ムーンライトレディ
【むーんらいとれでぃ】
ジャンル
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アクションRPG
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対応機種
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PCエンジン スーパーCD-ROM2
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開発元
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新日本レーザーソフト オープンセサミ
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発売元
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NECホームエレクトロニクス
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発売日
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1993年3月26日
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価格
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7,800円(税別)
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1個
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判定
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バカゲー
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ポイント
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キャラクターを切り替えながら戦うアクションパート ※セーラームーンではありません
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概要
美少女戦士に変身する3人の女子中学三年生を操作しながら全13話をクリアしていくアクションRPG。
フィールドを探索し、アイテム入手しながら情報を集めるRPGとムーンライトレディを操作し、敵を倒していくアクションの2種類のパートを交互に切り替えながらゲームを進めていく。
特徴
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ストーリー全体のイベントシーンにコミカルな展開が多いが、時にはシリアスな展開もある。
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「謎の転校生」「復讐に燃える狼を愛した女子中学生の悲劇」「光の国で新たな力を授かる」「体育祭」「巨大ロボ戦」「闇の女王である姉と光の戦士に寝返った妹の哀しき最終決戦」などという様々なイベントシーンが展開される仕組みとなっている。
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「第1話の戦闘中でムーンライトレディが警察に怪しまれる」「体育祭エピソードのラストで学園が崩壊する」などのおバカな要素もある。
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アクションパートでは3人のムーンライトレディを切り替えながら敵を倒していく。ボタン一つで先頭の操作キャラクターが入れ替わる。
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最初の1話では彩月日和子(ムーンライトレディアルテミス)1人でボスと戦うのだが、2話から水無神綾(ムーンライトレディアクエリアス)、3話から姫神麗子(ムーンライトレディミネルヴァ)が仲間になり、4話以降から3人パーティでエンディングまでゲームを進めていくことになる。
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操作していない仲間も通常攻撃のみ可能。ただしアクエリアス以外の二人は射程が短いため、ほぼ役に立たない。
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ボタン押しっぱなしでゲージが溜まり、放す事で技を使用する。技にはポイントがあり、なくなったら使用できない。
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アクエリアスの「ブルーフォッグシャドー(バリア)」は使用してからキャラ交代してもバリアは残るが、ミネルヴァの「ファイナルスカーレットクラッシュ」は発動中に交代ができない。
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ステージが進むことで一面につき一度だけ合体技「デルタアタック」「ライトニングブラスター」も使用可能。
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一部のボスはこれらの技で止めを刺すという演出が施されている。
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5話のボス戦は何故か巨大ロボットによるジャンケン勝負というミニゲームで戦う事になる。
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いわゆる「たたいて・かぶって・ジャンケンポン」で、出す手はスロットによるランダム。攻撃に成功/防御に失敗すると体力ゲージが1メモリ減り、時折出るクリティカル(攻撃方法が通常と異なる)やおてつきに対し攻撃でカウンターすると2メモリ減る。おてつき攻撃は防御することも出来るがクリティカルは防御できない。
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データセーブは日記と街中を歩いている女の子に話しかける事の2つ。
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経験値の概念がない
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キャラクターの成長は「勇気のかけら(最大HP上昇、APとSP+1)」「正義の力(AP+1)」「愛の力(SP+1)」というアイテムを入手すること。
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HPや攻撃力・防御力は装備品、技のポイントは同じ名前のアイテムを入手し使用することで増加する。しかし…(後述)
バカゲー要素
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作品自体、『美少女戦士セーラームーン』のパロディであるほか、それ以外にも多くの他作品からのパロディが織り込まれている。
