スチームワールド ディグ

【すちーむわーるど でぃぐ】

ジャンル 2Dスクロール採掘アクション
対応機種 【3DS】3DSダウンロードソフト
【PS4/Vita/Win/Switch】ダウンロード専売ソフト
発売元 【3DS/Win/PS4/Vita】インターグロー
【Switch】フライハイワークス
開発元 Image & Form GAMES
配信開始日 【3DS】2013年11月20日
【Steam, Origin】2013年12月6日
【PS4/Vita】2014年12月3日
【Switch】2018年7月5日
価格 800円
プレイ人数 1人
セーブデータ 3箇所
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント スチームパンクな探索型地形掘りアクション
丁寧な作りで遊びやすいが…


概要

ダウンロードソフト中心のメーカー、インターグローがリリースしたニンテンドー3DSDLソフトの一角。
ジャンルとしては横スクロールアクションゲームに該当するが、自機を強化していくRPG要素・及びステージ探索要素も含まれる。
叔父の鉱山を相続したスチームロボのラスティが、様々な宝物を掘り当てながら鉱山の町タンブルトンを復興させていくというストーリー設定。
オートセーブ方式。メイン操作はすべて十字ボタン・ボタンで行う。

3DS版リリースから1年後にPS4とVitaにも移植された。 PC版も販売はされているが、こちらは日本語が正式サポートされていない(※後述も参照)ため購入の際は考慮を。


