Blaster Master Overdrive
【ぶらすたーますたーおーばーどらいぶ】
| ジャンル | アクションシューティング |  | 
| 対応機種 | Wii(Wiiウェア) | 
| 発売元 | Gaijinworks | 
| 開発元 | サンソフト | 
| 発売日 | 2010年6月18日 | 
| 定価 | 1000Wiiポイント | 
| 備考 | 2019年1月31日にWiiウェアの購入期間は終了済み | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 日本未配信 原作踏襲
 滑らかな動作
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| メタファイト/ブラスターマスターシリーズリンク | 
 
概要
『超惑星戦記 メタファイト』から始まり、海外で展開していた『Blaster Master』シリーズの一作。
2000年発売の『Blaster Master: Blasting Again(日本名:ブラスターマスター)』から10年ぶりの新作となる。
開発自体はサン電子自身が手がけているものの、海外配信のためアメリカのGaijinworks(旧:Working Designs)がパブリッシャーを担当している。
ストーリーは旧作から一新されており、過去のジェイソンやロディに代わって新キャラのアレックスを主人公に据えている。
ストーリー
突如発生した未知のウィルス「D(デビル)・ウィルス」に侵された動物たちは、「D・ミュータント」と化し、世界中の人々を襲い始めた。
ウィルス研究者のアレックスは、ウィルスに倒れた妻子を救う為、万能車輌「S.O.P.H.I.A.」を駆り、「D・ミュータント」に戦いを挑む。
特徴
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基本的には原作に忠実
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ゲーム開始は勿論、ソフィアが奥へ発進するところから開始。
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原作同様、戦車のサイドビューにパイロットのトップビューである。ただし焼き直しではなくド派手かつ精巧に作り込まれている。
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BGMはファミコンに非常に忠実。なお順番は変更されているが全8曲とも収録。
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兵装もユニークなものが揃っている。
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PS版の狭い壁を登るクライミングモードは動作が遅く見栄えも悪かったが、今作ではワイヤーを天井に引っ掛けてタンクを吊り上げるというものに変更。動作はスピーディーで快適。
 
 
評価点
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セーブ機能の実装。
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PS版に続いてセーブ機能が実装されている。そんなの当たり前だと思うかもしれないが、シリーズ初期はボリュームがあるにもかかわらずセーブ不可の作品が続き、『メタファイトEX』でパスワードが、PS版でセーブ機能がやっと搭載された経緯がある。そこを考慮するとこれだけでも評価点と言える。
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本作では各地のトップビューにセーブポイントが点在。
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プレイタイムも記録される。
 
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斜め打ちの実装
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さらに向きも固定出来て、撃ちながら後退なども可能。
 
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グレネードの投擲位置にマーカーが表示、狙いを定め易くなった。
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ボス戦について
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白い球体からボス部屋へ飛ばされる仕様になった。これにより知らないままボス戦闘へ入る事はない。
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大型で個性的なボスも多い、エリア1のボスからして大きなハサミでアレックスのショットを防いでくる。
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各ボスが放ってくる弾の量も全体的に増加しており、ハードの進化を実感出来る様な作りになっているのも良い。
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戦車でボス戦が無いのは残念であるが、強大な敵に立ち向かっている実感はある。
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ラスボス専用曲が用意された。
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BGMは原作に忠実だと上述したが、原作ではラスボス曲が使い回しだったのに対し、本作はラスボス最終形態では専用の曲が用意されている。
 
 
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坂道が実装
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『Blaster Master 2』でも坂道は存在したが、45°といくら高性能車両といえど勾配がきつい仕様だった。本作では緩やかな傾斜になっており無理なく調和、表現の幅が広がった。
 
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PS版同様、新しいエリアに来る毎にステージ名が表示される。
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グラフィック
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PS版のようなムービーこそ無いが、オープニング、エンディングで一枚絵が豊富に用意。テレビアニメよろしくズームを活用している。
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敵は雑魚からボスまで本当に滑らかに動く、流石はアメリカのゲームである。
 
