beatmania IIDX 9th style
【びーとまにあ つーでぃーえっくす ないんすすたいる】
ジャンル
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DJシミュレーション
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対応機種
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アーケード
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販売・開発元
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コナミ
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稼動開始日
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2003年6月25日
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判定
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なし
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ポイント
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シリーズ初の基板変更 更にe-amusement初対応 ゲーム自体は良作だが環境に問題あり 唯一のエフェクター廃止作 音質もかなり劣化 判定ズレとジェネラル判定 ワンモアを出すとフリーズ
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beatmania IIDXシリーズ
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概要(AC)
『beatmania IIDX』シリーズ第10作目(マイナーチェンジ作である『substream』含む)。シリーズで唯一キャッチフレーズが設定されていない。
長期稼働による筐体の経年劣化や部品調達の問題が深刻化したことを受け、本バージョンで基板が一新され、ディスプレイが36インチブラウン管に変更。
基板は8th StyleまでのPlayStationベースのものからWindows PCベースに変わり、各種性能面の向上や汎用性が図られている。
評価点(AC)
システムの見直し
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シリーズ初のe-AMUSEMENTに対応し、専用の磁気カードを発売。
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これまでインターネットランキングに参加するときはパスワードをいちいちメモしなければいけなかったが、この対応によりその手間が省け、さらには曲毎のスコア記録も行えるようになった。
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令和の今となってはネット通信が当たり前過ぎて想像も付かないが、当時の環境で数百円の磁気カード一枚のみで全ての記録を保存出来たことは画期的と言って良い。
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事実上AC8thではSP全段位が1000人を下回る達成者しか居なかったが、ネット環境以降は4桁超えが当たり前、目標としやすい段位である六段は10000人以上参加する事も珍しくない。8thと比べ大きく良くなった点と言える。
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クリア状況の記録は「クリアの成否」のみで、各種オプションの使用による区別も存在しない。筐体側での難易度設定によるゲージ変動量の違いもあるため、指標としては現行とはだいぶ異なる。それでも一定の基準を元に楽曲クリアランプを埋めていく達成感は、IIDXの中で
大きなやり込み要素
と判断できる。ランプ数などを変えつつもこの伝統は最新作まで引き継がれている。
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ナムコやセガ等当時の他社ではカードに直にデータを書き込むことが多いため、一定数記録するとカードの再購入・更新が必須だったものも珍しくないが、本作では買い替えは不要で次回作の稼働までずっとカードが使えた点も地味に評価点。
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ムービーデータもHDDに内蔵された。
長年の稼働で内部のDVDプレーヤーが劣化し、ムービーが流れないという事態に陥っている筐体も多かったが、記憶媒体がHDDに変更されたことでこの事態が解消された。
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今作から選曲画面に「フォルダ」が登場。初出バージョン・難易度・曲名ごとに楽曲を抽出できるようになり、スムーズな選曲を可能にした。
楽曲・ビジュアル面
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ユーザー投票で復活曲が決まるなどのイベントも行われ、非常に人気が高いが「DANCE EXPRESS Hi-speed」からの版権曲故に再収録が絶望視されていた「FANTASY」「JIVE INTO THE NIGHT」が復活した。
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因みに今作で復活した曲は実に28曲。これはIIDXシリーズでは最多の復活曲数。しかも前作から全ての曲を引き継いでいる(削除曲無し)。
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過去曲を各コンポーザーがリミックスで再び登場させ、離れていた元IIDXユーザーが戻ってくる現象も発生した。
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初代beatmaniaシリーズの楽曲もリミックスで復活させるなど、コンセプトが上手く活きる事となった。
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4th styleにて一般公募で選ばれたRyu☆、kors kがリミキサーとして再登場し、以降レギュラー化する。
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さらにユーザーから楽曲とボーカリストを募るイベントも行われ、それぞれMt.Circle作曲の「FESTA DO SOL」とflare作詞・歌唱の「lights」が収録された。
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大人気のOutPhaseが三度目の登場。提供曲の「quasar」は神秘的な雰囲気の曲調はもとより、後に段位認定 DP皆伝のトリを飾る程のDPA譜面の発狂部分の難易度が語り草に。
