シムピープル(原題:The Sims)

【しむぴーぷる】

ジャンル SLG
対応機種 Windows
発売元 Electronic Arts
開発元 Maxis
発売日 2000年
定価 オープン価格
判定 良作
シムシティシリーズリンク


概要

架空の生物「シム」の街を築いていく箱庭ゲーム『Sim』シリーズの集大成として出されたソフト。
それまでも『シムシティ』内では都市の住人として「シム」が登場していたが、本作では満を持して「シム」の生活をシミュレートするいわば人生シミュレーションといえる内容となっている。
プレイヤーは神の視点から時にはシムに指示を出したり、見守ったりしながらシム達が快適な生活を送れるように導く。
また、ユーザーが自由にオブジェクトやスキンを作成・配布可能という点も受けて大ヒットにつながった。

原題は「The Sims」だが、日本では『シムピープル』というタイトルで発売されている。
2000年に本編が発売し、その後7つのアドオンソフトが追加リリースされ、それらを整理する意味で、完全版もリリースされた。

2000年から2005年までの間だけで2.000万本という驚異的なセールスを記録したゲームである。

特徴

  • 最初にシムの世帯*1を作成し、もともとある家を借りるか、自分で家を設計するなどをして、住まわせる。
  • プレイヤーはシムに指示を与えながら生活をさせる事が目的となる。
    例えばお腹が空いているシムがいたらそのシムを選択した後、「冷蔵庫をクリックし、食事を取る」という指示を出す事で食事を取らす事が出来る。
    しかし、シムにも機嫌があるので必ずしも従ってくれるとは限らない。
    • 一定時間、命令がなかった場合、シムは自分の意志で行動を取る*2ので放っておいてもそれなりに生活を送ってくれる。
    • シムは人間によく似ているが、「シム語」と呼ばれる英語に似た独特の言語を話し、何を喋っているかは意図的にぼかされている。
      • しかし感情豊かで怒号や爆笑を交え、オーバーなリアクションを取るので想像の余地がある。また、助けが欲しい時などは積極的にプレイヤーに訴えかけてくる。
  • 家に置いてある家具の価値に合わせて定期的に請求書が送られてくる、現実世界で言えば家賃や、光熱費といったところ。
    期限内にお金(シムオリオン)を払わないと回収業者が来て、家具を持って行ってしまう。当然、高級な家になるほど請求額も高くなるので豪邸に住むにはある程度の定期収入が必要になる。
  • 請求書の支払いや家具、シム自身の食事等を買うにはお金が必要であり、基本的には大人のシムが新聞から仕事を探して職につけてお金を稼ぐ事になる。
  • シムには「空腹」、「衛生」、「社交」、「便意」、「心地よさ」、「楽しさ」、「体力」、「部屋」といった欲求メーターが存在し、「部屋」以外は時間の経過で下がっていく。
    • 「空腹」は冷蔵庫からお金を払って取り出す食事で、「衛生」は風呂かシャワーで、「便意」はトイレを使うことで、「社交」は他のシムと交流する事で回復させることが出来る。
      欲求メーターが低いと、シムは機嫌を損ねてしまい、プレイヤーからのアクションを拒否したり、他のシムに八つ当たりをするといったネガティブな行動を起こすようになる。
    • さらに欲求メーターが下がりすぎてしまうと様々なデメリットが起こる。「便意」の場合はお漏らしをしてしまう程度で済むが、「空腹」の場合は餓死・「衛星」の場合はハエに集られて死ぬといった深刻な症状が起こることも。
  • その他にも「スキル」が存在し、勉強する事で「料理」や「技術」、「創作」といったパラメーターを上げ、昇進の助けになる他様々なメリットが得られる。
    • 「料理」が上手だと「空腹」の回復度が上昇する他、火事になる危険性が減る
    • 「技術」が高いと、壊れたオブジェクトを安全に直す事が出来る(低いと感電して死んでしまう事すらある)
    • 「創作」が高いと、イーゼルで描いた絵を高値で売れたり、ギターを使って他人を喜ばせることができるようになる。
  • シムは他のシムと交流することで友人や恋人になる事が出来る。異性にかぎらず、同姓でも恋愛は可能。うっかり、おっさん同士のシムが手を握ってハートマークがついてしまう事も…
    • もちろん、浮気も可能。しかし、自分の恋人がいる前で恋愛アクションを実行するとバレてしまい、修羅場になってしまう。
    • 仲良くするばかりではなく、徹底的に侮辱して敵対し、喧嘩を繰り返す事によって、シムを町から追い出すことも可能。
  • 恋人へのプロポーズを成功させる事で結婚も可能。結婚後はキスをする事で子供が出来る場合がある。
    • 今作では赤ちゃんから子供へ成長する事はあるが、大人へは成長しない*3
  • シムに寿命は存在しないため、シムシティと同様に最終的な目的はなく、飽きるまであらゆるプレイが可能。
    • 寿命死こそ存在しないが、アクシンデントによる死亡(餓死、感電死、病死、焼死)等は存在するのでシムが死んでしまった場合はプレイヤーの責任によるものが大きい。
    • プレイしている世帯のシムが全員死んでしまうなどしていなくなった時がゲームオーバー。(滅多に起こりえないが)
  • アドオンソフトを導入することで、ガーデニングやペット、バケーションなどの要素が追加され、より楽しめる。

