ゴッド・オブ・ウォー
【ごっどおぶうぉー】
| ジャンル | アクション |  
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| 対応機種 | プレイステーション2 | 
| 発売元 | カプコン | 
| 開発元 | SCE Studios Santa Monica | 
| 発売日 | 2005年11月17日 | 
| 定価(税込) | 7,140円 | 
| レーティング | CERO:18歳以上対象 | 
| 廉価版(税込) | カプコレ 2006年9月28日/2,940円
 Best Price
 2007年9月6日/2,090円
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| 判定 | 良作 | 
| ゴッド・オブ・ウォーシリーズ | 
| PlayStation Studios作品 | 
 
ストーリー
「オリュンポスの神々は私を見捨てた。もはやこれまでだ……」
偉業を成し遂げた人間・クレイトスは、世界で最も高い崖からの身投げを試みる。
落下していく最中、クレイトスはほんの数日前の出来事を思い返していた。彼は鬼神の如く戦いの日々を送っていたのだった…。
スパルタの勇猛な戦士であったクレイトスは、過去のある忌まわしき罪の記憶に呪われていた。
自らが犯したその「罪の記憶」からの救済を求め、クレイトスは10年も神の下僕として各地を渡り歩き命令をこなしていた。
しかし、一向に救済は無く神々への不信感と苛立ちが募る中、戦いの女神・アテナから最後の試練が言い渡される。
それはアテネへと侵攻した、堕ちた戦いの神・アレスの打倒であった…。
概要
ギリシャ神話をモチーフとした3Dアクションゲーム。
ジャンルはアクションとなっているが、所々でトラップやギミックを用いた謎解き要素もある。
トラップは血まみれの棘壁、回転する刃等恐怖心を煽るものばかり。
レーディングはCERO:D(17歳以上対象)。
とにかく大量の血が流れる作品なので、子供向きのゲームでは無い。
北米版と日本版では表現に差があり、ゲームシステムにもわずかに違いがある。
特徴
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基本斜め見下ろしのカメラ固定型。カメラ固定のため、3Dアクションにありがちなアングルの悪さによるストレスは少ない。戦闘面では弱攻撃と強攻撃があり、神々に仕える主人公・クレイトスは鎖に繋いだ双剣ブレイズ・オブ・カオスと神々から授かった様々な魔法を駆使して冒険を進めていく。
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システム「CSアタック」の存在。ある程度ダメージを与えると敵の頭の上に○ボタンが表示され、そこからQTEの様に簡単なコマンドを入力して成功するとダイナミックに敵を攻撃し、大ダメージを与えられる。もちろん使わずとも雑魚は倒せるが、ボスキャラはこのCSアタックを成功させないと次段階へと進めず倒せない。
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各所に神々が設置した聖域があり、そこを訪れてクレイトスは魔法や武器を習得していく。それらはレッドオーブを使用してパワーアップ(アップグレード)でき、アップグレードするごとに威力が上がり、新しい技を覚えていく。
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レッドオーブは敵や破壊可能物を攻撃したり宝箱から入手できる。敵に関してはCSアタックを決めるればより多く入手できる(一部例外あり)。
 
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その他にも特定数集めてそれぞれ体力・魔法力を上げることができる「ゴルゴンの目」「フェニックスの羽」がある。探索して集めないと戦いぬくことは困難。
評価点
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最初のロードとリトライ以外はとにかくロードが早い。
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というかほとんどの場面でロードが「ない」。ゲームが進行する裏で同時並行してローディングを行うという高度な技術が使われている。
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あまりにも素早く移動する、もしくは逆走するとロードを挟む場合があるが、それでもかなり速くストレスを溜めることはまずない。
 
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主人公のクレイトスは、パッケージに描かれている通り半裸スキンヘッドマッチョなのだが、日本版の声優はアーノルド・シュワルツェネッガーの吹き替えで知られる玄田哲章氏というGJなキャスティング。
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PS2の限界レベルにまで仕上がった生々しくおぞましい姿の怪物達が登場。グラフィックといいデザインといいとにかく目を引く。
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怪物のみならず、ギリシャ兵や民間人・神々の衣装も良く知れたギリシャ神話を美しく仕上げている。
 
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ボタン選択によるコンボは簡単でわかりやすいが、突き詰めようとすると異様に奥深く、最大難易度にすると圧倒的なテクニックを必要とされる戦闘システム。
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「コマンドが難しい代わりに高性能」といった性質の技はなく、強力な技もカンタンに出せる。
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無尽蔵の使用はできないが、時間制限付きの大幅パワーアップ「レイジオブゴッド」や無敵時間と広範囲攻撃を兼ね備えた魔法を駆使した「パターン化してゴリ押し」も有効。
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難易度選択でノーマルorハードを選んでも死にまくると途中からイージーへの切り替えが可能。イージーはライトユーザーでも無双気分で楽しめる。
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一度クリアすると遊べるようになるベリーハード(ゴッドモード)は非常にやり応えがある。雑魚にはあっという間に囲まれてタコ殴り……以前に体力最大でも2、3回殴られたら死ねる。ボス級は大半の攻撃が一撃で瀕死の重傷を負わせてくるという超難易度に。
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そして高難度クリアーをしたくなる、もといせざるを得ないクリアー特典。特に日本語版は声優陣がアドリブも交えて熱演している。必聴である。
 