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本来両手で叩いても(当時の基準からしたら)最強クラスの同曲のSP譜面(現★11)を片手でプレーさせられるパートが左右にあるという、二人プレー用の譜面としては普通だがメチャクチャな物。2作先のIIDX REDの時点ですらクリアしたのは1名だけと言われていた。
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人気アーティストの一人のwacも新名義の「少年ラジオ」を引っさげ「moon_child」を提供。BGAこそは前作の「murmur twins」の流れを引き継いでいるが、曲調自体は神秘的なポストロックで熱狂的なファンを獲得した。
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古参アーティストである山岡晃も前作の「bit beatmania IIDX 9th Style」「DANCER」の2曲以上に歌詞やBGAが強烈な印象の「ライオン好き」「昭和企業戦士 荒山課長」を提供し、山岡晃=電波・ネタ曲という図式を確立する事になった。
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EDM作曲家・J-POP編曲家として活動するSADAが今作より楽曲提供を行った。IIDXでの曲数は少ないが「STAR FIELD」を始め根強いファンを獲得した。
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メインビジュアルを務めるのは初登場の梅桐彩葉。後にメインキャラとなる梅桐姉妹の末娘。
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また、DDRから移植された小坂りゆの「LOVE SHINE」にSD化されたRoot26のキャラ達が登場。楽曲共々明らかに「萌え」を意識した作風は当時賛否両論だったが。
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ダンサーのDaiが初登場。今作では楽曲が渋めのハウス「Your Body」ということでまだ目立たなかったが、次回作以降凄まじい存在感を発揮。
問題点(AC)
ハード仕様変更に伴う問題
仕様変更に伴うバグや問題が多発した。
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判定ズレ
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筺体によって、レスポンスがワンテンポ遅かったり、判定自体がズレる曲も発生した。
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音ゲーはジャンルの性質上レスポンスや判定タイミングの完璧度が命となっており、ほんの少しの誤差でも大問題となってしまうため、この事態には不満が続出した。
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ONE MORE EXTRAを出すとフリーズ
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ONE MORE EXTRA専用曲「quasar」を出現させるとフリーズする現象が起きていた。
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判定バグ
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上記のズレとは全く異なる、通称「ジェネラル判定」と呼ばれる問題がある。7thstyle初出の「General Relativity」は判定設定が抜けているため、直前にプレーした譜面に依存するという謎の仕様になっている。このため直前に判定の厳しい譜面を選ぶと、こちらも判定が厳しくなる。挙句の果てにゲーム起動直後の1曲目でこの楽曲を選ぶと、「直前のプレー曲とその判定基準が存在しない」という事になり、見逃しPOOR判定しか出なくなる(空押しPOORすら出ない)。というもの。
ゲームが成立しなくなる致命的なバグなのだが、実は「ジェネラル判定」そのものは誰にも気つかれることなく埋もれるバグだったのである。
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というのも、有志の検証により「直前にプレーした譜面に依存する」という判定仕様は、デモ画面の曲も含まれるが発覚したからである。つまり、ゲーム起動後にデモ画面が流れることで、判定がデモ曲に依存=判定復活となるため、この「ジェネラル判定」が起きるのは、ゲーム起動してデモ画面が流れるまてのおよそ五分まで猶予となる。普通に遊ぶだけなら、ここまで騒ぎが大きくなることもなく埋もれるはずだったバグなのである。
では、何故「ジェネラル判定」が生まれたのかといえば、原因としてゲームを何かしらの理由で再起動させる必要があれば起き得るわけである。そう、本作では上記のquasarや下記の熱暴走によるフリーズで再起動をする機会が多かったのである。それにより、意図せずにこの「ジェネラル判定」がデバッグの目に止まることなく、日の目を見てしまったことのである。
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音質劣化
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左右の音量バランスが悪くなったり(モノラルを強制的にステレオにしたような音)澄んだ音が割れて聞こえたり、前作より耳触りの悪い音が多いように聞こえる。
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個人差や表現の違いもあるが、少なくとも前作よりは劣化している。
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エフェクター廃止
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エフェクターとは、音響効果を変更または調整できる機能のこと。
使い方として、好きな曲にエコー(山彦効果)を効かせたり、低音を強調させたりできる。また、音量の調整も僅かながら出来る。
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あくまでDJシミュレーションなのでギミックの域を超えないが、今作品では欠かせない要素となっていた。
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インターフェース自体は無くなっていないが、今バージョンではただのお飾りとなってしまった。
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これによりDJ遊びが出来なくなったと嘆くプレーヤーが大勢いた。ゲーム的な面においても、エフェクターによる強調で周りとの音の干渉をカバーするプレーヤーもいたため、やはり批判は多かった。