評価点

一人ひとりの人間の人生に介入でき、幅広い楽しみ方で楽しめる~

  • シム一人ひとりに個性があり、プレイヤーは神に近い視点で彼らの生活に仕事・恋愛・娯楽あらゆる要素に介入できる。
    • シルバニアファミリーやリカちゃん人形などを使ったおままごと連想するとお分かりいただけるだろう。
  • シムの引っ越しや死亡もダイレクトに近所に反映されるため、街中の奥さんを寝とって自分の家に住まわせたり、パーティと称して集まったシムを謀殺して近所の住民を整理するといった悪いプレイも出来る。

キャラクターはAIにより個々の性格に従った行動を取るので眺めているだけでも面白い

  • 操作してないシムやNPCはあらかじめシムに与えられたパラメーターにそって自由に行動する。ジゴロや悪戯好き、潔癖症など千差万別の行動をとる
    • きれい好きなシムは何をするにも必ず手を洗う程の潔癖症だが、不潔なシムはトイレで用を足した後も流さなかったり、シャワーを浴びると何故か尿意が回復するなど妙な所がリアル。
    • 陽気なシムは時折、他のシムを脅かす事があり、同じく陽気なシムだとジョークと受け取って喜ぶが、気難しいシムの場合、ガチギレして関係が悪くなるなどシムにも絶妙な相性が存在する。
    • 大人数の家族を操作する時も、勝手に動いてくれるためある程度の負担の軽減になる。

カスタマイズ性の高さ

  • 建物の構造から家具の設置まで一からできる為、本編よりこちらにハマってしまう人も多い。
  • 自分の家を再現するもよし、理想の豪邸を作るもよし、発想次第でビックリハウスだって作ることもできる。
    • プールや暖炉といった実際の生活では中々買う事が出来ない家具も設置出来る。

ユーザーメイドのオブジェクトやスキンや外部データの追加が可能

  • カスタムオブジェクトを入れることで本編にはないデザインのカスタムハウスを作ったり、通常では実行できないコマンドも導入することが可能。
  • ユーザーメイドのオリジナルスキンを導入する事で自分の好きなキャラクター同士を住まわせて生活させたり、交流させることができる。
    • ガチャ○ンのご近所にハ○ヒを住ませたりするなんて事も可能。ユーザー有志の手によって数多くのキャラクタースキンが作られている。
    • さらにスキンだけではなく、シムたちの動きも(慣れれば)自分で作ってしまうことも可能。スキンや建築と組み合わせれば、それこそ楽しみ方は無限大。
  • ブログや動画サイトのリプレイも現在でも活発に行われており、それに感化されて購入する人も多い。

タウニーの存在

  • ユーザーが作成したシム以外にタウニーと呼ばれる自動生成されるNPCも存在し、結婚する事で家族にする事もできる。
    ただ、容姿が上記のユーザーメイドのスキンも含めてランダムに生成されるため
    ガチャ○ンの身体をして顔がガ○ダムといったカオスなシムが生成される事もあり、笑いを誘う。

BGM ^

  • 建築・購入モードのBGMがつい本編を止めて聴きたくなるくらい良い。|

問題点

仕事上の難点

  • シムが仕事に出かけると、プレイヤーが介入する事が出来なくなり、シムが帰って来るまで待つだけになる。
  • また、仕事に休みが存在せず、出勤をサボると仕事の評価が落ちる他、2日連続でサボると必ずクビにされる等、後のシリーズに比べると色々と厳しい。
  • 昇進する為の条件を整えても昇進できるかは運次第であり、運が悪ければいつまで経っても昇進出来ない事も多々ある。
  • 仕事を最高ランクまで昇進すると勝手に転職されてしまう為、安定した収入を得たければ一つ手前で止めておく必要がある。

シムの難点

  • シムは基本的に成長しない。後のシリーズでは寿命と成長の要素が導入される。アクシンデントで死なない限り不死身ということでそれが良いというプレイヤーもいる。
    • また、子どもを産むことは可能だが、遺伝の概念が存在しない為、親に全く似ていない子どもが生まれ、感情移入しづらい。

AIの難点

  • シムのAIが細かい点で悪く、シム同士で道を塞いだりすると片方が途中でアクションを中断してしまう場合もしばしば。
    • 夜中にトイレに起きた際にお腹も空いていたらトイレよりも食事を優先して取る為、いい年した大人がしっかり命令しないとおもらしを頻発するハメになってしまう。
    • また、AIは同居人のトイレ中や入浴中を認知しないため、関係の薄いシム同士を住まわせると風呂やトイレを覗かれた事による怒号がそこかしこに響き渡ることになる。