主なルール

  • ゲームの流れ。
    • ラスティ(以下:自機)を操作し、"ダンブルトンの鉱山をひたすらに掘っていく"のが大まかな流れとなる。メインとなる鉱山は3ステージで構成される。
      • ダンブルトンの地上には住民がおり、彼らに話しかけるとレベルアップや買い物が行える(下記)。自機は地上の鉱山入り口・テレポーター・シェルターからステージへと行き来できる。
    • 本作は探索型アクションゲームという関係上、同じステージの探索を行き来する攻略は必至となる。
      • プレイ感覚としては「ステージをある程度進め、自機強化をする ⇔ 地上へと戻り、レベルアップ・アップグレードをする」の繰り返しを行う形となる。
      • 鉱山は地下へと続いており、地面を掘りまくる事で通路が開けてくる。地面を掘る度に、様々な宝石や敵・仕掛けなどに遭遇する場面が頻発する為、それに応じた行動が求められる。
      • 条件(テレポーター・シェルター配置など)さえ整っていれば、ステージ攻略中であってもすぐに地上へと戻る事ができる。
      • 以前掘った地面・及び敵や宝石などの状態は、再度該当ステージに挑んでも"そのまま"の状態となっている(例外あり)。
      • ステージ中には時折「扉」が設置されている場面があり、自機を扉の中に入れるとミニステージが発生する。ほとんどの場合、自機強化へのフラグが隠されている事が多い。
      • 3ステージ目を完全クリアするとエンディングを迎える。クリア後にはそれまでにプレイヤーが達成した行動のランクが表示される。
    • 下画面には常時、ステージ内の「MAP表示」がされており、攻略の目安として利用できる。
      • MAP表示の主な機能としては、「地形の状態」「自機や敵の居場所」「扉の場所」などがある。攻略を進めると、さらなる機能が追加されていく。
  • 操作系統。
    • 自機の基本操作は以下の通り。
      • 十字ボタン(アナログパッド)で左右移動。はしごの近くに接した状態にてキー上下で昇り降りできる。
      • Bボタンでジャンプ動作。ボタンの押す長さによってジャンプ力が変化し、ジャンプ中の移動制御も可能。
      • 十字ボタンとAボタンの組み合わせで、その方向へと装備武器の攻撃を行う(ジャンプ中は不可)。地面を攻撃すると掘る事ができ、敵に攻撃するとダメージをあたえられる。
      • Xボタンで消耗系アイテムの使用。
      • Lボタンで装備武器の選択。Rボタンで消耗系アイテムの選択。
    • その他にも、数々の特殊操作もある。一部アクションはゲーム初期時では行えず、操作するには自機強化を行う必要がある。
      • ジャンプ中に横から壁に接した状態にて、十字ボタン左右とBボタンの組み合わせで"ウォールジャンプ"。壁に接していれば連続ジャンプが可能(いわゆる三角跳び)。
      • Yボタンを押しながら十字ボタン左右で"ダッシュ移動"。ダッシュ中にジャンプすると、通常よりも高いジャンプ力で飛べる。
      • 十字ボタンを下に押しながらBボタンで"スチームジャンプ"。非常に高いジャンプ力で飛べるが、操作する度に水量が消耗してしまう。
      • Bボタン2回押しで"二段ジャンプ"。ダッシュやスチームジャンプとの併用可能。
  • 自機の基本性能・ミス条件について。
    • 自機には「HP」「水量」「燃料」のパラメーターが存在する。
      • HPは"自機のライフメーター"を示す。敵やトラップに触れたり高過ぎるところから落ちると消耗していき、0になるとミスとなってしまう。地上に戻っても回復されない。やられた時は2メモリ分だけ回復する。
      • 水量は"自機の特殊攻撃・動作を行うのに必要なメーター"を示す。特殊攻撃などを行う度に消耗していき、0になると行動が起こせなくなってしまう。地上に戻っても回復されない。やられた時はカラッポになる。
      • 燃料は"自機周辺を照らしてくれる明かりの残量メーター"を示す。時間経過で消耗していき、0になると周囲の地形や敵などが見えにくくなってしまう。地上に戻ると完全回復する、
    • 同じく自機には「ポーチ」という探索道具を持っている。
