勇者死す。
【ゆうしゃしす】
| ジャンル | RPG |  
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| 対応機種 | プレイステーション・ヴィータ | 
| メディア | PlayStation Vitaカード/ダウンロードソフト | 
| 発売元 | 日本一ソフトウェア | 
| 開発元 | ピラミッド | 
| 発売日 | 2016年2月25日 | 
| 定価 | 6,458円(税8%込) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| レーティング | CERO:C(15才以上対象) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 同名ガラケーアプリのリメイク だが、中身はガラケー版ほぼそのまま
 RPGの皮を被ったパズル?
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概要
桝田省治がシナリオとデザインを手がけた同名のフィーチャーフォン(ガラケー)向けアプリをフルリメイクした作品。
魔王との戦いで勇者は相打ちとなるものの、神により5日間だけの命を与えられ、その5日間をどう過ごすかでエンディングが変わるマルチシナリオとなっている。
PSストアにて1周分まるごとプレイできる体験版も配信されている。
特徴
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勇者は5日間だけしか生きられず時間が過ぎるにつれ、勇者は弱っていき魔法は忘れてしまいステータスがどんどん下がっていく。
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5日目になると戦闘に勝利する事すら困難な状態になる。
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残り時間内に各キャラクターとどのように接したり、どのようなイベントを起こしたかで勇者の葬式に登場するキャラクターが変わっていく。
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6日目になると勇者は死んでしまい葬式が始まる。
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葬式の最後に参列者と涙した人の数が表示される他、勇者が死んだ後の世界がどのようになったかがテキストで語られる。
 
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周回プレイ前提の構成であり、葬式の後で何度もやり直す事が出来る。
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葬式はリプレイで見返す事が出来る。
 
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戦闘はシンボルエンカウント形式で通常のターン式となっている。
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フィールドマップもシンボル移動式。
評価点
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斬新なゲーム構成。
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5日間でどのようなイベントを起こしたかでエンディングが変わっていき、周回プレイをやる楽しみが増える。ヒロインの依頼も二周目からは優しくなるので、アイテム入手がしやすい。全体的に周回もしやすくように作られている。桝田省治らしい時間縛りのゲームデザインといえる。
 
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勇者にありがちなお節介な性格を裏をついたシナリオ
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勇者は色々な人物から依頼されるが、ある人物に限ってはその依頼が結果的に王国の裏目に出ることも。何でもやる勇者のアンチテーゼを描いてる。
 
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伊藤賢治作曲のBGMは良曲揃い。
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(直接的な描写は無いが)ヒロインとの子作りシーンがある。子供がいるかどうかで葬式での言葉が変化するという細かい作り込みがある。この辺りは流石桝田省治といったところか。
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グラフィックが美麗。キャラクターもフルボイスで有名声優が声を当てていたりと魅力が大きい。
賛否両輪点
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ハッピーエンドとは言えない。
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真エンドがあるが、真のエンドが大団円とは言い得ない結末である。
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あると普通のRPGであるという意見やモヤモヤするという意見など、賛否はわかれる。
 
問題点
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周回前提のゲーム構成ではあるのだが、その周回プレイをやる楽しみが薄い。
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1周ごとのクリア時間が2~3時間とかなり短い。
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イベント数が少なく前の周回との違いがあまり変わらない事もある。故に値段とボリュームが釣り合わないという意見も多い。
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5~6周もすれば完クリ出来ると言われるほど。
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ボリューム自体はガラケー版の約2倍になっているとの謳い文句があるが、ガラケー版の規模自体が小さいため大きなフォローになっているとは言い難い。
 
 
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世界を救った後のRPGとは言い切れない
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本作のテーマが魔王を倒して平和になった世界を旅する……。というコンセプトだが、
そもそも世界が平和ではない。
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亜人と人間との確執、傭兵の待遇、王国の搾取など問題が多いのに、勇者が無理やり魔王を倒しに行ったからこんなことになっている。魔王以外のイベントをスルーして、復活してからそのイベントを消化してるだけだという見方もできる。
 
