Endless Space

【えんどれす すぺーす】

ジャンル ターン制4Xストラテジー

対応機種 Windows XP SP3, Vista, 7, 8, 8.1, 10
Mac OSX 10.8 ~ 10.14
発売元 SEGA*1
開発元 AMPLITUDE Studios
発売日 Windows: 2012年7月4日
Mac OSX: 2012年8月31日
定価 $ 34.99
配信 Steam : 2012年7月4日
廉価版 Endless Space Collection : 2014年2月/1,058円*2
レーティング PEGI:7 (7歳以上対象)
プレイ人数 1~8名
参考 Unityゲームエンジン使用
判定 良作

概要

  • 銀河の覇権を争うターン制ストラテジー。
  • AMPLITUDE Studiosとしては本作が処女作となる。
    • AMPLITUDE StudiosはUBIの元従業員が独立して2011年にパリで設立された。
    • AMPLITUDE Studiosの公式サイトGames2Getherにて『Endless Space Collection』が無料配布されている。
  • Unityゲームエンジンを使用している。
    • Unity awards 2013にて本作が "Golden Cube(Best game)" と "Community Choice" を受賞している。
  • 有志による日本語化パッチが存在する。
    • ファイルを上書きする形式で、導入にも少し手間がかかるので注意。

用語

Endless
銀河をほぼ手中に収めかけた先史文明。
物質的なものに固執したコンクリート派と仮想現実に身を投じたヴァーチャル派に分派して争い、滅亡した。
FIDS
基本的な出力の頭文字である。
 Food…食料。星系の人口を維持、および増加させるために必要。
 Industry…星系が何かを生産するための生産力。
 Dust…Endlessのエネルギー通貨。他ゲームでは聞かない単語だが「現金」と考えて差し支えない。
 Science…科学研究力。全星系の産出量が合算されて、新たな科学技術を獲得する原動力となる。

システム

  • 新規ゲーム
    • 銀河のサイズとゲームの進行速度、プレーヤー数を設定した後にmap生成となる。
    • 各勢力は必ずワームホール(後述)によって隔絶されて初期配置される。

銀河

+ 銀河map
  • 銀河サイズ"巨大"の銀河mapの例
  • 100個弱の星系がある。
  • 星系は直線で示されたFTLレーンもしくは、もやもやした線(上記mapでは、テルカナ - コンダ 間など)の"ワームホール"によってつながれている。
    • ワームホールの航路を移動するには「Applied Casimir Effect(応用カシミール効果)」を研究する必要がある。
    • 「Atmospheric Filtration」を研究すればFTLレーンやワームホールを使わないワープ航法が解禁される。
+ 各勢力
The United Empire
人類の子孫。
軍国主義で、造船時に艦船に経験値ボーナスが付き、HPも+40%となる。
Dust収入が+10%増加、人口 1あたり +1Dust。
オーソドックス(やや軍事より)で扱いやすい種族。初回プレイにおすすめ
The Pilgrims
The United Empireから自由を求めて離脱した人々。
星系に +20👍(支持率)。
交易路ボーナス +50%。しかも冷戦、戦争状態でも交易可能!
敵艦船を撃破すると研究ポイントを得る。
星系からの撤退(というか移住)が可能。建造物を全部持っていけるが、人口が -1 × (入植惑星数)。
艦船の積載量が -20%で計算される。
「星系まるごとのお引越し」というとんでもない能力をうまく使いこなせるかがポイント。
The Horatio
暇を持て余した大金持ちでナルシストな人間であるホレイショさんはある日、Endlessが残したクローニング工場を見つけた。ホレイショさんはすