鉄道にっぽん! 路線たび 叡山電車編
【てつどうにっぽん ろせんたび えいざんでんしゃへん】
ジャンル
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鉄道運転シミュレーション
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対応機種
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ニンテンドー3DS
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発売・開発元
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ソニックパワード
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発売日
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パッケージ:2014年10月23日 ダウンロード:2016年1月14日
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定価
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5,800円(税別)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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良作
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ポイント
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シリーズ初の電化路線 運転システム周りが大幅に改善
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鉄道にっぽん! 路線たびシリーズ
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概要
鉄道運転シミュレーターの「鉄たび」シリーズ第3作。本作では京都府の叡山電車が舞台で、シリーズ初の電化路線。ダイヤ選択の実装、ガイドの上画面表示など、以降のシリーズ作品での基本要素が今作で出来上がった。
1・2作目との相違点
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ガイド表示(運転へのアドバイス)がその都度上画面に表示されるようになり、見やすくなった。また、これにより下画面の運転台の再現度が向上した。
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全線を通しで運転する「全線走破モード」が新登場。
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始発駅の出町柳から終着駅の鞍馬までを通しでプレイするモード。通常プレイの昼間運転全区間を運転することで解放され、見事クリアすると通常プレイの夜間運転が解放される。さらにそれもクリアすると、夜間運転の全線走破モードが解禁される。
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途中駅での評定は行われず、最後に「新米運転士」「熟練運転士」「叡電PROFESSIONAL」「叡電MASTER」の4段階から評価される。評価が高いほど多くの資料が獲得できる。
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また、全線走破モードの登場によりダイヤが2つから選択できるようになった。
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フリー走行時に、「電気ブレーキ」が実装され、より実車に近い運転ができるようになった。
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資料室の「BGM」を解放することで、運転中にBGMを流すことができる。
評価点
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鉄道シミュレータとしてはかなりとっつきやすく、難しさを感じにくい。
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ガイド表示が非常に見やすく、操作タイミングがわかりやすい。重要な部分は黄色の文字で書かれるため、短く簡潔に理解することができる。
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また、前面展望の解像度が高く、標識や景色が見やすくなっている。残り距離や次駅の表示が分散したため、前面展望の表示範囲が広がった。
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運転する車両が電車というのもあり車両性能が良く扱いやすい。走行音もそれなりに実車に近い。
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昼間と夜間の2ダイヤが運転可能となっている。「乗車率がダイヤ毎に異なる」という設定で、列車の運転挙動もそれぞれ異なっている。
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当然対向列車もダイヤによって異なる。それぞれのダイヤに登場する車両で、叡山電車に所属する全営業形式を見ることができる。
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今作で登場する「もみじのトンネル」は撮影日が秋のためとても綺麗に色づいている。夜間運転ダイヤではライトアップもされており見応えがある。
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資料室の内容がさらにグレードアップ。
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一部を除き、スライドショー形式で一項目につき複数の画像を見ることができる。
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「特典」では、本編中ではSEになっている車両音声や、プレイ中に登場しない発車メロディーも聴くことができる。
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下画面の操作でできることが多い。BGM操作のほか、ガイドのON/OFF、前面展望のモード切り替えもできるようになった。
問題点
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運転時に登場する速度制限標識に「白地に黒字で書かれたもの」「白地に赤字で書かれたもの」「黒地に白字で書かれたもの」の3種類があるが、違いが一切説明されない。
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正しくは、黒字は通常の速度制限、赤字は駅構内の速度制限、白字は分岐器の速度制限を示している。
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フリー走行時に追加される機能を通常プレイで使用できない。電気ブレーキを使って運転できるのが一つの魅力だったはずなのだが…。
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ただし使用にはかなり高いテクニックが必要なので、人によっては使わないほうがうまく運転できることがある。
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運転中に流せるBGMがローテンポのものばかりで、列車の運転には少々似合わないものとなってしまっている。
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今作初登場の「全線走破モード」の水増し感が強い。運転区間が駅順に固定されるだけでプレイ方法などは通常プレイと同一。また、公式サイトには「実車と同じように約30分間!集中して連続運転に挑戦しましょう!」とあるのだが、実際は中断可能。
