メトロイド

【めとろいど】

ジャンル アクション

対応機種 ファミリーコンピュータ ディスクシステム
発売元 任天堂
開発元 任天堂
岩崎技研工業
発売日 1986年8月6日
定価 2,600円
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2008年3月4日/500Wiiポイント
【3DS】2012年2月29日
【WiiU】2013年8月14日/上記共に500円
備考 GBA『ファミコンミニシリーズ』第三弾(2004年8月10日発売)
判定 なし
ポイント 中毒性の高い探索要素
秀逸なアイデア
メトロイドシリーズリンク


概要

ディスクシステム専用ソフト第5弾で、『メトロイドシリーズ』の1作目。
当時の任天堂としては初めてとなるハードSFの世界観を持った作品。
ビームを用いた遠距離攻撃を主要にしたジャンプアクションゲームで、広大なダンジョンを進みながらアイテムや通路を探し当てる探索要素を大きなウリとしている。


ストーリー

コスモ歴20X5年。

外宇宙調査船が宇宙海賊に襲われ「惑星SR388」で発見された未知の生命体「メトロイド」のカプセルが奪われてしまった。
ベータ線の照射によって増殖する性質を持ち、惑星SR388を滅ぼすほどの力を持ったメトロイドが
海賊の手によって武器として使われるようになれば、銀河文明が破滅してしまう。

連邦警察は必死の捜索の末、海賊の本拠地「要塞惑星ゼーベス」を発見、総攻撃を行ったが、海賊の抵抗は強く、攻め落とすことはできなかった。
そこで、連邦警察は最後の手段として宇宙戦士をゼーベスの内部に侵入させ、要塞の中枢であるマザーブレインを破壊する作戦を決定。
選ばれた宇宙戦士が「サムス・アラン」である。

サムスは銀河中に名を馳せた凄腕の賞金稼ぎだったが、の正体や経歴は一切謎に包まれていた。
惑星ゼーベスは自然の要塞で、外側は特殊な岩に覆われ、内部が複雑な迷路になっている。
しかも、海賊の手によって様々な仕掛けや罠が張り巡らされており、至る所に不気味な海賊の手下が待ち受けている。 ゼーベスの侵入に成功したサムスはマザーブレインを倒し、銀河文明を救えるだろうか?

(説明書より要約)


評価点

探索要素
本作の最大の魅力かつ後のシリーズの基本ともなった大きな要素。それが「探索」。これなしで本作を語るのはまず不可能と言えるほど重要な要素である。

  • 「自然の洞窟を利用したエリア『ブリンスタ』」「ブリンスタの小ボスの部屋」「灼熱のマグマが噴出するエリア『ノルフェア』」「ノルフェアの小ボスの部屋」「要塞惑星ゼーベスの中枢『ツーリアン』」の5つのエリアからなる広大な地下迷宮を探索し、マザーブレインを破壊するのが目的となる。
    • マザーブレインはツーリアンの奥地で待ち構えているが、小ボスの部屋にいる2体のボスを倒さないとツーリアンには入れないようになっている(基本的には)。そこでサムスはゼーベス内を探索し、小ボスを倒せるだけの力を身に付けなければならない。
  • 進む事ができる道は目に見える場所だけとは限らない。各所には壊れる壁が点在しており、一見ただの壁や天井・床に見えても、特定の攻撃を当てるなどすると通れるようになる。全て見つけ出すのは至難の業で、しかもテキスト等によるヒントは皆無。しかし見つけなければ完全攻略は困難である。
    • 攻略情報もなしに自力で解いていくのはやや困難ではあるが、イベントに制御されるという感じは全くなく、迷宮としての自然な雰囲気を感じることができたり、広大なマップの道を憶えたり、時にはマッピングしたりと手探りでの探索・攻略が楽しめる。
  • 本作はフラグ立てで通行止めしている場所が存在しておらず、ミサイルで破壊できるゲートやパワーアップにより物理的に通過できる場所などで区分けされている。やろうと思えば多少無茶をしてでも強引に奥地へと進む事が可能。

