-
この頁ではPS版とGB版の『スタースイープ』を紹介しています。(判定は共に「なし」)
スタースイープ(PS版)
【すたーすいーぷ】
ジャンル
|
パズル
|

|
対応機種
|
プレイステーション
|
発売・開発元
|
アクセラ
|
発売日
|
1997年10月30日
|
定価
|
5,800円(税別)
|
廉価版
|
SuperLite1500シリーズ:2000年3月2日/1,500円(税別)
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
ブロックをはめて消していくパズルゲーム
|
概要(PS版)
1997年7月にナムコからACでリリースされたアクションパズルゲームの移植作品。
PS移植版は、AC版のデベロッパーであるアクセラ自身が発売する形になっている。
落ち物パズルというよりは、ブロックを色々な箇所にはめて消していく「ハメ物パズル」と評するのが正しいだろう。
ストーリー
…数年前のこと。空の彼方で突然にナゾの大爆発があり、空に赤や青、黄色の星のかけらが散らばりました。
空は少し暗くなっていましたが、空中をふわふわ泳いでいる「すたぴっく」が
星のかけらをちょっとずつ食べてくれるので、みんな放っておいたのでした。
ある日、子供達がすたぴっくをつっついていると、口からかけらをポンッ!と飛ばしました。
おもしろがって何度もつっついて飛ばしているうちに、他のかけらに当たると、はじけて消えることが分かったのでした。
それから、世界中でこの遊びが大流行。今では正式な競技まで開催されるほどです。
マスターと呼ばれる大会の優勝者はみんなの憧れでした。誰もがこのスタースイープマスターを目指しているのです。
ところが、このことを快く思っていない人がいました。
「あの大爆発がこんなことになってしまうなんて……。計画が台無しよ!
こうなったら私がスタースイープマスターになってやるわ。見てらっしゃい!!」
(本作取扱説明書より引用)
システム
-
カーソルを移動または回転させて、ブロックを置く。
-
カーソルは自分のフィールド内ならどこにでも移動可能。
-
同じ色をしたブロックの、マークが付いた部分を二つ以上くっつけるとブロックが消える。
-
同時にたくさんのブロックを消したり(同時消し)、連鎖をすると高得点になる。
-
ブロックが消えている最中に素早くカーソルを動かし、消えていくブロックの上にすぐに新しいブロックを置いて連鎖を作る「クイック連鎖」というテクニックもある。
-
雲のような形状のブロック「おじゃま雲」がフィールド上に出現する事もあるが、おじゃま雲と隣接したブロックを消せば同時に消す事ができる。
-
ブロックが天井についてしまうとカウントダウンが始まり、カウントが0になるとゲームオーバー。
-
AC版にも存在していた「1人用モード」「ストーリーモード」「2人対戦モード」に加え「アタックモード」と「おまけ」の、計5種類のモードが用意されている。
-
1人用モードでは、画面下からせり上がってくるブロックをひたすら消していく。
-
偶に巨大なボスキャラが登場する事があるが、隣接したブロックを消せばダメージを与えられる。表示されているハートマークの数だけダメージを与えれば消滅し、通常プレイを続行できる。
-
ストーリーモードではシトラを操作し、CPUが操る9人の相手と次々勝負していく。
-
2人対戦モードでは、その名の通りの対戦プレイが可能。ゲーム開始前にハンディキャップを付ける事もできる。
-
アタックモードでは1分間のスコアを競ったり、おじゃま攻撃に耐えたりするなど、一味違ったスタースイープを楽しめる。
-
おまけは文字通りのモード。1人用モードやストーリーモードのクリア(難易度によりもらえる量は異なる)、アタックモードの結果に応じて星のかけらを貰う事ができ、この星のかけらを一定数集める事で解放可能となっている。