社交の難点

  • 社交的なシムの場合、欲求メーターの「社交」の減りが早く、すぐに機嫌が悪くなってしまう。
    「社交」の回復には他のシムとの交流が必要であり、一人暮らしの場合は他のシムに直接来てもらうか電話で話をする必要があるが
    時間帯がマズイ(仕事中か深夜)と怒られてしまう他、話が合わないとすぐに電話も切られてしまう為、回復が難しくなっており、扱いづらい。
    その為、「きれい好き」や「陽気」等に比べると「社交的」なのはプラスにならず、むしろマイナスになってしまっている。
    • アドオンの「ペットライフ」を導入すること飼う事が出来る犬(ネコ)と交流することでも「社交」が大幅に回復するという救済処置はある。
    • 次回作以降ではこちらの「社交」が回復し切るまで延々と電話が続くようになったので、「社交が早く減る=他のシムとよく電話出来るので仲良くなりやすい」という調整がされた。

初見殺しが存在する

  • 特に初心者がはまりやすいのは部屋を上げるのに買う絵画で一番安い「悲劇ピエロ」の絵を買ってしまうと、住人の機嫌が悪くなった際にどこからともなくピエロがやってきて生活を妨害してくるというもの。
    • 絶えず身の回りで嘆かれてうるさい上に眠れなくなるので体力が回復できずにあらゆる欲求が下がっていく、特に一人暮らしの場合はドツボにはまりやすい、という完全な罠アイテム。クラウンキャッチャーに頼むか、絵画をわざと焼くことで始末は可能。
    • また、ハムスターを飼って噛まれると病気になって死んでしまう。これもハムスターの絵を買って同じ部屋に飾ることで回避できるが、気づきづらい。
  • 当初、これらのアイテムは無料ダウンロードコンテンツとして配信されており、知らずにダウンロードしてこれらの罠にハマってしまうユーザーが続出した。「完全版」ならばプリインストールされている。

その他の問題点

  • 店舗経営ができない。その点はユーザーからも惜しまれ、Sims2にて実現する。
  • 快適にプレイできるかどうかは個人の所有するパソコンのスペックによる。
    • スキンやオブジェクトを次々と足して行ったり、アドオンソフトを追加インストールすることによって、環境によってはゲームの起動に10分以上かかる場合もある。
  • ユーザーメイドのオブジェクトを足していくことによって、フリーズや強制終了してしまうことがある。しかし当然ながらElectronic Artsはユーザーメイドのオブジェクトに対して何かをしてくれるわけでもなく、どう対処するかはユーザーに任せられてしまう。
  • 他のシムの邸宅に遊びに行けない。NPCのシムとの交流は、自宅の敷地か公共地区でしか交流できない。散歩中にフラッと立ち寄って来る等のシチュエーション等も出来ない。
    • 一度面識が出来るとNPCのシムは自宅へ電話に呼ばないと現れない。
    • 2以降では近所のシムの邸宅にお邪魔できるようになっている。

総評

究極の箱庭ゲームシリーズの初代にして金字塔。自由度の高さ、自分で作る喜びなど、楽しみ方は様々。
パソコンのスペックによって快適にプレイできるかどうかが決まってしまう点が難点だが、現在でも高い人気を誇っており、発売から10年以上経った今も新規購入・オブジェクト配布が行われている。

余談

  • 2015年現在は第四シリーズまで出ているが、本作を新品での入手はほとんど不可能。
    • Amazonなどを見れば分かるが日本で発売されたすべての拡張がセットになった完全版3までもがプレミアが付いて非常に高額。
    • ただし海外で発売されているThe Sims: Complete Collectionは同等の内容で非公式ながら日本語化もできる(元々世界向けにローカライズされている)。購入の際には検討してはどうだろう。
    • シムシティ4 デラックス』のマイ・シムモードへのコンバートに対応しており、本作のシムを『シムシティ4』の都市に住まわす事が出来る。

移植作

  • 家庭用のゲーム機にも移植されており、PS2では「シムピープル お茶の間劇場」「ザ・シムズ」「ザ・アーブズ シムズ・イン・ザ・シティ」が発売されている。
    • 初めての移植作となる「シムピープル お茶の間劇場」はグラフィックがフルポリゴンにパワーアップし、ステージクリア式の「ストーリーモード」や
      2人同時プレイ(協力プレイ、対戦プレイ)といった要素が追加されたアレンジ移植となっている。
      アドオンやスキン等の拡張こそ出来ないが、自由度の高い生活や建築モードは健在であり、シムズシリーズの入門に相応しい作品になっている。
      • 難点としてシムの名前に日本語が使えないため、違和感のある名前でプレイすることになる
      • 余談だが、ジャンルが「お茶の間 RPG 」となっている。中身は本家同様のバリバリの人生シミュレーションであり、シムが武器を使って戦ったりするわけではない。
        シムがお茶の間の生活を演じるという意味でRPGの広義では間違っていない為*4よりは納得出来る。
      • シムが武器を使って戦うゲームは後に本当に発売された。