超・ちゃぶ台返し!
【ちょう ちゃぶだいがえし】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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アーケード
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発売元
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タイトー
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稼動開始日
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初代:2010年1月 その2:2010年10月下旬 巨人の星 ド根性編:2012年6月
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判定
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バカゲー
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ポイント
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本当にちゃぶ台をひっくり返すゲーム 稼働時期に合わないポリゴン画 「バカヤロー!」
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概要
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タイトーが「NO考ゲーム」というブランドからリリースした、ストレス解消を図ったアクションゲーム。
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筐体中央には専用のちゃぶ台型コントローラーがあり、これを実際に叩いたりひっくり返したりする。
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つまりは『巨人の星』に代表されるような「ちゃぶ台返し」を実際に体感できるゲームである。
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後にはコラボバージョンである『巨人の星 ド根性編』も制作された(当ページでは以下、コラボゲームを『巨人の星~』と表記)。
システム
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ちゃぶ台ないしテーブル等をひっくり返したくなるようなイラッと来るシチュエーション(ステージ)が用意されており、プレイヤーは制限時間60秒以内にちゃぶ台コントローラーをひっくり返す。
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それによって「破壊したアイテムの破壊総額」「アイテムの飛距離」「飛んだものが特定のアイテムにヒットした際のボーナスである『秘技』」の3要素によりランク付けが行われ、点数が算出される。
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点数の単位は、『初代』と『その2』では「チャブ」というポイント数で、『巨人の星~』では「破壊」「飛距離」「秘技」3つのステータスを組み合わせて100点満点で表示。
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ちゃぶ台を返す前にちゃぶ台を叩く事で、動き回る他キャラクターの動きを止め、狙ってアイテムを当てる事が出来たりする。
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『巨人の星~』では画面左側にちゃぶゲージが表示され、高得点を狙うコツが分かりやすくなっている。
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また、『その2』以降では「競技大会」というゲームモードも登場。
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1人あたり2回ちゃぶ台をひっくり返して飛距離を競う。2~4人プレイが可能。1回の制限時間は30秒。
ステージ
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お茶の間編
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則勝(のり まさる)が一家の夕食時、妻の愚痴が止まらないことと、自分勝手な子供たちの態度に腹を立てる。
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ホストクラブ編
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勝の妻、まさ子(まさこ)が初めて通うホストクラブに、イケメンホストの態度が悪い事から、まさ子が腹を立てる。
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結婚披露宴編
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勝の娘、清美(きよみ)が結婚式を挙げるが新郎は逃走しそれが元で両親が喧嘩してしまい、清美が腹を立てる。
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オフィス編
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勝の息子で清美の弟、将太(しょうた)がやっと就職したが、口先だけの同僚とやる気のない上司の態度にキレて腹を立てる。
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葬式編
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『その2』以降で登場。勝が突然死してしまい、葬式が開かれるが、うろたえる家族と適当な坊主にキレて幽霊となった勝が腹を立てる。
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アルバイト編
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『その2』以降で登場。清美がハンバーガーショップでアルバイトをするが、横柄な客やしつこく迫る店長にキレて清美が腹を立てる。
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学校編
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『その2』以降で登場。将太が母校で教育実習するが、落ち着きのない生徒に学級崩壊寸前になり、将太が腹を立てる。
変な点
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稼働年と技術に似合わないポリゴン画
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2010年稼働、基板はWindowsPCベースのTaito Type X2であるにもかかわらず、キャラクターはまるで初代『バーチャファイター』のようなローポリ(ちなみに本作と同年に『バーチャファイター5』が稼動開始)。
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しかしアイテムなどのモデリングはそれなり。
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なお『巨人の星~』に登場する飛馬、一徹などのキャラクターは3Dでは登場せず、アニメビジュアルでのみ出演。
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対してリアルな挙動
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粗いポリゴンとは対照的に物理演算エンジンを搭載し、アイテムの挙動はリアルに再現。
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シュールすぎるリプレイ
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ハイパースローのようなリプレイは何故かしっとりしたフォークソングがBGMとして流れ、カラオケのような歌詞テロップまで流れる仕様。
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『その2』以降で選べる「葬式編」で(設定上)死んだはずの則勝が、ちゃぶ台をひっくり返した後で生き返ってしまう。
評価点
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物を破壊する爽快感
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ちゃぶ台を叩いた衝撃やひっくり返した時に飛んだものがぶつかるなどという事が折り重なった時に物が次々と壊れるという爽快感が味わえる。
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多彩なステージ
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初代のみ4ステージ、『その2』以降は7ステージから自分の好みに合わせて選べる。
問題点
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1プレイで出来ることが少ない
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制限時間60秒以内に1回ちゃぶ台をひっくり返したらそこで1プレイ終了になってしまう。
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ちゃぶ台をひっくり返したとき「バカヤロー!」と叫ぶのだが、あまり怒った感じがしない。
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「もうちょっと怒りっぽくしゃべってほしい」との意見も。
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ちゃぶ台の操作感(?)があまりにも軽すぎる。慣れないと力がすっぽ抜けて上手くいかない事態になりやすい。
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流石に実物同様の重さでは年少者に厳しいであろうが、だとしてももう少し重量感が欲しい。
総評
「究極のストレス発散」と称しているが、1クレジット1,2分で終わってしまうゲーム内容、好き嫌いの分かれるシュールなテイストによって「プレイ後もストレスが残ってしまう」ゲームへと豹変してしまった本作。
案の定インカムは稼げなかったらしく、ほとんどのゲーセンであっという間に撤去されてしまった。今では稼働している店の方が珍しいのではないだろうか。
本作を評価する人も、大抵は「このゲームの存在」に対するものであろう。
運よく見つけたら、話の種にプレイしてみるのもいいかもしれない。
ただし、その際どれだけストレスを発散できるか、あるいは本当にストレスを発散できるのかについては未知数だが。
最終更新:2024年06月16日 17:05