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その他
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プレー中において、熱暴走などが多く発生しプレーにかなりの支障をきたしていた。
総評(AC)
シリーズ初の基板変更でいろいろと苦労があったかと思われるが、判定ズレとエフェクターの廃止が痛いマイナスポイントとなってしまった。
収録曲の企画やクオリティなどを考えると評価できる点も多数あるために、あまりにもったいない。
実際「SWITCH(RAM)」や「The end of my spiritualy(EeL)」など、現在は削除されてしまった曲に対する復活希望の意見が特に熱い曲も今作には多かったが、ハード面の大きな混乱に飲まれてしまった。
しかし「e-AMUSEMENTによるネットワークサービスがバージョンアップとともに充実していくきっかけとなった」という点では大きな意義を持つ一作ではある。
後に幾つかの功罪を抱えつつも、アーケード全体へその技術を浸透させてゆく事になる。
本作はその先駆者として、大きなバグと共に語り継がれることとなるのであろう。
余談(AC)
バグなど
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この作品に限らず、KONAMIが音ゲーの基板変更をした直後の作品は何かとバグが多い。
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採用されたHDDの耐久性に難があったらしく、寿命による廃棄が多かったという。
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某サイトで作り直しを依頼する署名活動も行われていた模様。
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さすがに次回作の10thではエフェクターも含め大分改善されたが、まだ判定ズレが直っていないといった声もあった。
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さらにゲーム以外の部分で大きな問題が発生することとなってしまった。
GAMBOL判定
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『3rd』で削除され今作で復活した『1st』初出楽曲「GAMBOL」がいわゆる「GAMBOL判定」として注目され始めたのは本作から。
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今作ではカードを使うことで選曲できた楽曲で、元々判定が辛めの曲とされてきたが、本作で復活するにあたりP-GREAT判定が1/60秒のみでGREATを出すのすら難しいという判定幅が異様に厳しい設定となっている。
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☆1の譜面のためクリアについては特段問題ないが、判定のシビアさ故にとにかく高得点が出しにくい楽曲である。そして今回の復活の際に一部のプレーヤーは逆に燃え上がってしまい、この曲でどれぐらいスコアが取れるかといった原点回帰的なやりこみが生まれた。
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次作『10th style』において公式のインターネットランキングがこの曲を含めて開催されたものの、スコアは散々なものだった。
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難易度が正式に三段階になった『12 HAPPYSKY』では、NORMALとHYPERで譜面は同一、判定のみが違うという唯一無二の仕様でこの厳しい判定が続投(NORMALは他の曲に近い普通の判定でプレー可能。)。原因は不明だが、本作での復活以降最新作に至るまで登場し続けているプレーヤー・開発者からも愛される特徴となった。
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なお、現在のバージョンで収録されているHYPER譜面仕様はP-GREATの判定こそ他の曲と同じだが、代わりに黄色GREATの幅が大幅に縮まり鍵盤ノーツを普通に叩いてもP-GREATかGOODしか出ないというものに。
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『11 RED』の家庭用では「GAMBOL」のANOTHER譜面が登場。こちらも譜面は他の難易度と同じだが、P-GREAT判定が1/60秒、かつそれ以外はBAD以下の判定のみ(=ビタ押し出来なければゲージが減少)というクリアすら難しい判定となっている。
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EXPERT MODEのSLAKEコースの5曲目にこの曲が入っており、これをANOTHERでクリアすれば解禁されるが、全体の難易度や譜面構成からゲージを残しづらく、更にこの曲での判定の厳しさから回復している余裕がないためクリアが容易ではなかった。プレーオプション・スタイルやオプションのゲームレベルが不問であったのは最後の良心だが。
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『15 DJ TROOPERS』の家庭用と『16 EMPRESS』では楽曲選択時に隠しコマンドを入れることによって判定幅をGAMBOL(HYPERかANOTHER)の仕様に変えられる「G.JUDGE」という隠しオプションが存在。
Quickeningに関する諸事情
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本作に「Quickening」が収録されたことにより、5鍵盤(beatmania)ユーザーと少しばかりイザコザがあった。
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元々は『DanceManiaX 2ndMIX』初出の楽曲だが、作曲者のdj TAKA曰く『beatmaniaではゲーム性の都合で使いにくい手法を多用している』とのことで、他機種への移植は断っていた。
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しかし、『最後なのでどうしても!!』と依頼され、5鍵盤の最終作品である『beatmania THE FINAL』に移植された。
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結果としては大成功で、譜面の良さもあり高評価を得ている。
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だが、あまり間を置かず本作にも移植されたことにより、『あの言葉は一体・・・』と不信感を露わにしたユーザーもいないではなかった。が、移植されたことを喜ぶユーザーがいたことも事実であるし、そういった裏事情を知らないIIDXユーザーにとっては、dj TAKAの新曲収録という単純に喜ばしい出来事でしかなかった。
