ワールド・デストラクション ~導かれし意思~

【わーるど・ですとらくしょん ~みちびかれしいし~】

ジャンル RPG
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 2048MbitDSカード
発売元 セガ
開発元 イメージエポック
発売日 2008年9月25日
定価 5,980円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント お粗末な戦闘システム
レベルを上げてラッシュで殴ればいい
ストレスフルな仕様


概要

  • 獣人と呼ばれる存在が人間を支配する世界で、今ある世界を破滅させようとする組織「世界撲滅委員会」と、破滅を阻止しようとする組織「世界救済委員会」の対立を描いたRPG。
    • 最初にテレビアニメ版が放送され、その後漫画版が連載、最後に本作が発売されるというメディアミックス展開がされていた。ただし各メディアにおいて一部設定や展開は異なっている。
  • オープニング曲はAAAの「Crash」。作曲は原一博*1が担当、歌詞は松井五郎*2とSKY-HIこと日高光啓との合作である。
  • シナリオ(実際はシナリオ原案と世界観設定の提供のみ)を加藤正人、キャラクターデザインを田中久仁彦、音楽を光田康典が担当しており、ゼノギアスのメインスタッフが集結ということでも話題があった。

特徴

  • エリアルビートチェインバトル
    • DSというハードの2画面を反映した、地上と空中を行き来してのバトル。簡単なコマンド操作のため、難しい操作は不要。
      • 空中の敵を地面に叩き落して気絶させてから火力の高い地上攻撃を叩き込む、気絶状態や地上から空中に打ち上げた敵がいる状態で味方にターンを渡す事で追撃が発生させられるといった独特のシステムも存在する。
    • 各キャラクターの素早さに応じて行動順が決定し、1人1人個別に行動するターン制。順番制ではなく待ち時間が終わったキャラが次々と行動に移る仕様のため、速度次第では遅いキャラが動く前に早いキャラが数回行動する事もある。
  • ワードエクイップシステム
    • 会話中、セリフの一部が黄色くなる事がある。その後、アイテムのようにそのセリフを入手する事ができる。
    • セリフは1人につき4つまでセットすることができ、「防御力が上がる」「店の買い物で値引きできる」「逃走が必ず成功する」といった様々な効果を得られる。
  • バトルポイント(以下BP)、士気
    • どちらも上画面のHPの下に表示され、戦闘に大きく影響する。
    • BPが多いほど多く行動でき、クリティカルヒットを出す、攻撃を10の倍数回Hitさせるなどの条件を満たすと更に増える。
      • BPの上限は6であり、そこに達すると次の行動は強力な(扱いとされている)必殺技や専用スキルに変更される。
    • 士気は装備品やイベント内容によって変化する。装備品にはキャラクターとの「相性」があり、相性が良いものだと↑(高い)、普通のものだと→(普通)、悪いものだと↓(低い)になる。
      ただしすぐに変化するわけではなく、何度か戦闘をこなす必要がある。
  • カスタマイズ
    • 戦闘終了時に経験値などと一緒に『カスタムポイント』(CP)が手に入る。これを使い、攻撃技とスキルの強化ができる。
      これを行うことにより新しい技を覚える事ができる。また、カスタムレベルアップにより「特性強化」か「カスタム枠+2」のどちらかのボーナスを得られる。
  • 連結
    • 上述のボーナス「特性強化」を選ぶと様々な技を自由に連結する事ができ、BPひとつで2回分の攻撃ができる。ただしLv20以上でないとボーナスは得られない。
  • 合成
    • 武器に素材を合成する事で能力がアップしたり武器に属性が追加されたりする。素材は敵が落とす他、武器から抽出する事も可能。
  • 物語
    • 既存の社会を守ろうとする者達と戦う革命家(テロリスト)の話なので当然とも言えるが、キャラクターの柔らかな絵柄に反して内容はそこそこシビア。獣人のボスには全員断末魔が用意されており、味方側のキャラクターも親しい者を殺してしまった事実や差別によって植え付けられたトラウマに悩み苦しむなど、要所要所で重い話が展開される。
    • 血しぶきや死体などの直接的な描写はないが、CERO Bのゲームにしては人や獣人が死ぬ展開や描写が非常に多いのも特徴。主人公の力で砂化する街や人、人を素材にしたバラなど想像するとエグいものも多い。

