T.M.N.T.2 ザ・マンハッタンプロジェクト

【てぃーんえーじ*1・みゅーたんと・にんじゃ・たーとるずつー ざ・まんはったんぷろじぇくと】

ジャンル ベルトスクロールアクション ASINが有効ではありません。
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売・開発元 コナミ
発売日 1991年12月13日
定価 6,800円(税抜)
プレイ人数 1〜2人
判定 良作
ポイント 前作の劣化要素を解消
改善されたゲームバランス
アニメ版の雰囲気もバッチリ再現
タートルズシリーズ


概要

『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』を原作とするゲームのFC版第3作目。
アーケード版移植だった前作のFCオリジナルの続編で、同じく1987年から制作されたアニメ版がベースとなっている。
基本部分は踏襲されているがFC後期ということもあり様々な改良が施されている。


ストーリー

フロリダのビーチでバカンスを楽しんでいたタートルズ。
友人のエイプリルのニュース番組を視聴していると、突然マンハッタンが空中に浮かぶ映像が映る。
宿敵シュレッダーによって人質となったエイプリルとマンハッタンを救うべくタートルズは出動するのだった。


特徴

  • 最大2人プレイで遊べるベルトスクロールアクション。次々現れる敵を倒しながらステージ奥のボスを倒して先へ進んでいく。
    • なお、ゲーム開始時に選択せずとも1人プレイ中に2PのAボタンを押せば乱入できる。
  • ライフ+残機制。コンティニューは3回まで。全8面。
    • ライフが0になった際はその場で使用キャラを選択して復帰可能。
    • 残機はスコアエクステンド制で、最初は5万点でその後は10万点ごとにエクステンドする。
  • 今作はGAME AとGAME Bの二つのモードをオプションから選択可能になっており、GAME Bを選んだ場合は味方同士の攻撃でフレンドリーファイアが発生するようになる。
  • 基本的には前作同様、通常攻撃とジャンプキックが可能な他、新アクションも追加されている。
    • 十字ボタン下+Bボタンで目の前の敵を後方へ投げる「トス攻撃」が出来るようになった。
    • A+Bボタンでライフ消費制の特殊攻撃を放つ。タートルズごとに性能は異なる。

評価点

グラフィック・BGM・演出面

  • 前作からの流用がありつつもFC後期なだけあってグラフィックは美麗。タートルズや敵キャラのパターンも増やされている。
    • タートルズは看板に潰された際にペチャンコになったり、一部敵の攻撃に対して固有のリアクションをとるようになった。
    • 敵の登場パターンも増え、柱を伝って降りてきたり砂の中から飛び出たりと新しいパターンが追加。他にも画面の約半分を使った巨大輸送ヘリから次々敵が降りて来るなど派手な演出が増え、前作のような単調さはなくなった。
  • ゲーム開始直後にはアニメ版のOP冒頭を再現したオープニングデモが用意された。日本では本作発売の少し前から吹替版の放送*2やレンタルVHSでの展開が始まっており、視聴者には嬉しいサプライズだった。
    • また、このOPデモラストのタイトル表示や2面の水上ステージではラスタースクロール処理を活用しており、奥行のある表現がされている。
    • ステージ間のデモなども引き続き採用されている。前作ではAC版を踏襲して英語メッセージだけだったが、今回は日本語字幕も追加された。
  • BGMも安定のコナミサウンド。軽快な曲が多く、合成音声を取り入れた曲も存在する。合成音声により、前作ではAC版から削られた「カワバンガ!!」の掛け声も実装された。
    • 後述のオプション画面でサウンドテストにも対応している。ちなみに一部効果音は『スーパー魂斗羅』などから使い回されており、逆に一部BGMは次回作『タートルズインタイム』でアレンジされて使用された。