サムスのパワーアップ

  • サムスは最初はただのビームしか武器を持っておらず、最大エネルギー(耐久力)も99しかないので死にやすい。
    • しかし、ゼーベスのあちこちにはパワーアップアイテムが隠されており、それを取得していくことで徐々にサムスが強くなっていく。
      一部の扉や通路はそういったアイテムがなければ通ることができない場合が多く、「最初は行けずともパワーアップ後は進める」といった、アクションゲーム定番の要素は健在。
      また、全てのアイテムを入手するためくまなく探索するか、手っ取り早く攻略するため必要最低限のアイテムだけ入手するかはプレイヤーの手に委ねられているので、好きなように攻略することが可能。
      + 本作で登場するパワーアップアイテム
      丸まり サムスが丸い球状に変形し「丸まり」状態になれる。(続編以降は「モーフボール」と呼称される)
      立ち状態では通れない狭い通路を通ったり、前述のボムを仕掛けられるようになる。
      ハイジャンプ サムスのジャンプ力が1.5倍に上昇する。
      バリアスーツ サムスの防御力が増加し、敵からの被ダメージが半減する。
      エネルギータンク サムスの最大エネルギーが100増加し、さらにエネルギーも全回復する。
      最大で6個まで所持できるので、最大エネルギーは699まで増やせることになる。
      ロングビーム ビームの射程が倍近く伸び、画面端まで届くようになる。
      アイスビーム 当てた対象の動きを数秒間止められるビーム。止めた敵を足場にしてより高い場所に上ることもできる。
      波動ビーム 前方に正弦波を描いて飛んでいくビーム。
      威力はノーマルビームの2倍、壁を貫通して進む、地を這う敵を立ったまま攻撃できる、といいことずくめ。
      ノルフェアの奥地に隠されているため取りに行くのが面倒だが、それを考慮しても強力な武装である。
      ミサイル ノーマルビームの倍の威力を誇る実弾兵器。セレクトボタンでビームと切り替えて使用する。
      赤・オレンジゲートはミサイルを数発撃ちこまないと開かず、ミサイルしか効かない敵も多数存在するので攻略には必須。
      ゼーベス各所に「ミサイルタンク」が安置されており、それを取ることで所持数が5発増加。
      また小ボスを倒すと大幅に増加する(75発増加)。最大所持数は255発。
      ボム 「丸まり」状態時にのみ使用できる爆弾。
      立ち状態のサムスでは攻撃しにくい地を這う敵を攻撃できる貴重な攻撃手段であり、さらに一部のブロックを壊して隠し通路を開くのにも使う。
      ボムの爆風を受けることでサムスが少し上に吹き飛ぶ。
      これを利用した隠しテクニックとしてボムをタイミングよく仕掛けることで上方向に無限に上昇する「無限ボムジャンプ」というものが存在する。
      スクリューアタック 回転ジャンプに攻撃判定が発生し、体当たりで敵を倒せるようになる。
      攻撃力が非常に高く、たいていの雑魚敵は一撃必殺である(効かない敵もいる)。

目的達成後の脱出

  • 見事マザーブレインを倒し、「やった、エンディングだ!」と思ったプレイヤーに新たに突きつけられる試練、それが「脱出」。
    マザーブレイン撃破と同時に時限爆弾の作動カウントが開始され、制限時間内にゼーベスから脱出しなければゲームオーバーになってしまう。
    • 脱出経路は非常に小さな足場を正確に飛び移らなければならず、ワンミスでかなり下方にまで落ちてしまう。時間は十分あるのだが、緊迫感あるBGMとカウントのせいでプレイヤーの焦りも最高潮に達し、中には初プレイ時には脱出に失敗してしまったプレイヤーも数多くいたという。
    • プレイヤーにはおおむね好評であったため、後のシリーズでもお約束のシチュエーションとなった。

マルチエンディング

  • 無事に脱出に成功するとエンディングだが、攻略時間によって最後の内容がほんのちょっと変わる。
    • 中でもベストエンディングは多くのプレイヤーの話題となった。
      + ネタバレ注意。ただし今では普通に周知されている事項
    • サムスがヘルメット(もしくはスーツ)を脱ぎ、実は女性だったことが明らかになる。
      • 説明書では「彼」と紹介されていたうえに「正体は謎に包まれていた」としか記述が無かったためなおさら衝撃は大きかった。
        • 因みに、サムスの正体は開発終盤に決まったものとのこと。サムスが当初女性で無かったことは、そのネーミングの経緯*1からも確認できる。
      • しかし、実は発売時に放映された実写のテレビCMにて女性がサムスを演じている(つまりCMでネタバレ)。
      • これ以降、「条件を満たすとエンディングでサムスが脱ぐ」という要素もシリーズの定番になっている。
      • また、後述のNES版では最短時間でクリアすると、スーツを脱いだ状態で2周目をプレイすることができるようになっている。

