THE MECHSMITH RUN=DIM
【めっくすみす・らんでぃむ】
| ジャンル | 経営シミュレーション |  
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| 対応機種 | プレイステーション2 | 
| 発売元 | アイディアファクトリー | 
| 発売日 | 2000年8月24日 | 
| 定価 | 5,800円(税抜) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 廉価版 | IFコレクション:2003年6月25日/2,980円(税抜) | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | お馬鹿すぎるAI 「信頼度」という大きすぎる足かせ
 全体的にボリューム不足
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概要
アイディアファクトリーが韓国のDigital Dream Studiosと共同製作した3DCGアニメ『RUN=DIM』のゲーム化作品であり、翌年のアニメ放送に先駆けて発売されたいわゆるメディアミックス作品。
パッケージに描かれている「ユウ・未来」(アニメのヒロインの1人)はパイロットとして登場している。
プレイヤーは「R.B.」と呼ばれる人型戦闘ロボットの開発に参入した新興企業の社長としてR.B.の開発や実戦テストを行っていき、最終的には自社のR.B.を国の制式兵器に採用してもらうことが目標。
原作はロボットアニメだが、本作はその世界観を用いた経営シミュレーションゲームとなっており、プレイヤー自らがR.B.を操作する事はない。
ゲームの大まかな流れとシステム
ゲームは「R.B.開発・組立」→「実戦テスト」→「R.B.を強化するための新規開発や人材雇用」という流れを繰り返して進んでいく。
R.B.開発・組立
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R.B.はボディやアーム、レッグなど10種類のパーツで構成され、それらのパーツをよりよいものにしていくことで強くしていく。
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組み合わせには制約やデメリットがありアームの出力が不足していると重い武器を持てなかったり、レッグの出力が弱いと動きが非常に悪くなるといったことがある。
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これらの問題を回避しながら最適な組み合わせをプレイヤーは思案していくことになる。
 
 
実戦テスト
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実戦テストは他社のR.B.と1VS1で戦闘を行う。
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プレイヤーは直接R.B.を操作できず、パイロットに対して「移動」「攻撃」「防御」「回避」をどれくらいの割合で行うのか%で事前に設定する。各10%分は固定値で割り振られており、残りを割り振ることになる。
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戦闘中は「緊急指令」としてプレイヤーは10回までパイロットに直ちに攻撃や移動、回避などを行うように命令できる。
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この実戦テストで勝利することで自社の運営資金を獲得していくことになる。
 
新規開発や人材雇用
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プレイヤーは技術者を最大10人まで雇用できる。
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新しいパーツは雇用している技術者に設計・製造を任せることになる。技術者ごとに得意不得意があるため誰を雇用するのかよく検討する必要がある。
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他に、資金を大きく投じて研究施設を新設したり、R.B.の機体やパーツを保持しておくハンガーの拡張も可能。
 
評価点
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経営ゲームとしてはシステムを複雑すぎず適度にまとめてあり、R.B.の組立を考える楽しみもある。
問題点
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プレイヤー側のAIがとてもお馬鹿。
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攻撃しろと指示してもろくにやらず、敵の目の前で棒立ちになったり、攻撃のチャンスでもブラブラ移動するだけといったことが多々ある。
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上述の通り行動を%で割り振るが、それが反映されているとは思えない動きばかりする。それに対して、敵のほうの操縦は一般的なロボットゲーのCPUと遜色なく、的確な攻撃や回避が多い。
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このため彼我のR.B.の性能差が超圧倒的でもない限り、勝敗は運の要素がとても強い状態になっている。
 
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「信頼度」が足を引っ張るパーツ製造
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製造されたパーツには「信頼度」という最大値100のパラメータがあり、この数値が低いほど設計図上の性能から低下していく。
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設計では優秀でも製造してみたら信頼度が低くて使い物にならないということが少なくない。初期パーツを上回るパーツを製造することすら苦労する有様。
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酷いときにはパーツ製造に失敗して無駄に資金を消費しただけになったり、事故で所持していた設計図が失われるなどのマイナスイベントも発生する。
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戦闘での運ゲーに加えてこの製造段階での運ゲーもあるためイライラする要因になっている。
 
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全体的なボリューム不足
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クリアまでにかかる時間は長くて十数時間程度。シミュレーションとして見ても少なめ。
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一方、クリアまでの過程でシナリオと呼べるようなものや演出がほぼなく単調さが目に付く。あくまでメインはアニメの方なのか、せっかくの世界観も本作ではあまり活かせていない。
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基本的に開発と戦闘の繰り返しだが、その間のストーリー描写と言えばパイロットの台詞や少ない会話イベントしか無く、ストーリー自体も極めて淡泊。これでボリュームがあったらそれはそれで退屈だったかもしれない。
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エンディングも最終戦後にテロップが流れてスタッフロールに移るだけで、非常にあっさりしている。
 
 
総評
同社の『スペクトラルフォース』に代表されるように、複雑化しがちなジャンルのゲームをある程度シンプルに落とし込むというスタイルは間違ってはいなかったのだろう。
しかし、運の要素にかなり依存する面が際立ってしまいストレスはたまり、快適に遊べるゲームではなくなってしまった。
AIがもっと優秀かプレイヤーが自ら操縦できれば、信頼度に悩まされずに純粋にR.B.の組立を楽しめればクソゲーという評価からは逃れられたかもしれない。
余談
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オープニングテーマはTRINITYの「Just the way to love」。
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本作以外にも『RUN=DIM』はゲーム化されている。PS2版とは異なり、どちらもアニメ放送終了後に発売された。
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『RUN=DIM as Black Soul』(DC、2001年9月6日)
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悠紀エンタープライズによる外注開発で、アニメ版とは異なるストーリーで展開されるヘックスマップ式のSRPG。
 
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『RUN=DIM Return of Earth』(WSC、2002年2月7日)
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デフォルメされたR.B.による横スクロールSTG。ランディムのフィギュアが同梱されているため、通常のWSCソフトとは違い大型のパッケージで発売された。このソフトのみデジタルドリームからの発売となっている。
 
 
最終更新:2021年05月09日 12:24