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全体的なプレイ感覚がガラケー版とあまり変わらない。
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街の様子は3Dポリゴンで表現されているものの、ガラケー版同様、横一列にしかマップが繋がれておらず、フィールドマップもガラケー版とほぼ全く同じ規模となっている。
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ダンジョンは横だけでなく、縦に繋がっている箇所もある。『リンクの冒険』をイメージすれば解り易い。
 
 
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通常のRPGとは大きく違う点が多く、慣れるまでが大変で不親切気味なシステム。
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イベントは発生条件が重なっているモノが多く、条件を満たしていても別のイベントが優先されてしまって発生しない事が多い。
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戦闘が面倒。
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時間が経過する度に勇者がどんどん弱くなっていくため、タイムロスとなる雑魚戦は避けたいのだが、シンボルエンカウントなのに横にしか移動できないため実質戦闘回避が出来ない状態となってしまっている。
 一応、戦闘脱出アイテムは用意されているが。
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アイテムのドロップ率が異様に低いなど、アイテム収集の楽しみも薄い。
 
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同じイベントが何回も起きる事があるのだが、スキップ機能は実装されていない。
 
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街が3つしかないなど、世界が非常に狭い。ダンジョンも指で数えられる程度。
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イベントがほとんど「おつかい」だけ。
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トロフィーの獲得条件に不親切な部分がある。
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「アイテムを全て入手」「モンスターを全て討伐」という達成条件があるのに図鑑機能が実装されていないため、獲得が特に面倒かつ困難。
 
総評
デザインは確かに斬新ではあるものの、リメイクとはいえ元が500円ほどのガラケーアプリであり、元々のゲーム性やボリュームが大きく変動していない事もあってか、「システムが不親切すぎる」「デザインは良いけどボリュームが値段と見合わない」「飽きが早い」という意見が非常に多い。
とはいえ、ボリュームに目をつぶれば大きな問題点は無く一つの作品としては纏まっている方である。一風変わったRPGをやってみたいのなら手を出してもいいだろう。
余談
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早期購入者特典としてサウンドセレクションCDも付いてきた。
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今回も桝田省治氏の発言が悪い意味で話題を呼んでしまった。
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Twitterにてとあるユーザーが体験版をプレイした際の感想で「予想外のイベントが起こってポカーンとした」という旨のツイートをした際に自ら食ってかかっている。
 
    
    
        | + | 発言色々 | 
発言その1
 
ポカーン(゜д゜)とさせるリアクションを書いたのは倫理観の薄いシナリオライターであり、
それを可能な選択肢を用意したのは信仰心に欠けるゲームデザイナーですが、
それをあえて選んだのはプレイヤーであるあなたですよね?
 
発言その2
 
エンディングで唖然とした方へ。 
古代から天皇制を維持している日本人の感覚からすると大したことがないように思うかもしれないけど、 
魔法使いやドラゴンがお話に出てくる頃のヨーロッパの小国なら、3代もてば御の字、200年つづけば立派なもんなんだよ
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当然、これらの発言は多くのユーザーから顰蹙を買うこととなってしまった
 「本作のネガキャン行為を原作者自ら行ってしまっている」といっても過言ではなく、実際この発言で作品の出来をも危うく見たユーザーが多い。
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上記の発言や『俺の屍を越えてゆけ2』で桝田氏が散々ヘイトを稼いでしまった事もあり「桝田省治が関わっているのなら買わない」と公言するユーザーも多く出てしまった。
 また同時期に話題となった作品が多く発売されたこともあってか、初週売上は6,706本と到底ヒットしたとは言いがたい程度となり、悲惨な結果となってしまった。
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リマスター版『勇者死す。アゲイン』がWindows(Steam)/プレイステーション4/Nintendo Switchの各プラットフォームで2020年2月27日に発売された。パブリッシャーはDegicaが担当。
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ガラケー版は2012年12月6日に配信終了していたが、2020年10月1日にガラケーアプリの復刻プロジェクトG-MODEアーカイブスの18弾としてSwitchで配信された。
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オリジナルとリメイクが同じハードに揃ったので遊び比べてみるのも一興か。
 
最終更新:2024年02月09日 15:08