世界観に合ったBGM

  • 各エリアごとに異なる雰囲気を持つBGMがハードSF的世界観を効果的に盛り上げている。
    • 作曲者はこの後に『ドクターマリオ』『MOTHER』等の音楽を手がける現クリーチャーズ社長の田中宏和氏。
      • 特に「メインタイトル」は、シリーズを通して使われる代表曲となっている。

賛否両論点

複雑な探索
進める道が明確になっていない上に、ゲーム上で地図を見ることができない。そのため完全制覇を目指すなら自力でのマッピングする必要がある。

  • 製作期間が余り取れなかった*2ことと、ディスクシステムの1Mbitを以ってしても容量が不足してしまうくらい*3データが入っていることもあり、ステージ内で同じ地形を使い回していることが多い。そのためマップがないと「同じような場所を堂々巡りしているのではないか?」と疑心暗鬼に陥り易く、非常に迷い易い。もちろんそれは開発サイドの思惑通りでもあり、それを利用した仕掛けも多数存在する。
    • また、単に使い回しているわけではなく、細部を変えていたり、途中で景観が変わるエリアを挟んだりするなど、退屈・単調な探索にはなりにくいよう配慮されている。
  • 各地のアイテムもある程度は見える場所に置かれているものの、後半では壁や隠し通路の先に隠されて発見しにくい物や、仕掛けを通過するのに高度なテクニックを要するものがあるなど取得が困難になっていく。ただしクリアに必要最低限のアイテムは普通にプレイすれば十分入手可能。
  • ただし、構造こそ複雑ではあるが、普通にクリアする分にはマッピングは必須ではない程度の難易度であるため、この「地図が無い」という点自体はそこまで大きな問題にはなっていない。
    • 攻略本も多くの出版社から発売され、後期のマニュアルには全域のマップが記載されているなど攻略情報の入手も容易であった。*4

問題点

  • 通常ビームの当たり判定が小さい上に「しゃがむ」という要素がないため、下半身の高さの敵をボムでしか攻撃できず、ストレスを感じやすい。
    • 攻撃が届く位置にまで敵が移動するのを待ってから倒すか、使いにくいボムで倒す、という面倒な戦法を余儀なくされてしまう。
    • 次回作以降ではしゃがみ撃ちや空中下撃ちも出来るようになり身長の低い敵に攻撃しづらい問題は改善される事になる。
  • 融通の効かないビーム関連
    • ビームの切り替えにはアイテムを再取得する必要があるため、メインの攻撃手段でありながら切り替えを行いにくい。
    • 波動ビームは地形を貫通する上に先述した「当たり判定の小ささ」を改善する非常に有用なアイテムだが、ある理由から最終マップ『ツーリアン』に行く際はアイスビームへの変更を余儀なくされるので、「強力なのに最終的には使えない」というもどかしさを感じさせる構成になっている。
    • アイスビームは取得した時点でノーマル/ロングビームが2度と撃てなくなる他、波動ビームとは互いに上書きし合うため択一となる。
      また、当たった相手は「凍結(ノーダメージ)→ダメージ→凍結…」と繰り返されるため、敵を倒すにはノーマルビームの倍の弾数を撃ち込まなければならなくなり、ゲームテンポが悪くなる。
  • 画面切り替え時のウェイト
    • マップ切り替えのスクロール中は2~3秒間ではあるが完全に動けなくなるうえ、一部の敵はサムスの硬直中に体当たりを仕掛けてくる。当然ながら回避できずにダメージを受けてしまう。
    • エリア間を移動する際にはディスク読み込みが入るため1~2分程待たされる。
  • ゲーム再開時のリカバリーが困難
    • ゲームを再開すると、エネルギーが強制的に初期値の30に戻される上、必ずスタート地点からの再開になってしまう。
      更に、通常雑魚から出現するエネルギー回復アイテムの出現率が低めな上に回復量も低いので、エネルギーを最大まで戻すのにかなり時間が掛かる。一応未取得のエネルギータンクを回収すれば最大値まで回復できるが、数に限りがあるので当然ながら多用できる技ではない。
      ミサイルも同様の問題を抱えている上に、こちらはミサイルタンクを取っても最大値まで補給される訳ではないので、小ボスでミサイルを連射してなお負けた場合は更にリカバリーに時間が掛かる事に…。
  • セーブポイントが存在していない
    • このため中断セーブを行いたい場合は、自殺してゲームオーバーになるか、ポーズ中に2コンでセーブ画面呼び出しコマンドを入力しなければならない。
      • なお、Wiiのバーチャルコンソール版等では、ポーズ中のセーブ画面呼び出しコマンドが1コンでも入力可能になっている。