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dj TAKAと親交のあった元IIDXスタッフVJ YUZが制作したムービーは、楽曲とマッチした大迫力のものでIIDXユーザー達から好評であった。この点は筐体スペック的に『THE FINAL』でも『III THE FINAL』でも表現できず、本作収録のメリットだったであろう。
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余談だが、本作の数年後に発売・稼働開始の『DDR FESTIVAL』及び『Dance Dance Revolution SuperNOVA』にも同楽曲は移植されたが、この時は特に問題視されることはなかった。
beatmania IIDX 9th style(PS2版)
対応機種
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プレイステーション2
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販売・開発元
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コナミ
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発売日
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2005年3月24日
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定価
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6,980円(税抜)
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判定
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良作
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ポイント
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アーケード版の不満点は大体改善 pop'nから楽曲が移植されたが… どうしてこうなった(ムービー的に)
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概要(PS2)
ゲームセンターでの稼働から約2年後にはプレイステーション2への移植版が発売された。
アーケード版のあんまりな出来からCS版での改善が期待されていたが、いざ蓋を開けてみるとユーザーの期待にこたえた良作として評価される事になった。
評価点(PS2)
AC版での不満点の改善
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AC版があまりの出来だった一方のCS版だが、AC版で見られた判定のブレ等といった不具合も無く、今作の良質な新曲が遊べるとして多くのユーザーには大好評となっている。
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前作8th styleと比べても音質、画質共に大幅に上がっている。
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特に画質に関しては、アーケード版と同様に解像度が前作までの240pから480iに変更。
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ただし、PS2の性能の都合か、640x480pであるAC版とは異なりインターレース表示であるため、近年の液晶テレビなどではノーツが見づらいというデメリットも。
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音質に関しても8th以前よりも向上。AC版で実装されていなかったエフェクター機能も搭載(ただし仕様は異なる)。
さらにパワーアップしたCS曲
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前作『8th style』から復活したCS版初出曲は本作でも健在。特に評判を呼んだのは以下の3曲。
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サウンドディレクターのL.E.D.氏はCS版IIDXシリーズで展開していた『電人』シリーズ最新作「炸裂!イェーガー電光チョップ!!(JAEGER FINAL ATTACK)」を提供。同曲のムービーも「イェーガーを象った電車にスーツ姿のイェーガー軍団が乗っている」という、従来同様にカオスな出来になっている。
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また、CS版pop'n musicシリーズから2曲の楽曲が登場。
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1曲はCS 10から「Beyond The Earth」(ポップンのジャンル名「コンテンポラリーネイション」)が移植、もう片方はCS 6から「Usual Days」(ポップンのジャンル名「シンパシー」)が作曲のota2氏によるセルフリミックスが収録され、楽曲自体は共に好評を得る事になった。
賛否両論点(PS2)
ポップン関連曲について。
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本作はpop'n musicと関連する2曲の収録をウリにしているが、2曲とも賛否両論な要素が含まれている。
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猫叉MASTER作曲の「Beyond The Earth」は、激しい曲調だが哀愁の意味を込められていて、ポップン側では担当キャラクター・背景共に曲のイメージに沿っていたが、IIDX版のムービーでは原作を彷彿とさせるシーンはイントロとアウトロの一部しかなく、以降は何故か「RPG調の世界観を持つ少年向けバトル物アニメ」という、原作のファンが見たら確実に困惑する内容になってしまった。一応冒頭とラストにイマ様は出ているのだが…。
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何故こんなムービーになってしまったのかと言うと、ムービー作者曰く「スタッフの伝達ミスで郷愁を強襲と間違えてしまった」との事。どちらも「きょうしゅう」と読めてしまうが故に起こってしまったミスと言えるか。
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3作後の『12 HAPPY SKY』のCS版ではコンテンポラリーネイションシリーズ次回作「サヨナラ・ヘヴン」が移植されているが、こちらの方は曲のイメージに忠実なムービーという事でファンからも良好な評価を得ている。
同曲が絶賛された影響か様々な機種へと移植されていったのに対し、初代作であるこちらのアーケード移植は初出から9年経過した『22 PENDUAL』まで待つハメになった。
