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ゲゲゲの鬼太郎 逆襲!妖魔大血戦
【げげげのきたろう ぎゃくしゅう ようまだいけっせん】
| ジャンル | アクション |  
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| 対応機種 | プレイステーション | 
| 発売元 | コナミ | 
| 開発元 | コナミコンピュータエンタテインメントジャパン アスペクト
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| 発売日 | 2003年12月11日 | 
| 定価 | 4,179円(税込) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 水木しげる生誕80周年記念作品シリーズの一つ 秀逸なドット絵が織り成す2Dアクション
 ドット絵の出来はかなり秀逸
 操作性の悪さで難易度高
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| ゲゲゲの鬼太郎シリーズ | 
 
概要
水木しげる生誕80周年記念作品として開発された3つのゲームの一つ。これ以外の作品は『ゲゲゲの鬼太郎 異聞妖怪奇譚(PS2)』『ゲゲゲの鬼太郎 危機一髪!妖怪列島(GBA)』の2作。
これらの作品群の特徴として、アニメ版ではなく原作版の鬼太郎を基軸とし、独自の声優キャスティングでストーリーを制作するというところにある。
そのため、これらの作品群において、目玉親父の声優はアニメ版における代役を除けば唯一田の中勇氏が生前担当しなかったシリーズでもあった。
本作はスタンダードな2Dアクションゲームとなっている。2Dのドット絵で描かれた鬼太郎が、仲間の力を借りて悪い妖怪と戦うという内容。
これらのノウハウは、本作以前に展開していたコナミ39シリーズで発売していた漫画原作の2Dアクションゲームのノウハウを有効活用している。
鬼太郎は原作に登場した全ての技を使用可能で、意外と自由度自体は高い。
ただしそれらの使い所の難しさや、アクションゲームとしての操作性の悪さ、敵の配置の嫌らしさからファミコン時代を彷彿とさせるレトロムズゲー的な完成度となっている。
特徴
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TVアニメーションとは異なる独自のキャスティング。
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TVアニメではキャスト総入れ替えとなった第3作目においても、後任がいないという理由で続投した目玉親父役の田の中勇氏を含め、本作独特のキャスティングとなっている。
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鬼太郎には松本梨香氏、目玉親父には熊倉一雄氏が起用された。熊倉一雄氏は俳優・声優にしてTVアニメの主題歌を歌った歌手でもある。
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これらのキャストは、先にあげた3作品において共通である。
 
 
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鬼太郎の特徴を活かした攻撃方法。
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原作における鬼太郎の得意技をほぼ網羅。これらを使った鬼太郎になりきってのプレイが楽しめる。技を使うには妖力が必要であり、溜めが必要な技も多い。
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毛針:前方に連射攻撃な毛。撃つ方向をある程度変えられる他、しゃがみ撃ちによる下段攻撃も可能。
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ちゃんちゃんこ:敵の攻撃を打ち払って返す。
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リモコン下駄:溜め攻撃。周囲の敵や攻撃に全て誘導し、ダメージを与えたり弾を破壊したり出来る。
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指鉄砲:溜め攻撃。前方からワイドに攻めてくる敵を撃ち落とすのに最適な技。平たく言うとショットガンである。
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体内電気:周囲に電気を纏わせながら移動出来る。いくらか弾を打ち消せるものの無敵ではない。
 
 
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サポートキャラクター達。
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最初の2つの依頼を達成すると、1人だけ攻略をサポートする仲間を連れて行くことが出来る。それぞれ能力は異なる。
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ねずみ男:放屁で広範囲に攻撃するがランダム性が強く、時には攻撃すらしてくれない。
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ネコ娘:鬼太郎の背面に登場し、敵に飛びかかる。
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砂かけ婆:敵に砂をかけて鬼太郎を援護する。
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こなき爺:敵に飛びついて動きを止めることが出来る。
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一反木綿:鬼太郎を乗せて飛ぶことが出来る。
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塗り壁:敵の攻撃を防ぐ壁になってくれる。
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つるべ火:暗闇のステージで強制的にパートナーとなるキャラ。ボス戦では消え失せるが仲間呼び出しも使えなくなる。
 
