • 音楽は相変わらずクオリティが高い。
    • ちなみに前作とは作曲家が違う。
  • ソーシャル機能の強化
    • 最初はFacebookの連携などに留まったが、追加コンテンツなどで自分のシムが他人のプレイ画面にNPCとして登場してコンサートを開くなどといった要素も追加されていった。
  • カスタムコンテンツ
    • ゲーム中でも専用クライアントでシームレスにダウンロード追加できるようになりPC知識に乏しいプレイヤーでも導入が容易になった。
    • EA側で制作している有料コンテンツがあり、これらの種類も豊富で家の建材や家具やアバターパーツ多岐に渡る。
    • ユーザメイドのカスタムコンテンツの配布についても専用の投稿サイトは強化され、カスタムコンテツの作者にも便利になっている。
  • 生活がよりリアルになった
    • 今作では料理を作る際に「卵」「トマト」といった「食材」が必要になり、スーパーで買う必要がある。(今まで通り、お金を払って即座に手に入れる事も可能)
      その為、植物を育てたり、魚を釣ったりする事で「食材」を入手する事で食費を無料化し、自給自足をする事もできる。
    • また、子供を出産をする際はちゃんとタクシーで病院に向かい、病院内で出産し、赤ん坊を連れて出てくる等、より現実世界に近くなった。(コマンドをキャンセルして家で産むことも可能)
  • オプションの豊富さ
    • シムの加齢のオン、オフ、寿命の長さの設定等がゲームオプション内で変更できるようになり、さらには成長形態の期間も細く設定出来る(子供の期間を短くして大人の期間を延ばす等)。
      これにより、人生を好きな長さで遊ぶ事ができる。

問題点

  • 開始時のロードが長い
    • ゲームが開始されるまでのロード時間が非常に長い。あまりにも長さに、アップデートによってロード中にオブジェクトを探すミニゲームが追加されたが、それでもかなりの長さを感じる。
      • 一度ロードが終われば以後はシームレスでロード時間なくプレイできるので快適だが、バケーションなどの別マップに移動するアドオンが加わった場合は何度も移動する事になるため、煩わしい。
  • バグ
    • 細かいバグが多く、パッチでかなり改善されたものの、一向にバグフィックスされないものも存在する(「カスタム音楽が使用できない」など)。
  • 町をデザインすることができなくなった。
    • 前作のように自由に建物や施設を建てる事が無くなり、予め用意されたマップでプレイする事になる。また改築モードの使い心地も劣化してしまった。
    • おそらく今作の最大の問題点であり、批判の対象となっている。一応、デフォルトのマップのデキが良く、無料で新しいマップをダウンロードできるのが救い。
      • 現在は公式で配布されているツールで地形から町並みまでデザインする事が出来るようになってはいるが、ハードルは高い。
  • 公共施設の中を覗けなくなった。
    • これまでのシリーズではショッピングモールやレストラン内でも操作できるようになっていたが、今作は一旦キャラクターがそういった施設の中に入るとプレイヤーは一切干渉できなくなった。
    • ただし例外として、図書館といった一部の施設ではこれまで通りキャラクターに指示を出す事ができる。
  • 評価点として挙げられているシムの新しい容姿のデザインを改悪と捉えているファンも少なからず存在する。
    • 子供世代で可愛い顔に調整すると成長後にとんでもない顔立ちになる度合いが前作より遙かに酷く、上の世代で美人・美男にした状態で子供に変換すると総じて野暮ったい顔になってしまう。
    • その他、前作ではできていた眉の形の調整などが一部出来なくなっている、全体的に骨太で野暮ったい顔立ちになりやすい等の問題も。
  • 町の進行を有効にするとシムが失踪することがある。
    • 自分が操作していないシムも自動で結婚、昇進などのイベントが起こるようになるが、勝手に失踪して以後、登場しなくなる事がある。
    • アップデートによって一度操作したシムには失踪防止フラグが立つが、それ以外のタウニーなどは容赦なくいなくなる。
      • その他、子供が早死にしやすかったりと何かと問題が多い。
    • 町の進行をオフにすればすればで、全く何も進行しないまま年をとるので、老人になっても結婚もできずに、仕事のランクは最低のままといった事も。
    • 結局は進行なし、時間の経過なし、に落ち着く。
  • アドオンや追加パックの数が多い為、揃えるのにお金がかかる。
    • あらたな機能を追加するアドオンの数が11パック、アイテムを追加する追加パックだけで10個も存在する為、全部買うとなると『Sims3』だけで20個を超えるパッケージを揃える事になる。
      その為、ゲームの全貌を把握することが前作までよりも大変である。
    • また、店頭販売によるパッケージ売りはされていない為、Amazon等から入手する必要がある。
      • 次回作同様、「Origin」でも購入する事ができるので、今からプレイするにはこちらの方が良いかもしれない。
  • メモリが容量不足になったり、何世代もプレイしてセーブデータが肥大化すると、「エラーコード12」が発生し、セーブができなくなってしまう。これが起こってしまった場合にはゲームを終了するほかない。
    • これを防ぐためにはツールを導入したり、メモリを増設する必要がある。

移植作

  • 【PS3/Xbox360】
    • 「無印」、及び、いくつかのアドオンの要素を加えた「ペット」が発売。
      アレンジ移植されることが多いシムズシリーズの中では珍しくそのままの移植である。
      ただし、シームレスがカットされていたり、時間の経過が遅いという問題があり、快適なプレイには向かない。
      また、セーブに関するバグも多いので注意。
  • 【3DS】
    • 本作をそのまま移植する事は不可能なので大幅に変更が加えられたアレンジ移植となっている。
      本作を象徴する要素はムードレットぐらいしか存在せず、全体的な内容としては、「シムピープル」にかなり近い。
      東日本大震災の影響で発売日が延期された経緯を持っている。(ゲーム内で地震を起こすといった要素が存在していたため)

総評

  • 今作のシステムが根本的に受け付けないユーザーも少なからず居る為、賛否両論あるゲームとなった。
    発売当初は前作からの要素の削減やバグの多さから否よりな印象を受けていたが、アップデートとアドオンの充実により、前作、前前作に負けない完成度になった。
    最終的に「ペット」や「バケーション」等の前作までのアドオンのカバーに加え、遺跡の探索や、探偵、乗馬などといった新たな要素も加わり、遊びきれないほどの自由度を実現し前作までとは異なる本作特有の路線を切り開いた。

後の展開

  • 2014年に『The Sims 4』が発売されている。
    • 路線的にはおおむね本作と大差ない内容である。
      ただし、『2』の仕様に後退した部分があったり、本作で本体に含まれていた要素がDLCで別売になったりしている。
      • 本作のシームレス移動から、移動画面を経なければならなくなった仕様変更は特筆すべき大きな変更点である。