帰ってきたサイボーグクロちゃん

【かえってきたさいぼーぐくろちゃん】

ジャンル アクションゲーム
対応機種 プレイステーション
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテインメントジャパン(EAST)
アスペクト
発売日 2002年11月28日
定価 3,900円(税込)
判定 クソゲー
ポイント コナミ39(サンキュウ)シリーズの1つ
マタタビ、念願のプレイアブル化
念願のフルボイスなのに主役級以外、全員声優が別人
内容は古き普通のアクションゲーム未満
コンティニューゴリ押しゲー
いろいろと手抜き感満載
サイボーグクロちゃん
デビル復活!! / ホワイトウッズの逆襲 / 帰ってきた


概要

2年振りに発売されたサイボーグクロちゃんの新作アクションゲーム。コナミ39シリーズの第3弾。
前作まではシューティングだったが、今作では一方通行の横スクロールアクションとなった。
サイボーグクロちゃんシリーズ初の据え置きゲームへの登場であり、それに合わせてキャラにボイスが追加された。

今作の敵はごく一部等を除き、ほぼ全て本作のために新規デザインされたオリジナルキャラとなっている。
原作からの敵は「最初のステージでニャンニャンアーミーがザコ敵として登場」「一部ステージでロミオとジュリエットが邪魔してくる」などごく一部のみ。

あらすじ

いつものように昼寝していたクロちゃんだったが、ミーくんが「ニャンニャンアーミーが剛を人質にして挑戦してきた」と駆け込んできた。
それを聞いたクロちゃんはミーくんやマタタビと共に、(楽しさ半分に)フル装備で出発する。
しかし、本当の敵はニャンニャンアーミーではなく…宇宙からやってきたロボット軍団だった。

特徴

  • 前作までのシューティングから、アクションゲームへと変化した。
    • 今作では従来にあったクロポンシステムなどは一切導入されておらず、固定された6種類の武器を切り替えながらプレイする。一部を除いて各キャラの武装に性能差はない。
      • メイン武器:弾数が無限となっている武器。ダメージは少ないが、残弾を気にせずばら撒ける。
      • 剣:画面内にいる敵や障害物全てに攻撃を加える。
      • 火炎放射:火炎を発射して障害物を燃やす。
      • ハンマー:弾数のある限りハンマーを振るって、近づいてきた敵にダメージを与える。
      • ピストル:破壊した障害物から斜め2方向に破片を飛ばす。
      • グレネード:破壊した一部障害物を誘爆させ、他の障害物も次々と破壊する。
    • 障害物や敵以外を無視して垂直に移動するダッシュや、大ジャンプなどのアクションが追加された。
  • パワーアップアイテム。
    • 敵や障害物を破壊した際に一定確率で出現するアイテム。このアイテムを使用する前にどれをパワーアップさせるかを選択する。パワーアップは全て5段階まで。
      • L:HPを回復する。
      • B:武器の弾数を上昇させる。
      • W:武器をパワーアップさせる。パワーアップさせる度に武器の外見が変わる。
      • S:移動スピードをアップさせる。
      • G:防御力をあげる。
  • その他アイテム。ミサイルとガードは他の強化アイテムをとると効果が上書きされる。
    • 弾薬パック:その名の通り全武器の弾数を総合的に回復する。小・中・MAXの3種類が存在。
    • V字ミサイル:一定時間、プレイヤーキャラの中心から前に向かってV字にミサイルを放つ。
    • ホーミングミサイル:一定時間、プレイヤーキャラから複数の誘導ミサイルを放つ。
    • ガードアイテム:プレイヤーキャラを守る球体のガードアイテム。4つ囲むように回転し、攻撃判定もある。
    • スコアアイテム:スコアに加算するアイテム。
  • 破壊率システム
    • 唯一前作までのシリーズ作品から引き継がれたと言っても良い要素。障害物を全て破壊することで上昇していく。これがステージ評価に繋がる。
  • 2P協力プレイが可能。
    • これまでは通信対戦のみだったが、今作は同キャラ以外なら2人同時にプレイすることが出来る。
    • キャラは重なることが可能なため、マルチプレイにありがちな「邪魔しあうプレイ」が発生しない。
      • ただしパワーアップアイテムは1Pプレイを前提とした量しか出てこない為、アイテムの取り合いは発生しやすい。

