リンクの冒険

【りんくのぼうけん】

ジャンル アクションRPG

※ディスクシステム版


※ファミコンミニ版
対応機種 ファミリーコンピュータ ディスクシステム
発売・開発元 任天堂
発売日 1987年1月14日
定価 2,600円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2007年1月23日/500Wiiポイント(税別)
【3DS】2012年6月6日
【WiiU】2013年9月11日/上記共に500円(税別)
備考 GBA『ファミコンミニシリーズ』第三弾(2004年8月10日発売)
判定 良作
ゼルダの伝説シリーズ関連リンク


ストーリー

リンクが魔王ガノンを倒して数年後。16歳になったリンクの左手の甲に、突如トライフォースの紋章が現れる。
ゼルダ姫の乳母であるインパはその紋章を見ると、リンクを初代ゼルダ姫の元へと案内し、古の王家に起きたという悲劇を語った。
永遠の眠りに着く初代ゼルダを目覚めさせるには「勇気のトライフォース」が必要で、左手の紋章はトライフォースを継承できる証であるという。
魔物たちが魔王ガノンを復活させる儀式に必要である「ガノンを倒した者の血」を手に入れようと躍起になる中、リンクは「勇気のトライフォース」を求め、再び旅に出ることを決意する。

概要

ゼルダシリーズの第2作目。
トップビュー視点のアクションADVであった前作と違い色々と毛色の違う部分がいくつも見られる。

大きな変更点は前作の見下ろし型フィールドマップから、横視点のスクロールを基調としたアクションシーンが挿入されている点である。
これにより、前作以上にアクション性を重視した作りとなっており、経験値獲得によるレベルアップ、シンボルエンカウントによる敵戦闘なども含め、アクションRPG的な色彩が強くなっている。

音楽*1やグラフィックも前作と異なる独特なものであり、本作独自のカラーを打ち出している。


特徴的なシステム

横スクロールを基調としたゲーム性

  • 前作同様に見下ろし型のフィールド画面を移動しながら進めていく。
    • 体力+残機制。リンクの体力が無くなるか、水やマグマに落下すると残機が1機減り、残機がなくなるとゲームオーバーとなる。
  • 本作ではシンボルエンカウント方式が採用されている。道以外の地形を歩いていると出現する敵シンボルに接触するか、特定地点に侵入することで戦闘画面に移行する。
    • どこで敵シンボルに接触するかも重要で、接触した際の地形(草原、砂漠、墓地など)が、戦闘画面で出てくる敵やステージに反映される。
    • 敵シンボルは3種類。弱い敵が出現する黄色、強い敵の青、体力を回復する妖精の赤である。
      • 道の上で接触した場合は敵が出現しない(妖精を除く)。敵と戦いたくない場合は、敵シンボルに接触しそうになったら道に逃げ込む、というのも手。
  • 戦闘画面では真横視点の任意スクロールアクションとなり、剣戟によるアクションで敵と戦う。画面の両端のどちらかに到達したら戦闘は終了し、フィールド画面に戻る。
  • 町に入った場合も戦闘画面同様のサイドビューによる横スクロール画面となり、町人に話しかけたり、扉から家に入ったりして情報収集をすることができる。
    • 神殿の場合は戦闘画面から抜けるための出口が入り口と神殿の最奥にあるものの2つであり、入り口に帰るか、神殿の奥深くまで進みボスを倒してその先に進むまで戦闘画面が続く。

本作のアイテムについて

  • 本作に登場する重要なアイテムは、その殆どが所持しているだけで自動的に効果を発揮する。
    • ボタンによって使用可能なアイテムはフィールド上で使う笛とハンマーの2つしか存在しない。そのかわりこれまでのアイテムに近い存在として幾つかの剣技や魔法が設定されている。これらは街の術士や剣士から教えてもらう事で習得する。
    • 神殿に安置されたアイテムを取らないと、ボスだけ倒してクリアしても結局先には進めない*2
      • アイテム・魔法ではないが、特定の街では下突き・上突きを習得できる。

