フラッピー
【ふらっぴー】
| ジャンル | アクションパズル | 
 ※画像はPC88版
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| 対応機種 | X1、PC-8801シリーズ、PC-6001mkII PC-8001mkII、FM-7、MSX、MZ-1500
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| メディア | カセットテープ フロッピーディスク
 クイックディスク
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| 発売・開発元 | デービーソフト | 
| 発売日 | 【X1/PC88】1983年 【PC60/PC80/FM7/MSX/MZ1500】1984年
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| 定価 | テープ版:4,500円 QD版:4,800円
 FD版:6,800円
 8インチFD版:8,800円
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| 配信 | 【PC88】プロジェクトEGG:2017年1月17日/800円 | 
| 判定 | 良作 | 
 
概要
デービーソフトが発売した黄色いヒヨコのような生物フラッピーを操作するアクションパズルゲーム。
『倉庫番』に重力の要素を加えたようなゲームで、敵の誘導などアクション要素も強い作品である。
シャープX1で発売後、様々な機種へと移植されており、機種ごとに若干違いも存在する。
例えば、PC88版はX1版にあったBGMがなくなっているが、タイトル画面で放置すると専用デモが始まったり、ステージ構成がまったく異なっている。
特徴
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見下ろし型固定画面で進行し、ブルーストーンをゴールのブルーエリアへ運ぶことが目標となる。
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フラッピーは上下左右へ移動できる。
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ステージにはブルーストーンと足場にもなるブラウンストーンが配置されており、押して動かすことが可能だが引くことは出来ない。
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ストーンは下に何もないと落下し、フラッピーや敵キャラが下にいた場合は潰される。
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ストーンを動かせない方向に動かそうとすると破壊することも可能。
 
 
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ステージにはキノコが落ちており、拾うとストックされ、投げることが出来る。
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投げたキノコは一定距離を飛んだあと敵にぶつからなければ地面に落ちる。これを拾えば再利用が可能。
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投げたキノコが当たった敵は一定時間眠って動かなくなる。
 
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残機+制限時間制。
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敵に接触するかストーンに潰される、もしくは制限時間が経過すると一機失う。
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全200面。一定のステージ数を攻略すると表示されるキーワードを入力することで直前のステージから選択して再開できるパスワードコンティニュー+ステージセレクト式。
 
評価点
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かわいいキャラクターたち
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ヒヨコのようなフラッピーに小さな角のあるユニコーン、カニのような見た目だが短いしっぽがあるエビーラなどキャラクターデザインは全体的にかわいく出来ている。
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キノコを当てて眠らせた際のグラフィックなどもかわいらしく、ほのぼのとした雰囲気が出ている。
 
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ステージ開始時には画面左上に並んだフラッピーの残機が一匹降りてきて残りが左にずれていき、クリア時には列の一番右に戻るというかわいいデモも用意されている。残機表示をこのように利用する例は珍しいだろう。
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BGMも耳に残りやすく、キャラクターにマッチしている。
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ただし、前述のようにBGMがなかったり曲が変更されている機種も存在する。X1版のBGMは後の移植でも使用されているので聴きやすくはある。
 
 
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歯ごたえのある難易度
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一見単純そうだが色々な独自のルールづけによって高いパズル性を実現しており、やりごたえのある内容になっている。
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ストーンは半キャラ分ずつ押せるのだが、半キャラ分だけでも下に足場があれば落下しないことを利用して運ぶのが重要になるステージも多い。
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フラッピーたちも半キャラ分ずつ移動するので、この隙間を利用してキノコを当てたり、下にあるストーンを破壊することも可能。
 
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ストーンで敵を潰す際、若干ながら落下しないタイムラグが発生するので、この間にストーンを押して先へ進ませることも可能。敵を橋にして隙間を渡らせたり、落下中に敵に乗ったストーンを押すなど応用できる場面は非常に多い。
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これら様々なテクニックを駆使してクリアできた時の達成感は高く、絶妙なバランスを保っており、全200面というボリュームもあってなかなか楽しめる。
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また、ステージによってはパズル重視の面とアクション重視の面があったり、ステージ構成も飽きにくい工夫が行われている。各機種に合わせて文字になっているステージなど遊び心も多い。何より機種ごとに異なったステージを用意して単純な移植になっていないのは評価されるべき点だろう。
 
 
賛否両論点
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敵の気分に左右されやすい
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敵はフラッピーを追いかけてくるようになっているがランダム性が高く、敵を利用せねばならない場面などは非常に運が絡みやすい。
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X軸かY軸が合えば一直線に追いかけてくるので、これを使って誘導するのがコツ。
 
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後のFC版などと異なりキノコで眠らせた敵に触れてもミスになるため、邪魔な位置で眠らせてしまうなどでかえって不利になることもある。
 
問題点
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一時停止が存在せず、制限時間もあるためゲームを止めてじっくり考えることが出来ない。
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機種によってはコンティニューが実装されておらず、ゲームオーバーになるとタイトル画面に戻されてしまう。
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パスワードコンティニューは一定ステージごとのため途中でゲームオーバーになるとまた同じステージを攻略し直す必要がある。解法は分かっていても、やはり面倒さはある。
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特にPC88版はキーワードの表示が10面クリアごとに変更されている(X1版は5面ごと)ため再開しにくい。
 
総評
シンプルなルールながらパズル要素とアクション要素がバランスよく絡み合った良作である。
多彩なテクニックを必要とするアクション要素により単調にならず、プレイヤーの頭脳と腕前が存分に試されるため、挑戦しがいのあるタイトルとなっている。
現在も続編が出ており、ややマイナーながら息の長い作品となった。
余談
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その後も上級者向けの『キングフラッピー』や、画面がクォータービューになった続編の『FLAPPY2』などシリーズ作が多数発売されている。
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家庭用機ではFC版とGB版が発売されている。
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FC版は上記のとおり多少改良されている。
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ちなみにファミマガのウソテッククイズ第一号。特定の操作をすると全面パスワードが表示されるというものだった。
 
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GB版は『フラッピースペシャル』の名前で発売。
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白黒画面なのでストーンの色が変わっている。また敵をつぶして空中のストーンを押すテクニックが使えなくなった。
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全160面と縮小されたが、いつでも中断できるように1面ごとのパスワードになった。
 
 
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現在はプロジェクトEGGにてPC88版『フラッピー』『キングフラッピー』MSX版『フラッピー リミテッド'85』、公式サイトにて基本無料版が配信中。
最終更新:2020年08月26日 16:35