クリプト・オブ・ネクロダンサー
【くりぷと おぶ ねくろだんさー】
| ジャンル | ハードコアローグライクリズムゲーム |  | 
| 対応機種 | Windows XP~ プレイステーション4
 プレイステーション・ヴィータ
 Nintendo Switch
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| メディア | ダウンロード専売 | 
| 発売元 | 【Win】Klei Entertainment 【PS4/PSV/Switch】スパイク・チュンソフト
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| 開発元 | Brace Yourself Games | 
| 発売日 | 【Win】2015年4月24日 【PS4/PSV】2016年1月18日
 【Switch】2018年2月1日
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| 価格 | 【Win】1,480円 【PS4/PSV/Switch】1,800円(税別)
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| プレイ人数 | 1~2人 | 
| レーティング | CERO:B(12歳以上対象) | 
| 判定 | 良作 | 
| ネクロダンサーシリーズ CotND / CoH
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概要
ローグライクとリズムゲームを組み合わせた異色かつ高難度のアクションパズルチックなRPG。
大元のPC版は海外製のインディーゲーム。日本語にもしっかり対応している。
PS4/PSV/Switch版はローグライクゲームに定評のあるスパチュンがローカライズを担当。同社の作品とのコラボによる追加コンテンツも収録されている他、PS4/PSV版はどちらか一方を購入するともう一方も入手できるクロスバイに対応している。
特徴
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操作は方向キーのみ。BGMの1ビートが1ターンとなっている特殊な強制ターン制を採用している。
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移動も攻撃も全てキーを入れるだけの単純操作となっているが、画面下で流れるビートバーが中央の心臓に重なるタイミングでテンポよく操作していく必要がある。
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ビートバーの流れるタイミングは曲により変化する。上手くリズムに乗りつつ敵を倒すと、コンボボーナスにより敵の落とすコインが倍増していく。
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逆にタイミングがずれるとプレイヤーは何も出来ない。1度でもタイミングミスするかダメージを受ける・壁を掘りそこねるなどでコンボボーナスは途切れる。
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BGMはフロアにおける時間制限の役割も兼ねており、曲が終わると落とし穴が出現し強制的に次のフロアに飛ばされる。
 基本的にフロアが進むたびに段々とテンポが早い曲になっていき、行動が難しくなる。
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必ずしも常にリズムに乗って操作し続けなければいけないわけではなく、コンボボーナスを犠牲に「1ビート(1ターン)を何もせず見送る」という戦術も実は割と重要である。
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壁掘りなどのアクションを行えば、コンボボーナスを切らさずにその場で1ターン経過させることもできる。
 
 
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その他の基本システムはよくあるローグライクと同様だが、リズムに乗って攻略するため、メニュー画面の概念が無い(ポーズメニューはある)テンポ重視の設計となっている。
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アイテムの説明は、落ちているアイテムに隣接すると説明メッセージが表示される。
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装備アイテムは拾った時点で自動的に装備される。その前に装備していた古いアイテムは足元に落ちる。
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任意使用アイテムやスペル(魔法)の使用は、方向キーの同時押し(上+下など)で行う。(同時押し操作を他のボタンに割り当てることも可能)
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アイテムは装備部位別などの複数のカテゴリに分かれているが、基本的にカテゴリごとに同時に1つまでしか所持できない。
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武器は「ホルスター」を、任意使用アイテムは「バックパック」を獲得することで所持枠を増やすことができ、キーの同時押しで装備を切り替えることができる。ちなみにホルスターとバックパックはどちらか片方しか所持できない。
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スペルは2つまでしか所持できず、3つ目を獲得すると先に獲得したものから消える。
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前述のコンボボーナスに応じて攻撃力などの性能が強化される装備も存在する。
 
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ダンジョンを脱出すると、獲得したコインやアイテムは失われるが、「ダイヤ」は次に出発するまでロビー(後述)に持ち帰ることができる。
 
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ロビー
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拠点となる場所。各ゾーン(ダンジョン)の選択や各種アップグレードなどが行える。
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ダンジョン内に囚われているキャラクターを救出することで各施設がオープンして利用できるようになる。
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各施設では、ダンジョンで手に入るダイヤを一定数消費することで様々なアップグレードが行え、以降のダンジョン攻略を有利に進められる。
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ライフであるハートを増やしたり、ダンジョンで出現するアイテムの種類を新たにアンロックするなど。
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ダイヤをストックしておくことは不可能。大量のダイヤが必要な項目のアンロックには、必然的に1プレイで集めきれるように上手にプレイする必要がある。
 
