太鼓の達人 レッドVer.

【たいこのたつじん れっどばーじょん】

ジャンル 和太鼓リズムゲーム
対応機種 アーケード
発売・開発元 バンダイナムコエンターテインメント
稼動開始日 2016年7月14日
プレイ人数 1~2人
判定 良作
ポイント アイドルマスターコラボイベントを再び実施
古めのナムコオリジナル楽曲の復活が目立つ
段位道場に「外伝」が登場
本編の段位道場の評判は過去最悪
太鼓の達人シリーズ


概要

新筐体シリーズ8作目。
段位道場に「外伝」が追加され、今までのように純粋に実力を測る段位ではなくユーモアにあふれた楽曲で構成される「お題」が追加されるなど、やりこみ要素が追加された。


評価点

  • 過去に収録されていたナムコオリジナル楽曲の救済
    • 今作では、今まで復活しなかった昔のナムコオリジナル楽曲が多く復活し、古参ユーザーを喜ばせた。
    • 「シャイニング65」、「どん子のファーストデート」など、かなりマイナーな楽曲も収録された。「どん子のファーストデート」には新規で裏譜面が作成され、昔の譜面と同時に目新しさを付けて復活し、新参のユーザーでも十分に楽しめる内容となっている。
  • 今作で追加された新曲は旬の時期に追加されているものが多い
    • 普段の太鼓の達人では、新曲が入ったとしてもヒットを記録してから時間が経ち、旬を過ぎつつある時に収録するなど収録のタイミングが悪いものが多かったが、今作では売れてからそこまで時間が経っていないうちに収録が決定した版権曲が多い。
    • また、旬の曲ばかりでなく、デジモンアドベンチャーの「Butter-Fly」など、古参のユーザーにもウケの良い楽曲が収録された。
  • アイドルマスター シンデレラガールズ関連楽曲の追加収録
    • 収録された曲は今作だけでも計7曲。今作では今までで初となるソロ曲も収録された。
      • なお、「華蕾夢ミル狂詩曲~魂ノ導~(裏譜面)」には同じく中二病要素が多く含まれている「闇の魔法少女」の譜面が引用されていたり、「あんずのうた」では最後の連打で一切働かない(叩かない)と玄人譜面に分岐するなど、曲の特徴を活かして凝った譜面が作成されている。
    • また、好評だったためか、アイドルマスター シンデレラガールズのコラボキャンペーンも再び行われた。
    • 今回のコラボキャンペーンで、前回のぷちキャラも復興され、前回でコンプリート出来なかったプレイヤーにも配慮がされている。
      • また、このイベントで収録が決まった「Tulip」をLiPPSのメンバー全員がプレイする動画が期間限定で公開された。太鼓の達人には詳しくないアイドルマスターPにも嬉しいファンサービスである。
  • 段位道場 外伝の追加
    • 段位道場に、実力の指標を測ることが目的である正規の段位とは違ったお題が楽しめる。
    • 精度は関係なくとにかく接続力を求められるお題や、とあるシリーズの曲のみで固められたお題など正規の段位とはまた違った難しさとユーモアを持ち合わせており、評価は良好。
  • 称号の獲得難易度によって色分けされるようになった
    • 従来の称号では、どんな称号を付けていても背景が木目調で固定されていたが、今作では称号の獲得難易度によって4種類の色分けがされるようになった。
    • 基本的に、獲得難易度が最も高い称号が紫色・何らかの曲をフルコンボした際に貰える称号が金ピカ・何らかの曲をクリアした際に貰える称号が虹色・プレイしただけでも貰えるような称号が従来の木目調となっている。
      • 紫色の称号は、過去の段位道場の最高段位を取得・公式大会でエリア大会優勝以上の成績を収める・天下一音ゲ祭のエリア大会優勝以上の成績を収めたユーザーしか付けることができないため、現時点では紫称号の獲得は破格の難易度であると同時に希少価値が極めて高い。