賛否両論点
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ヒロインなどのパートナー的存在は登場しない
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アレックスは妻子持ち且つ、その妻子を救う為の戦いなので、新たにヒロイン的キャラを出す訳にもいかないだろう。
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しかしPS版では主人公の姉がサポートしてくれた事を考えると少々寂しい。たまに妻子と通信するイベントでもあれば良かった。
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なお、エンディングではプレーヤーが納得する内容になっている。
 
問題点
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シリーズ過去作でも散見された問題だが、ステージ構成はワンパターン気味。
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最初は広大な屋外から始まるが、それもすぐに終わり、それ以降は洞窟ばかりの構成で、サイドもトップも全体を通してあまり変わり映えがせず、マンネリ感も漂う。
 
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ボス
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白い球体からボスへ転送されて分かり易いのは良い事だが、そこでも敵の猛攻が飛んでくる。流石に空気を読んで欲しいところ。
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ボスのHPは非表示、色が変わっていくわけでもなく分かり辛い。PS版では部位毎にHPバーが用意されていたのに何故か初期作準拠で廃止に。
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同じくPS版にはあった、ソフィアで戦うボス戦も廃止された。またソフィアは送迎車に逆戻りである。
 
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オープニングデモのBGM
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状況に応じて曲調が変化するわけでもなく効果音も無いせいで盛り上がりに欠ける。オープニング映像というよりも資料映像感がある。BGMはフェードアウトですらなくブツ切りで終わる。
 
総評
色々とマイナス要素が大きく原作準拠の殻を破る事はなかった作品。
とはいうものの、ド派手かつ精巧な作りこみは、まさにオーバードライブの出来映えである。
余談
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今作もまた日本未発売である。
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かつては日本の『メタファイト』と海外の『Blaster Master』で異なる世界観を展開していたとは言え、既にPSでBlaster Master系列の『ブラスターマスター(Blasting Again)』が発売した実績があるのだから、日本でも発売されても良かったように思えるのだが。
 
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エンディングでは続編を意識したような演出があるが…
    
    
        | + | ネタバレ | 
最後はウイルスも退治され、元気になった妻子と夕日で喜びを分かち合う。
ところが宇宙から謎の物体が飛来。そして、戦いは始まったばかりだという形で終わる。
いかにも続編が出そうな幕切れだが、現時点では旧作のジェイソンの物語をリブートした『ブラスターマスター ゼロ』シリーズが展開されただけで、アレックスの物語の続きを描く作品は未だ出ていない。
海外ではこれが過去シリーズに続くという考察もあるが公式発表は無く、他作品との食い違いも多いためあくまで憶測の域を出ない。
例えば初代の小説版に登場したアレックスという人物が本作のアレックスと同一人物であるという説や、実はアレックスはシリーズ主人公のジェイソンの父親説がある。前者だと初代でジェイソンがソフィアを簡単に発見できた理由に説明が付くが、そもそも小説のアレックスはジェイソンの学校の友人なのでかなり怪しい所。恐らく小説と関連があるにしても、単なる名前のオマージュかと思われる。
後者はアレックスの息子がジェイソンに似ている事からの説で、「本作のソフィアにナンバーが付いていない=旧作の3rdの元となる最初の機体だから」「初代のSophia The3rdは息子が成長するまでにアレックスが密かに開発した機体」「エンディングの謎の物体は初代敵役のプルトニウム・ボス」という考察に結びついている。…が、それでは小説〜PS版で語られた「ソフィアは異星文明の兵器で、地球にはイヴが乗って来た」という設定と見事に矛盾する(作中では説明は無いが、電子説明書によるとアレックスが開発したらしい)。
いずれにせよ、シリーズが『ゼロ』へとリブートされた現在となっては真相は闇の中である。
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最終更新:2022年05月12日 17:35