リーヴェルファンタジア マリエルと妖精物語

【りーゔぇるふぁんたじあ まりえるとようせいものがたり】

ジャンル ハートウォーミングRPG
対応機種 プレイステーション2
発売元 ビクターインタラクティブソフトウェア
開発元 インフィニティー
発売日 2002年3月20日
定価 6,800円(税抜)
プレイ人数 1人
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント 雰囲気・ストーリーは良質
素材集めの必要性から作業ゲーの側面あり
劣悪な操作性とカメラワークが最大の問題


概要

  • ビクターインタラクティブソフトウェアが発売したRPG。
    • ジャンルはRPGであるが、一般的なRPGのような戦闘は一切なく、探索と謎解きを軸とするアクションゲームの色彩が非常に強いゲームである。

シナリオ

主人公マリエルは「妖精の樹」と呼ばれる木を守る家系に生まれた少女で、
既に伝説と化した妖精を見たり会話したりする事が出来る。

ある日、アルフレッドと名乗る黒猫が、現在失踪中のマリエルの父親が作った借金を取り立てにやって来た。
非常に高額で払う事が出来なかったため、アルフレッドは10ヶ月の猶予期間をマリエルに与えた。
それまでに返済出来なかった場合、家も妖精の樹も取り上げられてしまう。

マリエルは妖精使いとして、人の役に立ち借金を返すお金を工面しようと考えた。
その過程で、マリエルは様々な出会いや冒険を経験することになる。
(Wikipediaより引用)

システム

  • 基本は3Dダンジョンを探索するアクションゲームである。
    • ダンジョンを探索し、村の人々から依頼されたものを採取したり、抱えている問題を解決するためのアイテムを手に入れることになる。
    • シナリオの項にあるように、マリエルは借金の返済を迫られている。この借金はアルフレッドとの話し合いで毎月分割して返済するという取り決めのため、返済のためのお金を工面しなくてはいけない。
    • ゲームは月単位で進む。毎月特定の村人にフォーカスしたメインストーリーがあり、それをクリアしてかつ毎月の借金返済をやりきると次の月となる。
  • マテリアル
    • 各地で拾える様々な物質。薬草や鉱石などである。
    • 合成を行うことで新たなマテリアルを作り出せる他、後述の妖精の誕生やリンクにも必要となってくる。
  • 妖精
    • 他の村人たちには見えないがマリエルには見える存在。妖精と心を交わし認め合うことをリンクと言う。ゲーム中では3種類に分けられる。
    • 技能妖精:妖精の樹に決められたマテリアルを投じることで誕生させることができる妖精。
    • 野生妖精:その名の通り自然の各所に存在している妖精。性格も様々で、人間に対して非友好的で容易にリンクできない妖精もいる。
    • 奇跡妖精:メインストーリーを進めていくと妖精の樹に誕生する妖精。
  • ゲーム上の妖精の役割
    • 技能妖精はマリエルだけでは出来ないことを行うことができる。主にダンジョンのギミックを解いていくための妖精。火をつけることの出来る「コンガリット」やブロックを押せるようになる「ストアジョニー」などがいる。
    • 野生妖精はリンクすることで何らかの恩恵をマリエルに授けてくれる。貴重なマテリアルをくれたり、技能妖精を呼び出すために消費するAPというポイントの最大値を上げてくれる。
    • 奇跡妖精は誕生直後は何の効果もないが、マテリアルを与えるなどして友好を深めると「ティアラフェ」と呼ばれる状態になり常にマリエルと同行するようになる。ティアラフェが同行しているとダンジョンでのマテリアルの拾える確率が変化する。また、野生妖精とのリンクの条件として特定のティアラフェを連れていることが中盤以後増えてくる。

評価点

  • ゲームの雰囲気作りは秀逸
    • ややポリゴンは粗いものの、パッケージイラストのような柔らか味のあるファンタジー世界を表現できている。
    • BGMはそれほど主張の強くないものになっており、それもまた童話の世界のような穏やかさを出している。
  • ストーリーが良い
    • 明るすぎず、暗すぎず。それでいてキチンと伏線があったりプレイヤーを驚愕させるような盛り上がりなども備えている。
    • 村の住人一人ひとりがしっかりキャラクターを立てており、それがストーリーの良質さに確実に貢献している。
  • 声優の高い演技力
    • 誰もが知っているような超有名どころの声優は不在だが、主人公役の有島モユを始め、中堅どころの声優を中心にどのキャラのボイスも安心して聞けるものになっている。
      • ときめきメモリアル』で知られる金月真美、現在では超有名どころの水樹奈々なども出演している。