 
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全10名のプレイヤーキャラが存在する。条件を満たすと解禁されていき、ロビーで自由に変更できるようになる。
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キャラによって初期の所持アイテムが異なり、専用装備を持つキャラもいる。また、「武器を使用できない代わりに強力な爆弾を無制限に使える」などの特殊能力を持つキャラもいる。
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「リズムに関係なく行動でき、ターンの概念が通常のローグライクと同様になる」というキャラ「バード(吟遊詩人)」も最初から選択することができる。
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リズムに乗る以外の部分で攻略のコツを掴むための入門用として適している。リズムに乗るという独特のシステムが合わなければこのキャラで遊び続けてもいいが、基本的に実績はほとんど達成できない。
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このキャラは「その場で放置してビート(ターン)を経過させる」という手が使えないので、他のキャラに比べて敵との位置調整は困難であり、独特の戦術性もある。
 
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特定のキャラでダンジョンをクリアした時にはムービーによりメインストーリーが語られていく他、キャラ限定のラスボスも存在する。
 もちろんストーリーを気にせず好きなキャラで自由に遊ぶこともできる。
 
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PC版の特徴
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プレイヤーキャラを含めたあらゆる外見や効果音を変更する「MOD」が利用可能。
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Steamワークショップ上にてユーザーが作成したMODが多数投稿されており、投稿されたMODは自由にダウンロードできる。
 
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各場面ごとのBGMを、ユーザーのPCに入っている任意の曲に差し替える「カスタムミュージック」機能が利用可能。
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設定した曲に合わせて、そのフロアのビートを刻む間隔も自動的に設定される。また通常速・2倍速・1/2倍速の3段階から変更することもでき、ビートが早過ぎる・遅すぎる場合にある程度調整が可能。更にマニュアルビート機能により、その曲のビートを刻むタイミングをプレイヤーが独自に作成することもできる。
 
 
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PS4/PSV/Switch版の特徴
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PC版と異なりMODやカスタムミュージックは不可能だが、ローカライズを担当したスパイク・チュンソフト社の『風来のシレン』・『ダンガンロンパ』のキャラや高田雅史によるリミックスBGMが用意されている。タイトー『GROOVE COASTER 3』とのコラボで、同作のアバターや楽曲も無料アップデート追加。
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追加キャラはあくまでも見た目を変えるだけで、性能は変化しない。
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後にPC版でも『風来のシレン』と『ダンガンロンパ』のコラボキャラが無料で追加された。
 
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追加BGMはすべて本作の元曲に近い長さにアレンジされ、タイムアタックモードにも対応している。
 
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DLC『AMPLIFIED』
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2017年1月25日にリリースされたDLC。新たなキャラやゾーンが追加されている。
 
評価点
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音楽にノリながらローグライクを攻略するという楽しさ
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BGMの1ビート刻みで敵味方が動き、BGMに合わせて各種効果音が鳴るので、全体的なゲーム進行のテンポが良く、サウンドも小気味良い。
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PC版はカスタムミュージック機能により、自分の好きな曲にノリながら遊べる。
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通常のローグライクに比べて瞬時の判断力が要求されるため、その点での歯応えと楽しさがある。
 
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ディスコミュージックなどをメインとしたノリのいい楽曲
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初期収録でも全部で50曲以上。通常プリセットは3通りのアレンジから任意に変更可能。
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矢印だけの操作ということで、Win版は『DDR』準拠のダンスパッドを使用し、実際に踊りながらプレイするツワモノも。
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ダンスパッドプレイ用にゾーン1の難易度を緩和したモードもある。
 
 
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手軽に遊ぶことができ、中毒性が高い
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メニュー画面を開いたりせず、方向キーだけで全ての操作が行えるというのはなかなかテンポが良く快適。
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ノーマルモードの各ゾーンは3層+ボスフロアで構成されている。1フロアに掛かる時間は長くても3分なので、1プレイ10分前後で手軽に遊べる。
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終了時のコインを競うオンラインランキングもあるので、クリア出来るようになってからが第二の始まりと言える。
 
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難易度は高めだが理不尽さを感じさせないゲーム性
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敵もリズムに乗ってパターンで動いている。その敵の行動パターンを覚えつつ、リズムにノリながら対処するのは意外とかなり難しい。
 HPに余裕が無い割に、一旦躓くと立て続けにダメージを食らう事が多いのが高難易度の一因といえる。
 しかしリズムとパターンを乗りこなせば強敵をノーダメージで倒せる…というように、プレイヤーの腕前が強く問われるパズル要素の強いゲームとなっている。
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アイテムの出現などはランダムなのでハクスラRPG的な運要素もあるが、基本的に全ての敵キャラは初期装備で倒すことが出来る。落ち着いて各個撃破に持ち込めば確実に歩を進められる。
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壁を掘って進めるシャベルも初期装備に入っているので攻略ルートも自由がききやすい。
 