問題点

  • 操作性が悪い。
    • スピードをパワーアップさせないとプレイヤーキャラの動作が重すぎて、何をするにも不便さが募る。
    • 方向キー2度押しによるダッシュは、この動作の重さもあって常に暴発の危険性が付き纏う。自分から穴に落ちてしまうこともある。
      • 暴発の危険性については大ジャンプも同様。実は本作では方向キー上もジャンプに対応している。×ボタンでジャンプすると同時に上キーを押してしまうというこの手のアクションゲームでやってしまいがちな操作によって、したくなくても大ジャンプしてしまうことがある。
    • 2002年というPS1最終期の中にあって、本作はなんと後戻り不可の一方通行横スクロール。時代遅れ感の否めない仕様が足を引っ張り、ただでさえやり辛いゲームを更にやり辛くしてしまっている。
      • これに関しては破壊率のシステム上、戻って簡単に壊せないようにするための措置ではあるが…。
  • コンティニューを前提に考えすぎたゲームバランス。
    • コンティニューは無制限だが、難易度調整がコンティニューを前提にしている節がある。複数のシーンにおいて、敵の攻撃を避けきるのが異常に難しい。
    • そういったパートが多いにもかかわらず、回復手段は貴重なパワーアップアイテムを消費して行うしかない。
      • パワーアップアイテム自体が本作のアイテムの中では一番出難いもので*1、ノーコンティニューを目指すにしても回復目的に使うのは明らかに他の効果とメリットが釣り合っていない。
      • また、コンティニュー無制限という仕様上、ただクリアするだけならばライフアップとガードアップは明らかに不要。
    • ダメージを受けた後、プレイヤーキャラは緩やかに大きくノックバックする。ノックバックの間は途中復帰できず、吹っ飛んだ先に落下穴があるとさらに大ダメージを受けることになる。
      • 1面後半は落下穴が複数設置されており、序盤から「被弾→落下」による大ダメージコンボの洗礼を受けやすくなっている。
      • 1面を切り抜ければ暫くはマシだが、弾幕が濃くなる後半戦ではこうした落下穴の地点や範囲が増えてくる。結果、先へ進めば進むほど多くの地点でこのコンボが成立し、ストレスが溜まる。
    • プレイヤーキャラより上下にいる位置の敵に攻撃する手段が、基本的に先述した全体攻撃の剣しかない*2。安定して攻撃するにはV字ミサイルかホーミングミサイルを手に入れるしかない。
      • しかもミサイルは時限付きアイテムであり、入手した時点で即使用開始となる。適切な場所で使うにはだいぶ骨を折る必要がある。
      • 更にホーミングミサイルの誘導が極めて優秀な為、V字ミサイルの完全な上位互換となってしまっている。アイテムを新しく取得した場合効果が上書きされるという仕様もあって、V字ミサイルははっきり言って攻略の邪魔でしかない。
      • 2Pプレイであればこちらも弾幕を形成可能なため、ストレスはある程度軽減される。そこまでしてノーコンクリアを目指すべき作品なのかという問題はさておき。
  • キャラゲーとしては看過し難い、キャラクター格差の問題
    • マタタビのメイン武器が、明らかに他のキャラよりも高性能。
      • マタタビのメイン武器は他の2匹と違いブーメランで、自分に戻ってくる。1発ずつしか投げられないと思いきや、なんと他の2匹のガトリングと同じ感覚で無限に撃てる。ブーメランは当たった時点で消滅するが、戻りのブーメランにも判定があるので普通に強い。判定も広いなど至れり尽くせり。
      • ただしあまりに連射が早いとブーメランが無数に画面に表れて処理落ちする。
    • 一方でミーくんはクロの演出劣化キャラとなってしまっている。メインのガトリングを最強まで改造すると発射音がしっかり重くなるクロちゃんと違い、ミーくんはしょぼい音のまま。
      • マタタビは手作り感満載の武器を装備し、クロちゃんやミーくんとは別キャラ感がある。それに対しミーくんの武器はクロちゃんの色変え武器が多く、今作に限ってはミーくんだけやたら不遇。