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彩月日和子が月野うさぎ、水無神綾が水野亜美、姫神麗子が火野レイというポジション。ただしレイは優等生だが、麗子は(根は善人だが)不良である。また王女が最初から登場している(=日和子とは別人)。
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前半必殺技の「デルタアタック」はまんま『ウイングマン』の「デルタエンド」である。
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それどころかBGMまでも聞き覚えのあるフレーズが露骨に入っている。変身シーンはほぼそのまま、街中でのBGMもセーラームーンそっくり。
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5面のロボ「ムーンライトV3」の名前はおそらく『仮面ライダーV3』か「ムーンライトSY-3」。口上の「世のため人のため、くらやみ乙女の野望を打ち砕くムーンライトV3、この月輪の輝きを恐れぬならばかかってこい!」は『ダイターン3』。必殺技の「月輪剣稲妻Vの字返し」は『ボルテスV』等をパロっている。
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このムーンライトV3、三機の戦闘機が合体変形する。合体シーンと必殺技にはムービーまである力の入れよう。
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さらにデザインは勇者シリーズ主人公メカのいわゆる小ロボ状態を髣髴とさせ、声は『エクスカイザー』や『ダ・ガーン』を演じた速水奨氏。製作サイドはよくわかっている。
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そしてアルテミス最強技「ムーンアタック」は『ザンボット3』、ムーンライトV3の合体完了時の名乗り「無敵ロボ」は『トライダーG7』と、パロディ要素を挙げていけば枚挙に暇がない。
評価点
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イベントやビジュアルシーンの要所には彩月日和子役のこおろぎさとみ、水無神綾役の吉田古奈美(現・吉田小南美)、姫神麗子役の水谷優子をはじめ、まるたまり、速水奨、大塚明夫、大塚芳忠、川浪葉子という8名の豪華声優陣によるキャラクターボイスが対応されている。オープニングではちゃんとキャラクター名と声優名が公開されている。
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また、それ以外のキャラクターのボイスも対応されているが、エンディングのスタッフロールに上記の8名の声優名しか公開されておらず、オープニング以外に公開されたキャラクターの声が声優か開発スタッフのどちらかが担当したかが不明である。
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各イベントシーンには変身シーンが挿入される。
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演出は前半(1話から10話まで)と後半(11話から13話まで)の2種類があり、コスチュームも前半と後半に分けられている。
問題点
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アクションパートにおけるHPが3人共用。
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操作しているキャラクターでダメージを受けてHPが減ってピンチになった時に別のキャラクターに切り替えても減ったHPはそのままの上、0になるとゲームオーバー。
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操作していないキャラクターにも当たり判定があるため、大型ボスの体当たりや触手状の範囲攻撃を食らうとゴッソリHPが減り、一撃で瀕死や即死することも。
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RPGパートにおける所持金の概念がない。
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この仕様のせいで回復アイテムの購入ができず、難易度が高くなっている。
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RPGパートで回復アイテムを取り忘れるとアクションパートで苦戦しやすい。
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前述の通り技のポイント増加アイテムなどもあるが、教室や自宅の机の中や店先のガシャポンなどに隠されていたり、NPCから入手する。序盤から移動できる範囲はかなり広いため、しらみつぶしに探すのは大変。
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アイテムは面ごとに隠されているため、取り忘れたアイテムを次の面で入手することはできない。つまり、毎回片っ端から調べなおしになる。
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一応、「お金」はアイテムとして入手できる。
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しかし、これは「みのや」かケーキ屋に持って行って回復アイテムと交換するのにしか使えない上、敵を倒しても手に入らない。
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さらに、取り忘れると回復アイテムの補充ができなくなり、詰みやすくなる。
総評
「何このセーラームーンみたいなゲームは!?」「セラムンそっくりだな」とツッコミたいほどパロディゲー(セラムン公式ゲームより先に登場している)にしては良作。
それ故にオリジナルに思い入れの深い人は眉を顰める事もあるだろうが、この手のノリが好きな人なら楽しめるだろう。
余談
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内容的に一部の人からの人気が高い上に元から出荷数が多くないため、当時からプレミア価格が付いていた。
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PCエンジン市場の衰退と共に下落したが、中には現在でも定価以上の価格で売っているケースもある。
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パクリゲーでありながら今もプレイしたくてプロジェクトEGGでの配信を望む声があるが、NECホームエレクトロニクスがゲーム事業から撤退し、その後会社組織自体もNECグループの大規模リストラにより2000年に解散しており、現在の版権所有者が不明な点から本作の配信が難しくなっているが、開発元である新日本レーザーソフトの版権はエディアへと移った。
最終更新:2021年11月28日 00:12