死に逝く君、館に芽吹く憎悪
【しにゆくきみ やかたにめぶくぞうお】
ジャンル
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血と涙と暴力と拷問と虐殺と愛と感動の物語ADV
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対応機種
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Windows Vista/7/8/8.1/10
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発売・開発元
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バグシステム
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発売日
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2016年7月29日
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定価
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5,800円(税別)
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判定
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なし
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レーティング
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アダルトゲーム
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ポイント
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萌え系イラストとえげつない暴力 ミドルプライスらしく小粒なストーリー 予告なしのスカトロ要素あり
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WARNING!!!!!!!
猟奇的な表現が含まれています。
概要
株式会社クリアレーヴの「バグシステム」ブランドの2作目。
原画家の「るび様」とシナリオライターの和泉万夜の2人ともが企画を兼ねている。
ストーリー
それは、何の前触れもなく起こった――。
平穏だった世界に、突如として現れた上位種族たち。
彼らは一方的に人間を虐殺し、世界は混乱の渦へと飲み込まれていった。
家族と買い物の途中だった美亜もまた、その被害に遭ってしまう。
父、母、姉が殺害される中、必死に逃げた先でも別の上位種族の男と遭遇。
自棄になった美亜は、死を覚悟の上で男にナイフを突き立てた。
次の瞬間、美亜の意識は飛んでいた。
自分がどうなったのかも分からず、腹部には激しい痛みが感じられていた。
「私の身体を傷付けておいて、勝手に死なせるわけにはいかない。 君の罪は……万死に値するのだからね……」
意識を取り戻した時、美亜は館のベッドの上にいた。
身体に傷はなく、服は自分のものではないドレスが用意されている。
そして館で再会したのは、あの上位種族の男。
彼は美亜に館に住むよう命じ、数々の非道な行為を繰り返すようになる。
潰され……刺され……撃たれ……流され……撥ねられ……食わされ……破裂させられ…………。
意識を取り戻した時、美亜は館のベッドの上にいた。
身体に傷はなく、服は自分のものではないドレスが用意されている。
そして館で――――――――――
(公式サイトより抜粋)
主な登場人物
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美亜
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一般人の少女。主人公であり、本作は美亜の視点で語られる。
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上位種族により館に監禁されており、脱出を試みる。館の美亜の部屋は傷が治る仕掛けがあるため、何度死んでも復活させられる。
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上位貴族の男
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異世界からやってきた生物。外見や体は人間の男だが、人間とはけた違いの能力を持つ。
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世界の生物を食い尽くすと次の世界へ飛ぶ。
特徴
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選択肢で展開が変わるノベルゲーム
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上位貴族の男に抗い、館から脱出するのが目的である。
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通常のADVは主人公が死ぬとバッドエンドとなりタイトルに戻るが、本作の主人公は復活させられるために、死んでもゲームが続行する。
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終盤には複数の結末が用意されており、いずれも視聴後はタイトルに戻る。中にはトゥルーエンドに位置付けられるものもある。
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選択肢
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館には他の人物もおり、協力・逃げる・上位貴族の男を倒すなどの判断をする。
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要所で表示される選択肢を選ぶだけなので能動的な動きは必要なく、ライターの過去作と比べると難易度は低め。
評価点
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血も涙もない暴力シーン
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暗喩やシルエットで表現を濁さずに剥き出しの臓器や四肢切断が生々しく描かれる。アダルトゲームであるが性交シーンより暴力シーンの方が多い有様である。
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元の顔が分からないほどに黒焦げとなる電撃攻めや、巨大鍋を使った人間カレーライスなど、絵面のインパクト・悪趣味さから乾いた笑いが浮かぶようなものも。
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一般的にグロシーンの過激さは賛否両論分かれがちだが、本作は最初からグロゲーとして宣伝していたオリジナル作品のため好評の声が多くを占めた。怖いもの見たさで買って合わなかったというプレイヤーもいるが、それは仕方ないだろう。
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グロだけに終わらないシナリオ
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一方的な暴力シーンの数々は、上位貴族と人間の圧倒的な力量差を感じさせ、プレイヤーにも絶望感を抱かせる。
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主人公・上位貴族以外の人物は、状況を分かっていない者・諦める者・逆恨みする者・生に執着する者等、出番こそ少ないが各自の信念を感じさせる。
