ラチェット&クランク FUTURE
【らちぇっと あんど くらんく ふゅーちゃー】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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プレイステーション3
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メディア
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BD-ROM 1枚
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発売元
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ソニー・コンピュータエンタテインメント
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開発元
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Insomniac Games
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発売日
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2007年11月11日
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定価
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5,980円(税5%込)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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廉価版
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PLAYSTATION3 the Best:2008年7月3日/3,800円 同・価格改定版:2009年12月3日/2,980円
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判定
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良作
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ポイント
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PS3の高画質と重力アクション マップの易化とシリアス路線のシナリオ
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ラチェット&クランクシリーズ
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PlayStation Studios作品
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あらすじ
ラチェットとクランクはズガガ銀河のハイテク惑星ケルヴァンの都市メトロポリスでのんびりと暮していた。
しかし、ある日彼らは帝王タキオン率いるクラグマイツ族の襲撃にあってしまう。
タキオンの狙いは、ロンバックス族の最後の生き残りであるラチェットを抹殺し、「ロンバックスの謎」という強力な兵器を手に入れることだという。
なぜ、ロンバックス族はラチェットを除き滅びたのか、ロンバックスの謎とは何なのか。
様々な謎が錯綜する中、事の真意を探るために、ラチェットとクランクは新たな冒険に出発した。(Wikipediaより)
概要
スピンオフである『海賊ダークウォーターの秘宝』と、続編の『FUTURE2』に加え、『FUTURE2』の後日談となる『INTO THE NEXUS』へと続く、「フューチャー・サーガ」の1作目。
勧善懲悪をモットーにゆるいお話の下で惑星を飛び回るのが従来のシリーズの特色だが、本作はラチェットの出生、ロンバックス族の謎に迫るものであり、また少し切ないストーリーになっている。
また本シリーズ初のPS3進出作品であり、従来の操作はそのままに強化されたグラフィックとジャイロセンサによるアクションが新装されている。
その一方で、『ラチェット&クランク』シリーズ恒例の多彩な武器によるアクションと探索は健在。
なお、商品としての正式名称は本作のみ「FUTURE」ではなく「フューチャー」である。
評価点
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グラフィック
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光の反射の表現がリアルになり、ステージも見やすくなった。
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物が壊れる様子が非常に緻密に描かれている。クランクで時間を止める操作をする操作時にもその精密さが顕著に見られる。
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新システムの数々
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本作からの新要素なのだが、コントローラー内蔵の傾きを感知するジャイロセンサを用いて、ガラメカで発生させた竜巻やスカイダイビング、グライダー、ハッキングツールの操作ができる。
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『2』で不評だったグライダーだったが、本作で操作性を大幅に改善して戻ってきた。
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どこでも使えるというわけにはいかないが、このアイテムを使うことで行ける場所が格段に増加するステージがあり冒険心をくすぐられる。
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敵に「盾装備」という一種の属性が付加されており、戦略性がある戦いが求められるようになった。武器に応じて破壊できたり盾を貫通する攻撃があったりする。
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ラリタニウムという鉱石もボルトのように入手が可能で、これにより武器をプレイヤーの好きな方向に強化していける。
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ラリタニウムをドロップするように強化も可能になるので、敵を倒すだけでもやりこみ要素につなげられる。
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ステージ攻略用アイテム
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数は減ったが、過去作にはないような挙動をする道具が増加した。