問題点

  • 段位道場について
    • 全体的に前回より難易度が上がったが、一部の段位が適正者に対して条件が厳しい物や選曲に疑問が浮かぶ段位がある。以下が批判を多く受けている段位である。
  • 初級~五段
    • たたけた数の基準が全体的に高めに設定されている。連打で稼げれば一見簡単そうに見えるが、難易度難しいの五級の時点で最低でも秒速10打以上、初段から秒速15打~20打近くの連打速度が求められる。
    • 秒速10打越えになって来ると、普通の連打では難しい数値であり、20打近くは常人の場合は特殊な連打法でないとほぼ出せない数値である。
    • これらの数値はあくまでも普通の合格でフルコンボした場合の最低速度であり、金合格を目指す場合や不可を出すと必要な連打速度は更に上がる。
    • 一級より厳しい二級や、初段以上では普通の合格でも約秒速20打求められる二段が一番難しく、四段の12打が一番緩くなっている等、前後のバランスも釣り合っておらず、一部の段位は飛ばして、精度に自身があるなら連打が求められない六段から受ける方が良いと言われる始末。
      • ちなみにこの秒速20打がどれ位速いのかは、ナムコオリジナルの「DON'T CUT(裏譜面)」にある風船を見れば判る。
    • この結果ムラサキの九段と同じくフルコンボしたのに連打が足りず不合格になる事態が起こり、最終的に最も厳しい二段の不合格率が十段並の多さであり、この前後に失敗率が集中していた。
  • 九段 2曲目「New World」
    • 計75回ものBPM揺れや24分と16分の混じった複合など低速以外のほぼ全てのリズム難要素が詰まっており、初出のホワイトver.では特殊な解禁条件*1も相まって全良者が3日出なかった問題児楽曲が九段の2曲目に居座り、苦戦するプレイヤーが続出した。
    • 後にこの曲はニジイロ2021ver.において一段下の八段3曲目に選出され、またしてもドンだー達に衝撃を与えた。
  • 十段 2曲目「Ignis Danse」
    • 天下一音ゲ祭出身の楽曲で、難易度ごとに見た目BPMが異なる12分ハネリズム地帯のゴーゴーを筆頭に、HS変化や低速、BPM246の24分3連打など曲中のほぼ全域に事故要素があるリズム難譜面。
    • 可の許容数が75未満から50未満と、難化した条件に対しての不相応な選曲に、課題曲発表日には運営の公式Twitterが荒れる事態を引き起こした。
    • 余談だが、2023年の段位道場の課題曲候補としてこの曲は 玄人 課題曲候補に選出されており、太鼓チーム内でも不相応な位置だったことは暗に認めているようだ。
  • 玄人 2曲目「VERTeX」
    • 後述の名人3曲目に話題を持っていかれがちだが、この譜面もかなりの難易度不相応譜面である。
    • 対応が難しい高速ソフランが連発し、譜面自体もひっきりなしに音符が詰め込まれているため対策は必須。名人課題曲と比べても全く見劣りしない超高難易度譜面である。
    • また、可の許容数が従来の50未満から40未満と10個も減らされており、2曲目の難易度の高さも相まって、本作以降の段位道場を含めて歴代玄人最強との呼び声が高い。
      • 「やりごたえがある」と捉えられたプレイヤーもいるが、急に難易度が上がりすぎて諦めたプレイヤーも多い。
  • 名人 3曲目「FLOWER(裏譜面)」
    • この作品最大の問題点と言っても過言ではない
    • キミドリVer.ロール処理という特殊な技術がほぼ必須な楽曲として大きく賛否が分かれていたが、その楽曲があろうことか段位道場の名人の課題曲として収録され、大きな波紋を呼んだ。
    • 特殊なテクニックを問われ、この譜面以外でロール処理という技術を磨ける譜面はほとんどない。他の課題曲と比べて求められる要素があまりにも違いすぎるため、正式な段位の課題曲としては相応しくないとの声がかなり多い。
