「修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「記事内のステージとラウンドの違いの説明」です。
まじかるキッズどろぴー
【まじかるきっずどろぴー】
ジャンル
|
横スクロールアクション
|

|
対応機種
|
ファミリーコンピュータ
|
メディア
|
ROMカートリッジ
|
発売・開発元
|
ビック東海
|
発売日
|
1990年12月14日
|
定価
|
6,000円
|
判定
|
良作
|
ポイント
|
見た目はロックマン、デモは忍者龍剣伝っぽいが… 現在は入手困難
|
特徴
ロックマンとよく似た要素が多いアクションゲームである。
ストーリーは西暦1999年"悪玉帝国"が突如現れ、科学力で応戦するも手も足も出ず世界は支配下の危機に瀕していた。主人公どろぴーが悪玉帝国に立ち向かうというもの。
登場人物
-
どろぴー
-
主人公。かげまるに召喚された。
-
魔法使いは悪玉帝国により封じられたが、彼女は無事だったようで対抗出来る唯一の存在。
-
機神帝とは因縁がある。
-
かげまる
-
悪玉帝国から最後の杖を持ち出す、それを用いてどろぴーを呼び出す。
-
裏技で自機として使用可能。
-
極楽機神帝(ごくらくきじんてい)
-
悪玉帝国の元締め。各地に大基地を構えロボットの大群による無差別攻撃を展開
-
科学の力は一切通用せず魔法で対抗するしかない。
-
魔界を荒らし回っていたが、どろぴーによって人間界で封印され機械だらけのからだになったはずだが…
-
"封印の石"の破壊を目論む。
ゲーム内容
-
横スクロールアクションで体力制(最大10メモリ)、トゲで即死、残機制、カボチャ大小でHP回復(大6・小3メモリ回復)、人形で1UP。
ロックマンと酷似
。
-
基本操作は方向キー←→で移動、↓でしゃがみ、Aボタンでジャンプ、Bボタンでショットというオーソドックスなもの。選択した魔法によっては溜め撃ちも可能。また、↑キーを押しながらBボタンでショットを上にも発射でき、溜め撃ちも同様である。
-
ROUNDは4つあり、それぞれステージ4まであるが、ステージ4は1画面のみで、ROUNDのボスと戦うことになる。
-
ステージをクリアすると画面に魔法陣が描かれるが、N-3をクリアした時は魔法陣の後ALERT!!の文字とともに画面が赤く点滅しそのままステージ4が始まる。
-
ROUND4をクリアした後はデモシーンの後、ボスラッシュのみで構成される最終ステージが始まる。
魔法
-
概要
-
どろぴーは6種類の魔法を使い分けることができる。選択したものに応じて色も変化
アイテムの色まで変化
-
最初から全て習得、コストは不要(FIREは例外)。
-
スーパーショット(チャージして放つ、以下チャージ)は「ボタンを約2秒間押す→画面下のメーターが4段階溜まり『GO』と表示」で初めて発射可能で、途中で離した場合は通常ショットを含め何も出ない。
-
魔法
+
|
長いのでまとめる
|
-
NORMAL (赤)
-
FIRE (桃)
-
他の魔法と異なり、選択すると即座に発動。火の鳥になって画面全体攻撃。
-
壁の中の敵にも当たり威力も高いが、HPを削る(4メモリ)ので使いどころを選ぶ。
-
FREEZE (青)
-
BALL (緑)
-
地形に当たると跳ね返るボール(取説には「レーザーボウル」)を斜め上45°に発射。物陰の敵も狙える。チャージは不可。
-
SHIELD (橙)
-
チャージショットで前方に縦長の物体(取説には「レーザーの壁」)を配置、敵の攻撃を防ぐ。
-
BROOM (紫)
-
ホウキを出して空を飛ぶ。操作性が独特で、乗った後にショットを打った方向に進む仕様。
-
言い換えればショットを打たなければ一切動かないし、別の方向にショットを打つことで何回でも方向転換が可能。ただし、停止はできず、下方向への移動もできない。この仕様を活用する場面がいくつか存在する。
-
地形に当たるだけで簡単に解除されてしまうので注意。
-
この状態でのショットはNORMAL相当(チャージ不可)だが、ホウキに乗ったまま魔法を切り替えることもできる。
-
乗っている時にジャンプすると、ホウキは高速で飛び去ってしまう。つまり、強制的に降りることになるため、乗っている間は、降りる時以外はジャンプ不可。
|
その他
-
雪道
-
ROUND2は雪が積もった地形が存在し、その上を歩くと滑って慣性が発生する。しゃがむと完全に停止できるが、立ち上がると直前に持っていた慣性が再び有効になり滑り出す。