      • 他の猫キャラに負けず劣らず、声優さんの楽しそうな演技だけが救いである。
  • 武器の性能にムラがありすぎる。性能面で主に問題視されるのは剣と火炎放射。
    • 剣はPVを見る限りだと普通の格闘戦用武器だったのだが、製品版では画面上の敵を全て攻撃するものへと変更された。この効果のため、弾数は最大まで改造しても「5」止まりに。画面上全ての敵を倒せる爽快感は、効果音の良さも相まって悪くはないのだが。
      • 原作やアニメでは剣を普通に振り回していたのが、本作で剣の代わりに振り回すのはなんとハンマー。クロちゃんやミーくんが剣ではなくハンマーを振り回す様は、原作ファンやアニメ版視聴者ならば強い違和感を覚えるかもしれない。
      • 剣は6種ある武器の中で唯一上下方向への攻撃が可能。しかし弾数の関係で乱用不可能な上、武器・弾数ともにLv5まで改造しないと実用性が薄い。
    • 火炎放射は破壊した障害物を燃やすというものだが、燃えたところでダメージ判定が出るわけでもなく、ただ破壊まで時間がかかるだけという面倒な仕様。
    • グレネードは破壊した障害物を誘爆で次々に連鎖破壊が可能。早く障害物を除去出来るうえ、画面をうまくスクロールさせていけば次々に破壊可能。こちらは逆に使い勝手が良すぎる。
      • その一方でボスなど耐久値の高い相手に当てても爆発せず、一瞬ダメージを受けたということを知らせる白の明滅があるだけ。ボス相手には当て難い上に見難いという二重苦となっている。
  • マタタビの目は右目が隻眼となっているのだが、マタタビが左を向いた時、ドット絵をそのまま逆にしただけになるため、隻眼が左目に移ってしまう。
    • 『ゲゲゲの鬼太郎 逆襲!妖魔大血戦』は本作の流れを組む2Dアクションゲームだが、こちらの鬼太郎はちゃんと反転グラフィックも制作されている。
      • 「一方通行だから基本的に反転グラフィックを必要としない」と思うかもしれないが、ボスパートは否が応でも反転することになるため単純に手抜きとしかいいようがない。
  • 主役猫3匹以外の声優が全員オリジナルキャストではない。
    • せっかく猫3匹がオリジナルキャストなのに、剛やナナ、コタローといったアニメレギュラーの声まで違うため、掛け合いに違和感がある。
    • 特にミーくんの「剛くーん!」「ミーくーん!」の掛け合いは、アニメを知っているファンなら萎える事請け合い。
    • ドクター剛役の古澤徹氏は、かつてサンプルボイスにまで本作への思い入れをわざわざ入れていたという逸話があるほどであっただけに、ファンとしても出演者としても残念な形となった。
      • ロミオは竹本英史氏が担当しているが、オリジナルキャストの岡野浩介氏に近づける為か、裏声を使った無理のある変声になっている。この結果ロミオの印象がアニメ本編における「面白いウザキャラ」から「ただのウザキャラ」になってしまっている。
    • アニメ本編が「制作会社の倒産」で無念の打ち切りを迎えていた経緯もあって、フルボイスで喋るということを聞いたファンは歓喜していたのだが…。これでは猫衆がオリジナルキャストでも興ざめである。
      • 一応、本作でキャラを演じた声優の皆様に罪は無いという点は強調しておく。
  • 2面だけ破壊率達成100%がやたら難しい。
    • ロミオとジュリエットが原作と同じくマップ中の障害物に変装しており、プレイヤーが近づくと逃げていく。これらも破壊率にカウントされているため、逃げられるとその時点で達成不可。
      • しかも逃げられた時点で変装した2人は当たり判定がなくなるという嫌らしい仕様。破壊率100%達成を狙う場合、2面だけは慎重に進めないといけない。
  • 2面ボスが自分の主の名前を間違えて呼称している。
    • 本作のラスボスの名前は「ビッグ・ボス*3」であるが、2面のボスは「ビッグボディ」と呼んでしまっている。スタッフが自分で作ったオリキャラの名前を間違うとはこれ如何に。

