対応機種 | タイトル | 概要 | 判定 | |
PS2 | エルミナージュ ~闇の巫女と神々の指輪~ |
『Wizardry』の流れを汲むダンジョン探索型3DRPG。 『Wiz』らしさを強く残しながらも独自のシステムが光る作品であったが、無視出来ない問題点により評判は良くなかった。 |
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DS | エルミナージュ DS Remix ~闇の巫女と神々の指輪~ |
PS2版のDS移植版。下位機種への移植にもかかわらず、ゲームバランスを大幅改善し、新規モンスター・マップを追加。 読み込み時間もほぼ0秒にし(原作15~20秒)、ソフトリセット時間も20秒→1.5秒に大幅短縮された。 PS2版の問題点を見事に解消させ「スターフィッシュの奇跡」とも言われる。本作が無ければシリーズは続かなかっただろう。 |
良 | |
PSP/Win/3DS | エルミナージュ Original ~闇の巫女と神々の指輪~ | 『2』のシステムを使ったリメイク版。 | ||
Win | Elminage Original | 『Original』のSteam配信版。 | ||
PSP/3DS | エルミナージュII ~双生の女神と運命の大地~ |
『Wiz』風3DダンジョンRPGの流れを色濃く受け継ぐ、非常に完成度の高い作品。 戦闘・シナリオ・自由度が絶妙なバランスで成り立っている。"エルミナージュ"というブランドを作り上げた作品。 |
良 | |
DS | エルミナージュII DS Remix ~双生の女神と運命の大地~ | PSP版のDS移植版。バグが修正され新モンスターとアイテム、イベントが追加されている。 | ||
PSP/3DS | エルミナージュIII ~暗黒の使徒と太陽の宮殿~ |
自由度の高さ、アイテム集めや図鑑埋めの楽しさは健在。開発元のゴタゴタの影響か、作り込みやバランス調整が甘い。 一方で今までの雰囲気を残しつつ導入した新要素は好評で、小さな粗が無ければ文句なしの名作だったであろう惜しい作品。 |
なし | |
PSP | エルミナージュ ゴシック ~ウルム・ザキールと闇の儀式~ |
今までとは一転してダークファンタジー風のDRPG。 システム面を流用しながらも暗過ぎるシナリオやダンジョンの攻略順の固定化等、過去シリーズと比べられないほど別物化。 ナンバリングとの関係性は皆無どころか否定している台詞があるなど過去作ファンからは特に不評。 |
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3DS | エルミナージュ ゴシック 3D Remix ~ウルム・ザキールと闇の儀式~ |
修正・追加要素有りの移植版。ダンジョンが暗すぎて見えなかった問題を改善。 また、複雑すぎたダンジョンの一新等のダンジョン探索型3DRPGとして遊びやすくなるように変更。 だが、新要素はナンバリングからあった要素の復活に近く、リセット復帰時間の長さも元に戻ってしまっている。 |
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Win | Elminage Gothic | PSP版ベースのPC移植版。Steam/GOGでのDL配信で日本からの購入も可能だが日本語には非対応。 | ||
PSP | エルミナージュ異聞 アメノミハシラ |
現代日本や妖怪の世界を舞台にした、初心者向けと位置づけられた和風DRPG。 キャラクターが固定かつキャラメイクが不可とキャラゲーに寄せたものの、肝心のキャラクターも世界観も目立たない作品。 |
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3DS | エルミナージュ異聞 アメノミハシラ・怪 | PSP版の3DS移植版。システムの変更、NPCの追加によりストーリーにも僅かながら変更点がある。 |
『I』の発売の時は、『Wiz』風3DダンジョンRPGというゲームは少なからず存在し、その中に紛れ込む形で発売前からの期待や注目は少なかった。PS2版はそれと同時にシステムの問題の影響でなかなか売り上げは伸びなかった。
そんな中でDS版『I』の発売により、無名のゲームは一気に売り上げを伸ばし、『II』の発売によって少ないながらも一定数のファンを獲得し全盛に達した。
安定的にDS版も発売し、続編への期待と関心は日に日に大きくなっていく。そんな中、2011年初頭にツイッターにてファンの間に耳を疑う情報が流れる。
エルミの生みの親、育ての親とも言うべき開発者である小宮山大介氏が開発元のスターフィッシュから解雇されたのだ。
ツイッター上の氏の発言からその経緯をまとめると、「開発が難航していたため会社に発売延期と業務改善嘆願を出したが、それが受け入れられず逆に解雇されてしまった」とのこと。
小宮山氏はディレクター・シナリオ・敵キャラデザイン原案などをほとんど一人で担ってきており、「そんな功労者をクビにするとはどんな判断だ!」「エルミ3の出来は大丈夫なのか?」とファンの間には不安とスターフィッシュへの憤りがつのっていた。
そんな中、『III』が発売された。小宮山氏が序盤ではまだ携わっているおかげかゲームシステムは好評だったが、ゲーム開発の終盤に行われるバランス調整やバグ修正に問題があり、結果的に評価を落とすこととなってしまった。
その後は別スタッフ体制により『エルミナージュ ゴシック』や『エルミナージュ異聞 アメノミハシラ』などといったタイトルやリメイク版がリリースされているが、これらはシステムやゲームバランスが明らかに悪化していた。
世界観の薄さやバグの多さもさることながら『エルミナージュ』と冠した続編として相応しいかどうかと問われれば評価は芳しくなく、改めて小宮山氏の抜けた穴の大きさを認識させる結果となった。
遅れてナンバリング3作の3DS版を出すものの、こちらでもソフトリセット時間が長い等粗が目立ってしまい、良移植とは言いがたい。
『エルミナージュ』のシステムや世界観に惚れ込んでいたナンバリングファン(*1)は「どうしてこうなった」と思う他ないだろう。
*1 エルミナージュファンには『ゴシック』『アメノミハシラ』を『エルミナージュ』としてカウントしたくない人も少なからずいる。