重装機兵レイノス
【じゅうそうきへい れいのす】
ジャンル
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アクションシューティング
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 高解像度で見る 裏を見る
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対応機種
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メガドライブ
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発売・開発元
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メサイヤ
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発売日
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1990年3月16日
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価格
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6,200円(税別)
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配信
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【Wii】バーチャルコンソール 2007年10月30日/600Wiiポイント 【Win】プロジェクトEGG 2015年9月8日/800円
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判定
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スルメゲー
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重装機兵シリーズ
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概要
メサイヤがメガドライブで発売したロボットアクションシューティング。重装機兵シリーズの第1作目。
当初はその硬派な難易度から低評価されていたが、コンセプトが理解されるにつれ再評価されていったタイトルである。
ストーリー
西暦2096年。第3次世界大戦後、人類はめざましい復興を遂げたが、地球の資源は枯渇し、人類はその補給を宇宙に求めていた。
外宇宙探査が本格的に始まったが、同時にそれは新たな利権争いを生み、2101年にはついに第4次世界大戦が勃発する。
この戦争の陰で外宇宙探査隊は見捨てられ、その連絡もすでに途絶えていた。
和平協定後、再び復興作業が始まり各国間では外惑星の治安維持のために外惑星条約機構軍が結成される。
しかしその実体は自国以外の国が資源を独占しないよう監視するものだった。
そのような状況のさなか、木星の衛星「ガニメデ」の資源採掘基地が何者かによる攻撃を受けた……。
(説明書より)
システム
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全8ステージの横スクロールアクション。
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各ステージにはクリア条件があり、単に適当に戦うだけではクリア出来ない。クリア条件は後述の表参照。
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ステージごとにボーナス条件が設定されており、スコアを稼ぐことも攻略では重要になる。
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攻撃は8方向に撃ち分ける事が可能。オプションの「AIMING TYPE」で攻撃方法を選べる。
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A TYPEは方向パッドを入力した方向に攻撃、B TYPEは方向パッド上下で射撃方向を固定して攻撃。ただし、プレイヤーの向きは固定出来ない。
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ライフ制。残機はなく、コンティニューは回数制限あり。ライフは時間経過で回復する。
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各ステージ開始前に兵装を最大6つまで選択してから出撃する。
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武器にはガトリング系を除き、弾数制限がある。
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兵装はステージクリア時のスコアに応じて入手出来る。
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2つ以上所持していれば同じ兵装を2つ以上装備する事も可能。当然ながら同一兵装を複数装備した場合、その分だけ装備枠は埋まってしまう。
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ステージ一覧
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ステージクリア条件
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ステージ名
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クリア条件
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1
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ガニメデ基地
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敵の突撃艦を、基地到達前に撃破せよ
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2
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脱出
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シャトル降下地点まで、基地作業員を護衛せよ
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3
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大気圏突入
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シャトルを援護しつつ敵を撃破し、時間内にシャトルへ帰還せよ
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4
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前線基地
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敵前線基地に侵入し、動力炉を破壊せよ
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5
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奇襲
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警戒任務に着き、敵来襲の際は、これを撃退せよ
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6
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総攻撃
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敵中央基地に侵入し、基地中枢部を制圧せよ
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7
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スペースコロニー
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コロニー内に侵入し、敵戦艦を破壊せよ
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8
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終局
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敵旗艦に潜入し、指揮系統を破壊せよ
