エキサイトトラック
【えきさいととらっく】
| ジャンル | レーシングアクション |  
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| 対応機種 | Wii | 
| 発売元 | 任天堂 | 
| 開発元 | Monster Games | 
| 発売日 | 2007年1月18日 | 
| 定価 | 5,524円(税別) | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | スタントプレイ重視のレーシングアクション 爽快感は抜群
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概要
Wiiで発売されたトラックレーシング。他のレースゲームに比べ、「華麗に走る」ことを重視した作りになっている。
なお『エキサイトバイク』シリーズとは発売元が一致し名前も類似しているが、直接的な関連性はない。しかし後にエキサイトバイクのリメイク版を本作の開発であるMonster Gamesが担当し姉妹作のような関係になっている。
システム
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特にコレと言ったストーリーやキャラクターはない。世界中で開催されるトラックレースを次々クリアするのが目的になる。
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基本のシステムは「トラックを操り、規定回数コースをラップする」と一般的なレースゲームと大差ない。
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リモコンを横に持った操作性が特徴で、2ボタンがアクセル、1ボタンがブレーキ、リモコンの傾きでハンドリングと、『マリオカートWii』に近い操作性になっている。
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十字ボタンを押す(方向は関係ない)とターボを使用可能。一時的にスピードを上げられるが、使用すると画面右下の水温ゲージが上昇し、限界に達するとオーバーヒートして一時的にターボが使えなくなる。
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水温ゲージは時間経過で減少。水に突っ込むと一瞬で回復できる。
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これ以外の操作は逆走した際にAボタンを押して復帰するぐらいで、全体的にシンプル。
 
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ステージ各所には段差があり、段差を越えるときにジャンプが出来る。飛び越す瞬間にターボをかければブーステッドジャンプになりより長く飛べる。
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ジャンプ中はリモコンの傾きで姿勢制御でき、手前に傾けると長く飛び奥に傾けると短く飛ぶ。着地時に全てのタイヤが同時に接地すると「ナイスランディング」で水温ゲージを増やさず少しの間ターボがかかる。
 
 
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最大の特徴はレースの勝敗が順位制ではなくポイントで定められること。
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ポイントは「スタント」というアクションで与えられる。スタントの種類は坂から大きく飛び出す「ジャンプ」、カーブでハンドルを切る「ドリフト」、ライバル車に激突する「クラッシュ」など。同じスタントでも、ジャンプなら長く飛ぶ、ドリフトなら長くハンドルを切るといった風に難しいアクションを決めると大きなポイントが入る。
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ただし、ゴール時の順位に応じてもポイントが与えられるため、結局は上の順位を狙うのが勝利への近道。また制限時間(結構シビア)があるため、ポイント稼ぎに走り回っている余裕はあまりない。
 
 
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メインモードは「エキサイトレース」と「チャレンジ」、対人戦の「VSレース」の3つ。
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エキサイトレースはブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ+ハード以降のみダイヤモンドの4タイトルにそれぞれ5コース(ブロンズは4コース、ダイヤモンドは1コースのみ)が用意されており、CPU5台と競争してそれぞれのコースで規定のスコアを上回ればクリアとなり、タイトル内の全てのコースクリアで次のタイトルに進める。
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最低クリアラインでの評価はBだが、全てのコースでSランクを取ると難易度ハードが解禁。ハードでも全てSを取ればミラーが解禁される。
 
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チャレンジは道沿いに設置されたゲートを次々くぐっていく「ゲートチャレンジ」、ジャンプしてリングをくぐってスコアを競う「リングチャレンジ」、相手の車を全て撃破する「スマッシュチャレンジ」の3種。車種は選べない。
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他にトレーニングもある。最初にゲームを始めたときはトレーニングしか選べず、一通り基本トレーニングを終えて初めて他のモードが解禁される。
 
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マップ上には「パワーアイテム」と「トリガーアイテム」の2種類のアイテムが置かれている。
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パワーアイテムは取ると少しの間水温ゲージを増やさずターボをかけて走れる。また樹木を吹っ飛ばせるようになる。ただし無敵というわけではなく、クラッシュするとそこで効果が切れてしまう。
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トリガーアイテムを取るとマップ上に一定時間何らかの変化が発生する。段差が出来てジャンプ可能になるというのが一番多いが、くぐるとスコアになるリングが発生したり、道に障害物が出来たり逆に隠された道が開くこともある。
 
