T.M.N.T.
【てぃーんえいじ みゅーたんと にんじゃ たーとるず】
ジャンル
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ベルトアクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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販売・開発元
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コナミ
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発売日
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1990年12月7日
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定価
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7,000円
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判定
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なし
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ポイント
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AC版より難易度は低い アーケードの雰囲気は味わえる
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タートルズシリーズ
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概要
コナミが発売したベルトスクロールアクションの2作目になる『T.M.N.T. スーパー亀忍者』の移植版。
ファミコン版タートルズゲーとしては『激亀忍者伝』に続く2作目となる。
サワキちゃんこと宿敵シュレッダーとフット団の手からヒロインのエイプリル・オニールを取り戻すべく、タートルズが戦うという原作同様の単純明快なノリ。
AC版にはない追加ステージが2つあり、全7面となっている。
システム
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4体のタートルズの中からプレイヤーキャラを選ぶ。
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基本的な操作方法はAボタンでジャンプ、Bボタンで攻撃。AB同時押しで強攻撃。
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ライフゲージを全て失うと1ミスで、残り人数が減る。0人のときにライフを全て失うとゲームオーバー。
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ライフゲージは、回復用アイテムであるピザを取ることによりフルチャージされる。
AC版との差異
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前述したがステージとエリアボスがいくつか追加されている。
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ハードの都合上AC版にはあった音声による演出は全てなし。
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AC版ではジャンプの高度により変化したアクションが、すべて同じライダーキック風の飛び蹴りに統一されている。
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同様にキャラ固有のアクションであったA+B同時押し攻撃も、全員同じ攻撃に統一された。
評価点
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ハードの都合上いろいろオミットされてはいるが、AC版同様原作再現には非常に力が入っており演出面では文句の少ない出来。
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完成度の高いグラフィック。パターンの量も非常に多彩で、タートルズを動かしているだけでも敵の動きを観察しているだけでも楽しい。
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ただし容量の都合か、フット団にもあった壁叩きつけのアクションは無くなりタートルズサイドのみになっている。
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時折フキダシでセリフが出たりして、アメコミ風のコミカルな演出はとても痛快。
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AC版では未登場だったハエのミュータントと化したマッドサイエンティスト・バクスター=ストックマンがステージ3のボスとして登場。
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またオリジナル面であるステージ6のボスは鎧武者の姿をしているがメタルヘッドと思われる。
賛否両論点
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難易度について
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本作に出てくる雑魚は攻撃方法に差異はあれど殆どがフットソルジャーであり、何も知らずに正攻法で突っ込むとなかなか倒せず苦戦する。耐久力は低めだがダメージを受けて怯んでいる間は無敵という仕様はAC版同様なので、ただ通常攻撃を連打しているだけでは割り込まれて反撃されてしまう。散開陣形をとっていたり挟み撃ちしたりしてくる嫌らしいアルゴリズムも健在。
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ここまで読むと難易度が高いように見えるが「こちらの飛び蹴りを迎撃してくる基本型(紫色)は縦軸をずらしながら接近しAB同時押しで一撃必殺」「挟み撃ちをされそうになったらジャンプor飛び蹴りで間合いを離す」「接近が難しいブーメラン持ち、ラッパ銃持ちは攻撃中に隙が出来るので飛び蹴りで対処」といった点を心掛けるとほぼ無傷で敵を倒せるようになる。これを「要点を把握すれば敵をサクサク倒せる爽快感がある」と取るか「敵ごとに対処法が決まり切っている為ワンパターンで作業感が否めない」と取るかはプレイヤー間で意見が分かれるところ。
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また、ボスがダメージを受けると無敵つきの素早い反撃技を繰り出してくる点も健在。殴ったらすぐ逃げないとダメージを受ける。加えてAC版ではダウンする事があった1面ボスのロックステディや2面ボスのビーバップもダウンしなくなっている。
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これらのボスも飛び蹴りを主軸にしたヒット&アウェイで楽に倒せる。攻略法がわかってしまうと味気なくなるという人もいるだろう。
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しかしロックステディの銃撃の弾速が遅くなっている、序盤ボスの攻撃力の低下やハイウェイステージの悪名高き「銃撃ヘリ」の出現数の減少など細かな調整が入っている所もある。
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キャラ選択があるのはFC1作目の激亀忍者伝と変わらないが、前作と違いキャラの攻撃力や性能、攻撃方法の違いは一切なく全キャラ同一。そのためキャラ選択の意義は好み以外での理由がない。
問題点
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アクション部分の退化。
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攻撃ボタン連打によるコンボや、ジャンプ後、低めの位置で攻撃ボタンを押すことで出せた横蹴りなどが無くなった事に加え、ダメージを受けて怯んでいる間は無敵という敵サイドの仕様によりAC版以上に振れる攻撃が限られているため、結局最初から最後までほぼ強攻撃orジャンプキックしか出せなくなっている。
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ラスボスが即死技を持っている反則仕様。どんなに優勢でも一発で逆転負け。酷い。
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しかもこの即死技、攻撃範囲がかなり広く互いの位置関係によっては回避が間に合わないこともある。
総評
ファミコン移植ゆえ流石に完全移植とまでは言えないが、非常に頑張っておりAC版の雰囲気を味わうことはできる。
AC版と比べ移動速度が遅い、いろいろオミットされたアクション面など、AC経験者がプレイすると違和感を覚えるデキではあるが、ファミコンというハードにおいてアーケードと同じ物を求めるのは無理があるだろう。
それでもファミコンという遊びやすいハードに加え、当時のタートルズ人気も合わさり子供たちには一定以上の支持を集める事に成功した作品でもある。
余談
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海外NESでは『激亀忍者伝』が『Teenage Mutant Ninja Turtles』のタイトルで発売されていたこともあり、
本作は『Teenage Mutant Ninja Turtles
II
: The Arcade Game』とナンバリング扱いになっている。
これにより、続編『T.M.N.T.2 ザ・マンハッタンプロジェクト』も海外では『III』となっており、ナンバリングが1つズレている。
SFC『T.M.N.T. タートルズインタイム』も海外では『IV』とナンバリングされている。
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なお、海外版は一部の敵のAIに調整が入り難易度が大幅に上がっている。
最終更新:2025年03月22日 11:37