モグラ~ニャ
【もぐらーにゃ】
| ジャンル | アクションパズル |  
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| 対応機種 | ゲームボーイ | 
| メディア | 4MbitROMカートリッジ | 
| 発売元 | 任天堂 | 
| 開発元 | 任天堂 パックスソフトニカ
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| 発売日 | 1996年7月21日 | 
| 定価 | 3,900円(税別) | 
| 配信 | バーチャルコンソール 【3DS】2012年11月7日/380円(税別)
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| 書換 | ニンテンドウパワー 2000年3月1日/1,000円 F×4・B×1
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| 判定 | 良作 | 
| ポイント | モグラの特長を生かしたパズルゲーム | 
 
概要
任天堂から発売された、モグラを操作してパズルを解いていくアクションパズルゲーム。
主人公のモグラ~ニャは農夫じんべえに攫われた妻子を取り戻すべく、じんべえの待つ「じんべえランド」へ向かう。
なお本作はスーパーゲームボーイ対応ソフトでもあり、スーパーゲームボーイで遊ぶとカラフルな画面で楽しめる。
特徴
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モグラ~ニャを操作して、固定1画面ステージの地上と地下を交互に行き来し、ステージの出口を目指すパズルゲーム。
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スタートは地上だが、何も障害物がないマスで地下マップに潜ったり、逆に地上の障害物がないマスに飛び出すことが出来る。地上と地下では地形が異なるため、両方のマップを行き来しながらステージを進行することになる。
 
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エリア出口に到達することで次のステージに進める。基本的には地上に配置されている「黒い球」を駆使して敵を倒し、ギミックも駆使して、マップに配置されている壁を全て破壊することでステージクリアとなる。
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「黒い球」はモグラ~ニャが押したり引いたりすることで動かせるほか、パワーを溜めて前方や後方に投げることも出来る。投げた場合は穴に落ちるか、壁にぶつかるまで止まらない。また、ザコ敵を倒すには黒い球を投げてぶつける必要がある。
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壁は前述の「黒い球」を押し込むか投げてぶつけると破壊できる。また、壁は基本1エリアに1つだが、まれに2つ存在するエリアもある。全ての壁を破壊した=クリアしたステージ内には球を含めて敵や障害物も出現しなくなる。
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「黒い球」はモグラ~ニャの掘った穴に落ちるともとの場所に戻ってしまう。そのため運びたい場所の手前に穴がある場合、穴越しに後ろへ投げ飛ばして移動させるようなテクニックが要求される。
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レベルが進むと「黒い球」の他にも「ふんどう」や「エルボ」といったギミックも登場し、難易度も上昇する。
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ボスの攻撃の他、ザコ敵に触れたり、「カタパルト」や「エルボ」によって弾き出された「黒い球」orタルにぶつかると、ダメージ。ハートが1/4減少する。
 
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モグラ~ニャを手助けるアイテム。
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ステージ内に置かれているキャベツ「キャビッジ」は、5つ穴に落とすことでライフが1/4回復する。1度落としたキャビッジは取得アイテムとなるため復活しない。球と同様に敵にぶつけて敵を倒すことは出来るが、壁を破壊することは出来ない。また、「エルボ」にも入らない。
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キャビッジ含め、メニューで確認できる「マップ」、そのマップ上でボスやボーナスステージ、ヒントじいさまの位置を知らせる「GPS」は後述する採点に影響する。
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ライフを1/4回復する「ハート」や全回復する「かいふくアイテム」があるが、これらのアイテムは1度取る(「かいふくアイテム」は使う)と無くなってしまう。
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どうしてもクリアできないステージは「こうさんアイテム」で先に進めることが出来るが、問題点もある(後述)。
 
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最後に待ち構えるボスを倒せば、レベルクリアとなる。
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レベル1をクリアした時点で、レベル2~7が解放され、レベル7までの全てをクリアすればレベル8が解放される。
 
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ボーナスステージではミニゲームが楽しめる。
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制限時間内に全ての「キャビッジ」を穴に落とせばクリアとなるのだが、じんべえが妨害してくるためすんなりとはいかず、レベルによって地形も変化して難しくなるため、遣り甲斐がある。
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通信プレイではボーナスステージで対戦でき、一方はモグラ~ニャ、もう一方はじんべえを操作する。
 
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レベルをクリアすると採点される(100点満点)。
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キャビッジの入手数やマップ・GPSアイテム入手の有無、ボーナスステージクリアの有無、全ての壁を壊したかどうかで得点が変わる。
 
評価点
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充実したボリューム。
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レベルが8まで存在し、1レベルあたりのステージ数も多い。また、最終レベル8はレベル1~7のボスからじんべえまでのボスラッシュとなっている。
 