-
O2(酸素)ゲージ
-
ROUND3のみの要素で、水中にいると徐々にゲージが減少していき、無くなると次は体力が減少する。息継ぎをする事でゲージは回復する。
評価点
-
各種魔法の使い分けを前提としたゲーム性
-
例えばROUND1-1からいきなりノーマルショットでは倒せない敵や、通常のジャンプなどで通過できそうにない地形が登場し、プレイヤーにBALLやBROOMなどの魔法の使い分けを促してくる。他にも厄介な動きをする敵が大量に登場するシーンも、一見各個撃破する必要があるように見えてホウキに乗って全てをやり過ごすことも可能。そういう工夫が要求される場面がいくつも登場し、その度に創意工夫をしたくなる道中のデザインは秀逸と言えよう。
-
演出
-
ROUND毎にデモシーンが用意されており評判が良い。特にどろぴーは主人公なだけあって泣いたり笑ったり怒ったりと非常に多彩な表情を見せてくれる。
-
瞬き口パクも当然実装、背景の雲も多重スクロールを意識している。
-
ボス撃破後、次のROUND開始時のアイキャッチではどろぴーが青空に白いドレス姿を披露してくれる。さわやかで印象的。
-
質の高いBGM
-
BGMは豊富に存在し、曲自体も良質なもので、プレイを盛り上げるのに申し分ないものとなっている。
-
意地悪な落とし穴がない
-
この手の上下方向に画面が動くアクションゲームだと「下への通路と思って飛び降りたら実は落とし穴で死亡」というような問題が付きまとっていたが、今作は落ちると死ぬところはすべて棘で、下が見えない穴はすべて先への通路になっている。その際は魔法陣の演出も有り。
賛否両論点
-
ロックマンとの酷似
-
説明どおりロックマンとの共通点が非常に多い。ほとんどパクリに近い
-
システムはともかく、似せる必要がないはずの自キャラの顔までそっくりである。デモシーンとのギャップが激しい。
-
また、のちにパクリ元の姉妹作で用いられるボス戦前のアラートが存在する。
-
ゲーム自体短め。
-
オマージュ元と比べても、ステージのボリュームはさほどのものでもない。
-
ボスの強さも低いものがおり、やや手ごたえに欠けるものが存在する。ただ、後述するように回復がないのでその意味では辛い面もある。
-
ややハードに寄せたストーリー
-
ストーリーの中盤でかげまるが重傷を負い、生死の境をさまよう、又はヒロインが好意のようなものを抱くようシーンがあったり、敵陣営のボスも単純な悪というわけではなく、人間に眠りを妨げられたことへの報復という、現代社会の風刺的な描写があったりするなど、高年齢向けと思うような重い描写が存在する。
問題点
-
チェックポイントが極端に少ない
-
他のアクションゲームと比べると死亡後に再開できる地点が少なく、ミス即ステージ頭から、ということが往々にしてある。ゲームオーバーになればなんとラウンドの最初まで戻される。このため、HP1メモリ残機1つが非常に貴重なシビアなゲーム性になっている。
-
回復手段も少ない
-
ステージをクリアしてもダメージはそのまま、しかも敵が回復アイテムを落とす確率は低いので辛い。
-
ただし、ボスを倒した後の全回復はする。
-
ボス
-
戦闘前にデータが表示されるのは良いのだが、フラッシュしてやや見づらい。
総評
グラフィックや基本システムから「ロックマンの類似品」とよく言われる本作だが、実際にプレイしてみると多彩なデモシーンや捻りの効いたステージ構成など全体的にロックマンと全然違う仕上がりになっていることがわかる。難易度こそ非常に高いが作りは丁寧で高品質なゲームであるといえよう。
余談
-
ぜひともプレイして欲しいと言いたいところであるが、現在はプレミア価格になっているため入手困難となっている。高嶺の花である。
-
しかも、ビック東海がゲーム事業から撤退したため、プロジェクトEGG、バーチャルコンソールでの配信が困難である。
-
海外は『The Krion Conquest』のタイトルで発売している。
-
デモシーンのグラフィックが異なっていたり一部BGMの差し替えや地形の変更などがある。
-
説明書の最後にはぶっとびインフォメーションと題してビック東海製品を紹介している。
-
ゲームボーイソフト『ジェムジェム』や周辺機器『ライトボーイ』の他、発売中止となったFCソフト『シードッグ』『ローピー』の宣伝が載っている。
-
没グラフィックの一部には実写取り組みのようなリアルなどろぴーの一枚絵が眠っている。
最終更新:2023年08月17日 18:17