 
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簡単操作でダイナミックなアクションが可能な「CSアタック」というシステム。
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特定の敵にダメージを与えたり、止めを刺す際に使用可能で、画面に出てくる指示通りにコマンド(特定のボタンを押す、スティックを回転させる)を入力すると、クレイトスがムービー画面のようなド派手なアクションで敵に大ダメージを与えてくれる。もちろん普通に倒すこともできる(ボスは除く、後述)。
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敵の目玉や首をもぎ取るなど過激な物が多く、このゲームの大きな特徴となっている。
 
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比較的難易度が高い謎解き。不条理ではなく、よく考えたら解けるレベルで抑えられている。
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ギリシャ神話を舞台に繰り広げられる神秘的かつダークなストーリーも魅力。
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主人公の身投げから始まるオープニングムービーは衝撃的で、プレイヤーをストーリーへ引き込んでいく。
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ストーリーテーマは復讐。敵を惨殺し目的のためならば罪も無い一般人も簡単に犠牲にする、従来の主人公像とはかけ離れたクレイトス。
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しかし、クレイトスの戦いの中での葛藤と怒りは非常に深いものがあり、クレイトスの過去が明かされていくにつれ、彼が単なる狂戦士ではないことを知る事になるだろう。
 
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クリア後、性能に修正のかかる衣装を選べるようになった2周目をプレイ可能。
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設定資料が閲覧可能。主人公や怪物の初期デザイン等を見る事ができる。
賛否両論点
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良くも悪くも洋ゲー。徹頭徹尾、筋肉と血しぶきに満ちた暴力の塊のような世界観は何処までも人を選ぶ。萌えとかイケメンとかそういうのは期待しないように。
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日本語版は表現がそれでも若干マイルドになっている。
 
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難易度はかなり高め。
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攻撃の最中にいきなり敵が(仰け反り耐性付きで)攻撃してくるため、よく見て上手くガードや回避をしないとハード以上の難易度ではとても生き残れない。だが慣れてくるとそれを見切って華麗に切り返すのが快感に。
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敵の攻撃にはガード不能なものも少なからずあるのだが、そのガードの可否が見た目では判別しづらい。巨体のボスが吹く炎がガード可能だったり、クレイトスと同サイズの敵が普通にガード不能攻撃をしてきたりと「喰らって覚えろ」が前提。
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任意ロックオン機能がないので、上手く立ち回らないと敵の大群に包囲されがち。数が多いと袋叩きに遭う事も。
 
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ラスボス2戦目では防衛戦となっているが、最高難易度においては、もはやクレイトスと共にプレイヤーの精神を殺そうとしてるとしか思えない難易度になる。
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しかし、あることに気づくと嘘のように楽になる。その方法はクレイトスの本当の気持ちを演出したようなものとなっている。
 
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一部矛盾や理不尽を感じさせるシナリオや展開。
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例としてはクレイトスがあれだけ苦労して入った(ゲーム内仕掛けを解除した後はナレーションのセリフによると「3昼夜登り続けた」とのこと)パンドラの神殿に、先行して多数のアテネ兵が入っているなど。どうやって?
 
問題点
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敵が全体的に固めで、クレイトスの迫力あるアクションが楽しめる半面、殲滅戦や仕掛けと連動して敵が湧いてくる場面では非常にウザったらしくストレスがたまり易い。
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体力ゲージが表示される、いわゆるボスキャラの数が少ない。チュートリアルのボスとラスボス以外は物語中盤に1体のみと合計3体しかいない。せっかくの演出に凝ったCSアタックも持てあましがち。
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またボスも固いキャラが多く、決まった攻撃パターンを何度も繰り返して倒さなければならず時間がかかる。
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雑魚に対しては普通に倒すかCSアタックで倒すか選べるのだが、ボスは体力がかなり減った状態にできるCSアタックのみでしか倒せない。
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そのためCSをミスしてしまうと、また少し攻撃して怯ませないとCSに移れない=倒せない。さらにCSに失敗するとこちらも少しダメージを受けてしまう(もちろんそのダメージで死ぬこともある)。
 