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ダンジョンに入る前にある程度の強化を行えるので、各種要素をアンロックしていけば生存率も上がっていく。
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敵と隣接するリスクが非常に高いので、遠距離攻撃が可能な「スピア」「レイピア」あたりをアンロックできれば、序盤のアイテム出現次第では心強い味方となる。(ただしアンロックしても確実に出るわけではないので自前での対策も必要)
 
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最初のフロアに囚われているビーストマスターを救出すると、一度倒したことのある敵とのタイマン練習が行えるようになる。安定性を磨くには最適。
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ノリのいい音楽のリズムに合わせてキャラを動かすだけでも楽しく、それがゲームに慣れるまでのモチベーションを維持する要因となっている。
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操作が単純でチュートリアルも用意されているので、敷居そのものは低い。
 
 
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豊富なゲームモード
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メインとなるノーマルモードの他、1日1回だけ挑戦してランキングを競えるデイリーチャレンジ、ローカルマルチプレイモードなど非常に多彩。
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主人公ケイデンスでゾーン4を突破しゲームクリアすると、自分で固定ダンジョンマップを製作できるレベルエディターが解禁される。
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Win版はSteamWorkShopとの連携機能が存在し、MODやエディットダンジョンの導入や配布が手軽に可能。
 
賛否両論点
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通常のプレイでは瞬時の判断と思考しながらの操作が要求される。これは人によってはかなりの難しさになり、ローグライク好きの中でも人を選ぶ面はある。少なくともじっくり考える派のプレイヤーとは相性が悪い。
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移動と攻撃の操作が同一かつ基本的に両立不可なことから、ダメージを受けずに敵一体倒すにも頭を使わねばならない。この独特のプレイフィールが最初にして最大の壁。
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敵側は常時動いてくるので焦ることも多い。
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コンボボーナスを維持しようとすると常時動かねばならず、そのせいで落ちているアイテムの説明メッセージを読みきれないことがある。
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必ずしもコンボボーナスを維持し続けなければならないわけではないが、コインのドロップ量や特定の装備の性能が上昇するため、決して攻略には無視できない。
 
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前述の通り、リズムに縛られず通常のローグライクのように遊べるキャラ「バード(吟遊詩人)」もいるので、普通のローグライクのように遊びたければこのキャラを使うという遊び方も一応用意されている。ただしこのキャラでは本作ならではの魅力は味わえない。
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初心者はこのキャラで敵パターンに慣れてから他のキャラに移るのが近道か。
 
 
問題点
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長距離を移動するにもリズムに乗って一歩ずつ地道に移動しなければならず、テンポが悪い場面もある。
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基本的に一フロアはそこまで広大ではなく、適度な広さと密度で設計されているので通常は気になるほどではない。しかし運が悪いと、敵を一掃した後の何も無い道を行き来するだけの場面がどうしてもある。
 
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最後に解禁されるキャラは「HP0.5固定」「武器は初期装備のナイフ固定」という只でさえ厳しい制限の上に「リズムを1ミスしただけで即死する」という驚異的な難易度。
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「バード(吟遊詩人)」と同じく、「ビート(1ターン)を何もせず見送る」という戦術が使えない。
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そこまで凝ったストーリーが有るゲームではないが、このキャラのクリア(ゾーン1だけでラスボスになる)までストーリーが続いているのも見方によっては辛い。
 
総評
リアルタイム性のあるローグライクの稀有な成功例であり、ローグライクの新たな完成形。
異色かつシビアなバランスながら、手軽で遊びやすい操作で、完成度・中毒性が高くまとまっている。
リズムに乗って操作しながら瞬時に状況を判断していくというゲームシステムが全世界のプレイヤーに高く評価された。
余談
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iOS版『クリプト・オブ・ネクロダンサー ポケットエディション』
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2016年7月1日発売。PS4/PSV版の内容に加えて、PC版と同様のカスタムミュージック機能が搭載されている。
 
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『GROOVE COASTER』シリーズには本作のコラボ曲が収録されていた。
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残念ながら2023年1月末を以て楽曲削除となり、現在は遊ぶ事ができなくなってしまっている。
 
最終更新:2023年03月10日 16:22