問題点

  • 3D探索アクションであるにもかかわらず、操作性とカメラワークが非常に悪い。
    • 移動やジャンプがかなりもっさりとしており思うように動かすことができない。
      • 移動に関してはやたらと慣性がかかっているのか、コントローラーの操作を止めても数歩分ぐらい動いてしまう。
      • ジャンプは高く飛べない上に制御が困難だが、ゲームクリアには必須。ジャンプの性能を上げる技能妖精もいるのだが、劇的に性能が上がるわけでもなく、制御が困難なのは変わらないので救済措置とは言い難い。
    • 3Dゲームなのに自由にカメラ操作が出来ない。
      • 移動するとそれに合わせてカメラが動くのだが、その位置取りが悪いために進行方向が見えなくなる・方向感覚を失うことはしょっちゅうである。
      • プレイヤーが行えるカメラ操作はR1ボタンで真後ろにカメラを移動させることだけ。ただし、後方に障害物があるとカメラが回り込めずに頭上からの視点になってしまう。
      • カメラワークの悪さからかなり3D酔いを起こしやすいことにも繋がっている。
  • 全体的に難易度が高め
    • 最初のダンジョンから細い橋や綱渡りといった精密な操作を求められる。
    • 性能の悪いジャンプでリカバリーの効かない高所から高所へのジャンプや、移動する足場の乗り継ぎ、狭い足場をジャンプで次々と渡っていくなどシビアなギミックが多く、ほんわかした世界観とは裏腹な高難易度のアクションを突破しなければいけない。
      • しかも一定以上の高所から落ちるとダメージを受けるため、何度も失敗して力尽き、自宅からまたやり直しという事もしばしば。
    • ゲーム後半になると純粋に謎解きも難しさを増し、アクションの難しさと合わせて攻略情報がないとゲームを放棄してしまいそうなレベルになっている。
  • 非常に作業感の強いマテリアル集め
    • 合成などのために何度もダンジョンに入ってマテリアル集めをする必要があるが、マップ上で実際に拾うまで何が採れたのかわからず、拾ってみたら「ただのゴミだった」ということで何も得られないこともある。
    • 主に借金返済のための金策目的で延々とやらされることになるため、作業として苦痛である。
  • 足止め感が強い合成システム
    • 合成に確実に成功するマテリアルは全体の半数ぐらいであり、合成に失敗すると使ったマテリアルをただ失うだけである。
    • 失敗の可能性のあるマテリアルが進行に必要な場面もあるため、スムーズに進めようと思ったら合成前にセーブして失敗したらリセットという手を使うことになる。
    • 一応、合成に失敗したときにできる「クズマテリアル」を50個集めることでリンク可能になる妖精「ジャンクボギー」がいるため、完全な無駄ではないが…
  • 借金返済について
    • 村の住人からの依頼をこなすだけでは毎月の返済額を賄いきれないため、買い取ってもらえるマテリアルを合成する必要がある。
    • しかし、合成には前述した失敗のリスクが付きまとうため煩わしい。中盤でそこそこの値段で売却でき、合成成功率100%のマテリアル「暁の滴」のレシピを入手可能だが、期間限定なため取り逃がすと取り返しが付かない。
    • 毎月の返済額も中盤から跳ね上がっていくため金策に苦労する。「暁の滴」の合成を繰り返しても作業ゲーと化してしまう。

総評

「ゲームの雰囲気・ストーリーは最高。操作性は最低。」プレイしたユーザーが異口同音に並べ立てる感想である。
雰囲気作りなどの映像としての表現に注力する一方で、肝心のゲームとしての作りこみが甘く、操作性の悪さで台無しにされてしまった。
上述の通り、雰囲気作りやストーリーは良質であり、多くのユーザーが操作性さえ快適だったら名作だった、操作性を改善してリメイクしてほしいと惜しむ声も上がっている。
「ダメなゲーム」と突き放されるのではなく惜しまれるということはそれだけ光る部分が存在したということでもあるが、発売の時点でそれだけの内容を実現できていなかったことが惜しい作品であった。

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最終更新:2020年06月14日 13:14