問題点

戦闘面

  • 簡潔に言えば、味方は中盤から火力がインフレし、敵も終盤は制圧力の高い行動を連発して対応するようになるという殺るか殺られるかの不安定なバランスとなっている。
  • ラッシュ以外の技やスキルの存在意義がほぼ無い
    • 低威力だが連続攻撃でHit数も多い「ラッシュ」、単発攻撃だが威力が高く打ち上げや打ち落とし等の追加効果も持つ「ブロウ」、条件を満たすとコマンド入力で発動できる「必殺技」があるが、この中のラッシュが強力すぎるため、他の技は回復程度しか使うものがない。
    • ラッシュは中盤から連続で行える「連結ラッシュ」が可能になる。この連結ラッシュを連発していればダメージも稼げるしBPも増えるという大きなメリットが得られる。他の行動にはこれを覆せるほどのものがない。
    • さらに戦闘中において1ターンで稼いだコンボの最大数が多い程戦闘終了時に得られるCPがボーナスによって増えるという利点もあるため、ことブロウの価値は低い。
      • このせいで打ち上げや追撃といった本作独自の戦闘システムが殆ど死んでしまっている。攻撃スキルはラッシュの育っていない序盤においてはまだ使えるが、ブロウは本当に使いどころがない。ラッシュに比べて攻撃アニメーションがやや短いので、一撃で倒せる敵に対して使うくらい。それにしても上述のCPボーナスが少なくなってしまう。
    • 補助スキルも強弱が激しく、復活後のキリエが最初から覚えている「ラディウス」はLv1の時点で僅かな消費SPで味方全員を完全回復+状態異常、戦闘不能を回復という凄まじい性能なので、キリエさえ動ける状態であればいつでも立て直しができる。しかもBP消費1なのでその後に普通に攻撃できる。他に、攻撃力をアップさせるスキルを持つモルテ、トッピー、ナジャは一撃必殺のゲーム性に合っていて強いが、それらを持たずどちらかと言えば防御的なスキル構成のアガンとリ・アはやや見劣りする。
      • ただし、リ・アについては一定時間状態異常を防ぐ「クリスタルボイス」がボス戦で非常に役立つ。頻繁に使ってくる眠りやマヒ等の厄介な状態異常だけでなく、気絶や打ち上げも状態異常の範疇に含まれているようでそれらも発生しなくなる。消費SPもたったの6で、リ・アの連結ラッシュはヒット数が14もあり攻撃しながらのBP管理も容易いため、ボス戦ではリ・アを入れて毎ターンクリスタルボイスを使わせるだけでかなり安定する。
    • 必殺技はスキップ不可のアニメーションが長いためテンポが悪く、それでいてそれほど威力はない。更にコマンド入力にかかった時間によって威力の変動もおきるため、不安定。それでいてBPが6以上になると通常攻撃の代わりにこれを選ばなくてはならなくなるため、疎ましい存在に思えてくる。ラッシュが育っている状態ならば雑魚戦では必殺技の発動をキャンセルしてターン終了し、次のターンでラッシュを仕掛けた方がほぼ確実に早い。
      特性「必殺技ガイド」が付いた装備品を装備する事でコマンドを一律「XXXXX」に変更する事で確実に最高威力を出せるが、それでもラッシュの威力は覆せない。そもそも装備品の性能が非常に高いものが多いのに枠が2つしかないので、出せたところで枠を1つ使っての利用価値があるかと言われれば無い。
      • 士気が高い(戦闘開始時のBPが3)状態だと大半のキャラは2回三連結ラッシュを放つとBPが6以上になり必殺技の発動条件を満たしてしまう為、連結ラッシュを気軽に連発出来なくなっている。言い換えるなら、ラッシュの長所である高Hit数によりBPを稼ぎやすい点がデメリットと化す。そのため、終盤では士気を下げておいた方が必殺技を出すまでの猶予が長くなり、ラッシュを多く放てるために1ターン中の火力を伸ばせるというゲームシステムにそぐわない状況に陥ってしまう。
  • この影響もあり、ラッシュ連打していれば中盤以降は大体勝てるほど難易度が低くなる。出会った敵を全て倒していればシナリオ中の相手にはほぼ苦戦することはない。
    • 但し、エンディングを迎えると次回以降のプレイの難易度が強制的に上昇させられる。
  • 終盤のボスはラッシュで体力を一気に削られる事を想定しているのか、相手の攻撃が1Hitする度に行動待ち時間が短縮される特性の装備やBPを2追加する行動「ハイブースト」の所持がデフォルト。1ターン中に味方パーティに状態異常をばら撒いたり(味方の物と比べて相対的に)強力な必殺技を放つ事でパーティを壊滅させてくるにもかかわらず、短期決戦を狙おうにも味方が攻撃する度に特性効果で即座に反撃を行うという面倒な物になっている。
  • ボスの強さにもかなりバラ付きがあり、全体的には行動不能系の状態異常付与攻撃を連発する敵と空中にいる敵(地上ラッシュ攻撃を当てられない敵)が強い傾向にある。
    • この両方の特性を持つ終盤のボス、フクロウ師が恐らくストーリー上で一番苦労する敵になるだろう。しかもこの敵と戦うダンジョンにはストーリー進行中に強制的に移動させられる上に、ボスを倒すまで出られなくなる。もっとも、雑魚敵が登場するので経験値を稼げることと、装備品やアイテムのショップもあって強力な装備も販売しているので手詰まりになることはない。
    • ボスの行動が演出が一々長いうえに必殺技を含めて1ターン中に4~5回は動くため、じれったい。
  • キャラクターの性能を差別化しづらい
    • 上記のとおりの戦闘バランスなので、どのキャラもラッシュ攻撃を最速で強化しきることが定石になってしまっている。スキルは各キャラ毎の個性があるものの結局殆ど使わないため、基本的に誰をパーティに入れてもほぼ同じである。
    • パーティは1枠は主人公のキリエで固定、残り2枠を他の5人の中から選ぶ形になるが、控えのメンバーは戦闘に関与しない(戦闘不能で入れ替えなどもない)ので、当然2人だけを集中的に鍛えるのがもっとも手っ取り早い。一応終盤でパーティメンバーの一部が離脱することはあるが、例外一つを除いてボス戦は味方が揃っている状態でしか発生しないのであまり問題にならない。
      • 一部のサブイベントで特定のキャラのみで戦闘を行うものもあるが、敵が弱いので全く鍛えていなくても倒せる。またそういったイベントで手に入るアイテムはそのキャラの使う最強武器なので、そのキャラを使う予定がない場合やイベントを見なくても構わない場合は無視しても何ら問題はない。