    • また、可の許容数も従来の可25未満から可20未満と5つも減らされて厳しくなっており、課題曲に目を瞑ったとしても単純に難易度が高くなっている。
  • 超人課題曲全般
    • 1曲目が「BLAZING VORTEX(裏譜面)」、2曲目が「美しく忙しきドナウ(裏譜面)」、3曲目が「冷凍庫CJ ~嗚呼面太鼓ブラザーズ~」となっているが、2000シリーズの難曲で構成されている前(々)回に比べると、3曲とも超人の課題曲にしては弱めとされる。条件もこの段位のみ一切変わっていない。
    • 特に問題なのが、3曲とも「FLOWER(裏譜面)」でほぼ必須のテクニックとされるロール処理は全く使わなくても攻略可能な譜面であることで、名人より超人の方が簡単との声が多い。「名人と超人の課題曲が逆になってるのではないか?」という説も出てくるほど難易度がアンバランスとなっている。
    • そのため、ロール処理が上手くできないため名人は受からないが、その上の段位の超人は受かる自信があるというプレイヤーが続出し、名人や超人に挑戦できる実力を持つ多くのプレイヤーから怒りを買う結果となった。
      • 「FLOWER(裏譜面)」よりも攻略の難易度の高い譜面を課題曲にしていたら多少批判は抑えられたことは明白であり、課題曲はきちんと適正通りに見極めて選出すべきだっただろう。
      • ちなみに、段位道場は「初級」~「十段」までの段位は受けるかどうかは任意で決めることが出来るが、「玄人」以降の段位では、その1つ手前の段位を合格していないと挑戦する権利を得ることが出来ない仕様である。そのため、上記の通り超人を合格できる実力があるにもかかわらず、玄人でストップさせられたプレイヤーが多くなってしまった。
      • これにより、本作以降から段位道場を一切プレイしなくなった人や、見切りをつけてゲームそのものを辞めてしまったトッププレイヤーも存在する。
  • ナムコオリジナルの新曲が少ない
    • 評価点に書いたようにナムコオリジナルの旧曲は多く復活したのは良いが、その分ナムコオリジナルの新曲の収録頻度が低い。
    • 古参ユーザーからのウケは良かったものの、主に新参ユーザーを中心に新曲の少なさに不満を抱くユーザーも少なくはない。
    • また、復活曲も古くから人気の高かった「風雲!バチお先生」や「エゴエゴアタクシ」などは好評だが、それ以外の楽曲は昔でも人気があったとは言い難い(いわゆる空気曲)ものが選出されており、そのチョイスに疑問を抱いたユーザーも多い。
    • 新曲も毎回作ることは難しいが、今作では良くも悪くも旧曲の復活が多く目立ちすぎているため、なおさら新曲が少なく感じやすい。
    • なお、今作のこの問題点はあくまでもナムコオリジナルの楽曲のみで、他のジャンルの収録曲・新曲は従来通り幅広く収録している。
  • 本Ver.におけるボス曲のインパクトが弱い
    • モモイロVer.で登場した「ドンカマ2000」「幽玄ノ乱」以降、キミドリVer.は「双竜ノ乱」「Xa(裏譜面)」、ムラサキVer.は「!!!カオスタイム!!!」、ホワイトVer.は「冷凍庫CJ ~嗚呼面太鼓ブラザーズ~」「アサガオ」「Gloria」、とAC初出の強烈なボス曲が登場してきた。
    • しかし、レッドVer.のボス曲に相当する「まださいたま2000」「束ね糸」「≠MM*2」は3曲ともCS初出。目新しさに欠けた。
    • 「天照」「VICTORIA」「No Gravity」「そつおめしき2ばん」はAC初出のおに★10だが、これらはボスというよりも中ボスといった具合の難易度である。
    • 次作のイエローVer.では、ごほうびショップの仕様変更により、定期的に新しい曲をリリースしやすいように改善された。
