魔法のプリンセス ミンキーモモ リメンバードリーム
【まほうのぷりんせす みんきーもも りめんばーどりーむ】
| ジャンル | アドベンチャー+ミニゲーム集 |  
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| 対応機種 | ファミリーコンピュータ | 
| 発売元 | ユタカ | 
| 開発元 | ビッツラボラトリー | 
| 発売日 | 1992年7月29日 | 
| 定価 | 6,000円(税別) | 
| 判定 | 良作 | 
 
概要
1991年に放送されたTVアニメ『魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢を抱きしめて』・通称「海モモ」のゲーム化作品。
原作は1982年に放映された『魔法のプリンセス ミンキーモモ』・通称「空モモ」の続編で、人々に夢と希望を与えるため海の底にある夢の国マリンナーサからやってきたプリンセス・ミンキーモモの活躍を描く魔女っ子アニメ作品である。
当時、海モモの玩具商品を手がけていたユタカ(現:プレックス)から発売された。
なお第1作もゲーム化されているがいずれもパソコン向けのリリースとなっており、メジャーな家庭用ゲーム機でのゲーム化は本作が唯一となっている。
ストーリー
夏休みになったモモは、パパとママにどこかへ連れて行ってもらおうと考えましたが、パパもママもなぜか何もやる気がしなくなっていました。
しかたなく町へ散歩に出たモモは、他にも無気力になってしまった人々に出会います。
電気屋の前に置いてあるテレビの前を通った時、テレビにマリンナーサのパパとママが映し出されました。
二人によると、かつてマリンナーサで悪事を働いた、バグーという人々の夢を奪って無気力にしてしまう盗賊が、
マリンナーサに保管されていた10個集めるとなんでも願いが叶うという宝石「ドリームパール」を盗んで逃げたのです。
バグーをこらしめ、ドリームパールを集めるためモモの活躍がはじまります。
特徴
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ゲームは横スクロールのアクション画面で家に入ったり、人々の話を聞くことで進行していくADVとなっている。
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モモのアクションはジャンプくらいだが、ゲームが進むと木に登ることが出来るようになる。
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また、若干ながらフィールドは奥にも行く事が出来、ドアや壁の隙間に触れるとマップを移動できる。
 
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パスワードコンティニュー式。パスワードはモモの家に入って「もう、やすむ。」を選ぶと教えてもらえる。
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ゲームを進めると事件が発生し、ミニゲームに挑戦することになる。ミニゲームをクリアする事で先へ進む事が出来る。
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ミニゲームはストーリー中で発生する様々な職業に変身したモモが挑む4つのサブゲームと、ラスボス・バクーとの戦いにかかわるストリートゲームの2つに分かれている。
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クリアしたサブゲームはゲームセンターで何度でも遊べるようになる。またおまけとして占いゲームが用意されている。
 
 
    
    
        | + | ミニゲーム一覧 | 
ストリートゲーム
 
工場はつらいよ1992
ラスボス・バクーの占拠したエリアでドリームパールのかけらを探すアクションパート。
バクーとの対決
 
サブゲームストーリー中で発生する、様々な職業に変身して挑むミニゲーム
 
ミンキーチェイスゲーム
婦警に変身して犯人の乗る車を追跡するレースゲーム。
アイテムを駆使しつつ犯人に追いついて追い越せばクリアだが、他の車に接触するとライフが減りライフが0になる、もしくは犯人に追いつけないとゲームオーバー。
 
バーガーパニックゲーム
ハンバーガーショップの店員に変身したモモが、注文に合った品物をなるべく早くお客さんに渡していく神経衰弱パズルゲーム。
スコアがクリア得点に達すればゲームクリア。
カウンターに裏返しに並べられた品物カードを捲っていき、2枚めくったに注文どおりのカードだった場合に得点となる。なかなか注文の品物がこないとお客さんは怒って帰ってしまい、ミスとなる。ミスを1回するとミスメーターが黄色になり、ミスメーターがすべて黄色になるとゲームオーバー。また、客は次々とやってくるため、待っているお客さんが店からあふれ出てしまってもミスとなる。
 
シャーロックモモゲーム
名探偵に変身したモモが、犯行後と犯行前の2枚の写真から、盗まれた品物を見事に当てるまちがい探しゲーム。
盗まれた品物は虫メガネで探す。正解の場合はチャーモがほめてくれ、1つの事件が解決する。間違っている場合は制限時間が5秒ずつ減らされてしまい、制限時間内に品物を見つけられないとゲームオーバーとなる。
 