      • 自機が一度に所持できる宝石には限りがあり、ポーチの上限分の宝石を取得してしまうと、以後の入手が拒否されてしまう。買い物でポーチのアップグレード(上限増加)が可能。
      • 入手できなかった宝石は、「一旦ステージ内に放置して地上へと戻り、換金で消費した後に再度取得し直す」事で入手できる。
    • 攻略を進めると、複数の「装備武器」と「消耗系アイテム」を所持する事ができる。
      • 装備武器は総計3種類あり、それぞれの武器には一長一短の性能差がある。武器のうちの2つは、使用する度に水量を消耗する。買い物で武器のアップグレードが可能。
      • 消耗系アイテムは所持している"もの"の消費と引き換えに、何かの効果が発揮できる。アイテムは主に買い物で入手できる。
+ 装備武器・消耗系アイテム一覧
装備武器
ピッケル 3つの武器の中では最も低い性能だが、使用しても水量を消耗しないメリットがある。4方向に攻撃可能。
ドリル ボタン押しっぱなしでオート攻撃してくれる武器。武器の中で唯一、岩地面を掘れる。4方向に攻撃可能。使用する度に水量消耗。
アーム 攻撃力・リーチ共に長く、ボタン押しっぱなしで溜め攻撃ができる。8方向に攻撃可能。使用する度に水量消耗。
消耗系アイテム
はしご ステージ内の地面に設置できる"はしご"。はしごの上にさらに重ねて設置も行える。
ランプ ステージ内の地面に設置できるランプ。設置したランプ周辺は常時明かりを灯し続ける。
ダイナマイト 自機前方に投げた後に大爆発を起こす武器。爆風は自機・地面・敵を問わず木っ端微塵にする。
携帯テレポーター ステージ内の地面に設置できるテレポーター。他の消耗系アイテムと比べ、入手手段の敷居が高い。
  • 先述の通り、HPがすべて尽きるとミスとなるが、地上に戻されるだけで終焉的なゲームオーバーにはならない(何度でも復活可能)。
    • 自機が岩に押し潰されると、HP残量に関わらず即ミスしてしまう。それ以外の即ミス対象は原則として無い(後述の例外は除く)。
    • 自機が高い場所からの急激な落下をしてしまうと、致命的なHP消耗となりやすい(即ミスもあり得る)。但し、攻略を進めいくと自機に落下耐性が付き、HP消耗の危険性が薄まる。
    • ミス後は「修理費」として、所持金の半分を失ってしまうペナルティ。所持金が0だと実質無料で済む。ただし、扉の中のミニステージでやられた場合は、修理費はかからない。その代わり、解いた仕掛けや掘った地面、入手したアイテムなど、全ての行動がリセットされた状態で、ミニステージの入口(つまり最初)からやり直しになる。
    • ステージ中にポーズをかけると「自爆」というコマンドが選択できる。これを決定すると即ミスとなり、強制的に地上へと戻される。
  • レベルアップ・買い物について。
    • ステージ内で自機が入手した宝石は、地上にいるドロシー(女性キャラ)に話しかける事で「お金」へと換金して貰える。
      • 宝石を彼女に渡せば渡すほどに「レベルゲージ」が増えていく。ゲージが最大になれば「レベルアップ」となり、後述の恩恵が受けられる。
    • 地上には「商人」が様々な商品を発売しており、所持金と引き換えに"それら"を購入(買い物)する事ができる。
      • レベルアップが高ければ高い程、アイテムの品揃えが増していく。さらなるレベルアップに到達すれば、新しい商人がやってきて"より"質の高い商品を販売してくれる。
      • 一部の商品はお金だけではなく、「オーブ」というもう一つの宝石も支払わなければならない場合もある。オーブはステージ中で入手でき、換金なしで使用可能。
  • 登場アイテム・敵・地形・仕掛け・トラップなどについて。
    • 各ステージ中では以下のアイテムなどが登場する。
+ アイテム・敵・地形・仕掛け・トラップ一覧
  • アイテム系。
    • 「宝石」…大量の種類がある宝石。入手後に地上のドロシーに話しかける事で換金できる。先のステージへと進むにつれ、価値の高い宝石に遭遇しやすい。
    • 「オーブ」…もう一つの宝石といえる存在。オーブは1種類のみだが、宝石に比べると出現割合が大幅に少ない。
