このページは『トゥームレイダー: レジェンド』(判定なし)と、シリーズ初代のリメイク『トゥームレイダー: アニバーサリー』(良作)の2作品を紹介しています。
トゥームレイダー: レジェンド
【とぅーむれいだー れじぇんど】
ジャンル
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アクションアドベンチャー
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対応機種
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Xbox 360 プレイステーション2 プレイステーション・ポータブル Windows 2000/XP
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発売元
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【360/PS2/PSP】スパイク 【Win】ズー(日本語版販売)
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開発元
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Eidos Interactive Crystal Dynamics
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発売日
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【360】2006年10月5日 【PS2/PSP】2006年12月7日 【Win】2007年9月28日
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定価
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【360/PS2】7,140円 【PSP】5,040円 【Win】オープンプライス
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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廉価版
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【Win】Best PRICE 2009年5月22日/3,990円 【PS2/PSP】Spike the Best 2009年8月27日/2,940円
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配信
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【PS5/PS4】 2024年6月11日/3,080円
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判定
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なし
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トゥームレイダーシリーズ
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概要
女性冒険家ララ・クロフトを操作して数々の遺跡を探索し、古代文明の謎に迫るトゥームレイダーシリーズの7作目。
前作『美しき逃亡者』にてシリーズの評価が地に落ちてしまった為、開発会社とシステムを大幅に刷新してリリースされた新世代の『トゥームレイダー』である。
ストーリーは前作から仕切りなおされ、ララの過去、そして伝説上の武器を巡る物語が展開される。
尚、今作からは『Gex』や『Legacy Of Kain』シリーズなどで実績をあげている、Eidos傘下のCrystal Dynamicsが開発を担当することとなった。
変更されたシステム
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これまでのシリーズの移動操作は『バイオハザード』に代表される、いわゆるラジコン操作(視点は後方視点の完全3D)だったが、今作からは行きたい方向を入力する一般的な3Dアクションのシステムに変更された。
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これに伴い、素早く振り向く操作だったローリングが廃止。代わりにしゃがみアクションが追加され、移動やジャンプと組み合わせることで回避アクションができるようになった。
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新たなアクションとしてグラップルが追加された。
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グラップルポイントがある場所でジャンプしながら使用することで大きな穴を飛び越えたり、ジャンプでは届かない場所に登ったりできるようになった。
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また、グラップルを特定のオブジェクトに引っ掛け、そのまま引っ張ったりララ自身が移動することで仕掛けを動作するなど謎解きにも活用される。
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アクションとは別の新システムとしてPDA、ライト、双眼鏡が追加。
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PDAは現在の目的やシークレットの取得数の確認ができ、ライトは暗い場所を照らすことができるが電池式の有限装備になっている。
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双眼鏡は拡大・縮小ができ、RADモードにすることで仕掛けに関係するオブジェクトを確認できる。
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メディパックが1種類に統一され、持てる数も制限されるようになったが、メニューを開かずともボタン1発で使用できるようになった。
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攻撃アクションに精密射撃が追加され、特定のオブジェクトを破壊する際などに狙いを付けられるようになった。
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武器は敵キャラを倒した際にドロップしたのを拾う事で使用可能になる。同じ種類の武器を拾うことで弾を補充可能。ただし、所持できる武器はハンドガン・ドロップ武器・手榴弾の3種類だけとなった。
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PSP版はグラフィックの劣化、ボタン数の減少により操作方法変更などが行われている。
評価点
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シリーズの特徴の1つであった難易度の高さが緩和され、初見プレイヤーでもプレイしやすくなった。
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難易度低下の理由はチェックポイントの増加、操作性の変更による戦闘の難易度低下といった部分が挙げられる。特にチェックポイントは特定の地点を通過すると自動セーブが行われるようになり、快適さが増した。
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低下したとは言え、先へ進むための仕掛けに頭を悩ませたり、素早い判断で回避する必要のあるボス戦なども用意されており全体的には良好と言えよう。
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過去シリーズに比べるとチュートリアルもしっかりしており、序盤から少しずつ操作に慣れていけるなど全体的に親切な作りになった。
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やりこみ要素であるリワード探しも楽しい。
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ゴールド・シルバー・ブロンズの3種類があるが普通に探すだけではまず見つからないためステージを隅々まで探す必要がある。
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中にはステージクリアには必要のない仕掛けを解く必要があったり、一本道になりがちなゲームプレイに幅を持たせている。
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リワードを見つけるごとにコスチュームやコンセプトアートなどが解放されるため単に集めるだけに終わっていないのも良い点だろう。