ドクター?モモゲーム
看護婦さんに変身したモモが、注射器で悪いビールスを退治していくパズルタイプのシューティングゲーム。
画面右奥から左側に隊列を組んで迫ってビールスに、対応する色のワクチンを打ち込んで消していく。対応する色で消したビールスの縦横に同じ色のビールスがいた場合、連鎖で消える。異なる色のワクチンを打ち込んだ場合、そのビールスがいた列は横に1個分伸びてしまう。画面の左までビールスが迫って注射器がつぶされるとゲームオーバー。
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ぶっ続けでプレイしパスワードを取らずにエンディングまで行ってしまった場合、またミニゲームを遊ぶには最初からプレイし直さなくてはならない。
 また最後のミニゲームであるバグーとの対決はクリアするとエンディングに直行してしまいゲームセンターでは遊べない。
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裏技でパスワードを「おねかい―きいて♡」と入れるとゲームセンターでラスボス戦を含む全てのミニゲームが遊べる状態でゲームを開始できる。
 ただしラスボス戦の代わりに占いゲームが選べなくなる。
 
評価点
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キャラゲーとしての作りこみが凄まじい。
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まず、グラフィックのクオリティが非常に高い。
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モモの変身シーンには専用のデモが用意されており、アニメの雰囲気をかなり再現出来ている。必見。
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変身後やゲームオーバー画面、EDラストなどには専用の一枚絵も用意されており、どれもレベルが高い。
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通常ステージ中のモモのドット絵もしっかり雰囲気を再現していて可愛らしく、動きも良い。
 
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BGMはタイトル画面ではOP、ゲーム中やEDは原作EDのアレンジとなっている。
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当時は原作のOP曲が流れるだけでも良かったが、EDまで使用している例は少ない。
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EDでは原作EDのダンスもしっかり再現している徹底ぶり。
 
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その他のBGMも良曲揃い。
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町の中にあるレコード屋がサウンドテストモードできる場所となっており、自由にゲーム内のBGMを聞けるようになっている。
 
 
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ストーリーの再現度も高い。
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事件が起きたり困っている人のために大人に変身して解決する原作の流れがしっかり再現されている。
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魔法少女アニメで培われてきたテンプレのおかげで再現度が高くなった例と言えよう。
 
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ネタ要素も。
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町の人々など名無しのキャラクターにも名前が設定されているが、その名前が「モブ」「エキストラ」などネタに走っている。
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他にもアパート両隣の住人の名前が「リュウ」と「ケン」などそこかしこにネタが仕込まれている。
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原作、特に「空モモ」と呼ばれる第一期はパロディなどのネタが豊富だったので、そのノリで仕込んだのだろう。
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EDのスタッフロールでは唐突に「いじめっこ」なる役職(?)が登場したり…。
 
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ゲーム外の事柄に関する低年齢層への配慮
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本作ではテキストがひらがなと漢字が併用されているが、読み仮名がふられていないことを考慮し、取扱説明書に使われている漢字の読みがすべて掲載されているので、アニメの主な視聴者層である低年齢層のプレイヤーも一安心。
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ただしミニゲーム「シャーロックモモ」における一部の単語(「事件現場」「現場写真」等)のみ、フォローがなされていない。
 
 
問題点
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一部ミニゲームの難易度が高い。
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サブゲーム「ミンキーチェイス」ではAで加速、Bで減速するのだが、加速すると画面右に寄って他の車を避けるのが難しくなってしまう。かと言って減速してばかりだと犯人には逃げられてしまう。
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コンティニューが容易でコツさえ掴めば割と簡単にクリアできるようにはなるが、対象と思われる女児層には少々難しいと言わざるを得ない。
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逆にチェイスHQでステージ4の青のフェラーリを逮捕できるレベルになると独特の操作になれてしまえばノーコンティニュークリアも可能。
 
 
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一部フラグの立て方がわかりにくい。
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例えば、木に引っかかっているラジコンを拾う必要があるのだが、ラジコンのグラフィックはないため、どの木に引っかかっているか見た目ではわからないなど。
 
総評
魔法少女を扱ったゲームはいくつか存在するが、その中でも原作愛に満ち溢れた良キャラゲー。
キャラゲーと言えばアクションという風潮が強い中、無理にアクションにせずADVとミニゲーム集という構成が功を奏し、魔法少女モノらしいストーリーを再現できている。
FC後期ならではの出来の良さもあり、原作ファンにはたまらない一作と言えよう。
最終更新:2024年11月15日 23:43