戦闘時のアクション

  • Aボタンでジャンプ・Bボタンで攻撃が可能であり、十字キーによる立ち・しゃがみによって上段・下段攻撃の使い分けができる。
    • 体力が全回復の状態であれば、前作同様剣からソードビームを発し、ある程度の遠距離攻撃が可能になる。しかし前作ほど万能ではなく、射程が短めな上に通用しない敵も多い。
    • 下突きはジャンプ中に↓、上突きはジャンプ中に↑キーを入れると出る。どちらもゲーム攻略上重要な技である。
      • また、盾である程度の攻撃(魔法で強化している間はほぼ全て)を防御する。こちらも下キー入力によって防御位置が上段・下段に変化する。*3
+ 移動および戦闘中に使える魔法の一覧
  • 全8種類。戦闘を補助するものと、ジャンプ力を強化したり飛行可能な妖精に変化するなどマップ攻略に必要なものの2種類に大別される。各効果は画面が切り替わるまで有効。
    • SHIELD:受けるダメージを半減させる。
    • JUMP:ジャンプ力が上がり、高い場所に登ることができる。
    • LIFE:体力を3メモリ分回復する。
    • FAIRY:妖精に変身して空を飛ぶことができる。変身中は剣で攻撃する事が一切出来なくなる。
    • FIRE:攻撃時に剣から火の玉を飛ばせるようになる。画面上に2発まで出せる。通用しない敵もいる。
    • REFLEX:盾を強化することができる他、敵が放つ魔法を跳ね返せるようになる。
    • SPELL:特定の場所で使うと地形が変化する。一部の敵キャラをボト(青いスライム)に変化させる。
    • THUNDER:画面上全ての敵にダメージを与える。
      • このうち、SHIELD、LIFEの2つは特に重用される。(理由は後述)
      • ちなみに一部の剣技は後のゼルダ作品や『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズなどでも採用された。

成長システム

  • リンクにはLIFEMAGICATTACKの3つのパラメータが存在し、敵を倒したり宝袋を入手すると経験値を入手でき、経験値が溜まると3つのパラメータのうち1つを任意で選んでレベルアップできる。
    • ATTACKを上げるとリンクの剣の攻撃力が上昇。
    • MAGICを上げると魔法を使った時の魔力の消費量が減少。
    • LIFEを上げると敵から受けるダメージが減少(防御力が上がる)。
      • 最大レベルは3つともレベル8で、レベルが最大値に達した状態でレベルアップすると残り人数が1機増える。
      • また、レベルアップ時にLIFEやMAGICを選択した場合、選んだパラメータが最大値まで回復するため、戦略的に利用できるとかなり有利。


評価点

バランスの良さ

  • 基本的に「ゼルダ」シリーズは初心者にも易しい調整が施されているが、このゲームはアクションが主体なだけあって、アクションが苦手なプレイヤーや初心者には厳しい。
    • とはいえアーケードゲーム仕様の難易度のアクションゲームに慣れたプレイヤーならば普通に攻略できるバランスになっている。
      • 本当に理不尽なまでに難しいのはラスボス戦くらいで、全体的にはいわゆる「手応えのある難易度」に仕上がった作品。

アクションが多彩かつ、そのすべてに出番がある

  • 他のシリーズと異なり、上段・下段の攻撃・防御の使い分け、中盤以降は下突き、上突きも加えた上での敵との駆け引きを特徴としており、アクション性が高い。
    • 言及されることは少ないがマップ自体もなかなかの曲者。ジャンプアクションに慣れていないと崖から転落死という状況も多い中、それに慣れてきた中盤以降で断崖からの落下によるマップ移動が必須な場所が出始める。
      一応のヒントはあるが即死を覚悟して落ちなければならず、初見での攻略はなかなか難しいが、遊び甲斐がある。

良質なBGM群

  • 先述の通り作曲者が変更になっているのだが、音楽の質は相変わらず高い。
    • 特に各所に6つある「神殿」の曲、そのアレンジバージョンにしてラストを飾る「大神殿」の曲は、フラメンコ風でテンポも絶妙、非常に格好良い。