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一度クリアしたステージはタイムアタックが可能になった。
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こちらもクリアすることでおまけとしてチートが解放される。全てを解放するのは一苦労だがチートはお遊び的なモノから敵を一撃で倒せるといった実用的なモノまで揃っているので、クリアする価値は充分にあるだろう。
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ララの家であるクロフト邸が『3』以来久々の登場。
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アクションの練習もできるが、どちらかと言うとおまけステージとしての趣が強く銃やグラップルを入手しつつリワードを集めていくことになる。
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デザインも変更されており、実写映画版を意識したガラス張りのコンピュータルームなどが用意されている。
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音楽面も映画的な演出と合わせた点が好評。スペクタクルな場面も多い。
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日本語版のローカライズも丁寧で吹替えもしっかりしている。
賛否両論点
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システム変更によりトゥームレイダーの持ち味が失われた部分がある。
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以前のシリーズはラジコン操作を利用してジャンプする方向や距離の微調整をする精密動作を重視したシステムであり、慣れてしまえば毎回同じ動きができるパターン性の強いゲームだったが今作からはそういった確定されたパターン性がなくなったため、感覚的な操作を要求されるゲーム性になった。
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精密動作が出来なくなったことに苦言を呈するファンも多いが、一方で直感的に操作できるためプレイヤーに対する間口は広がった。
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行ける場所が制限されるようになったため、過去シリーズに比べ一本道感が増した。また、QTEも導入された。
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よりシネマティックになったという意見もあれば自由度の低下を嘆く声もある。
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過去のシリーズも基本的には一本道なのだが、プレイヤーのテクニック次第では通常の進行ルートを無視して進む事も可能だった。
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戦闘も微妙。敵や武器の種類の少なさ、ロックオン操作の反応の悪さなどが不評。
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一方、新たに格闘アクションが追加され、キックやスライディングで盾を持った敵を攻撃出来るようになり、ボス戦では単に銃を撃って回避するだけでは勝てない頭を使う要素も多い。
問題点
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シリーズ初のHD対応作品だが、人物のモデリングなどはイマイチという声が多い。
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PSP版は右スティックがないのとカメラの動きが大きくなっているため、とにかくブレまくって見づらい。
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次作『アニバーサリー』では操作性の見直しが行われたため、ある程度改善されている。
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バイクを使って進むチェイスシーンがあるが、操作性が悪く初見では何をすればいいのか分かり難い。
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同様に箱を押し引きする場面やフォークリフトを操作する場面の操作も独特なためやや不評。
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後半のカザフスタンのチェイスシーンは多数の障害物、多くの敵、さらに動く列車に飛び乗るなど高難易度のステージとなっており、操作性の悪さも相まって本作屈指の難所となっている。
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死亡するとチェックポイントから復帰する事になるが、この時のロードが長くややテンポが悪い。
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Win版は性能にもよるが、ある程度解消されている。
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発生することは稀だが、上記のチェイスシーンで崖から落下する直前にチェックポイントを通過してしまうと、死亡 → ロード → 死亡…のループに陥ってしまう。こうなるとメニューも開けなくなるので強制終了して手動セーブしたデータをロードするしかない。
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以前のシリーズからそうだが、ストーリーに神話などの単語が大量に出てくるため理解しにくいという意見も。
総評
操作性の大幅な刷新は賛否両論を起こしたものの、間口を大きく広げ万人向けなタイトルとなったシリーズの転換点といった作品である。
以降のシリーズは本作のシステムを元にしつつ発展していく事となる。
トゥームレイダー: アニバーサリー
【とぅーむれいだー あにばーさりー】
ジャンル
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アクションアドベンチャー
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対応機種
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Xbox 360 Wii プレイステーション2 プレイステーション・ポータブル Windows 2000/XP/Vista
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発売元
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【360/Wii/PS2/PSP】スパイク 【Win】ズー(日本語版販売)
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開発元
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Eidos Interactive Crystal Dynamics
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発売日
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【360/Wii/PS2/PSP】2008年3月27日 【Win】2008年5月23日
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定価
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【360/PS2】7,140円 【Wii】6,090円 【PSP】5,040円 【Win】8,190円
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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廉価版
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【PS2/PSP】Spike the Best 2009年8月27日/2,940円
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判定
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良作
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概要(アニバーサリー)