評価点

  • フルボイスでゲームが楽しめる点。
    • 特にメインの猫三匹はTVアニメと同じ声優であり、アニメと変わらない演技を堪能できる。
    • 戦闘ボイスは、結構原作モチーフの台詞が使用されている。
  • マタタビが使用可能となった。
    • 第1作目では1面のボス、第2作目では登場すらしない。TVアニメでは出番削減と、原作外の他メディアでは人気に反して冷遇されてきたマタタビが、ようやくプレイアブルキャラとなった。
    • 本作ではクロちゃん・ミーくんはオリジナルの武器もいくつか使う。マタタビもその大半はオリジナルだが、『マントの下に何を隠しているかわからない』設定上、オリジナル武器だらけながらも違和感は少なめ。初期武器に至っては割合原作で見かけた武装も。
  • アクションする部分はよく動く。
    • 武器チェンジ、刀を振るなどのアクション時は結構良い感じで動く。
  • サウンド面がなかなか良質。
    • システム効果音はやたら小気味良く、BGMはこれまでとは違い全編ロック調で、評価が高い。

総評

無念のアニメ打ち切り、原作終了のダブルパンチで風化していたクロちゃんのまさかの新作として話題になった。
しかし出荷数も知名度も少なすぎたせいで、一部のファンだけが手に入れた幻のゲームという扱いが強い。
ゲームとしては並以下で、プレイステーションのゲームとは思えない粗だらけの内容である。

主役3匹以外の声優が違うことを除けば、久々にクロちゃん達の声が聞ける他、マタタビが使えるなどファンには嬉しい要素もある。
ただ、単体のゲームとしても微妙、主役以外の声優が違う為キャラゲーとしても中途半端と、どうにも評価し難いクソゲーであることには違いない。


余談

  • 本作パッケージイラストは原作者である横内なおき氏が原画を描き下ろしている。原作終了後に描き下ろされたイラストの為、かなり貴重。
    • 本作以前に発売されたGB作品のパッケージはアニメ画像の流用だった。
      • これでゲームそれ自体の内容が、良作までとは行かずともある程度遊べる内容だったならば、ファンアイテムとしては及第点だったことだろうが…。
  • 本作の発売時にはコミックボンボンにて『サイボーグクロちゃん 番外バトル』がタイアップ漫画として連載されていた。この漫画ではクロちゃんの生みの親の横内なおき氏は「ウッディケーン」等他漫画の執筆の為監修に留まり、かつてボンボンのイラスト投稿者であった内田じゅんた氏が作画を務めていた。
    • この漫画は当初は雑誌の中部や巻末のオマケのカラーページで4コマ漫画という形で連載していたが、タイアップ終了後も通常の漫画としてモノクロページで2005年まで連載していた為、本作はある意味原作漫画復権の為の踏み台になってしまったクチがある。
      • ちなみに同漫画のカラー時代にコタローがクソゲーを話題にしていたエピソードも存在するが、タイアップ元の本作がクソゲーになってしまったというのは皮肉としか言いようが無い。
  • 近年原作漫画のセレクション再販がなされたこともあり、一部では前触れ無く妙なゲームをリバイバルしてくるコナミによる新作が期待されたこともあった。
    • 勿論、そんなものは用意されなかった。現状での最終作がこの有様では、当然といえば当然ではある。