 
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オリジナル版では逃げまどう非戦闘員も情け容赦なくぶち殺して体力回復できるのだが、日本版では何も考えずその暴力部分だけ単純に削ったため、一部の難度調整が壊れた。
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ある固定戦闘では、回復しつつ戦う筈だった大型敵集団+攻撃対象外なのにロックオンだけ奪っていく不死身モブ相手に、無補給でやりあう破目に。
 
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「ガードボタン(L1)を押しながら□or△」というコマンドの関係上、ガードから反撃に転じようとして意図しない技が暴発することがある。多少の慣れと落ち着きが必要。
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連打をしなくてはいけない場面が非常に多い。特に序盤のあるボスは連打数ノルマがきつめで、連打が苦手なプレイヤーの場合かなり気合を入れて連打しないと押し負けてしまう可能性が高くストレスになりがち。
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特に落とし格子を開けるときや頭蓋骨をもぎ取るときなどは、「R2」ボタンを連打しないといけない。
 
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中盤に手に入る新武器が残念な性能だったり、神々の王ゼウスから授かる魔法がショボかったりする。そしてそれらに強化ポイントを使ってしまうと…。
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しかし、中には最高難易度をアップグレードをしないでクリアしたという猛者もいるので、少なくとも詰みにはならないだろう。
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ちなみに、アップグレードなし攻略はNUR(No Upgrade Run)との通称があり、本ゲームでの代表的やりこみとして定着している。
 
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目的地まで移動距離が長く、移動に時間をかけさせる場面が多い。
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ロード時間を稼ぐための構成上仕方がないか。特にロード時間稼ぎとして使われているのが螺旋階段の登り降りである。
 
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即死系トラップが多く、気付いたら仕掛けが発動 → タイムアップ→即死といった場面が多い(以後のシリーズでは解消されている)。
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死んでも直前からリトライできる場合が多いので、めげずに頑張ろう。
 
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終盤にある刃の付いた回転柱(通称イライラ棒、ヘルクライムピラー)は、当たり判定がグラフィックと一致しておらず、当たると最初から登り直しのためこれまたストレスがたまりやすい。
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しかも2回あり、最悪詰みパターンもある(1回落ちる必要がある)。この仕掛けは開発者もひどいと認めていて、『II』以降はこういう仕掛けはない。
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ヘルクライムピラーに限らず、しくじったら高所から転落して即死する通路が多い。
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ほかにも狭い足場の通路で遭遇する防御不可の投げ技を使うサテュロスの群れなど、死因「転落死」の数はシリーズ中最大だろう。
 
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アクション部分では親切な固定カメラワークだが、カメラの死角になるかなり意地悪な所にゲージを伸ばすパワーアップアイテムが設置されている場合が多い。
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ただし、これは意図的なものなので単純に短所とは言えないが。
 
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回避が前後左右4方向しかできない。地味なことだが、回避を多用するゲームなので不便に思ったユーザーも多い。これは次作『II』でも改善されなかった。
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後作と比較してだが、アップグレードに必要なレッドオーブ数に比べて入手オーブ数が少ない。全武器魔法パワーアップは至難の業。
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しかも、敵を倒したときなどに出るレッドオーブは、クレイトスが近寄らないと回収されないため、無駄にしてしまうレッドオーブも少なくない。
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後のシリーズでは距離に関係なく、全て自動で回収されるようになっている。
 
 
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オマケ要素のChallenge of Godは相当な難易度にもかかわらず、一度始めたら中断ができないため途中で止めてしまったら最初からやり直しになる。
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後のシリーズでは面選択式になりこの問題はなくなった。
 
総評
快適な操作性、ロードの少なさ、魅力的なストーリー等ゲームを構成するあらゆる要素がハイレベルにまとまった一作である。
多量の血飛沫や主人公の苛烈な性格など過激な描写が多く人を選びがちな本作だが、そういったものに慣れている、または魅力に感じるという人なら充分おすすめできる作品と言えるだろう。
余談
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2005年 Game of the Yearに選ばれており、海外での評価・知名度共に高い。海外限定で携帯電話ゲーム版もある。
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主人公クレイトスはその筋の人には大人気で、日本では一部のユーザーから「クレイトスさん」とさん付けで親しまれている。
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そして何を血迷ったかPS3の『みんなのGOLF5』にゲスト出演している(ほとんどデフォルメされていないので、他のキャラから浮きまくっている)。
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PSPの『ソウルキャリバー Broken Destiny』にもゲスト参戦。こちらは別ゲームのキャラとは思えない馴染みっぷりだとなかなか好評。
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PS3/PSV版『Mortal Kombat (2011)』にもゲストとして参戦。こちらもまったく違和感なく溶け込んでいるが、『モータルコンバット』の方にもクァン・チーという白い肌に赤いタトゥーの入ったスキンヘッドで筋肉質の男(もちろん半裸)がいるため国内外のファンからネタにされている。
 
 
最終更新:2024年11月18日 06:09