能力を引き継いで二周目のプレイが可能

  • 前作と違いクリア後の裏ゼルダがないかわりに、レベル等引き継ぎで新規プレイが可能となっている。

賛否両論点

手ごわすぎる強ザコ・ボスの皆様

  • こちらと同じように剣・盾を上下に使い分ける騎士「アイアンナック」は、プレイヤーと同等のスキルを使いこなす。ある意味本作の高いゲーム性を象徴する敵キャラである。
    • 各神殿において必ずといっていいほど要所要所に配置されており、的確な防御と隙あらばの突きでリンク(とプレイヤー)の体力をすり減らす。アイアンナックの兜に阻まれるためか、上述の「下突き」も通用しない。
    • 単純な攻撃力、防御力だけを見てもその辺の雑魚より格段に高い。腕に自信が無ければ、残りのMAGICが許す限りSHIELDやLIFEの魔法を惜しみなく使いたい。
      • どうしても相手の盾を突破できないのであればジャンプして着地直前に剣を当てる「小ジャンプ突き」でダメージを与えられる。これは彼の盾が上半身全てを守っておらず、ジャンプ突きをされると何故か盾を下げてしまい、上半身が無防備となってしまう性質があるからである(ちなみにリンクの盾も同じ仕様)。
      • ゲームを進めると、より盾の使い方が巧くなった、耐久力・攻撃力も更に高い青色のアイアンナックも登場するのだが、こちらはリンクと間隔を空けながら飛び道具の剣ビームまで上下に撃ってくる*4。近づくのが困難な上、接近戦でも剣とはタイミングの違うビームをガードしながら戦わなくてはならないため、圧巻の強さを誇る。
  • 盾でこちらの攻撃を的確にガードする敵は他にも存在し、特にトカゲの魔物「ゲール」は後半にもなると多数出現する。ザコと言えどもゴリ押しだけで勝てるほど甘くない。
    • アイアンナック共々、前述の「小ジャンプ突き」が有効なのが救い。
      • 最後の神殿に登場する「フォッカー」に至っては行動が大ジャンプする青いアイアンナックといった様相で、最早ザコと呼べるかも疑わしいほどの凶悪ぶりをこれでもかと見せ付けてくるのだが、大ジャンプが災いし地形によっては待ち伏せであっさり勝てたり大ジャンプ中に上突きでダメージを与えられたりと対処法がわかれば青アイアンナックよりは楽だったりする。
  • ボス戦は上記のような駆け引きというよりは、各々の弱点を突いて戦うことになる。
    • 最初に戦う半人半獣の「マズラ」、剥がした兜がファンネルの如く自律行動する鎧騎士「ジャーマフェンサ」、上記の青ナックが騎馬に乗った「レボナック*5」...等など、少数精鋭ながらいずれも特徴的で手強い連中が揃っている。
    • 基本的にスクロールが固定され逃げられないので体力勝負となり、的確に弱点を狙えなければ勝利は遠い。中にはMAGICを使わなければ弱点を突くことができない敵も。

問題点

リンクのリーチの短さ

  • リンクの武器はマジカルソードであるが、本作のソードはまるでコンバットナイフかと思うほど短い。あくまでも斬るのではなく、突くのではあるが、本当にリーチが短いので、慣れないとビト・ボトといったスライムのザコ敵を倒す事すら苦労する。  

ラスボス戦が超高難易度

  • 剣技を使いこなすアイアンナックタイプの敵だが、今までのどの連中よりも極めて攻守のバランスが取れている。
    • 初見では隙を突く事すらも困難。正攻法で撃破できたら凄い。
      • 必勝法に近いものでは、画面端を背にしてしゃがんでひたすら突くことで確実に倒すことが出来る。見た目の冴えないせこい戦法であるが、こんな戦法でも使わないとなかなか勝てない、それだけ手ごわい相手であると言える。

