武宮正樹九段の囲碁大将

【たけみやまさきくだんのいごたいしょう】

ジャンル 囲碁
対応機種 スーパーファミコン
発売元 KSS
発売日 1995年8月11日
定価 14,800円
周辺機器 スーパーファミコンマウス対応
判定 なし
ポイント 初心者お断り
日本棋院推薦
武宮正樹監修
モードは対局のみ
素材は秀逸
SFC高額ソフト

概要

武宮正樹九段の監修による囲碁ソフトが、『魔獣王*1』で有名なKSSから発売された。

評価点

  • 高品質の一枚絵が用意
    • タイトル画面は庭園が迎えてくれる。対戦相手の画面では竹藪の風景に更に霧が流れる演出効果もあり同社の『魔獣王』のステージ4の霧のようで実に味わい深いと言える。
  • 5段階の難易度
    • 入門編、初心者、中級、上級、大将のモードが用意されている。入門では4子局のハンデをもらえるが、上級では9子局の上手をさせられ制限時間も短くなるので厳しい。
      • 制限時間については相手も同じ条件で打ってくるのでフィフティフィフティと言える。
    • モードに応じて相手の顔グラとBGMがそれぞれ5種類用意されている。
  • フォント
    • モード選択の際は筆体の文字で構成されている。
  • 効果音も品質が良い。
  • 音楽
    • タイトル、選択画面の曲はグラフィックも相まって評判が良い。5つの難易度ではそれぞれにBGMが用意されており、緩急をつけて深みがある。
      • 対局中は制限時間に追われるが、対局前から曲が流れるので対局しないで聴き続けられるので有難い。

賛否両論点

  • 初心者お断り
    • プロには遠く及ばないが、SFCの火力で何秒もかけて読んでくるので簡単には崩れないし、詰碁がある際は確実に取ってくる。初心者がルールを覚えた段階では勝ち目は無く、入門で4子置かせてもらったとしても焼け石に水と言ったところ。
  • 高価格
    • 価格も14,800円である。これは本作に限った話ではなくSFC囲碁は殆どこれと同価格である。なおSFC将棋でも『早指し二段 森田将棋』と同価格があり、SFCソフトの中でもかなりの上位に位置する。
    • SFCで囲碁を製作するのは非常に困難な事であり、価格が上がってしまうのは仕方のないところである。本作を含め8作のみ。

問題点

武宮正樹九段の要素が無い
  • モードはCPUとの対局のみ。勝っても特に何もない。
  • 5人の顔グラが用意されているのは良いが、武宮正樹九段のそっくりさんですらない。また、名前も用意されておらず表情は変わらず台詞も一切出ないのは寂しいところ。
  • 棋力ではなく置き石や制限時間でのみ難易度調整している。
  • 対人
    • プレイヤー同士で対局できるのは良いのだが、ハンデを付ける事は出来ず、BGMも入門編のもののみで、持ち時間は無制限で固定されている。
    • 顔グラも選ぶ事は出来ない。右下には大将モードの顔が出ているが、おそらくは観戦者としての登場と思われる。

総評

はっきり言って本作に武宮九段の要素はない。とはいえ、グラフィックと音楽の素材は非常に素晴らしいと言える。

余談

  • 後に『囲碁倶楽部』という作品が発売されるが、そちらの名局閲覧では武宮九段の棋譜も収録されている。本作ではなく別な作品で武宮九段の要素に触れられるのは皮肉なところである。
  • 翌年にプロ棋士監修の『林海峯九段の囲碁大道』も発売されており、そちらも本作と同価格の高額ソフトである。初心者から上級者まで内容が非常に充実しており、何と! 現在はその定価以上で取引きされるまでになっている。
最終更新:2024年08月11日 16:37

*1 本作の丁度2週間後に発売。