-
また星のかけらを集める事で隠しキャラを解禁したり、1人用モードやアタックモードにおいて使用キャラを変更できるようになったりといった特典を享受できる。
-
BGMはAC版のアレンジだが、オプションでAC版のBGMに変更可能。
キャラクター
-
シトラ
-
本作主人公。ポジティブ思考で負けず嫌いなミントの姉。但しクールなイケメンに弱いという弱点あり。
-
2P対戦や、星のかけら収集特典によるキャラ変更を行わない限り、基本的には彼女を操作する事になる。
-
ミント
-
いたずら好きで負けず嫌いなシトラの弟。尚、シトラとの姉弟ケンカは今の所一度も勝てていない模様。
-
フンガー
-
王女リオの護衛を務める兵士。気は優しくて力持ち、しかし一度キレると手が付けられなくなってしまう。
-
ちなみにPS版で彼のCVを務めるのは、なんと俳優の八嶋智人氏。
-
リオ
-
気が強くてワガママな箱入りお姫様。とはいえ明るい性格もあって、王国民からは慕われている。
-
ポー
-
「星掃拳」という
どう考えても本作以外では用途の無さそうな拳法の使い手で、思いやりのある優等生キャラ。
-
ケン
-
ポーと同じく星掃拳の使い手だが、相手や後先を考えずにとりあえず力尽くで物事を解決しようとする格闘バカ。
-
ドミンゴ
-
作中世界においても非常に珍しい、人間の言葉を話せる猫。飼い主のランクに似て人間の女の子を好んでいる。
-
ランク
-
見た目と普段の立ち振る舞いこそシトラ好みのクールなイケメンだが、その本性はヘタレなプレイボーイ。
+
|
ネタバレ注意!
|
-
B1
-
ドクターJが作り出した清掃ロボット。高い清掃技術と、創造主以外の命令を聞かないプログラムを有する。
-
ドクターJ
-
研究に没頭するあまり自分の体まで改造してしまった、マッドなサイエンティスト。
-
察した方も多いだろうが、ストーリーにあるナゾの大爆発を引き起こした張本人。散らばった星のかけらをB1に掃除させて名声を得るというマッチポンプを企んでいたが、作中世界の生物「すたぴっく」に見事目論見を潰されてしまった。
|
評価点(PS版)
-
連鎖が組みやすい。
-
ブロックの色は全3色と他のパズルゲームに比べると少なめで、パズルが苦手なプレイヤーでも混乱し辛い。
-
消えるブロックの上下で、マークが線対称となる様に同じ色のブロックを置いていくと簡単に連鎖を作れてしまう。初心者でも気軽に大連鎖を作成でき、爽快感が高い。
-
縦・横いずれかの方向にブロック一つ分(3マス分)のスペースが空いていれば、誇張抜きに何処にでもブロックを置く事ができる。コツを掴んで自在にクイック連鎖を組めるようになれば中々に有用。
-
カウントシステムが生み出す、瀬戸際の攻防。
-
ブロックが天井についてしまっても3秒程の猶予期間が存在しており、カウントが0になる前に天井からブロックが完全に離れる程度までブロックを消せばゲームオーバーを回避できる。
-
これにより、本作では詰み寸前からの大逆転といった展開も起こりうる。対人戦を大きく盛り上げてくれる事請け合い。
-
あくまでも「起こりうる」だけで、システムの都合上確実に大逆転を起こせるとは言い難いのも事実ではあるが…。
-
手ごたえのあるやり込み要素。
-
星のかけらを集めて開放される特典やアタックモードのバッジ、特定の条件を満たすともらえる王冠など、やり込みの指標となる要素がかなり多い。
-
良質なBGM。
-
作曲は有坂光弘氏が担当している。非常にクオリティが高い為一聴の価値アリ。
-
キャラクターのテーマ毎に対戦BGM、プレイBGMが異なっている。フンガー・リオ戦の「Island of Rio」、ポー・ケン戦の「Chinese Children」など、どれもキャラクターの雰囲気としっかりマッチしている。
-
BGMがPS版に設定されている時に1人挑戦モード、ストーリーモードをクリアすると…?
