グラディウスジェネレーション
【ぐらでぃうすじぇねれーしょん】
ジャンル
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横スクロールシューティング
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対応機種
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ゲームボーイアドバンス
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メディア
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32MbitROMカートリッジ
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発売元
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コナミ
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開発元
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モバイル21
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発売日
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2002年1月7日
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定価
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5,800円
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レーティング
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CERO:全年齢対象 ※廉価版で付与
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廉価版
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コナミ・ザ・ベスト 2005年11月3日/2,625円
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判定
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良作
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グラディウスシリーズ
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概要
ゲームボーイアドバンスで発売されたグラディウスシリーズの作品。携帯用ハードでは実に初代GBの『ネメシスII』以来12年ぶりの作品である。
元々、欧州で2001年9月に発売された『Gradius Advance』を皮切りに、2001年11月に『Gradius Galaxies』のタイトルで北米版が発売され、日本版は最後発となったパターンである。
特徴
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全8面。
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基本的なシステムは普段のグラディウスシリーズに則っているが、多くの装備に2段階パワーアップが採用されている点、装備タイプによって自機の色が変わる点など全体的にPSの『グラディウス外伝』の影響が強い。
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また、「5000点ボーナス」を筆頭にコナミSTGの過去作のオマージュが(コアなファンでないと解らないくらい)多く仕込まれている。初代『グラディウス』どころかその元祖の『スクランブル』からのネタすらあるほど。
+
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装備タイプと自機の色詳細
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共通:「?」は前方12発ガードの「シールド」または全方向4発ガードの「フォースフィールド」。ダブル系の連射判定は各方向で独立しているためACのシリーズと比べものにならないくらい強い。
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TYPE-A(万能タイプ):青
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スピードアップ - ミサイル - ダブル - レーザー - オプション - ?
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ダブルによる死角の無い攻撃、レーザーによる強力な攻撃など、シリーズ初代と同一、伝統のビックバイパー装備。
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ミサイルは2段階目で速度がアップ、ダブルは2段階目で背後にも撃てるようになる(過去作のダブル+テイルガン)。レーザーは2段階目で太さ及び長さがアップ。
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TYPE-B(広範囲をカバー):赤
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スピードアップ - 2WAYミサイル - テイルガン - リップルレーザー - オプション - ?
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2WAYミサイル・リップルレーザーがいずれも初出だった『沙羅曼蛇』に由来を持つ機体。装備自体は『グラディウスII -GOFERの野望-』のタイプ4を基礎とする。『沙羅曼蛇』との関連性からか、この装備を選択した時にだけオプションを装備した時のボイスが「マルチプル」となる。いわゆるロードブリティッシュ。
なお2WAYミサイルも、過去作のものとは違い各方向で連射判定が独立している。
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2WAYミサイルは2段階目で速度がアップ。テイルガンの2段階目は真上にも撃てるようになる(過去作のテイルガン+バーティカル)。リップルレーザー2段階目は弾速がアップする。
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TYPE-C(強力な前方攻撃):緑
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スピードアップ - フォトントゥーピドゥ - テイルガン - スラストレーザー - オプション - ?
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前方への攻撃に特化した機体。フォトントゥーピドゥの空中軌道は『グラディウスII』のような真下ではなく『III』のような斜め方向。初登場のスラストレーザーは弾速がやや遅い大型の光弾を撃ち出すもので、連射が利かないものの単発威力は高い。
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フォトン2段階目は弾速アップと思いきやまさかの2WAY化。テイルガンの性能はタイプBと同じであるためにタイプBの上位互換に近い。
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TYPE-D(対地に大打撃):紫
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スピードアップ - スプレッドボム - ダブル - ツインレーザー - オプション - ?