      • 例えば、2017/5/31にイエローVer.で追加された「8OROCHI(裏譜面)」は初見でのインパクトがすさまじい★10のAC新曲である。
    • 一方、度が過ぎた高速処理譜面*3が追加されなかったことに安堵したユーザーもこれまた多く、この点は賛否両論と言えるか。
  • アイドルマスター シンデレラガールズのコラボキャンペーンのぷちキャラに関する問題
    • 前回のコラボで入手できたぷちキャラが今回のコラボキャンペーンで復興はされたものの、前回とは違い1人のアイドルに3枚のチケットを欲求される
      • 前回のコラボキャンペーンでは「3人1パックで3枚のチケット」「2人1パックで3枚のチケット」などと少しお得に貰うことができたが、今回のコラボではパックでの交換が無いためお財布に優しくない。
    • このチケットはアイドルマスター関連楽曲を1度でも遊んだ1クレジット分で1枚となっているため、前回のコラボと同様に、チケットを貯めるためには強引にでもアイドルマスター関連の楽曲をプレイしなければいけない。
      • なお、1クレジット分の中で、たとえ1曲目と2曲目の両方でアイドルマスターの楽曲をプレイしたとしても、貰えるチケットの枚数は1枚のみ。
    • 今回のコラボキャンペーンでは、何故かチケットをドンだーひろば上に貯めておける枚数に制限が課せられ、最大でも5枚までしか貯めておけない。
      • 前回のコラボの際に、「チケットが余り過ぎて困った」という意見を取り入れたものだと思われるが、これではプレイ前にドンだ―ひろばのチケットの枚数を気にしがちになってしまい、気軽に遊べない。
      • そして5枚ためた状態で1人交換すると2枚余るので、無駄なく交換するには「1人交換→追加で1クレジット分遊ぶ→もう1人交換」という面倒な手順を踏むことになる。せめて上限6枚なら2人分一気に交換できるのに…
  • 一部に段位道場の課題曲としてのみでしか遊ぶことが出来なかった楽曲が存在する
    • 「ヒカリノカナタヘ」、「絶望へのトッカータ」、「ラーメン de Yo-Men!!」、「≠MM」の4曲は、段位道場・段位道場 外伝のお題の課題曲専用として収録されただけで、一般解禁はされなかった。
    • 段位道場限定として収録するつもりだったとはいえ、「ヒカリノカナタヘ」、「絶望へのトッカータ」、「≠MM」は元から人気の高い曲だったため一般解禁されないことを残念がるプレイヤーは多い。
    • 「≠MM」と「ラーメン de Yo-Men!!」は、次作のイエローVer.にて隠し曲として解禁されたが、「ヒカリノカナタヘ」*4と「絶望へのトッカータ」は未だに一般解禁されていない。

総評

いままでほったらかしに近かったナムコオリジナルの旧曲を豪快に放出した作品で、古参のユーザーからは特に評価されている。
もちろん、古参のユーザーだけを尊重したシステムではなく、ちゃんと個性豊かな新曲も収録されており、新参に近いユーザーでもいつも通りの太鼓の達人が楽しめるだろう。
ただし、段位道場のバランスは過去最悪と言ってよく、この点は批判の声が多い。批判の声が多かったためか、次作以降では段位道場のバランスが良い方向に調整されつつあり、評価は回復傾向にある。

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最終更新:2024年03月23日 06:33

*1 この曲の移植元である「シンクロニカ」という太鼓の達人に比べれば筐体数が圧倒的に少ないナムコの別の音ゲーをバナパスで3回プレイする必要があった。

*2 読み方は「ではないにせん」。段位道場達人2曲目、ホワイトVer.でも使用されている。

*3 ロールと呼ばれる、バチの反発を利用した特殊な入力を行わないとフルコンボや全良ができないとされる高難易度譜面

*4 後にニジイロバージョンにて復活した