賛否両論点(PS版)
-
アクションパズルではあるが、実は操作テクニック自体はそこまで必要とはならない。
-
クイック連鎖も必須という訳ではなく、あくまで「できれば有利になる」程度。どちらかというとブロックを置く場所を正確に、そして迅速に判断する能力…要は思考型パズルで求められるような能力の方が重要となってくる。
-
これを「複雑なテクニックを覚えずとも遊べる」と取るか、それとも「やり込みによる技術向上のし甲斐が無い」と取るかは、人によりけりといった所か。
問題点(PS版)
-
ブロックを置く場所を間違えると、大きなミスに繋がりやすい。
-
ブロックを消す為のマーク部分が別ブロックで塞がってしまうと、マーク部分を掘り出すのに相当な苦労を要してしまう。
-
そうでなくともブロックがなかなか消せずor置けずにどんどん溜まっていくという悪循環に陥ってしまいやすい。制限時間や対戦相手の攻勢などの兼ね合いもあるが、慣れないうちは慎重なブロック配置を心がけた方がいいだろう。
-
配置に若干の運要素がある。
-
下からせり上がるブロックの配置は完全にランダムとなっている。
-
置いていたブロックが勝手に消えてしまう、連鎖の為に組み上げたブロックがせり上がってきたブロックの所為で崩れてしまうなど、問題が多い。
-
痒い所に手の届かない部分が見られる。
-
ストーリーモードで使えるキャラはシトラのみ。折角魅力的なキャラがいる上にぷよぷよ程キャラの総数が多い訳ではないので、やろうと思えば全キャラ分のストーリーを入れる事もできたのではないだろうか?
-
シトラのデザインは十分美少女と言い切れるものであり、性格面もミントへの当たりが少々キツい点や、ランクにあっさり惚れてしまう点などに目を瞑れるならば、そこまで不快感が大きくなるようなキャラではないのがせめてもの救いか。
-
本作では設定機能が存在しておらず、充実したオプションすら影も形も見当たらない。キーコンフィグやブロックの回転方向変更はどうあがいても不可能となっている。
+
|
その内容。ネタバレ注意!
|
-
星のかけら2,000個分を集めると開放できるモード。
-
基本的にはストーリーモードと同じだが、
ラスボス以外は全員「ベンジャミン」という名前の、単眼のモンスターの様な謎のキャラに差し替えられている。
-
ベンジャミンの色はステージ毎に異なる。またラスボス前のベンジャミンのみ角が生えており、フィールドの絵が反転されており表情がにっかりしているという無駄に手の込んだ仕様となっている。
尤も、どの固体もグラフィックはほとんど使い回しだが…
-
このモードではストーリーモードにある会話デモが存在せず、またEDの内容もストーリーモードのそれと変わらない。
-
クリアによって得られる星のかけらは多いが、その代わり難易度はストーリーモードよりもかなり高く、最低難度に設定してもかなり梃子摺る。
-
結果的に、余程効率的に星のかけらを収集したいのでもなければ、積極的に遊ぼうとは思い難いモードとなっている。
-
ちなみにこのおまけ2を解放した時点で、残る未開放の星のかけら収集特典は「タイトル画面が一部変化する」という要素のみ。しかもノルマがぐんと跳ね上がって、星のかけらを10,000個以上も集める必要がある。
|
総評(PS版)
分かりやすく爽快感のある連鎖や同時消し、中々骨太なやり込み要素など、ハマる人はとことんハマる作品。
しかしブロック配置に運が絡んだり、僅かなミスでゲームオーバーに近づいたりと、少々不安定な部分もある。
どこにブロックを置いたらいいか? ブロックの向きは合っているか? マークを埋めて消し辛くなってしまわないか?