    • 「ハート」「水」「光」「ミックス」…回復系アイテム。左から「HP回復」「水量回復」「燃料回復」「HP・水量・燃料の一括回復」の効果。敵を倒すと高確率で落とす。
  • 敵系。
    • 「雑魚敵」…「その場でうろついている敵」「飛び道具を投げてくる敵」「やたらと耐久度の高い敵」など、複数の雑魚敵がいる。
    • 「レーザー砲台」…自機目がけて的確なレーザーを放ってくる固定砲台。自機の攻撃や体当たりで破壊可能。
    • 「最期の敵」…ステージ3の奥に待ち構える強敵。本作においてボスと呼べる唯一の存在。
  • 地面系。
    • 「通常地面」…地面の中では最も多く見かける。すべての装備武器・及び何かの衝撃で掘れる。地面によっては耐久度の高いものもある。
    • 「もろい地面」…自機が足を付くだけで崩れてしまう地面。一部地面は崩れてからしばらくすると再生する性質あり。
    • 「一方通行地面」…通常では掘れないが、別方向へと回り込めば掘る事のできる地面。
    • 「岩地面」…装備武器のドリルでしか掘れない地面。
    • 「岩」…岩の下にある地面を掘ると、重力に従って岩が落下する。自機が岩に押し潰されると即ミス。破壊する手段はない。岩によっては変則的な落下をするものもあり。
    • 「酸性の地面」…酸性の水滴を降らせてくる地面。地面を破壊すると水漏れがなくなり、安全に通行しやすくなる。
    • 「仕掛け付き地面」…テレポーター・はしご・ランプのいずれの仕掛けが設置された地面。地面を掘ると、仕掛けもろともに消滅してしまう。
    • 「再生地面」…簡単に掘れるが、しばらくすると再生してしまう地面。
    • 「完全地面」…いかなる手段を用いても破壊する事はできない。岩とは違い、重力による落下影響は一切受けない。
    • 「宝石(オーブ)入り地面」…この地面を掘れば、宝石またはオーブを落とす。
    • 「台座」…自機の台座として利用できる地面。衝撃をあたえれば破壊できる。
  • 仕掛け系。
    • 「テレポーター」…設置箇所と地上を繋ぐワープゲート。あらかじめ設置されているものと、消耗系アイテムとして設置できるものがある。地上側のテレポーターは1箇所のみ。
    • 「鉱山入り口」「シェルター」…ステージと地上を繋ぐワープゲート、前者はステージ1から・後者はステージ2か3からの再開が行える。
    • 「はしご」…自機の移動手段の一つ。あらかじめ設置されているものと、消耗系アイテムとして設置できるものがある。
    • 「ランプ」…ランプが設置されている周辺には、常時明かりが灯されている。あらかじめ設置されているものと、消耗系アイテムとして設置できるものがある。
    • 「水溜り」…地面と同化する形で配置されており、自機を触れさせる事で水量が回復する。接触中は水かさが減っていき、枯渇する恐れあり。水かさはステージを抜けると復活する。
    • 「壁」「スイッチ」…普段の壁は閉じられており、周囲にあるスイッチを起動させる事で該当の壁が開かれる。
    • 「キノコ」…自機がキノコを踏むと、強制的に大ジャンプする。ジャンプの機軸が変則的で移動制御がしにくい。キノコは自機攻撃や衝撃で破壊できる。
    • 「扉」…各ステージの一定区間に配置された、ミニステージへと進める扉。ステージ最深部には"次ステージへとワープする扉"も配置されている。
    • 「強化装置」…自機強化のターニングポイントとなる装置。これに遭遇できなければ、確実に攻略が詰むだろう。
  • トラップ系。
    • 「トゲ」「酸性の水溜り」…共に自機が触れてしまうとHP消耗。いわゆるダメージ落とし穴的な存在。
    • 「酸性の水漏れ」…酸性の地面から降ってくる水漏れ。自機が水滴に触れるとHP消耗。
    • 「ニトロ入り樽」…衝撃をあたえると爆発する危険物。爆風に巻き込まれてしまうとHP大消耗に加え、周囲の地面や敵をも木っ端微塵にする。
    • 「巨大レーザー砲台」「レーザー装置」…自機を通せんぼする形で、一方向へと放出されるレーザー。周囲にあるレーザー装置を壊すと、該当の巨大レーザーの機能が完全停止する。
    • 「目玉レーザー砲台」…巨大レーザー砲台とは違い、永久機能停止の手段はない。その代わり、砲台を攻撃すると一時的にレーザー機能が停止する。