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「復活のたびに周りの人物が変わるのは何故か?」といった疑問や素性が分からない人物等の伏線は丁寧に張られており、きっちり回収される。
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奇抜なエロシーンの中にも伏線があり、シナリオ・テーマに深く関わっている。
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グラフィック
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萌え系イラスト×激しい暴力という珍しい組み合わせ。
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館内は基本的に小綺麗に整っているため、白いテーブルに置かれた丸焼けの死体や、血みどろの拷問部屋の異様さが引き立っている。
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OPムービー
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電気式華憐音楽集団による激しい歌唱や世界観にマッチした歌詞が好評。
賛否両論点
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スカトロ要素の存在
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脱糞が数シーンある。こちらは公式サイト等に載っていなかったため、賛否分かれた。
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年代問わず商業エロゲでは珍しい部類の要素である。グロ耐性があってもこちらは苦手というプレイヤーも多い。
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ライターの過去作でもスカトロ要素があったため、既に耐性があったプレイヤーもいる。
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復活要素
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人間の限界を超えると死亡して、部屋で復活して仕切り直しとなる。そのため永遠に続く拷問といった感じではなく、一回一回の死が軽く感じるプレイヤーもいる。
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追い詰められた際には「最後まで諦めない」ではなく「せめて楽に死にたい」という思考の主人公なのも一因。
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ただし、「死にたくても死ねない」という絶望感もあり、同一人物が何度も別の方法で死に続けるのもまた苦しいものである。
問題点
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こぢんまりとしたシナリオ
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伏線は丁寧ではあるが、その分展開も読みやすく決着も想像しやすい。
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地球規模での人類のピンチだが、語られるのは館に関連する人物ばかりでサブキャラのバックボーンもあまり掘り下げられない。
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齟齬・矛盾が少ないのは良いことだが、何故上位貴族に弱点があるのか? 等の理由は謎のままである。
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このあたりはミドルプライスへの賛否両論点とも言え、フルプライスで作り込んでほしかったとも言われる。
総評
最初から購入層を絞るような宣伝だったため、この頃にはめっきり数が減ってきたグロゲーとして高く評価された。
決してグロシーン集ではなく一つの物語としても小粒に成立しているのも長所である。
ミドルプライスかつ小粒なシナリオのため、この手のジャンルに興味があるなら入門編としても良いかもしれない。
余談
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シナリオライターの和泉万夜と歌唱を担当した電気式華憐音楽集団は、本作以前に「BLACK Cyc」ブランド等でグロゲーを幾らか担当していた。
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ネタバレにならない範囲だと「女性主人公」「バッドエンドのような開幕」といったテーマは過去作に通ずるものがあるため、本作をプレイして過去作を連想したプレイヤーもいる。
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略称「にくにく」のかわいらしさや普通にかわいい一枚絵もあることから、ネタとして初心者向けエロゲとして本作が勧められることがある。
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実際は公式サイトやOPムービーからしてグロ全開であり、パッケージからして拘束されたヒロイン2人のため、間違って買ったという声は聞かない。
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まったく方向性の違う萌えゲーの『ましろ色シンフォニー』『オトメ*ドメイン』等と本作は会社単位では同じクリアレーヴだったりするが、ブランドと会社名の違いを理解できるレベルの人ならなおさら間違って買うようなことはない。
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さすがに色合い等は調整されているが、コンフィグも会社共通のものである。本作での数少ない性交シーンで射精カウントダウンが表示されるのも流用の影響である。
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YouTubeに公式オープニングムービーがアップロードされているが、年齢制限コンテンツに指定されていない。
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モザイクありとはいえ、死体を捌くシーンまであるのによく通ったものである。
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一般的にエロゲのマスターアップ時には、ディスクを持ったヒロインのイラスト等が添えられるが、本作は(本編にも使われる)丸焦げになった主人公のイラストに「
焼きつくマスターアップしました!」の文面というあんまりな代物であった。
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バグシステム4作目『真愛の百合は赤く染まる』もるび様が企画・原画、和泉万夜がシナリオ・企画補助を担当しているため本作と比べられやすい。
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バグシステム5作目『死に逝く騎士、異世界に響く断末魔』も本作と同じ原画・シナリオ担当者である。
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こちらも略称が「にくにく」である。「上位種族」など本作と同じ用語が使われているが、物語は完全に独立していると発表されている。
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2021年5月28日に「FANZAGAMES PLAYカード」版が発売された。
最終更新:2024年01月22日 23:17