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+
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兵装一覧
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武装1
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武装2
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備考
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ガトリング系
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LG-GUN(12.7mmガトリング)
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HG-GUN(20mmガトリング)
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装弾数はどちらも20発。撃ち切ると自動でリロードするため弾数制限はなし。 |
ショットガン系
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25-SC(25mmショットカノン)
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40-SC(40mmショットカノン)
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3WAY弾を発射する。攻撃範囲は拾いが速射性に劣る。装弾数は25-SCが60発、40-SCが50発。
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グレネード系
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GL(50mmランチャー)
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MGL(50mmアサルトランチャー)
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着弾時に爆発する。重力下では放物線を描いて飛び、無重力下では射線に対してまっすぐ飛ぶ。連射不可。
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バズーカ系
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150BZ(150mmバズーカ)
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203BZ(203mmランチャー)
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発射後一直線に飛ぶ爆発武器。攻撃力は高いが速射性に劣る。
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ミサイル系
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MISSILE(M.ランチャー)
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M.POD(M.ポッド)
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装弾数はどちらも50発。ホーミング性能を持ち、速射能力もガトリング並に連続で発射できる。
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レーザー系
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E-AS(Eアサルト)
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E-CN(Eキャノン)
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敵及び地形を貫通できる光学兵器。攻撃力/速射性は高いが、水平方向にしか射つことが出来ない。
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その他
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D-D(ディフェンス・ディスチャージャー)
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発射後に弾体が粒子化して拡散し、一定範囲内の敵に連続でダメージを与える。発射した弾が消滅するまでは次の弾が撃てない。
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BURST(バースト・アタッカー)
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発射後、射出された方向に一定時間自力航行しながら触れた敵にダメージを与えるオプション兵器。装填数は10しか無いが連続発射可能。
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SHIELD(シールド)
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自機の被ダメージを半減させる
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ARMOR(オプションアーマー)
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ライフの最大値が増加。複数同時装着するとその分最大値も増える。
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B-PACK(バーニア・パック)
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ジャンプ力がアップし、ジャンプボタンを押し続けることで一定時間飛行可能になる。但し、無重力空間では無効。また、バーニアの炎自体に攻撃判定は無い。
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評価点
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ストーリー・演出
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ステージの途中では味方からの通信や敵との通信でストーリーが描かれるようになっている。
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『機動戦士ガンダム』や『装甲騎兵ボトムズ』といったリアルロボット路線を意識しており、突然謎の敵に襲撃を受け、作業員たちを脱出させる。そして、3か月の雌伏を経て反抗に転じるため大気圏に突入する…というリアルロボットモノのお約束を踏まえたストーリーが展開される。
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主人公はただの一兵士、主役機のレイノスも量産機。敵のエースであるライバルキャラとの戦いや、仲間の死、勧善懲悪を否定する終盤の展開なども印象的で人気が高い。
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ステージによっては時間制限があり、タイムオーバーになると置いてきぼりにされたり、シャトルに収容されなかったばかりに大気圏で燃え尽きるなどという、ちょっとおまぬけな展開も用意されている。
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演出面も非常にリアル。
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宇宙では慣性が働き、大気圏近くになると摩擦が発生する。グレネードランチャーは地上では放物線を描いて飛んでいくが、宇宙では発射した方向に進み続けるなど、細かい演出が光る。
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特にステージ7では宇宙と人工重力の働いたスペースコロニー内を連続でプレイするため、この要素を実感しやすい。
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画面内には自機だけでなく、味方の機体も登場し、一緒に戦ってくれる。作業用ロボットを護るステージがあったり、味方の戦闘艦が同行してくれたりと、仲間と共に戦っているという感覚を上手に再現している。
賛否両論点
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硬派な難易度
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ガトリング以外の武器が弾数制のため、乱射するとすぐ弾切れになる。