セーブ時・ゲームオーバー時の不便な仕様

  • その時点のパラメータ内で''一番低いレベルに他のパラメータが強制的に合わせられてしまう。
    • 極端な例をあげると、LIFEとMAGICを最高レベルの8に上げていても、ATTACKがレベル1である場合、全てがレベル1に戻ってしまう。そのため、平均的に上げていかないと非効率となる。
      • ゲーム中でパラメータを平均的に上げていく事を推奨するような町人の発言があるので*6、意図的な仕様と思われるが、パラメータ次第で上げ直しを強制されるのはいささか不便である。
      • 本作はアクションゲームの腕前が問われる作風であるため、偏ったパラメータでも中断なしで謎解きとダンジョン攻略をやり遂げる腕前さえあれば、そこまで大きいな問題にはならないのだが。

総評

高い難易度と異色のゲーム性などから、ゼルダシリーズの中では知名度がさほど高くない作品。
プレイスタイルやジャンルも全く異なっており、結果ゼルダシリーズの中では、シリーズ第2作目にして異色の作品となっている。
しかし独特なBGMや歯ごたえのある内容などから、コアなファンも数多く存在している。

後のゼルダシリーズに与えた影響は大きく、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』以降の敵との戦闘では、本作と同様にして3D空間を活かした熱い駆け引きが盛り込まれるようになった。


余談

  • とある街に『ドラゴンクエスト』に登場する伝説の勇者ロトの墓がある。
    • 関係のない他社作にまでこのネタが取り入られ、その後発売された『ファイナルファンタジー』には『リンクの墓』が存在し、『天下一武士 ケルナグール』では『フリオニール*7の墓』が登場する。
      • ゲーム会社同士のリスペクトや悪ノリを感じられるおふざけであり、規制やネタに寛容だった時代を感じさせる。
  • 海外のNES版では容量も増加したためか、LIFE・MAGIC・ATTACKが個別に記録されるようになり、レベル1以外の各神殿のグラフィックも専用のものに変更、ボスのグラフィックも描き直されている。
    • レベル5のボスがジャイアントに変更された。また、伝説の勇者ロトの墓が削除されている。
      • 海外ゆえか難易度が上昇しており、一例を挙げるとザコ敵が強化されている。経験値を盗むものや、MAGICを使わないとダメージを与えることすらできないものも追加されている。
        こうした難化志向の調整ゆえ、一部の人には難易度だけで「無理ゲー」と呼ばれてしまっているが、これはアメリカで存在するゲームレンタル制度に合わせている為である。
  • 宮本茂氏は『スターフォックス64』の攻略本で、SFC末期に本作のリメイクを作っていたことを明かしている。
    • が、そこにニンテンドウ64が入ってきたことと開発に時間がかかりすぎることから断念したという(その当時のスタッフが『スターフォックス64』の開発に回った)。
  • 『ゼルダの伝説』シリーズはそのタイトルからか、主人公(リンク)の名前がゼルダであると誤解される事が多いのだが、リンクとついている本編タイトルはこれが唯一である。
  • かつて出版されていたわんぱっくコミックで連載されていた作者・乱丸氏による漫画版は、コミカライズ最高傑作と言われるほど評価が高い。
    • ガノンの意外な正体は後に公式化されたガノンドロフに先んじていたり、リンクを初めとした登場キャラの心理描写が念入りに描かれているなど見所が多数。
    • 単行本は2巻発売され、最終巻である第3巻は発売が告知されたが、わんぱっくコミックの休刊により発売されず未完になっている。
      • 単行本も現在は絶版なため、復刊を希望する声は多い。
  • この作品以外には任天堂から横スクロールのゼルダの伝説は発売されていない。
    • しかし任天堂のライセンスを得て、CD-iにてフィリップス社から発売された『Zelda:the Wand of Gamelon』及び『Link:the Faces of Evil』はこの作品のような横スクロールアクションが中心となっている。
      • それらのある意味で凄まじい出来は一部で有名。