ストレスのたまる仕様

  • エンカウント率が高めであるのにダンジョン構造は分かれ道の多さや似たようなフロアの多さなどの影響で地味に複雑であり、その中でやや難しめの謎解きもせねばならない。特に謎解きについては二択や三択で失敗すると最初からやり直しになるものが多いため、常時セーブをかけておくことが求められる。
    • このため長くダンジョンを歩くことになり、そこで多数の戦闘をこなさねばならずためストレスになりやすい。
  • 戦闘において敵の行動演出が長く時間がかかる。
    • 上記のように戦闘の難易度自体は低いのだが、何度も何度も長い演出を見ることになる他、作業的にもなるため面倒になる。逃げようにも逃走成功まで時間がかかるし、エンカウント率を下げるアイテムやスキルも存在しない。
  • ゲームの自由度が低い
    • 殆どの進行状況で、現在攻略中のダンジョンや街から外(全体MAP)に出ることができない。雑魚敵の強さの上昇は緩やかであり、進行に応じて装備品も強化できるため手詰まりになることはないが、閉塞感が強いことが否めない。
    • 一度攻略を終えると二度と入れなくなる場所も結構ある。それが後述の入手時期が限られるものが多いことにもつながっている。
    • 終盤になると多少自由に行動できる範囲が広がる。
  • 戦闘ボイスはOFFにできるが、イベントボイスをOFFにする事ができない。
    • イベントはボイスの再生が終わるまで自動で進むため、会話にいちいち時間がかかりテンポが悪くストレスがたまる。長いイベントでは最長で約20分近くかかることも。
    • 一応音量の設定は可能だが、上記仕様のおかげであまり意味が無い。ただイベントスキップ機能はついているため、話が気にならないならばスキップするのも手。

