ゆめりあ
【ゆめりあ】
ジャンル
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3D恋愛アドベンチャー
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対応機種
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プレイステーション2
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発売元
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ナムコ
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発売日
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2003年4月24日
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定価
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6,800円(税抜)
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プレイ人数
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1人
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判定
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なし
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ポイント
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キャラが3Dモデルで表現された恋愛ADV 面倒かつ作業ゲーの戦闘 後のアイマスの布石とも言える作品
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概要
ナムコから発売された恋愛ADV。最大の特徴は一般的な紙芝居形式ではなく、キャラクターの3Dモデルが用意され、それが動くことで表現を行っていることである。
ストーリー
16歳の誕生日を迎えた三栗智和はある夢を見ました。
現実とは異なる世界で1人の少女が奇妙な敵と戦っているのです。
敵の攻撃によって傷つき、倒れる少女。
智和が手を取ると、突然少女の体は光を放ち始め、まるで智和から力を得たかのように敵を撃退したのでした。
智和が目を覚ますと、なんと夢に出てきた少女が部屋にいました。
びっくりした智和は少女に話しかけてみますが、少女が発する言葉は「もね」の一言のみ。
何とか夢の世界にもどそうとしていると、そこに部屋のドアを開ける音が……。(説明書より引用)
システム
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シナリオ
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ゲーム中で全11話に分けられている。選択肢を選んでいく形式の一般的ADVのシステムを採っている。
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後述の通り3話までは完全に共通ルートで、ルート分岐にも一切関わらない。
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4話から8話は選択肢によって話の流れが変わり、個別ルートのフラグ立ても行われる。
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9話から個別ルートに入り、ここからは分岐が一切なくなる。
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バトルシステム
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シナリオの中で「フェイドゥム」と呼ばれる敵との戦闘が複数回行われる。
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「戦闘メンバー選択」→「戦闘」→「敵の攻撃」を繰り返して敵の耐久力を0にすれば勝利となる。
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敵の耐久力を0にすると敵のコアが露出し、戦闘に参加したメンバーのうちコア破壊を任せる相手を選ぶ。
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ここでコア破壊に選ばれたキャラは好感度が上昇するため、計画的に選ぶほうがいい。
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主人公以外の攻略対象キャラは好感度に応じて能力がアップしたり、チャージアタックという強力な攻撃ができるようになる。
評価点
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「動き」のあるADV。
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従来の紙芝居形式から脱却し、3Dで表現された人物がグリグリ動くという斬新さはそれだけで評価に値する。
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モーションも違和感のある動きは少なく、自然に見ていられる。中でもボイスとのリップシンクは驚愕モノ。
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3Dを投入しているにもかかわらず、ゲーム中に挟まれるロード時間はものすごく短い。
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完全共通ルートでありルート分岐にも関わらない3話までを、2周目からは飛ばすことができる。
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この場合は4話冒頭からニューゲームとなる。いちいち開始から既読スキップしなくて済むので楽。
問題点
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3Dモデルと背景の差。
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夢世界は背景も3Dであるため統一感は確保されているが、現実世界は背景が通常の画像のため3Dモデルとの質感の違いで違和感を覚えてしまうところがある。
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やや不便なシステム周り。
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オートモードがボタン一発でできない。一端メニューを開いてオートモードを選択する必要がある。
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バックログの仕様が悪く、個々のメッセージをL1ボタンで遡らないといけない。
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ゲーム中の各話ごとにOPムービーが入るのでテンポが悪い。飛ばすことができるのは救いだが。
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バトルに関する問題が多い。
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いちいちエフェクトやモーションを見せられ、毎ターンごとに戦闘メンバー選択を行ったり台詞が入るためとにかく時間がかかる。
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戦闘が作業ゲーである。やることが基本的に防御でダメージ軽減しつつチャージアタックで殴ることだけ。
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難易度的にはヌルゲーに入るのだが、敵の耐久力だけは高いので作業感を助長している。
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作業ゲーであるにもかかわらず2周目以降もスキップ不可能。バトルが面倒で周回プレイを断念しても不思議ではない。
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シナリオに関する部分。
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キャラのルート確定後から急速に話の中身を詰め込んできてるので駆け足気味になっている。
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シナリオの内容そのものについては、他のゲームと比べて特異な斬新さはなく印象が薄くなってしまっている。
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狙った個別ルートの分岐に入ることがやや難しい。
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「好感度が最大のキャラ=個別ルート確定」ではないことが大きな理由。
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好感度を上げることそのものは難しくない。適切な選択肢を選んだり、バトルのコア破壊メンバーに選ぶことで順当に上げていける。
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しかし好感度が一番高くかつ特定のシーンを通過したことが個別ルート確定の条件ゆえに、条件となるシーンを通過していないと必死に好感度を上げたキャラと別のキャラのルートに入ることが起こりやすくなってしまっている。
総評
3Dで表現された恋愛ゲーム。そのコンセプト自体が間違いではなかったことは後の時代のゲームが証明している。
しかし、本作単独で見ると特筆すべき見所に欠けるシナリオやシステム面の不備、面倒なだけのバトルなどが足を引っ張り良作とはいえないものとなっている。
コンセプトが良くてもそれだけでは良作にはなれないということをこのゲームは物語っていると言える。
余談
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本作と『アイドルマスター』について。
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BGM担当の神前暁氏をはじめとして、本作の制作に携わったスタッフの多くが『アイドルマスター』シリーズの制作チームに合流している。
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このことから『ゆめりあ』を『アイドルマスター』のご先祖様と称するファンもいる。
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公式サイトでWindows用ベンチマークソフト「ゆめりあベンチ」が配布されている。
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本作はPS2でのみ発売されており、純粋にPCの性能を計測するためのベンチマークソフトである。
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分かりやすいインターフェースや、CPU性能に左右されずに主な海外のGPUハードメーカーがメジャーでないベンチマークソフトの数字を良くするための最適化をするとは考えにくい。
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そのため、純粋なグラフィックボードの性能を計測できる点など、ベンチマークソフトとして高く評価されていた。
最終更新:2023年12月05日 16:16