評価点

  • 穴掘りアクションと探索要素の融合。
    • 名作FLASHゲーム『Motherland』を彷彿とさせるゲームデザイン。
    • ひたすら地面を掘り進め、資源を回収しながら自機を強化していく自体が目的となっている。
    • 丁寧なドット絵のグラフィックに加え、移動・採掘・ジャンプと言ったアクションの基本部分が丁寧に作られており快適にプレイできる。
    • また、タンクの水を消費して行うスチームパンチやスチームジャンプといった特殊アクション要素が、ゲームプレイに変化を与える良いアクセントになっている。
    • ミスタードリラー』を彷彿とさせる穴掘りアクションと、『メトロイド』を彷彿とさせる探索要素が融合した作品である。
      • 『ドリラー』ばりに地面を掘って下へと進み、『メトロイド』の如く周辺の探索(時に休息)を行う。細かい前知識はあまり必要とせず、地面掘りと探索だけに集中できる。
      • 『ドリラー』の酸素ゲージに相当する"ランプ"の概念がある為、長時間の探索は周囲の視野が見えなくなりゲーム続行が困難となる。
      • ただし本作は、『ドリラー』のようなアクションパズルゲームでは無い。迷った時は、じっくり手を止めて考える事も可能で反射神経などは要求されない。
      • 自機は原則として地面に足が付いている状態での上下左右4方向にしか攻撃が行えない(アームは8方向)。「地面の位置を考えながら、地面と敵の双方に攻撃を行う」テクニックも必要となる。
    • 本作における大雑把な攻略方としては、「地形を確保できる程度に地面を掘り、少しでも危険と感じたら地上へと戻る意識をする」という、少し臆病な意気込みで進む方がいい。
  • 難易度は低めの部類。
    • 本作の難易度はあまり高くなく、アクションゲーム初心者でも頑張れば余裕を持ったクリアが可能となっている。
      • ミスしても(修理費を払った上で)地上に戻されるだけで済む為、幾らミスしようが確実に攻略が進められる。各ステージはミス前の状態のままなので、同じ攻略を繰り返す心配も薄い。
      • ピンチに陥っても何度でも地上へと帰還できる故に、無理にステージ攻略を続ける必要はない。但し、地上へと戻る仕度(テレポーター使用など)を行わないと、ミスの危険性が高まってしまう。
      • 先のステージに進むにつれ、突発的な敵攻撃やトラップによるダメージを食らいやすいものの、敵を倒すと高確率で回復系アイテムを落とす為、そう簡単にはミスになりにくい。
      • 実のところ、自機がまだ強化やアップグレードがされていない状態のステージ序盤が一番の難関であり、ステージを進んでも"さほど"難しいという感じがしない。
  • 自機を強化していく楽しみ。
    • 本作の自機は強化やアップグレードを行う度に着々と強くなっていく
      • ゲーム序盤での自機は「地面を掘るのに時間がかかる」「移動範囲が限られる」などの制限があり、あまり快適な性能とはいえない。
        しかし、強化やアップグレードを重ねていく事で性能が増し、以前では不可能だった行動が行える様になる。
      • この「自機の性能を上げていく」過程が本作の醍醐味の一つであり、「何としてでも性能向上させてやる」という意欲に駆られてくる。
      • 自機強化は先に進む為に必至だが、アップグレードは関わらなくても事実上オールクリアは可能である。すなわち、アップグレードに頼らない"縛りプレイ"もできる。
  • 宝石採掘で金儲け。
    • ステージ中には地面内にザクザクと宝石(オーブ)が詰まっており、「それらを採掘した後に地上へ持ち帰る」作業が日課となるだろう。
      • 採掘した宝石をドロシーに渡して換金し、買い物で自機のアップグレードしていく過程が楽しくなってくる。
      • しかし、宝石やオーブの数は有限であり、あまりにも豪快に買い物をすると所持金が早々に尽きる。よって、できるだけ消耗系アイテムの買い物は控えないと後々にまずい事になってしまう。
  • ひたすらに渋い路線のグラフィック・BGM周り。
    • ほぼフルドットで描かれたグラフィックレベルは総じて高い。
      • 自機の動きが非常に滑らかで、全編通して"ぬめぬめ"と動き回る。住民や敵・仕掛けなどの動きも細かく、手抜きが全く感じられない。
    • ウエスタン & サイバーメインなBGMも渋くてかっこいい。
      • やはりDLソフトの宿命なのか、楽曲自体はあまり多くないものの、場の雰囲気に合った良質なBGMが流される。派手さは薄いが、耳に残るき曲調というべきだろうか。

賛否両論点

  • 魅力的ながらも薄口なストーリー設定。
    • "荒廃したスチームパンクの世界観で繰り広げられる"ストーリーは独特の魅力あり。
      • ラスティやタンブルトンの住民達は全員ロボット生命体という設定だが、機械の体でありながらも彼らの仕草は非常に人間味溢れるものとなっている。
      • 序盤では西部劇を漂わせる雰囲気だが、地面を掘っていくにつれロストテクノロジーを彷彿とさせる展開となっていく。個性的な容姿の住民や、意外な正体のラスボス戦といった見所もある。
    • しかし、キャラ同時の会話などのイベントシーンが非常に少なく、本格的なストーリーを期待すると肩透かしを食らうだろう
      • ラスティ自身が喋るのはプロローグと最後に待ち構える敵とのやり取りのみで、それ以外では完全に無口状態である。ステージ中ではラスティとラスボス以外に会話する者がおらず、常時サイレントなゲーム進行となる。
      • 最も喋る機会が多い住民達ですら最低限の事しか喋らない為、いまいちキャラの人物像が見えにくい面がある。容姿が個性的なだけに、もう少し会話する機会を増やして欲しかったところ。
      • ただし、そもそもストーリーを期待するようなゲームではなく、あくまでもフレーバー要素の一環である事を考えれば妥当な範囲だと言える。

