プロジェクトハッカー 覚醒
【ぷろじぇくとはっかー かくせい】
ジャンル
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アドベンチャー
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対応機種
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ニンテンドーDS
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発売元
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任天堂
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開発元
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レッド・エンタテインメント クリーチャーズ
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発売日
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2006年7月13日
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定価
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4,571円(税別)
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レーティング
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CERO:A (全年齢対象)
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セーブデータ
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1個
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判定
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なし
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ポイント
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正義のハッカー(≠クラッカー) これであなたもソーシャルハッカー?
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シナリオ
大学生雨坪サトルがアルバイトから帰宅すると、彼の部屋が荒らされていた。
そこへ黒ずくめの男2人が部屋に押し入り、サトルに「CD-Rを返せ」というのだが、サトルには身に覚えがない。
登場人物
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雨坪サトル
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主人公。コンピューターに興味のある大学生。政府のサイトに不正アクセスするが、クラッキングは行っていない。
GIS所属後はBlitzの捜査任務に当たる。
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小久保リナ
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主人公の幼なじみ。稀代のトラブルメーカー。迷惑ポジティブ。
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主人公曰く「面白いと思えば後先を考えずに行動する」。
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ITは詳しくないが、歴戦の米兵より強い。特技はかくれんぼ。
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Blitz
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正体不明の天才ハッカー。ハッキングツールをばら撒くなどの愉快犯のような行為のほか、民間企業から依頼を受けてウイルス製作者のPCをハッキングしたりするなど、ポリシーは感じられない。
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大河内俊樹
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銀髪の警視庁の刑事。GISに頻繁に調査依頼に来る。よく振り回される三枚目ポジション。
システム
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コマンド選択ADVである。
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PC
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主人公がGIS所属後に貸与される捜査用のノートPC。
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Mail
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メールアドレスがわかっているGISのメンバーにメールを送ることが出来る。分からないことがある時に適切な人物にメール送ると、ヒントが得られることがある。
メールの内容は選択制で、選択肢にない内容は送れない。
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Web
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各種ホームページにアクセスできる。といっても実際のインターネットに繋がるわけではなく、ゲーム内に用意されているページだけが表示できる。
ただし、ゲーム内に用意されたWebページは100ページを越える。
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ハッキング
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パスワードハッキング
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本作ではネット越しにハッキングするよりも、相手のPCそのものをハッキングすることが多い。
この場合、相手の部屋にあるもの(メモなど)からパスワードを推測したり、それまでの会話内容や、PCを使ってホームページから個人情報を集めるなどのソーシャルハッキングの手法でパスワードを推測する必要がある。
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その他のハッキング
評価点
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シナリオ構成
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後の章ほど2段構え、3段構えの展開になっており、飽きさせない。
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ゲーム内のHPの作りこみが丁寧
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ゲーム内で手がかりを探すために閲覧するHPが総ページで100ページを越える分量がある。しかも新着情報やキャンペーン情報及びブログが更新されたり、隠しリンクやリンク切れまである。
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背景の描き込みが細かい
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主人公らが最初にファミレスに行った時に背景に「謎の大男」が描きこまれている(2回目以降はいない)など、あるいはすいている時、混んでいる時、まばらな時と様々なCGが用意されており、よく行く場所でも微妙な変化がある。
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細かい所ではあるが、よく間違えられる「ハッキング」と「クラッキング」の違いをゲーム序盤で丁寧に説明してくれている。
賛否両論点
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癖の強いキャラクターデザイン
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イラストのタッチは発売された年代を考慮しても古めで、かなり好みが分かれる。
問題点
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一般的な「ハッキング」のイメージとの乖離
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ハッキングと言うとコンピューターのプログラムを解析・改造することが思い浮かびがちだが、本作はインターネットやロックをかけた人物の情報を元にパスワード等を探すソーシャルハッキングの要素が強い。
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全てがそうという訳ではないものの相対的にIT要素は薄まっており、「ハッキング」を従来のイメージで捉え購入した場合やや拍子抜けするかもしれない。
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アクション系のミニゲームの難度が高い
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ゲームの進行にはアクション性の高いミニゲームが必須であるが、その難度が高い。
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暴走するヒロイン
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どんな危険な目にあっても学習しないポジティブな姿勢に強烈な嫌悪感を抱く人も少なくない。
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ちなみに不法侵入・家捜しなど犯罪行為も主に彼女が率先して複数回行う。
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それでいて主人公を食っているところもあり、ゲーム終盤では大きくプッシュされているなど、かなり人を選ぶヒロインにもかかわらず優遇され気味。
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場所の移動は正しい道順でしか出来ない。
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例えばGIS本部から外に出たければメインルームを必ず経由しなければならない。『逆転裁判』を思い浮かべていただければ分かりやすいだろうか。
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同シリーズのようにそのシステムを有効活用してはいるのだが、不便さは否めない。
総評
謎解きはほぼパスワードハックだけだが、脱出ゲーム系の暗号の類ではなく、ソーシャルハッキングに着目した点は独特で、意外とADVにマッチしている。
HPや背景など作り自体は丁寧だが、登場する大人たちが頼りない点や、ヒロインの無鉄砲ぶりには批判の声も多く、キャラ設定が本作の目立った失敗点であることは否めない。
ADVにもかかわらずダンガンロンパシリーズのようなアクション性の高いミニゲームがあり、90年代アニメ風の肩幅の広いキャラデザと合わせてかなりクセのある、人を選ぶゲームである。
余談
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本作のデザイナー陣には、逆転裁判シリーズでおなじみのスエカネクミコ氏も参加している。
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氏はデザイナーでありながら『逆転裁判123』のキャラ付けに大きく貢献した過去がある。やたら筋肉にこだわる隊員や、宇宙人との交信を試みる女子高生など、どことなく逆裁臭の漂うキャラは彼女の影響なのだろうか?
最終更新:2022年11月12日 19:16