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上述のグライダーをはじめ、操作性を向上させた宇宙船のバトル専用のステージが追加されていたりと乗り物のアクションが多彩になっている。
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イベントの様子
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単純に悪役が配置されそれを倒していくのが従来作の特徴だったが、今回は少しだけだが難しい話になっている。
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探索中にラチェットがクランクと会話してくれる。ラチェットが乗り回すことになる飛行船も喋ってくれるので楽しい。
賛否両論点
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重力センサーの代替方法
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ゲームのテンポを損なわないことを配慮してか、ほとんどの重力センサーアクションはスティックでも代替できる(トルネイダーは例外)。
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大半はスティックで操作したほうが緻密な動きが出来るので、人によってはこの重力センサーが不要の産物と化す。
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特殊操作を要する場面
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作品がだれなくて良い点でもあるのだが、ラチェットの宇宙船操縦やクランクのソロプレイは、普段行わない操作を要求されるだけあって失敗率が高い。また失敗率の割にリスタート地点が少ない。
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クランクの時間干渉の技は斬新ではあるのだが、ややバランス崩壊気味。
問題点
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シナリオの一部
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ヒロインに該当する人物が登場するが、今一つシナリオの本筋に絡めていない。全編的にラチェットに対して素直でないので鬱陶しく感じたプレイヤーもいるのではないだろうか。
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シナリオが少し難しくなったことやステージが広くなった事で、プレイヤーが物語の目的を忘れやすい。
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ネタバレとなるので詳細な記述は伏せるが、ラスボス討伐後に大半のプレイヤーが予測できない超展開が起こり、煮え切らない雰囲気のまま続編に続く。
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一度見たイベントを周回プレイ時に見てもスキップできない。
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難易度・戦略性
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序盤こそよいが終盤になると敵の耐久力が妙に高くなる。しかし攻撃パターンは相変わらず単純なので戦闘がマンネリ化しやすい。もっともこれは他のシリーズ作品でも多かれ少なかれ抱えている問題ではある。
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ケルチュが操縦するボスとラスボス以外は全体的に攻撃パターンも体力も印象に残らないほど地味。逆にラスボスの2面目で放って来るレーザー攻撃は強すぎる。
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本作の補助ガラメカは乗り物系統が多く、道を切り開くタイプのものが少ない。また、ダメージ床といったトラップがあるステージが圧倒的に減ったため、頭を使った攻略をすることが少なく、グラフィック以外の変化にも乏しい。
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ステージの隠し場所は補助ガラメカの組み合わせで見つけたりしていたのだが、本作にはそれがほとんどない。
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「RYNOナンバー4」の設計図であるホロプランに至っては、従来のような存在感のある隠し場所ではなく本当に地味な所に隠されていたりするので今までの感覚でやると詰む。ステージが全体的に広いこともこれを助長している。
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周回プレイが地味
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周回プレイをしても敵が前作ほど強くなるわけでもなく、やることも武器の限界突破からの強化、ホロプランの回収、スキルポイントの達成などやることがあまり多くない。スキルポイントを集めても特典があるわけでもない。
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武器やステージ攻略用の補助アイテム数は『2』『3』に比べるとやや少ない。
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武器ガラメカ数は15、攻略をやるうえで物足りなく感じることはないが、強化しても攻撃のエフェクトや武器の外見が殆ど変わらないので、グラフィックを強化したことに対して非常にもったいない。
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本作新要素として妨害や回復、援助を行ってくれるアイテムが登場しているが、武器と異なり成長しないうえ少ない弾数の割にあまり活躍ができない。
総評
PS3による高彩度のグラフィックとジャイロセンサーはラチェクラシリーズと相性が抜群であり、綺麗・軽快さはシリーズの中でも随一。
単純に敵に対して無双する楽しみは薄れてしまっているが、従来とは少し違ったテイストのストーリーが繰り広げられているのも特徴。
難易度が比較的低いことから、従来のシリーズに親しんでいると違和感を受ける可能性があるが、ラチェクラシリーズに興味のある新規の方には遊びやすい作品ではないだろうか。
余談
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本作が発売された前年の2006年に『ラチェット&クランク』シリーズの制作会社、インソムニアックゲームズのスタッフであるダン・ジョンソン氏が逝去した。
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本作は彼の死後初のインソムニアックゲームズ制作のゲームである。エンディングのスタッフクレジット前に彼を偲ぶ追悼メッセージが表示される。
最終更新:2024年11月18日 06:01