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スプレッドボムによる対地攻撃に特化した機体。
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スプレッド2段階目は爆風が大きくなる。ダブルはタイプAと同等。ツインレーザー2段階目は弾速が強化され、雑魚敵貫通効果が付与される。
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今作の最大の特徴は「復活」。ミスした後、規定位置からのノーパワーアップ状態をいかに挽回するかについて挑戦する隠しモードや、そのヒントが見られるモードがある
評価点
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携帯機の作品でありながら全8面とアーケード作品並のボリュームを誇っている。それに加え難易度ノーマル以上かつノーコンティニューでスコアを573,000点(コナミコマンド禁止)以上獲得すると出現する「復活」に挑戦する「チャレンジモード」(2周目相当のA、3周目相当のBの2種類搭載されている)、そしてそれらの試練をすべてくぐり抜けた猛者へ与えられる「ファイナルチャレンジ」。やり込み要素は数あるシリーズ作品でも非常に高い部類に入る。
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一部厳しい場面も存在するが、基本的に難易度は『グラディウスII』同等かそれよりやや簡単といったところ。STG初心者にうってつけである。
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これらに加え当たり判定も小さめ
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厳密には敵弾などに対する当たり判定自体はそれほど小さくないが、地形にはかなり食い込んでもミスにならないようになっている。小さい画面でのプレイを意識した良調整と言えるだろう。
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オプションがかなり広がりやすく、戦略的なオプションさばきをしやすくなっている。
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一方「チャレンジモードB」および「ファイナルチャレンジ」は上級シューターですら手を焼く難易度。
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ヒントモード搭載。復活パターンを動画でチェックすることができる。
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背景グラフィックのクオリティはかなり高い。
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過去作のオマージュが多く、コアなファンにはニヤリと出来る場面も。
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1面「隕石」から早速狭い隙間に5000点ボーナス。
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2面「ガラス」の構成はMSX『グラディウス2』3面をベースにしている。
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3面「人工銀河」は『II』の1面の要素と『III』の1面のサンドライオンのオマージュ。それに加え後半は『III』の7面のごとく大量の火炎弾が襲いかかってくる。
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とまあ序盤面だけ挙げてもこうなる。中には、モアイ面のボス「ドガルテス」の2足歩行のような思わず笑えるネタまで実装されている始末。3面のように複数の作品のネタが合わさっていたりすることが多い。
問題点
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ステージ途中で意味もなく敵が出現しなくなるパートがある等、敵配置の練りこみが甘い点も見られる。
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チープなBGM
。今作の不満点の大半がこれに帰結すると言っても過言ではない。PCMをボイスや一部SEに割り当ててしまい、GBAのサウンドが「GB音源(矩形波2音、波形メモリ1音、ノイズ1音)+PCM2音」となっているためにBGMをGB音源メインにせざるを得なかったと為ともいわれる。また、前述のとおりグラフィックのクオリティが高いためにメモリ配分のためこうなったとの見方も。
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「音源が変われば化ける」との見方もあり、ニコニコ動画でいくつかBGMのアレンジが見つかったりする。
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とはいえ、FCやGBといった必ずしも音源がいいとはいえないハードでも音楽が評価されるゲームは数多くあり、音源に合う曲作りがなされていない点は擁護できない。
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ゲーム自体は良質な出来なのに聴覚面での評価で散々な言われようを受けたという意味では多少ベクトルは違えどこの作品に通じるものがある。
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スコアエクステンド(点数による残機増加)がない。「復活」を売りにしてる作風と噛み合っていない。
総評
全体的に出来がいまいちな物が多いGBAのSTG作品の中では随一のゲーム性・ボリュームになっており、初心者・上級者共に楽しめる出来。
BGMが原因で評価を落としがちだが、それを気にしないのであればオススメできる作品である。
余談
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本作から6年後にWiiウェアとして配信された『グラディウス リバース』も、本作から更に昇華されたような過去シリーズのオマージュ要素がちりばめられており、こちらも本作のタイトル通りの「グラディウス世代」にオススメの逸品となっている。
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通常版のパッケージおよび通常版・廉価版双方の説明書で自機の名前が「
ビッグバイパー
」となっている。
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廉価版パッケージでは直されているので誤植と思われる。
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デベロッパーのモバイル21は1999年に任天堂とコナミの業務提携によって設立された合弁会社で、元々はGBC/GBAの周辺機器である「モバイルアダプタGB」を活用したソフト開発を目的としていた。オフィスは東京都台東区浅草橋(当時)にあった任天堂東京支店内に置かれていた。
同社が開発したソフトは本作を含めコナミブランドでの発売がメインだったものの、肝心のモバイルシステムGBの事業不振により2002年12月のサービス終了から程なくして会社自体が清算され、開発作品の諸権利は発売元へと引き継がれた。
盗作疑惑
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一部の楽曲に盗用疑惑がある。
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本作のスタッフロールにはサウンドスタッフとして高添香織氏、佐野博文氏、後藤重満氏 以上三氏の名前が掲載されており、盗用元とされている作品の一つ「ラストスタンド」は佐野氏が過去に曲を手掛けた作品であったりする。
だが、全く繋がりが無く版元も違う作品からフレーズを引用するというのは問題になり得る。
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他、『マジカルチェイス』(作曲/崎元仁氏 岩田匡治氏) と、『ヴァイツブレイド』(作曲/額賀晋治氏)に酷似した曲が幾つかある。
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『ヴァイツブレイド』に酷似した曲は特に多い。 ボス戦…イントロが『ヴァイツブレイド』タイトル画面曲~以降は同作のザコ戦曲。 ステージ7のイントロ以降…同作のレジスタンス組織の曲。 要塞面後半…イントロが同作のラストダンジョン曲~以降はフィールド曲。
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後者に関しては額賀晋治氏は以前に佐野博文氏と共にサウンド制作グループと思われる『MASH』に関わっていたようで共作タイトルがいくつかあるため、両者間で何らかのデータ共有などがあった可能性が考えられるが、前者については繋がりがなく盗作疑惑が非常に濃いものとなっている。
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後年、グラディウス全曲集という名目で作られた「GRADIUS ULTIMATE COLLECTION」や第2弾的な「KONAMI SHOOTING COLLECTION」でもジェネレーションは省かれている。権利上の都合だとは信じたいが……。
最終更新:2024年08月05日 23:41