問題点

  • マップが非常に狭く探索の自由度が低い
    • 2D掘りゲーとしての基本は非常に良く出来ておりプレイしていて楽しいゲームだが、マップが狭く探索要素や採掘要素がスポイルされてしまっている。
    • 特にマップ横幅が狭く、深度もあまりないので、縦横無尽に地面を掘り進めながら、お宝をザクザク持ち帰るという感覚は薄い。どちらかというと、狭いマップをセコセコ掘り進める感じになってしまう。
      • また、掘った部分は、後半では壊しても復活するブロックが登場するが、それ以外は1度掘ると二度と復活しないため(扉の中のミニステージは除く)、前述の通り、あまり無計画に掘り過ぎると、自機の着地できる地形が消滅してしまい、最悪ゲームが詰む(地上へ戻れなくなる)
        任意で自爆できる機能があるので、完全に詰む心配はないものの、自爆後は「修理費没収 + 地面不足で今後の攻略が困難になる」という大きな苦労を残してしまう。
  • 資源が有限
    • 地面に埋蔵されている資源は有限で、消耗品アイテムを買いすぎたり、自機の破壊を繰り返し修理代がかかりすぎると、最悪詰んでしまう事もある。このため、アイテムなどはなるべく消費を抑え、常に節約を意識したプレイを強いられる。
    • そもそも、稼げる金額に限界があるこのゲームにおいて、やられた時に所持金の半分を失うなどという、ファミコンのRPGのようなペナルティは、あまりにもそぐわない。まして、復活時、HPは2メモリしか回復しないのである。回復するのも、高額ではないが当然有料。水がカラッポになるのはまだ仕方ないにしても、 高い修理代をふんだくっておいてHPは初期値しか戻さない というのは、理不尽極まりない。
  • 売られている強化アイテムの種類。
    • ピッケルなど、強化するアイテムは結構あるが、逆に数が多過ぎるせいか、1つ2つ買ってもあまり違いが感じられず、ありがたみが薄い。
    • また、ピッケルを強化しても 敵に対する攻撃力は全く変わらない ため*1、掘る以外は同じだけ苦労することになる。
    • もう1つ、このゲームでは、ピッケルもドリルもパンチも、 ジャンプから繰り出すこと(つまりジャンプ攻撃)が全くできない。 ため、不便を感じる場合がある。
  • オールクリア後の特典がない。
    • 強くてニューゲームや隠しステージ的なものが用意されておらず、せっかく強くした自機をぶつける相手が見つからなくなってしまう。
  • Windows版は日本語が正式サポートされていない。
    • ただし2017年11月頃よりベータ版のみ密かに日本語対応しており、ライブラリでゲームのプロパティを開いてベータに切り替えることで一応日本語化が可能になる。
    • また、英語のままでも会話シーンはほぼない上、進むべき道はマップにマーカーされるため特に困ることはない。

総評

ぶっちゃけいってしまえば「地面を掘って、探索して、自機を強くする」という単純明快な内容だが、お互いの要素が見事に組み合わさっているのは見事としかいい様がない。
プレイヤーによっては結構早い段階でオールクリアできてしまうかもしれないが、800円相当の価値は大いにあるだろう。


その後の展開

  • 2016年6月に関連作『SteamWorld Heist』がPCおよびPS4向けにリリースされている。
    • 半年後の2016年12月にSwitchに移植されている。
  • 2017年11月23日に『スチームワールドディグ2』がNintendo Switchで発売された。
  • 海外では、Windows版およびPlaystation4版も発売されている。

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最終更新:2022年11月23日 09:02

*1 例えば、5回殴らないと倒せない敵だと、どんなにピッケルを強化してもそれ以下で倒せるようにはならない。