評価点
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速さだけでは勝負は決まらないという独自の発想。
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順位も重要ではあるのだが、それ以上にレース中可能な限り多数のスタントを決めてポイントを稼ぐことが重要視される。ポイントさえ稼げれば、多少順位が低くてもクリアは可能である。
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スタントは細かいアクションでもキッチリ稼げるので、狙えるところではガンガン稼いでいきたい。樹木の間をぶつからないように走るだけでも「ツリーラン」、ジャンプを連続で決めるだけで「ジャンプコンボ」、相手の車に激突するだけで「スマッシュ」など、稼げる対象は多い。
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既存のレースゲームに比べ、ミスをしてもリカバリーが容易で最後の最後まで順位が逆転しやすい。
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クラッシュ後の復帰は、自動的にターボがかかった状態からになる。戻される場所もクラッシュした場所より少し先になることが多く、クラッシュしても出遅れにくい。また単にクラッシュするだけでも「ナイスクラッシュ」で1ポイントだけだがスタントが成立するボーナスがある。
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逆走状態から戻るのもAボタンを押すだけでOK。
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ただし、逆に言うとレース中全力で後続との距離を開けたつもりでも意外にあっさり追いつかれてしまうことは多い。
 
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あえて本来のコースから外れて山の中を突っ走ったり、海の中を激走したりしてもいい。コースから外れようがスコアさえ稼げれば勝てるので、自由度がかなり高い。
 
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超ロングジャンプを決めたり、設置されたリングを一気にくぐったり、ライバル車に全力で体当たりしたりと、爽快感のあるアクションの数々。
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演出のスピード感は抜群で、数あるレースゲームの中でも爽快感はトップクラス。
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グラフィックレベルはそこそこ高く、遠景まで手を抜かず描かれている。輝く太陽に向けてロングジャンプをきめるなんてことも可能。
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一回のスタントで5ポイント以上稼ぐと「スーパー○○」(○○にはジャンプ、ドリフトなどのスタント名が入る)となり、歓声が上がる。この演出も気持ちいい。
 
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リモコンをハンドルに見立てた操作性は、最初は慣れがいるものの、慣れるとかなり自在に車を操れるようになる。操作性も極限まで単純化されており、非常にとっつきやすい。
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やりこみ要素が結構豊富。
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スーパープレイを成功させるごとにトロフィーポイントが手に入り、トロフィーがもらえたり全20車種の隠しトラックを開放していったり、全てのコースでSランクを狙ったり…と出来ることは多い。
 
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Wiiでは珍しいカスタムトラック機能搭載。
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SDカードに保存したMP3データを本来のBGMの代わりに再生させる機能がある。好きな曲と一緒に爆走できるのが非常に楽しい。
 
問題点
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ステージバリエーションが少ない。
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コース総数は20にミラーとそこそこあるが、実際の国としてはメキシコ、カナダ、スコットランド、ノルウェー、フィジー、チャイナの6ヶ国しかなく、ステージ背景のバリエーションに欠ける。
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違うタイトル間での使い回しも多く、同じ国のコースは分岐やアイテムの配置で違うコースに仕立てているだけであることが大半。コースとしての内容は結構違うが、何度もやっていると「アレ?この場所前にも通っているぞ?」という感覚になりやすい。
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登場する国自体の内訳も微妙。南国フィジー、雪国ノルウェー、城の周りを走るスコットランドと個性的ではあるのだが、大都会などのステージがなく自然の中を走るコースばかり。都会では段差が作りにくいし、ツリーランのスタントも成立させにくいためかもしれないが…。
 
 
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モード数が少なく、プレイのバリエーションに欠ける。
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メインのエキサイトレースの他はオマケに近いチャレンジと対人戦用のVSレースしかない。
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VSレースは1対1のタイマン仕様のみ。CPUを交えてエキサイトレースに近い形式で行うことが出来ない。
 
 
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BGMが少々地味。特に出来が悪いわけではないがあまり耳に残らない。
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コレに関してはカスタムトラックでいくらでも改善できるのでそう大した問題ではないが…。
 
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Wi-Fi未対応。対人戦で盛り上がる内容なので、出来れば搭載してほしかったところ。
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ロード時間が少し長い。ただ、頻度はそう多くはない。リトライ時も車種を変えなければロードを挟まずやり直せるのは地味ながらありがたい配慮。
総評
他に類を見ないスタントプレイ型レーシングアクションの傑作。
ど派手なスタントアクションでポイントを稼ぐレースは非常に熱く、また爽快感も抜群。
難易度はやや高めだが、上達すればそれが即座に実感できるような構成になっており、やりこみ度も高い。
その後
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海外では続編として『ExciteBots』が発売されている。マシンのデザインは様変わりしているが、基本的な目的やゲームシステムは同じ。
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日本では『エキサイト猛マシン』という名前でクラブニンテンドーの景品として配布されたが、非売品のため通常のショップなどでは流通していない。
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だが、2017年6月28日からWii U用のDL配信ソフトとして発売されたことで入手・プレイが可能になった。
 
最終更新:2023年07月07日 23:12