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一方、「Usual Days-remix」の方はムービー自体は原作の担当キャラクターの「スミレ」が全面に登場している事から評判は良いものの、肝心の譜面の出来が「縦連打や隣接トリル等、調整不足と言わざるを得ない押しにくすぎる配置」「それを抜きに見ても延々と同じパターン配置の譜面が長い事降り続いて大いに面白さに欠ける」といった理由から「糞譜面」と呼ばれる事になってしまった。
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ジャンルこそ「DANCE POP」となっているが、実際のところはテクノの要素を多分に含んでいる。リズム音や反復を主体とするジャンル故にある程度の繰り返しはやむを得ないが、クラブ系サウンドを聞き慣れてる人でないと理解し辛い部分があるのも否めず、(ゲームのテーマに合致しているとは言え)原曲ではなくリミックスを収録した事について疑問を感じるプレーヤーもまた多かった。
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楽曲を担当したota2氏が、自身の持つ「IIDXは非常に難しい」という考えを元に音を詰め込める曲を製作したと語っている。その為、ある意味では作曲者の意匠を忠実に再現したとも言える。また、楽曲自体も雰囲気そのものは原曲の流れを汲むものであり、別の角度から形にしたとも見れる。
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同曲は譜面の評判も相まってか、アーケードに無修正で移植されるのは『25 CANNON BALLERS』とかなり後発となった。
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9th当時としては非常に高難易度で逸脱した配置だったのだが、2019年現在としてみるとSP ANOTHER譜面は少し癖が強いものの☆11の範囲内といえる。高速bpmの物量譜面が量産された現在では、このような癖配置はむしろ味があるとか、良くも悪くも5鍵っぽい独特の(ある意味ビートマニアらしい)配置とされる傾向がある。個人の好みによるが、時代の経過により一概に悪い譜面とは言えなくなっているのかもしれない。
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もっとも、ポップン関連の楽曲はムービー・譜面の内容が問題だけであり、ゲーム自体への影響は全く無いのが救いか。
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「Be Rock U (1998 burst style)」のボーカルが変更されている。
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DIGICCOからTЁЯRA(辛島純子)で再録されている。
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歌唱力には問題無い為、どっちがいいかは好みの問題程度である。
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但し、ムービーはDIGICCOのまま差し替えられておらず、違和感は大きい。
問題点(PS2)
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「CHECKING YOU OUT」の51小節目の2枚目のスクラッチにアサインされている音が従来とは違うミスがある。
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プレー自体には支障は無いのだが、何しろキー音を鳴らしてこそな音ゲー故に気になる人には気になってしまう問題なのは言うまでもないだろう。
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SPの九段は昔の段位認定にあった課題曲の中からランダムで4曲選ばれる形式なのだが、その課題曲が13曲も存在する為に難易度の幅が異様に凄まじい。
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激しいソフランの「fun」、ソフランに加えスクラッチ主体の譜面の「CHECKING YOU OUT」、縦連打など癖が強い要素が多く前半殺しな「Macho Gang」はハズレと言われる難しさを持つ一方、八段の全ての課題曲よりも簡単な「Your Body」はボーナスステージ扱いされることに。今でいうところの☆10中~高程度の譜面が多く昔の基準で考えても九段としては弱い曲が多い。
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本作は全体的に高難易度曲が少ないのにもかかわらず極端に課題曲を増やし過ぎたのも原因。その割に本作では高難易度曲と言える「RISLIM-Remix-」は課題曲にはなっていない。
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曲ごとのBPMの幅が激しいためAC同様、1曲ごとにハイスピード設定が出来ないことを前提とした選曲をしたのではないかとは言われている。しかしCS作品は前作の時点で段位認定モードで1曲ごとにハイスピード設定が可能だった。
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前作(8th)も12曲と大概多かったが今作程の難易度のブレは起きにくい選曲となっている。
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とはいえ最終曲は「quasar」か「Usual Days-remix」のどちらかしか出ないようになっているためある程度の難易度は保たれている。
総評(PS2)
主にムービー関連のアレっぷりで他機種側のプレーヤーから白い目で見られてしまったものの、基板変更で問題が多発したAC版から見事に汚名返上を果たした1作、と言っても良いだろう。
余談(PS2)
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本作で初登場した「Usual Days-remix」は、後に『ポップンミュージック peace』でリミックス元であるpop'nへの逆輸入が行われた。本作では「Beyond The Earth」がpop'nから移植されていることから、実質的に14年ぶりの交換移植にもなっている模様。
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これまでなら移植に際しジャンル名が「シンパシーREMIX」となるのが通例だが、『ラピストリア』以降の方針転換によりジャンル名なしでの移植であるのが惜しいところ。
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ゲーム性の都合もあるが、譜面はIIDX側のものを模した物になっており、案の定こちらでも賛否が分かれているようだ。
最終更新:2024年08月14日 16:47