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易し過ぎず難し過ぎず、やり応えのある難易度。
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穴を掘れる場所ならいくらでも穴を掘ることが可能で、地上の敵や障害物をスルーすることが出来る半面、掘り過ぎると「黒い球」や他のギミックの移動に支障が出てしまうためにクリアができなくなってしまうので、掘る場所を考えて行動することが必要となる。
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ボールを投げる位置やギミックの使い方を工夫する必要がある。
 
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個性的なギミックと敵キャラ。
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前半のレベルでは単純なギミックや単調な動きをする敵(アジラ、モロQ、ラビッピ等)しか出てこないが、レベルが進むたびに様々なギミックや複雑な動きをする敵(アソン、子ネヂミ等)、倒せない敵(ウニチク)が出てくるようになる。
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そのため、レベルが高いほどクリアするのが難しくなっていく。
 
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また、ボスのメンツも個性的なので印象に残りやすい。
 
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充実した救済処置の数々。
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看板や屋台にいるヒントじいさまからは丁寧な操作解説やヒントが聞けるため説明書や攻略本がなくても遊びやすい。
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本作はライフ制で4回ダメージを受けるとゲームオーバーになるが、回復手段が充実しているためゲームオーバーになりにくい。
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屋台にいるヒントじいさまに話しかけると全回復してもらえる。
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ステージに置かれている回復アイテムも多い。
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また、キャビッジを穴に5個落とすたびにライフが4分の1回復できる。
 
 
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地下から地上をチェックできる
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地下にいる時、掘れる地面なら、掘らずに鼻先だけ出すかたちで地上の様子を見ることができる。この時、敵が上を通過しても、ダメージにはならない。
 
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迫力のある効果音や倒すとグラフィックが変わるボスなど、携帯機でありながら豪華な演出。
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また、デモシーンはギャグ要素もあり面白い。出てくるキャラの行動も可愛らしい。
 
問題点
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「こうさんアイテム」があまり役に立たない。
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レベルの後半にならないと入手できない上に一度限りしか使えないので、あまり救済要素になっていない。
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また、「こうさんアイテム」を使うと、そのレベルは進行状況をリセット(レベル選択画面でセレクト)して最初からやり直さない限り、100点を取ることができなくなる。
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クリア率にも無関係であるため、そもそも取らないという手も。
 
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壁を壊すと、エリアクリアと同時にライフの状態もセーブされるため、減った状態で今のエリアをクリアし、出口を通って次のエリアに進んだ場合、そこでミスすると、コンティニュー後もライフは減ったままの再開になり、すぐまたやられかねない。ヒントじいさまが遠い場合、回復しに戻るのも面倒。
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通信プレイがスーパーゲームボーイの仕様に非対応。
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もっとも、2人の操作キャラの視点が異なるので非対応なのは仕方ないが。
 
総評
知名度こそ低いものの、いまだファンに根強く支持されている隠れたアクションパズルゲームの名作である。
現在は3DSのバーチャルコンソール(2023年3月28日サービス終了まで)で購入できるので、興味がある方はぜひプレイすることをお勧めする。
余談
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海外では『Mole Mania』のタイトルで発売している。
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パッケージやタイトル画面ではモグラ~ニャがじんべえの畑を荒らしている様子から事の発端がモグラ~ニャに原因があるんじゃないかと思わせる表現がある。まぁモグラと農家の関係なんてそんな物かもしれないが…。
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オープニングのじんべえの置手紙の内容が妙にフレンドリーである。(以下その内容)
    
    
        | + | ... | 
   モグラーニャくんへ
おげんきですか?
とつぜんですが、おまえの
こどもとおくさんは、あずかった。
かえしてほしければ、
じんべえランドへあそびにきてね!
まってるよ。
          じんべえより
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屋台で回復した後、マップを切り替えずにヒントじいさまに何度も話しかけるとゲームオーバーになってしまう。
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ただし事前に何度も警告してくるため、警告を無視して話しかけないと起こらない。
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また、ゲームオーバーのペナルティも「死んだ回数」が増えるくらいなのであまり気にならない。
 
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ボスキャラは農家の手下という設定だが、動物以外にも太陽だったり巨大な分銅だったりとちぐはぐな世界観。
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取扱説明書でのラビッピ(ウサギのような雑魚キャラ)の紹介が、ヒントじいさま曰く「ウサギのくせに、跳ねたりせんから気にすることもない敵じゃ。」というのが何だかかわいい。
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スパナマン(レベル4の配管工みたいなボス)の設定が38歳独身と世界観に似合わずリアリスティック。
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スーパーゲームボーイはSFC本体側の動作クロック周波数を使用しているためゲームボーイ本体と比べ1秒間の全体的な動作速度がわずかに早くなり、サウンドのピッチも上がってしまうのだが、このタイトルはスーパーゲームボーイ上での動作を検知するとその速度差のピッチ変化を調整するような処理が施されている。ただし使用されているものがスーパーゲームボーイ2かどうかは検知出来ないため、そちらで起動した場合は逆にピッチが下がってしまう。(参考リンク)
最終更新:2024年02月09日 23:53