グランツーリスモ コンセプト 2001 TOKYO
【ぐらんつーりすも こんせぷと にせんいち とーきょー】
ジャンル
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カーライフシミュレーター
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対応機種
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プレイステーション2
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発売元
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Sony Computer Entertainment
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開発元
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Polyphony Digital
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発売日
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2002年1月1日
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価格
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3,360円(税込)
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廉価版
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PlayStation 2 the Best 2003年4月3日/2,100円(税込)
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判定
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なし
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ポイント
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車種は新作・コンセプトカー中心 ボリュームは値段以上に薄め podレースなどの独自要素もあり 「おすわりしました!」
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グランツーリスモシリーズ
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PlayStation Studios作品
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概要
『グランツーリスモ』シリーズの番外編的な作品。
タイトルは2001年に開催された「東京モーターショー」に由来し、実際にそこで公開された車種も収録されている。
インターフェースなど基本的なシステムは『グランツーリスモ3 A-spec』をベースにしており、本作はそのアーケードモードのみを収録したような簡略的内容となっている。
2001年の東モで初出展となり話題となった「日産 GT-R コンセプト」がパッケージを飾っている。
特徴・評価点
コースライセンス試験
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コース1周のタイムアタックを行い、タイムに応じてゴールド・シルバー・ブロンズのトロフィーを取得できる。形式は『GT3』でいう「規定タイムアタック」に近い。
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試験は全部で10あり、ブロンズ以上を取得すれば、そのコースはシングルレースやフリーランで走行することができる。
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また各試験それぞれブロンズ獲得で1台、ゴールド獲得でさらに1台車が解放され使用できるようになる。
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試験では先導車のあり・なしを選択可能。初心者は先導車のライン取りやブレーキングを参考に学習することができる。
シングルレース
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ナンバリングタイトルでいうところの「アーケードモード」に該当する。
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難易度は2周の「ノーマル」と3周の「プロフェッショナル」があり、それぞれ各コースで1位になるごとに車が1台解放される。
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プロフェッショナルで1位になるとノーマルでもクリアしたことになり、一気に車を2台解放できる。
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従来のアーケードモードと違うところは、車高やギア比など簡単なセッティングができること。
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タイヤの種類も変更できるため、ちょっとした縛りプレイも可能。なお、本作にはタイヤ耐久の概念が無いため単純に柔らかいタイヤを履かせたほうが有利になる。
収録車種
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本作に登場する車種は全て日本車のみで、その中でも一般車両は2001年当時の新車やコンセプトカーに限っている。
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レーシングカーも2001年のレースに参戦した車種のみで、多くの車は『グランツーリスモ4』にも収録されている。
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車は前述のとおりゲームを進行するごとに順次開放されるため、さながらモーターショーで次々と車が発表されていくような仕様になっている。
podレース
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ゲームを進めると、一風変わった車「トヨタ pod」を使用したレース、「podレース」に参加することができる。
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podは車体の前側に搭載されている蛍光ライトの色により喜怒哀楽が表現される仕様になっており、車体同士がぶつかったり壁に接触することで表情が変化する。当時話題となった犬型ロボット「AIBO」のクルマバージョンと言えばお分かりいただけるであろうか。とにかく可愛いと評判。
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podレース用の特設コースも急な坂や停止ゾーンがあるなど、これまた変わった作りになっている。
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停止ゾーンでは必ず停止してサイドブレーキを引かなければならず、これを無視してスタートラインを突っ切るとアウト。
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この停止ゾーンで指示に従い停止してサイドブレーキを引くと「おすわりしました!」というテロップが画面中央に表示される。podは停止状態でサイドブレーキを引くと車体が沈み込むという特徴があり、これを犬のおすわりに例えた表現と思われる。
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ガチガチの硬派ゲームである本シリーズで、状況的報告しかしないテロップがいきなりこの言葉を表示するので、クスッときた人もいるのでは。
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なお、podはゲーム進行により解放されると、他のコースでも使用することができる。
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今作でしか楽しめない、数少ない要素と言っていいだろう。実際「このレースが一番楽しい」というユーザーもいる。あくまでおまけ的存在なので本末転倒とも言えるが…。
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唯一残念なのは、podが現実に商品化されるに至っていないということであろうか。
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podレースのプレイ動画。縛りプレイで逆向きに走っている。
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おまけ
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ゲームで一定の条件に達すると、順次「おまけ」を入手することができる。
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おまけ一覧
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前述の「podレース」(コースライセンス試験オールクリア)
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欧州版『GT3』のOP映像(シングルレース「ノーマル」オールクリア)
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『GT3』のグランツーリスモモードで使える10億クレジット&全ブロンズライセンス(シングルレース「ノーマル」オールクリア)
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この10億クレジットという額は資金繰りが厳しい『GT3』でもそうそう使い切れない大金であり、難関のライセンス試験をスルーできることも併せ、かなり嬉しいごほうびだろう。
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1回のクリアにつき1度きりだが、振り込んだ後に本作のセーブデータを消して再度条件をクリアすると、何度でもこの大金を手にすることができる。
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その他主な変更点・改良点
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コースライセンス試験は、従来のライセンス試験と比べかなり難易度が低い。
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ゴールド取得も新車種解放・ゲーム達成率上昇の条件となっている。
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ただしゴールドクリアは初心者でも取得可能なほど簡単ではなく、アシスト機能のうちASMがONだとコーナリングスピードが落ちるのでアシストを切って走れるようになってからが本番と言うべきか。
問題点
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コースが5種類しかない。『GT3』では約20コースあったのでその約4分の1。
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表面上は10コースとなっているが、これは「5コースの順走・逆走」という意味である。
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そのうち4コースは『GT3』の再録、残りの「オータムリンク」も『GT2』以前の作品からの再録で、完全新規のコースは無い。
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ゲーム全体を見てもボリュームは薄い。
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グランツーリスモシリーズの本編的存在ともいえる「グランツーリスモモード」は本作未収録。
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パッケージ裏には「プレイ時間は約20時間」と書かれているが、腕の立つ人ならものの2~3時間でオールクリアしてしまう。
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逆にコースライセンス試験をクリアしないとそれに応じたコースや車が使用できない。
総評
まさに『グランツーリスモ』ファンに向けたファンディスクといったソフト。
価格の安さを差し引いても内容量に欠けるのがネックだが、本作にしかない要素もあり、決して無価値なものでもない。
「初心者も楽しめる作り」とは書いてあるが、一から『グランツーリスモ』の世界に触れてみたいという方は素直にナンバリングタイトルから始めることをお勧めする。
とはいってもプレイ画面は充分ハイクオリティ。現在は中古がかなり出回っており数百円で購入できるので、余裕があればプレイしてみる価値は充分にある。
余談
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日本版は「2001 TOKYO」だが、韓国版は「2002 TOKYO - SEOUL」に、欧州版は「2002 TOKYO - GENEVA」になっていて、収録車種が増えている。
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これらの追加車種は日本版では『GT4』に一部が収められている。
最終更新:2024年11月18日 06:00