その他

  • 入手時期が限られるアイテムやセリフが多い
    • この作品以外でもよく見られる問題点だが、当作での該当アイテムはアイテムのドロップ率を上げる装飾品などの有用なアイテムばかりであるため、取り逃すとかなり不便。入手箇所や方法も分かりにくい事が多く、情報を売ろうとしている相手に対して値切るという選択肢を選ばなければ入手出来ないセリフなどもある。
      • 特に問題となるのが「伝説のエプロン」と「Gハントライセンス」。前者は期間中にとある場所へ行けばイベント入手出来るが、その場所へ行けるようになったりそれを促す要素は皆無であるため見落としやすい他、道中の雑魚敵もその時点では太刀打ちできない強さであるため、時期尚早と判断して行く事が後回しになりがちである。ちなみにこのアイテム、主人公の最強防具を入手するのに必須。後者は味方一人で狭いエリアを探索、幾つものイベント発生箇所を調べている最中に入手する事となるが、発生箇所は外れポイントの中の1カ所のみな上に入手イベントが発生するかどうかはランダム。さらにそのエリアのボスより数倍強い敵との戦闘(逃走不能)に移行する外れイベントが何度でも発生するので探索は手短に済ませたいと感じやすいため、こちらも見落としやすい。ちなみにこのアイテムも、バフ枠とは別扱いで地上の敵に対する攻撃力を強化出来る事からラッシュの威力を強化する装飾品として、最終装備になり得る強力な物である。
      • 他に空中監獄のお使いイベントも酷く、似たような景色の続く入り組んだ牢屋内をお使いの形で何度も往復させられる。しかも同時に受けられるとはいえ別の依頼が4件もあるので混乱しやすい。やはりここでしか手に入らない装飾品が報酬であり、特に装備者の獲得CPを2倍にする「秘密のレシピ」とドロップ金を2倍にする「砂ウサギのアレ」が優秀である。この2品が手に入る依頼は比較的すぐに終わるのが救い。
  • 一部キャラの役に俳優の起用
    • それでも演技が良ければ問題無いのだが、残念ながら本作も「俳優が演じているキャラだけ声が浮いている」例に当てはまっている。水嶋ヒロ演じるナジャの声は何とか頑張っているものの、リ・アを演じる市川由衣は(リ・アの性格設定の所為もあり)棒読みが際立っている。キャラクターのイメージを壊すものではないことが救い。*3
    • グギャーのように主人公とヒロインに充てられていないのが救いか。
    • ちなみにこの二人はアニメ版では本職の声優が演じている。
  • ヒロイン「モルテ」の性格
    • モルテの幼馴染を拷問にかけた相手とはいえ、彼女が殺した息子の死に怒り狂う獣人を始末した後の第一声が「親子揃って同じ断末魔とは芸が無い」であり、かつて自分の命を救った恩師も障害となるのであれば容赦なく排除。そもそも中盤までは主人公の事を世界を破壊するための道具程度にしか思っておらず、さばさばとした彼女のキャラは人を選ぶ。
      • 自分の本心に気付いた終盤でもその目標に向かって迷わず進んでいるため、良く言えば自分の感情に素直な少女とも言える。
      • 獣人による人間差別が横行する今の世界を間違っていると考えて破壊する事が一応の目的らしく、中盤にて主人公はモルテが何故そう感じたのかについての考察を述べているが、パーティ内の他のキャラクターがそれぞれトラウマを抱えながらもそこから自分なりに考えたうえで正しいと信じて世界の破壊を望む中、彼女にはそういった軸となる物も存在しない事が終盤で明かされる。これが何を意味するのかはプレイヤーによって意見が分かれる。
  • キャラクターの心情に感情移入がしづらい
    • ネタバレになるので詳しくは省略するが、キャラクター毎に強い信念を持っているように見えて、一つ事件が起こっただけで簡単に思想を曲げるパターンが多い。中盤以降はやや突拍子の無い展開が多いことと相俟って、悪く言えばご都合主義に見える。
    • 特に主人公であるキリエとヒロインであるモルテが恋仲になっていく展開については、お互いに惹かれていくような説得力を持つ描写が殆どないので首を傾げたくなる。その結果として一行の当初の目的である「世界を撲滅すること」というテーマが方針を変えることになるので猶更である。
    • 登場人物の出自や舞台の背景の作り込みに対して劇中の描写が駆け足気味で貧弱なので、そのアンバランスさがこのような事態を引き起こしていると言えるだろう。
  • 最終盤の盛り上がりに欠ける
    • ラストダンジョンが問題で、殆どイベントもないまま前座のボス、ラスボスと戦ってちょっとした会話のあとEDが流れてそれで終わりとなる。
    • ネタバレになるので詳しくは伏せるが、前座のボスは過去に一度戦ったボスで、多少強化されているものの元が大して強くない敵なのでインパクトに欠ける。ラスボスについてはそれまでに殆ど伏線の無いぽっと出のキャラクターで、会話も僅かなのでインパクトも無ければ印象にも残らない。一応連戦だが、やはりラッシュ連打ですぐに終わってしまうので戦闘面でも盛り上がらない。
    • ラストダンジョンの少し前で、ナジャのパーティ入りやキリエの復活と覚醒といった盛り上がりがあるだけにそれに続くラストが貧弱なのは惜しまれる。
  • やり込み要素に乏しい
    • まずED後の要素が何もない。本編の難易度が低いゲームなのでエクストラダンジョンやエクストラボスが無いのは物足りない。それを抜きにしてもED後に変わった世界を見て回れないのは残念である。
    • モンスター図鑑やアイテム図鑑といった収集要素のあるものも何もない。ボスとの再戦もラスボスを除いて出来ないため、ストーリーの攻略とラスボスの撃破以外の目的を持つことができない。
      • もっとも、期間限定イベントが多く、戦闘が単調なこのゲームでそれらの要素があったところで評価が変わったとは言い難い。

