建設重機喧嘩バトル ぶちギレ金剛!!
【けんせつじゅうきけんかばとる ぶちぎれこんごう】
ジャンル
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対戦アクション
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対応機種
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プレイステーション2
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発売・開発元
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アートディンク
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発売日
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2000年6月1日
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定価
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6,800円(税別)
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プレイ人数
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1~2人
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判定
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クソゲー
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ポイント
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最悪の操作性、単調なバトル、建設重機のような何か PS1並みの粗いグラフィック 大味なゲームバランス アートディンクの黒歴史 本宮ひろ志の無駄遣い 男だったら、ぶちギレろ!!(ゲームに)
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概要でぶちギレろ!!
アートディンクがPS2用ソフトとして発売した3D対戦型アクションゲーム。
プレイヤーは建設会社の社員に扮し、ブルドーザー、パワーショベルなどの建設重機を操縦し、工事現場を舞台に相手の重機と対決する。
キャラクターデザインとパッケージイラストは『サラリーマン金太郎』などでお馴染みの本宮ひろ志氏が担当。「誰もが一度は憧れる大型重機を実際に操縦できる」という点がウリ。
システムでぶちギレろ!!
ゲーム中に登場する大型建設重機は全部で6機種。
パワーショベルやブルドーザーをはじめ、クレーン車、ダンプトラック、ロードローラー、フォークリフトと、個性的な重機が勢揃い。
そしてアクション、必殺技は、重機の種類や搭乗しているキャラクターによって異なるものが用意されている。
操作やインターフェイスは至ってシンプルで、重機を手にしたその日から思う存分ぶちギレる事ができる
…という触れ込みだったのだが、後述する問題点のせいで、何もかも台無しになってしまった。
問題点でぶちギレろ!!
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最悪の操作性
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シンプルなのは良いが、出来る事が少な過ぎて、余りにもお粗末である。
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具体的な操作を説明すると、「十字キー(L3使用不可)で建機の移動」「□、△、○で攻撃(キー配置に合わせ、右方・前方・左方)」「×でガード」たったこれだけである。とても単純で分かりやすいと言えば聞こえはいいが…。
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このゲームではキャタピラ式の重機も乗用車のようにハンドルを切って曲がる必要があるので、ただでさえ鈍重な重機ということもあり、敵を正面に捉えたり追いかけるだけで四苦八苦する。
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重機や戦車は本来、片側のキャタピラだけ動かしてピボットターン(信地旋回)したり、左右個別に回転させてその場で旋回(超信地旋回)したり出来るのだが…。せめてアームの旋回をLRボタンに割り当てるなどできなかったものだろうか。
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こんな内容、かつPS2初期作でありながら、20秒近いロードが頻繁に入る。
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ぎこちないカメラワーク
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「ド迫力の3Dバトル」の謳い文句はあるが、突然上空からの視点になったかと思えば、対戦相手や壁・障害物のオブジェクトが重なって自分の位置が把握できなくなったりと、非常にストレスを感じる。
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地味で盛り上がりに欠ける、大味で単調なバトル
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相手に体当たりしたり、クレーンを振り回したりするだけで、盛り上がりに掛ける。
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ボタン一つで周囲に鉄骨を発生させて全方位をガードしたり、ブチギレゲージ(MAXまで溜めると超必殺技が放てる)が最大になると有効範囲に入った敵に勝手に大ダメージを与えるなど、呆れるほどゲームを大味なものにしてしまっている。
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フィールド上には、鉄骨やドラム缶などの障害物が配置されており、跳ね飛ばして相手に攻撃することもできるが、はっきりいって邪魔なだけである。
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複数のボタンを連打して戦う「口喧嘩システム」というものがあるが、バトルにダレてくるとただの空気になってしまう。