『トゥームレイダー』シリーズ10周年記念として、初代『トゥームレイダー』を『レジェンド』のシステムでフルリメイクした作品。
ストーリーは1作目と同じながら、『レジェンド』と次作の『アンダーワールド』と繋がるようになっており、3部作の2作目という見方も出来る作品となった。
評価点(アニバーサリー)
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グラフィックが『レジェンド』準拠になり、見劣りしなくなった。
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敵キャラのデザインも初代に準拠しつつ現代風にアレンジされている。特に終盤で登場するドッペルゲンガーは筋肉剥き出しの不気味なデザインに変更されている。
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おまけ要素として、これらのキャラクターグラフィックでゲームをプレイすることも可能。
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『レジェンド』にはなかった新アクションの追加により、さらに動かす楽しさが増した。
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代表的な追加アクションとしてはグラップルを使った壁走りと、壁走りから壁を蹴って跳ぶ側面ジャンプがある。マップや謎解きもこれらの新アクションを活用していくよう変更されている。特に壁走りは非常にダイナミックなアクションで好評。
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Wii版ではWiiリモコンを使ったオリジナル要素として、特定の壁をポインターでこする事で隠された秘密を発見できる要素が追加された。
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一方、『レジェンド』で追加されたPDAやライトといったシステムが廃止され、初代を意識したアイテム画面が追加された。
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戦闘の新アクションとして「アドレナリンドッジ」が追加された。
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敵が特定の攻撃をする際にタイミングよく回避する事で動作がゆっくりになる、いわゆる「マトリックス避け」が発動し、この時に出る照準に合わせてトリガーを引くと一撃必殺となる。これにより戦闘に緩急がつき、爽快感もアップした。
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ボス戦でもアドレナリンドッジを使うことが前提になっている。
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初代のマップを再現しつつ、新たなトラップなどにより懐かしくも新しいプレイ感覚が味わえる。
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例えば冒頭、ペルーの遺跡を開くシーンがプレイアブルになりチュートリアルも兼ねるようになった。
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その後の洞窟では2本の吊り橋が架かっている場面に新たなトラップが用意され、初見、既存のプレイヤー共に驚きをもたらしてくれる。
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他にも変更・追加された場面多数。一部は初代を彷彿とさせつつもプレイヤーを引っ掛けるよう変更された物もあり古参のプレイヤーも一筋縄ではいかない。
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前作に引き続き、一度クリアしたマップでタイムトライアルが可能になった。
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おなじくクロフト邸も存在し、デザインは『レジェンド』の物が使われているが一部変更されている。
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遺物・アーティファクト回収も追加され、原作のシークレット探しをより拡張したものになっている。
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前作のリワードは同じ形の物がゴールド・シルバー・ブロンズで分かれていたが、今作では全て個別の物に変更されたため探すのが楽しくなっている。
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各アイテムの獲得、タイムトライアルをクリアすることでおまけ要素が解放されるのも同様。1作目の3Dモデルを鑑賞できたり、10周年ということもあってシリーズのパッケージアートを閲覧できるなどシリーズの変遷を追うものになっている。
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また、今作では一度クリアするとマップに原作のセーブポイントを模したクリスタルが出現し、触れると製作者のコメンタリーを聞けるようになっている。
問題点(アニバーサリー)
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マップが一部削られてしまった。
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その分、新しいトラップや謎解きが追加されていると考えれば悪くないが…。
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一部ボス戦がムービー+QTEに変更された。
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主に人間キャラのボス戦がコレになっている。自分の手で決着をつけられず、ボス戦としても味気ないものとなってしまった。
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逆に、原作ではスルーできた一部の敵が強制ボス扱いに変更されている。
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セーブ関連に問題があり、一度クリアしてしまったデータではチェックポイントでのセーブがなくなってしまう。
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このため、取り逃した遺物の回収をする際にいちいちステージクリアまで行く必要があり、やや面倒くさい。
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新アクションの壁走りジャンプだが、やや暴発しやすく慣れないとあらぬ方向にジャンプしてしまう。
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壁走りを始めるとカメラがある程度動いてしまうので、狙って出すにはしっかりカメラを操作する必要がある。
総評(アニバーサリー)
初代と『レジェンド』の良い所を受け継ぎつつ新たなアクション、謎解きの追加で新旧ファン両方から好評を得た良リメイク。
微妙な評価の多い近年の作品の中では間違いなくオススメできるタイトルである。
余談
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360版では本作が『レジェンド』のDLCとして安価で購入できるが、日本では未配信となっている。
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また、実績はパッケージ版とDLCで別々のため、日本語版では『レジェンド』の実績を全て解除できなくなってしまっている。
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後にPS3で『レジェンド』『アニバーサリー』『アンダーワールド』がカップリングされた『Tomb Raider Trilogy』がリリースされた。こちらも海外限定品。
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PSP版は仕掛けや謎解きが簡単になっている箇所がある。またボタン数の違いにより若干カメラ操作がしにくい。
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2024年6月11日に『レジェンド』のPS5/PS4版がPS+のクラシックカタログで配信開始された。
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内容はPS2版に準拠しており、パブリッシャーはCrystal Dynamicsとなっている。
最終更新:2025年02月02日 05:56