評価点

  • 大きなバグがない。どんな作品にもバグは付き物だが、この作品では報告例が見当たらない。
  • 表情、個性豊かなキャラクター
    • 会話時にはキャラの名前と共に顔グラが表示され、状況によって頻繁に表情が変わる。
    • 仲間キャラの一人のトッピーは、可愛らしい外見とは裏腹に渋い声とハードボイルドな性格。そしてメッセージ欄に表示されないのに語尾に「-クマ」と付けると言う濃過ぎるキャラとなっている。
    • キャラクターの背景や設定自体は非常に凝っており、個性を引き立てるのに一役買っている。
  • よほどRPGが苦手でない限り、進行不可能になって投げ出す事がない難易度となっている。
    • どこでもセーブが可能なため、中断ややり直しも容易にできる。このお陰でダンジョンの謎解きは大分楽になっているし、特に難しい謎解きについてはヒントが用意されている。
    • ボス戦のインフレ気味なバランスも、必然的に短期決戦になることで初心者にとって取っ付きやすい仕組みであるとも言える。
    • 本編中で連戦になるシーンは一時的にセーブ不可能になるなど、不用意にセーブしては詰まりかねないポイントに対する配慮もされている。
  • 光田康典が担当したBGMの質はとても高い。
  • 数こそ多くはないが、OPアニメーションを始めとしたアニメーションシーンはフルCGとなっており、DSのゲームとしてはかなり頑張っている。AAAの歌うOP曲「Crash」も作品の雰囲気と合っていて評価が高い。
    • ただし、OPアニメーションの内容は本編とは直接リンクしていない。OP詐欺とも取れる。

総評

バグもタッチ操作の強制もなく普通に遊べる出来。世界観やキャラクターにも見所があり、先行して放送されたアニメから入ったRPG初心者を意識して取っ付きやすいように簡潔に作られたシステム面は評価できる。戦闘面も不安定ながらバランスが破綻している訳ではない。

しかし単調さが過ぎるゲーム性やその割にストレスのたまる数々の仕様、乏しいやり込み要素や自由度などゲームとしての面白みに欠ける部分が多いのは問題である。

一風変わった戦闘システムをはじめとして光る要素はあっただけに、諸々の詰めの甘さや調整不足が悔やまれる。

総じて、ゲームとして成立しており纏まりはあるが、完成度自体は高いとは言い難い作品である。アニメで興味を持った人や本作の世界観を楽しめる人には勧められるが、一つのRPG作品としての評価は凡作に留まるだろう。


余談

  • 今作発売に先行して放送されたアニメ版はガンダムアニメでレギュラーキャラを勤めた声優が多く出演しているということで一部で話題になった。
    • 殆どのキャラクターの性格や背景、扱いが違っており、ゲーム版と比べて全体的にマイルドな作風となっているが、評価はそれなりに良い。

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最終更新:2022年11月28日 10:42

*1 ミュージシャン兼音楽プロデューサー。AAA以外ではTRFやEXILEなどに楽曲提供をし、ヒットを飛ばした。

*2 作詞家。ロックバンドの安全地帯や氷室京介、長渕剛など名だたるアーティストに楽曲提供した事でも知られ、その数も実に約3200曲にのぼる。

*3 一応「棒読みのような口調で話す」という設定はある