判断における慎重さと迅速さのバランスが問われるという、アクションパズルとしては異色な作風と言えよう。
惜しむらくは当時大量に世に出されていた落ち物パズルの亜種と見做されてしまい、知名度があまり上がらなかったという点だろうか。
スタースイープ(GB版)
ジャンル
|
パズル
|

|
対応機種
|
ゲームボーイ
|
発売元
|
スターフィッシュ
|
開発元
|
アクセラ
|
発売日
|
1997年12月19日
|
定価
|
3,800円(税別)
|
判定
|
なし
|
概要(GB版)
PS版発売から1か月半後、販売元をスターフィッシュ(現スターフィッシュ・エスディ)としてGB版が世に出された。
システム(GB版)
基本的なルール、ストーリーやキャラクターについてはPS版と同じ。
-
GB版では1人用・ストーリー・2人対戦の他に「問題モード」「オプションモード」が用意されている。
-
問題モードは所謂「詰めパズル」。手持ちのブロックを全て使い、フィールド上のブロックとお邪魔雲をすべて消す事ができればクリアとなる。
-
最後のブロックを設置する前にブロックが消えてしまった場合は失敗となるので注意。このモードに制限時間は存在していないので、焦らずじっくり考えよう。
-
このモードにのみ、マークがどこにも存在しておらず消す事ができないブロックが存在している。
-
オプションモードはその名の通り。成績閲覧や記録の消去、ブロック回転ボタンと設置ボタンの変更が可能。
評価点(GB版)
-
制約の多い携帯機への移植にも拘らず、きちんとスタースイープを再現できている。
-
元々3種類しかブロックの色が存在していなかったという事もあって、モノクロ画面でもブロックの識別は容易。
-
やり込み要素として、問題モードの存在はかなり大きい。
-
元々本作が思考パズル寄りの性質を有しているだけあって、こうした詰めパズルとの相性は抜群である。
-
初心者にとっては、本作のプレイングになれる為のチュートリアルとして機能しうるという点も見逃せない。
-
ボリュームも全96問と中々に骨太であり、携帯機故に好きな場所でじっくりパズルを楽しめる。
-
オプションモード実装により、2ボタンのみではあるがキーコンフィグが可能となった。
問題点(GB版)
-
既存作品が抱えていた問題点まで律儀に再現してしまっている。
-
ブロックの置き場所を間違えると致命傷となりやすい点や、せり上がるブロックの配置がランダムな点もPS版から据え置き。
-
ゲーム性やシステムの根幹に関わってくる為、迂闊に手を付けられない要素であった事は容易に想像可能ではあるが、それでもどうにかならなかったのだろうか。
-
ブロックの回転方向はGB版でも変更不可能。
-
GB版はそもそも操作に使えるボタンの数が少ない為、此方は仕方ない部分も無い訳ではないが…。
-
PS版からオミットされた要素が存在している。
-
GB版では星のかけら収集がオミットされており、その為収集特典によるキャラ変更も不可能。2P対戦を行わない限り、常にシトラを操作キャラとしなければならないのである。
おまけもオミットされた為、結果的にGB版ではベンジャミンが登場しなくなった。そもそも誰得気味なキャラなので、此方はそこまで大きな実害を齎してはいないが。
総評(GB版)
制約の多い携帯機ながら、きちんと原作の持ち味を再現する事に成功した一品。
新たに搭載した問題モードによって、原作にはない魅力を生み出す事にも成功している。
とはいえ、配置の運要素やミスの許されないシビアさ等、不安定な部分まで原作を再現してしまっているのが泣き所。
キャラを愛でたり、対戦プレイでワイワイ楽しんだりしたいならPS版、
一人で腰を据えてじっくりパズルに取り組みたいならGB版といった具合に、用途に合わせて作品を選ぶといいかもしれない。
余談
-
サイトロン・レーベルの「G.S.M.1500シリーズ」として、本作のサウンドトラックが発売されていた。
-
本作のBGM、SE、キャラボイスに加えて、細江慎治氏と佐宗綾子氏によるアレンジ楽曲も2曲収録されている。
-
既に廃盤となって久しい為か、定価の6倍以上ものプレミア価格が付けられている。持っている方は大切にしよう。
最終更新:2021年08月27日 07:32