 
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選択式のステージ。
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本作は妖怪ポストに届いた依頼を見て、鬼太郎がそこに出向くというシステムになっている。
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一度に何通かの手紙が届くため、鬼太郎はその都度依頼を選んでそのステージへと向かうことになる。
 
評価点
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原作絵を踏襲した世界観。
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イベントイラストは全て原作絵をモチーフとしており、雰囲気を良く出している。
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キャラの性格はアニメ版に引っ張られた感は大きいものの、違和感なく演出されている。
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原作ファンだけでなく、アニメファンにもまた違った魅力を感じさせることが出来る良い作り込みである。
 
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ドット絵の秀逸さ
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先の原作的なイラストだけでなく、ゲーム画面のドットイラストはかなり出来が良い。
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鬼太郎は反転時のドット絵もちゃんとそれ専用に作られているなど、おざなりになりがちな点も細かい。
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最初のチュートリアルステージの背景は、まるで江戸時代の下町を思わせるような木造住宅が立ち並ぶおどろおどろしい空気をよく表現しており、影の描き方なども細かい。
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ちなみに何故か冒頭でたんたん坊に追いかけられる役として、水木漫画の眼鏡+出っ歯キャラの代表的存在「山田」が登場する。
 
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敵のイラストもかなり細かい。というかチュートリアルステージのたんたん坊の時点でその描き込みの秀逸さを理解することが出来る。
 
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声優の豪華さに加えてほぼフルボイスなこと。
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鬼太郎の松本梨香氏、目玉親父の熊倉一雄氏以外の鬼太郎ファミリーもかなり豪華で、TVアニメ黎明期から活躍していた大御所を含めて実力者が揃っている。
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ねずみ男に野沢那智氏、ネコ娘に宮村優子氏、砂かけ婆に堀絢子氏、こなき爺に穂積隆信氏、一反木綿に緒方賢一氏、そして塗り壁に富田耕生氏と、そうそうたるメンバーが揃っている。
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敵役を見ても、たんたん坊に飯塚昭三氏、大塚明夫氏、大竹宏氏、小林清志氏など、大御所からベテランまでかなりの人材で制作されている。
 
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鬼太郎ファミリーに関しては、ファンから「この布陣でアニメをやっても良い」というくらい秀逸なキャスティングと言われている(目玉親父は賛否両論あるが)。
 
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鬼太郎の技の特徴付けの良さ。
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それぞれの技の特徴はさほど被っておらず、全ての技を適切に使用していかないとクリア出来ないシビアさはやりごたえはある。
 
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SEの秀逸さ。
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全般的に和風で雰囲気が出ている。特に着地時の下駄の音の風情がある。
 
問題点
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鬼太郎ゲーにありがちな難易度の高さ。
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かつての鬼太郎ゲームに負けず劣らずの難しさで、しっかり全ての技を使いこなさないと勝てない。
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難易度の高さの理由は操作性の悪さからも来ているため、その点は明らかにマイナスであると言える。
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本作は難易度選択自体は可能であるため、自分にあったプレイ環境を作ることは可能。
 
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ステージのほとんどはボス戦重視。
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全てではないが、アクションパートが基本的にかなり短く、少し進んだ後ですぐボス戦ということが多いのは残念。
 
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鬼太郎以外は援護要員としてしか出てこず、物語にはノータッチ。
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原作で出番が多いと言えない各ファミリーらは百歩譲っても、ほぼレギュラーだったねずみ男すら物語には一切関わらない。野沢那智という大御所を使っているのに勿体無い限りである。
 
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つるべ火のいるステージでは仲間キャラが使えない。
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ボス戦ではつるべ火が消え失せるのにも拘らず、設定した仲間が使えない。そのせいで難易度のあがっているステージもある。
 
総評
ゲームとしてはかなり難しい部類だが、鬼太郎の技が一通り基本自由に使って楽しめるというのはかなりの評価点である。
一方、せっかくの豪華声優を揃えておきながら、本鬼太郎ファミリーが一切物語に絡んでこないという非常に残念な点があるが、原作ファンでなおかつ高難度アクションが好きという人にならお勧めできる作品である。
最終更新:2021年12月27日 00:23