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タイムオーバーになると、プレイヤー側が残り耐久値で上回っていても強制敗北になってしまう。しかも敵のAIは逃げ腰なので、劣悪な操作性で敵を追わなければならないため益々ストレスが溜まる。
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ゲームバランスも最悪。
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一言で言うとロードローラー最強。異様に素早い上に小回りも利きやすく、更に言えば前進の攻撃判定がやたらと強力。
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ストーリーモードでロードローラーが使えるステージは前進しているだけで勝てるレベル。
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逆に弱いのはクレーン車、あたり判定がでかい上に攻撃力も低い、また後述する世の中銭が全てや!!の戦いでは、このクレーン車を使って戦う必要があるためかなりの苦戦を強いられる。
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一方で相手がロードローラーになるステージは非常に苦しい戦いとなる。ステージごとに重機は固定なので、一方的に不利な戦いを強いられてしまう。
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その上終盤ではロードローラーの二連戦が待ち構える。後半故にダメージ補正が激しく、運が悪いと一方的にダメージを受け続けて負けるという事態に陥り、世の中銭が全てや!!という罵倒セリフを聞かされ続けるハメになる。このロードローラーの所為で普通のプレイヤーではEASYモードクリアが精一杯という何とも言えないゲームバランスとなっている。この点がクソゲーたる最大の理由と言えよう。
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グラフィックが粗い
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総じて全体的なグラフィックの品質がPS1時代を彷彿とするレベルの低さである。
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会話パートのUIは、2Dグラフィックの上に半透明のセリフを表示させているだけと言う、時代不相応なものである。
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対戦パートのUIも、上に残り時間、左右下にHPが表示されているのだが、この2Dグラフィックの質もガキガキ。3Dグラフィックの質も後の『新宿の狼』を彷彿させるほどの低さであり、PS2ロンチながらもグラフィックの質で高く評価されている『リッジレーサーV』などと比べれば一目瞭然だろう。
評価点でぶちギレろ!!
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ストーリーモードやバトルにおいて、本宮ひろ志氏の絵柄に相当近づけられたイラスト(本宮氏自身が描いたものではない。詳しくは余談にて)やアニメタッチの動画を随所で見る事が出来る。
氏のファンなら楽しめるのでは無いだろうか。
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ストーリーは破天荒だが、熱い展開あり、ギャグあり…と初見ではそこそこのめりこめる水準となっており(超展開なところもあるのだが…)、重機をぶつけてバトルという馬鹿馬鹿しさも併せて、バカゲーとしては決して価値がないわけではない。
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声優陣には力が入っており、今は亡き郷里大輔氏を筆頭に、置鮎龍太郎氏や森川智之氏、宝亀克寿氏といった、
声優業界では有名な顔ぶれが散見される。ゲーム全編を通してフルボイスである。
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ド派手で、なんでもありな必殺技
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必殺技の演出は非常に良く、またもはや何でもでもあり
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相手の重機を切り刻む、相手の重機を
野球のごとく吹っ飛ばす
、
トラックに爆弾を積みまくってそれを爆発されまくる
など、とにかく笑える必殺技ばかり。
総評でぶちギレろ!!
派手なふれこみの割には、余りにも地味で単調だっただけに、拍子抜けしたと同時にクソを掴まされ、怒りに震えたユーザーも多かったと思われる。
メーカーのアートディンクといえば、稀代の名作『A列車で行こう』や『カルネージハート』、賛否両論あるが『ルナティックドーン』シリーズを手掛けた会社として名高いのだが、
一体何を間違えてこのようなクソゲーを世に送り出してしまったのか、甚だ疑問が残ることになった。
一部のユーザーからは「勢いのあるバカゲー」として一定の評価を得ているが、やはりクソゲーの要素が勝ると言って良いだろう。
スピード感のあるバトルだったなら幾分は許せたかも知れないが、こんな出来のシステムで、鈍重な建設重機同士がただ単調にぶつかり合うのみ。
テクニックも何もなく、ただ殴りあうだけ。バカゲーに成りきれなかった、残念なクソゲーで間違いないだろう。
結論:定価で買ったならぶちギレろ!!!
余談でぶちギレろ!!
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当時アートディンクの社員だった漫画家・田中圭一氏が、管理職としてプロデュースを行っている。
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キャラクターデザインは本宮氏本人によるものだが、オープニングのアニメ、ゲーム内の立ち絵など、
作品に使われたキャラクターイラストの90%は田中氏が本宮氏のイラストを研究して自分で描いたものである
(参照1)(参照2)
(参照3)。
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「パッケージイラストも田中氏が担当した」とする説があったが、本人が否定している。
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破天荒なストーリー、機械で戦うというコンセプト、必殺技の演出は、アニメ『人造昆虫カブトボーグ V×V』を彷彿とさせる。
最終更新:2024年08月10日 19:34