前作からの改善

  • 前作はAC版の時点から投げが存在しなかったためベルトアクションのセオリーである敵を片側にまとめるのが難しいといった難点があったが、今作ではトス攻撃で周囲の敵を巻き込んで攻撃可能になり、立ち回りがやりやすくなった。
    • 大量に出てくるフットソルジャー相手にはトス攻撃だけでも十分立ち回れるほどだが、トス攻撃が効かない敵も存在するため他の攻撃の出番を奪うほどではない。
    • ボスの無敵時間が削られたため、連続攻撃が可能な特殊攻撃を上手く当てていけばあっという間に倒せる場合もあり、爽快感も増している。
      • ボスごとに有効な特殊攻撃が異なるため、各タートルズに出番のある場面が存在する。2人プレイの意義が増した他、あえて残機を潰してキャラを変更するといった戦略もとれるようになった。
      • なお、特殊攻撃はライフを消費するが、残りライフが1メモリの時でも使えるため一撃死のリスクを背負いつつ攻めるスリルあるプレイも可能。
  • 一部ステージは前半と後半に分割され、敵の種類やボスキャラも増加した。
    • 分割されているステージは後半に辿り着いていればコンティニュー時も後半パートから再開可能。
    • 悪のタートルズであるスラッシュや凶悪なアリゲーターのミュータントであるレザーヘッド、日本未放送の話に登場したグランドチャックやダートバグ、トッカやレイザーが新規ボスとして登場する。
    • ラスボスは前作からの強化ということもあってかスーパーシュレッダーが登場。ミュータンジェンを被って変身するシーンが再現され、ワープや高速移動、広範囲攻撃を繰り出す強敵でラスボスに相応しい強さを持っている。
  • 難易度や残機数を変更できるオプションが追加され、プレイヤーの力量に合わせたプレイが可能になった。
    • 難易度はノーマルとイージーの2種類で、ノーマルでは敵の耐久力や行動パターンが強化される。例えば最弱の紫色のフットソルジャーはイージーではプレイヤーの周囲を回る程度だが、ノーマルではぴったり一定距離を保って隙を窺うようになる。
    • 慣れればエクステンドもしやすくなったので、残機を消費してのごり押しもそれなりに通じる。
    • 裏技ではあるが、お馴染みのコナミコマンドの変形コマンドでコンティニュー回数も増やせるので大分攻略しやすくなっている。前作に続きステージセレクトも可能。

問題点

  • 前作ほどではないが難易度はやはり高め
    • 前述のように難易度の選択やタートルズの強化が行われた一方、一度に登場する敵の数も増えており、一部場面では処理落ちするほどの敵が一度に登場する。
    • これに加えて一部場面では厄介なトラップとの複合もあり、一筋縄ではいかない。
    • 一部ボス(レザーヘッドなど)は前作同様にダメージを受けると素早い反撃技を使ってくるため、シビアな回避が要求される場面もある。
    • 回復アイテムであるピザの配置数が減っており、回復しにくくなったため出来るだけダメージを受けないような立ち回りも必要になった。

総評

前作でのAC版からの劣化やゲームバランスといった難点を改善し、タートルズ愛と遊びやすさを両立した良作。
キャラクターパターンの増加によりFCでありながらアーケードゲームの雰囲気を再現しており、FC後期らしいクオリティの高さに仕上がっている。
ベルトアクションらしく2人プレイでも盛り上がれる完成度の高い作品である。


余談

  • 海外版ではナンバリングが1つずれて『T.M.N.T III: The Manhattan Project』として発売された。
    • これは、日本版における『激亀忍者伝』が『T.M.N.T.』、そして日本版の『T.M.N.T.』が『T.M.N.T II : The Arcade Game』のタイトルで発売されていたことが原因となっている。
    • SFC『T.M.N.T. タートルズインタイム』も海外では『IV』とナンバリングされている。
  • 2022年に本作を含むコナミのタートルズ作品を一挙収録した『Teenage Mutant Ninja Turtles: The Cowabunga Collection』が発売予定。
最終更新:2022年08月27日 11:09

*1 パッケージやタイトル画面ではこの表記である。

*2 NHK衛星第2テレビの「衛星アニメ劇場」で放送された。もっとも有名なテレ東版は本作より後の放送である。