総評
システム面の大幅な改善で、より初心者にも遊びやすくなった。課題だった内容の薄さも無くなり、良作相当といえる秀逸な出来になっている。
2019年にSwitchでの展開が始まった際、初代『長良川鉄道編』を差し置いて真っ先に選ばれたことからも本作の評価の高さがうかがえる。
移植版
ジャンル
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鉄道運転シミュレーション/旅情
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対応機種
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Nintendo Switch プレイステーション4 Windows (Steam)
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発売・開発元
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ソニックパワード
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発売日
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【Switch】2019年11月28日 【PS4】2020年12月10日 【Win】2022年6月23日
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定価
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【Switch】7,678円 【PS4】7,920円 【Win】6,290円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1個
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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良作
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ポイント
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収録映像が倍以上に増加 待望のキーコンフィグ機能を実装
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概要(移植版)
『会津鉄道編』の発売以降、3DSソフト市場の縮小もあってご無沙汰だった「鉄たび」だが、2019年に突如Switchでのリメイクが発表された。
ハードの進化に見合ったボリュームの増加が行われ、翌2020年にはシリーズ初のソニー系ハード作品となるPS4版も発売された。
2022年6月23日にはSteamにてWin版が発売されている。CS機版との主な相違点としてキーボード/マウス操作対応、仮想フルスクリーン表示、トレーディングカードやバッジなどのコミュニティアイテム対応などが挙げられる。
追加要素・評価点
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収録ダイヤの追加
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前作の鞍馬線下り2本に加えて「鞍馬線上り」「叡山本線上り」「叡山本線下り」の3本が追加された。一つ前のダイヤをクリアすることで次が解放される形になる。
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2020年6月25日にDLC「新緑の鞍馬線」が配信開始。他のダイヤと違って夏季に収録された鞍馬線下りの映像が追加される。なおPS4版には初めから収録されている。
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車両の追加
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3DS版から続投の900系「きらら」(パッケージ画像の車両)に加え、700系「ひえい」も実装された。
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製造は「ひえい」のほうが古いが、機器更新等を受けて「きらら」に勝るとも劣らぬ性能を持つ車両である。
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その他細かな仕様変更
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キーコンフィグに対応した。同じSwitch/PS4では『電車でGO!! はしろう山手線』といった別シリーズの鉄道運転ゲームもある中、それに対応しうる自由な設定が可能となっている。
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前作ではフリー走行限定だった電気ブレーキが自由に使えるようになっている。
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「鉄たび実績」モードが追加された。定刻運転などの目標を達成することで実績開放となる。実績を集めることで開放される観光案内もある。
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(Switch版)展望モードのHUDが全体的にすっきりし、Switchの携帯モードでプレイしても見づらくない。
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(PS4版)映像のコマが増やされてヌルヌル動くようになった。
問題点(移植版)
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ダイヤ設定
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最初に運転する鞍馬線下り(昼間)および叡山本線下りは過剰にダイヤが緩く、運行速度が遅すぎる。
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本作では合格範囲の手前に停車しても判定が取られるようになったため、適当な所で止まって時間調整ということも難しい。
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性能が似たり寄ったりの車両での収録
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吊り掛け駆動のデオ710形の実装が望まれていたが、デオ730形の「ひえい」での収録となっている。
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『電車でGO!』シリーズのように車両の外観が見えるわけではないため、それだったらデオ710の方で収録するべきだったという声は多い。
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(Switch版)DLCの価格が挑戦的
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映像を1本追加するだけで1,000円というのは流石に高いという声が続発している。
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もっとも、初めから収録されているのと全く同じ区間であるため、買わなくてもあまり変わるところがないのが幸いな点。
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(PS4版)HUDが小さすぎる
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景色がよく見えるようにという配慮かもしれないが、サイズによってはある程度テレビに近づいてプレイしないと読みづらくなってしまう。
総評(移植版)
ハードの進化に合わせてボリュームは大幅に増加し、UI面でもそれに見合った改善が見られる。
映像・システムともがらりと変わっているので、3DS版所持者が買っても全く損はしないだろう。
最終更新:2023年11月24日 10:40