総評

「自由度の高い探索アクション」という基礎は本作の時点で完成しており、ハマるとやみつきになることうけあい。それだけに細かい点での調整不足が惜しまれる作品である。

しかし、独特の世界観・雰囲気は国内外を問わず高く評価された。特に北米においてはマリオに比肩するほどの人気作となり、続編希望を望む声に応えて続編制作が決定、シリーズを重ねていく毎に本作で挙がった諸々の問題点も解消されてゆき、名作アクションゲームとしての地位を確固たるものにしていった。


その後の展開

  • 海外ではディスクシステムが展開されていなかったため、NESで発売されることになった。
    • 「バッテリーバックアップではなくパスワード制」「再開時はスタート地点ではなく最後にゲームオーバーになったエリアの入り口で再開」「ディスク音源がないことによるサウンドのアレンジと一部BGMにパート追加」といった変更がなされている。
  • GBAで発売されたファミコンミニ版だけではなく、『メトロイド プライム』と『メトロイド フュージョン』の通信による特典でディスク版が遊べ、『メトロイド ゼロミッション』にはNES版が同梱されている。なお、ゼロミッションに収録されているNES版では直前のプレイのパスワードが自動保存されるため容易に再開が可能。若干ではあるがパスワードの難点が解消されている。
  • 2004年5月27日には本作のリメイク作品『メトロイド ゼロミッション』が発売された。
  • フュージョン~ゼロミッション発売の時期に、メトロイドはコミカライズされた。
    • 『月刊マガジンZ』にて石川堅二氏、『コミックボンボン』にて出月こーじ氏がそれぞれほぼ同時期に連載を開始。前者はサムスの幼少時代を含めた過去に関する内容となっており、描かれた設定は公式のものとして扱われている。
    • 後者はサムスと行動をともにするオリジナルキャラのジョイの成長物語だったが、途中から『メトロイド EX』にタイトル変更され、銀河をまたにかけた冒険活劇に路線変更された。ただし、『EX』に変更されてからの掲載分は単行本化されていない。
  • 1987年には、本作のゲームブック版も発売されていた。
    • 題名は『メトロイド ゼーベス侵入指令』という題で刊行され、迷路探索や戦闘等はゲーム版システムが上手く再現されているが、ゲームブック版の設定ではパワードスーツのヘルメットを付けている時は喋れなくなっていたり、スペースパイレーツの乗組員が船長を含め全員人間型男性だったり、更にサムス・アランの顔が金髪美女ではなく、日本人風ロングヘアーの黒髪美女だったりと、原作ゲーム版にはない設定も存在している。ただ、この『メトロイド ゼーベス侵入指令』は現在は絶版となっており、入手困難となっている。
  • 2016年には『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』(通称ミニファミコン)に収録された。
    余談だが、ミニファミコンに収録されたことにより、Web上でオリジナルの説明書を閲覧することができる(リンク)。
    本作の説明書は、マップを面クリア型のアクションゲームになぞらえて説明する、マップはかなり大胆に公開されている(小ボスの部屋1(クレイド)の配置まで明らかにしている)など独特のもの。
    現代の目線から言うと却って難解にも思われてしまうような説明も多いが、そもそも探索アクションと言うジャンルが未確立の時代だったこともあり苦心の跡が伺える。
    ゼルダの伝説』も同様に序盤の攻略が解説されており、ジャンルの草分けであったことが伺える作りになっている。
  • 2018年11月14日に『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』で配信開始。
    • 2018年11月14日に『メトロイド 決戦!リドリーバージョン』が配信開始。
    • 2019年2月13日に『メトロイド サムス・アラン最終形態』が配信開始。