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ガトリングも一定量撃ち終わるとリロードタイムが発生するため、やはり乱射していると隙が出来やすい。
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ダメージを受けた時の無敵時間がないため、状況によっては連続ダメージを受けやすい。
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接触ダメージはないが、敵の爆発にもダメージ判定があり、侮れないダメージを受ける。
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ランダムで敵が連鎖爆発する事もあり、これに巻き込まれると大幅にライフが減らされる状態になる事もザラ。
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敵の出現や動きは殆どランダムのため、パターン構築が通用せず、常にアドリブ力が問われる。気付くと瀕死になっており、ゲームオーバー直行ということも。
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これらの要素からゲームバランスはかなりの高難易度。このため間口は狭く、発売当時の評価は決して高くなかった。
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しかし、この死にやすさもリアルロボット調の追求や雰囲気を重視した結果である事を理解したプレイヤー達により、徐々に再評価されていった。
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本作はガンガン前に進んでいくタイプのゲームではなく、時には立ち止まって回復する事も重要となっている。
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ダメージを半減するシールドが非常に強力で、これとオプションアーマーを装備すれば、そうそう簡単に死ななくなる。
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と言っても、まともにプレイするとシールドを入手出来るのは終盤。ステージ1から使用するには裏技の使用が必要になる。
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また、裏技でコンティニュー回数を簡単に、何度でも増やす事が出来る。VC版では公式ページにも載っている。
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こうした本作のコツを理解すれば確実に進めるようになり、リアルさのあるゲーム性とストーリーが相まって本作を名作と評するプレイヤーも多い。
問題点
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グラフィックは微妙
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自機や通信時のキャラクターの顔などが全体的に小さく、一見するとショボく見える。
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敵戦艦などの巨大な機体になるとそれなりの描きこみになっているが。
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会話をスキップ出来ない
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ストーリーが魅力の一つではあるが、何度も同じステージでコンティニューする際などは気になる点である。
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徐々にステージが広大になるため、迷いやすい
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360度移動出来る宇宙ステージでは敵目標が見つけにくかったり、ステージ4の敵基地などの迷路ステージもある。
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せめてマップが用意されていれば良かったのだが。
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一部ステージで永久パターンが成り立つため、スコアアタックの意味が薄い
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もっとも、こういった場所でスコアを稼がないと強力な装備を入手出来ないため、半ば稼ぎを行う事が前提になっている。むしろ稼がないとジリ貧になりやすい。
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初見殺しのランス戦
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ラスボス手前に出現するランスは、異常な攻撃力の範囲攻撃を持ち、初見で勝つことはまず不可能なため、苦労してここまで辿り着いたプレイヤーを絶望させるだろう。ある武装を持っていくと瞬殺できてしまうのだが、それを知らないと詰まるポイントとなっている。
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武装間の格差
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武装のバリエーションが多いゲームではありがちであるが、本作でも使える武装と使いにくい武装がある。特に取得にかなりのスコア稼ぎが必要な「バーストアタッカー」は、入手難度が高い割に使い道が無い。
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ゲーム内容の問題ではないが、最初期版のMD本体でプレイした場合にバグが起きる場合がある。
総評
慣れるまでのハードルは高く、一筋縄ではいかないゲームではあるが、ストーリーや設定と相まってリアルさを感じさせ、現在では名作と呼ばれる事も多い。
しかし、そのハードルの高さが災いして人を選ぶタイトルとなっている事は間違いなく、やりこんだプレイヤーにしか真の魅力は理解できないと言える。
その魅力を理解し、重厚な世界観・物語に魅せられたプレイヤー達の好評の声によりシリーズ化された事が本作の人気を表しているだろう。
その後の展開
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次回作『重装機兵ヴァルケン』では、機動力の向上や難易度の低下などで遊び易くなっており、本作の経験・批判が生かされる事となった。詳細は該当ページを参照。
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ストーリー上は、本作より過去の時代が舞台となっている。
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2015年にPS4向けのHDリメイク版が発売された。
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開発は本作のオマージュタイトル『機装猟兵ガンハウンド』を開発したドラキュー。
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開発者の個人ブログにて単語をぼかしながら経緯について触れられている。(外部リンク)
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2016年にはPC移植版がSteamで配信された。
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また当初は重装機兵ヴァルケン2が本作のリメイク的立ち位置となっていたが本移植版制作の際にヴァルケン2の内容とは異なる本作オリジナルの設定が創作公開された事でヴァルケン2の方は実質的に同じ世界観を起源に持つパラレルワールドという扱いになっている。
余談
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本作の主役機レイノスはプラモデル化されている。
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しかも主人公機の白い隊長機と、味方の乗る茶色い量産機の両方が製品化された。STGの主役機としては中々恵まれていると言える。
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愛されキャラの「ゾウザリー」。
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3面クリア時のイベントにて、艦への収容が間に合わず大気圏で燃え尽きて戦死する、同僚の「ゾウザリー」というキャラは、ここにしか出番がないものの一部にカルト的な人気があり、本作をプレイした事はないが名前は知っているという人も多い程。また、前述のリメイク版には生存ルートも用意されていたりする。
最終更新:2024年04月25日 20:28