ガンサバイバー2 バイオハザード コード:ベロニカ
【がんさばいばーつー ばいおはざーど こーどべろにか】
ジャンル
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ガンシューティング
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対応機種
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アーケード(NAOMI) プレイステーション2
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発売元
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【AC】ナムコ 【PS2】カプコン
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開発元
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カプコン ナムコ トーセ(PS2版のみ)
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発売日
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【AC】2001年7月 【PS2】2001年11月8日
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プレイ料金
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【AC】200円
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定価
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【PS2】6,800円 ガンコン2同梱:9,800円(ともに税抜)
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廉価版
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PlayStation 2 the Best 2003年2月20日/3,000円(税抜)
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判定
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シリーズファンから不評
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ポイント
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世界観どころかグラフィックまで旧バイオレベル バイオの名を借りた平凡すぎるガンアクション PS2版はガンコン使わない方が操作しやすい
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バイオハザードシリーズ
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概要
旧バイオの集大成として名高い『バイオハザード コード:ベロニカ』の世界観を元に『バイオハザード ガンサバイバー』のシステムを組み込んだガンシューティング。
カプコンとナムコの共同開発作品となっている。
アーケード版は筐体に設置された銃を動かすことで任意に移動できる「フリームーブシステム」を採用。
シリーズとしては『ガンサバイバー』の続編だが、世界観及びストーリーは『コードベロニカ』のスピンオフになっている。
キャラクターはスティーブとクレアから選択可能。スティーブはサブマシンガンとグレネードランチャー、クレアはアサルトライフルとマグナムが専用武器になる。
共通の問題点
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グラフィックが激しく微妙。少なくとも、PS2レベルには全く達していない。
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ちなみにAC版での使用基板はNAOMIである。PS2レベルに達していないのはともかく、PS1より若干マシな程度というのは基板のスペックすら十分に発揮出来ていない。『コードベロニカ完全版』と比較するとかなり劣っている。稼働も発売も完全版の後なのに…。
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ちなみにNAOMI基板でありながらドリームキャストに移植されず、他社のハードで移植された初めての作品でもある。
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演出もかなり地味で爽快感に欠ける。その上キャラボイスすらついていない。
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『ガンサバイバー』からその傾向はあったとはいえ、謎解き要素は完全撤廃。各ステージに設置された鍵を探し出し、ボスの部屋にたどり着くだけという超シンプル仕様に。
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後述の制限時間も考えると確かにのんびり謎を解いている暇など無いし、ガンシューティングというジャンル自体、謎解きを押し出すようなジャンルではない。
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しかしこのシリーズの魅力が多様な謎解きにあったのも事実で、ガンシューティングというジャンルとは相性がよくないと言える。
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アーケードなので仕方がないとは言え、特にコレと言って明確なストーリー描写はない。またボリューム自体も本編のアーケードモードはかなり薄い。
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恒例の恐怖演出も、橋の下からいきなりゾンビが襲いかかってくるようなドッキリ系に限られており、怖いと言うより単純に不意打ちを食らって面倒くさいという印象の方が強い。
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ステージ全体の構成も最初からゾンビがうようよと配置されており、あまり怖くはない。
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ボス戦におけるハンドガン以外の立場が薄い。
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旧作だとボス相手に有効な種類の弾薬を使って戦うという戦法もあったが、今作では弾薬が少ないのでどうしても弾数無限のハンドガンを使わないと大半のボスが倒せない。
このため攻略本の「何発でこの敵を倒せるか?」というリストでボスはハンドガン以外全部「倒せない」と延々続くさみしい記述になっているものもあった。
PS2版の問題点
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ガンコン使用時の操作性が劣悪
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「撃つ場所を狙いつつ、方向キーで移動」という、結構難しい操作を要求される。
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元々のゲーム性からして「画面の特定の箇所を正確に狙う」といった要素は必要ないはずで、無理にガンコンを使用する操作系を組み込んでしまったのが大きな問題と言える。
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通常のコントローラーの場合「狙いをつける」という操作が要求されないため、操作は格段に易しくなる。専用コントローラーを使うとかえって操作性が悪化するのはガンシューティングとしていかがなものか。
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PS2版追加モード・ダンジョンモードの問題点
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特定のミッション達成を目指してダンジョン内を探索するモードだが、ハンドガンですら弾数が限られており全ての武器を現地調達する必要がある。
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発想は悪くないが、こちらはアーケードモードのボリュームを補うためか異常にダンジョンが長い。しかも相変わらず謎解きなどはなく、見た目のほとんど変わらないダンジョン内をひたすらさまようことになる。
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ダンジョンは何種類かあるが、そのそれぞれに複数のミッションがあるのでコンプリートを狙うなら同じダンジョンを何周もする必要がある。
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AC版では可能だった、2人協力プレイの撤廃
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その代わり相方はCPU操作で勝手に行動してくれる…が、そんなに頼りになるわけでもないので微妙な要素。
評価点
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あまり例のない、AC版のユニークな操作性(フリームーブシステム)。
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AC版では筐体に銃型のコントローラが備えられており、これでキャラの操作を行う。
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銃部分を左右に回転させることで旋回(照準は画面中心のみを狙う)、前後左右に傾ける事で移動…と、操作系は比較的シンプルながらコントローラ自体の大きさもあり、PS2版よりも臨場感のあるプレイが楽しめる。
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基本的にガンシューティングは自動スクロールによる進行でキャラクターそのものは操作できない仕様が一般的だが、このシステムでアクションアドベンチャーである原作らしさをとりいれられている。
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アーケードゲームなので各ステージに制限時間が設けられているが、制限時間をオーバーすると不死身の「実験体」が出現、プレイヤーを執拗に追い回してくる。
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この演出に限ってはステージごとに違う登場の仕方をしてくることもあり、結構ドキッとする。時間切れ直前の緊急アラームも焦燥感をかき立てる。
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こちらからの攻撃を全く受け付けず、逆に実験体からの攻撃を受けるとどれだけ体力があっても問答無用で即死。なお、実験体から逃げ続けても今度は実験体暴走処理用の自爆装置が作動して爆死するので出現されたらクリアを急ぐ以外対処法はない。
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更に条件を満たすことで、ある場所で出現し決着を付けることになる。
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プレイしていくと特典として『コードベロニカ』の真相などが記されたレポートを読むことが出来る。
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これに関してはスティーブやクレアのファン始め評価は高い。ただ、読むためにはアーケードモードをプレイして特典を解放していく必要がある。
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PS2版の追加モードに、「VSローチモード」というひたすら虫を撃ちまくるオマケモードあり。
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何も考えず弾数無限の武器でひたすら虫を潰すモードで暇つぶしとしては悪くはない。オマケなのでボリュームは全くなく、出現条件がダンジョンモードのステージ1クリアなのが少々辛いが。
総評
単体のガンシューティングとしては精々演出の微妙さとガンコンとの相性の悪さが目に付く程度で、そこまで致命的な出来ではない。
一応各ステージの構造はそれなりに練られているし、難易度はそこそこである。
どちらかというと本作の悪評は「名作『バイオシリーズ』を汚した」という方向で向けられることが多い。
『コードベロニカ』の評価が高く、PS2バイオとしては『ベロニカ完全版』に次ぐ第二弾ということで事前の期待度が高かったのも本作の評価を落とした要因だろう。
ただ、そもそもバイオシリーズでなければ悪評すら寄せられず有象無象のガンシューとして歴史に埋もれていた程度の作品であるのもまた事実で、穿った見方をすれば、バイオの世界観でユーザーを惹きつけたゲームと言ってしまえるかもしれない。
最終更新:2024年05月31日 15:00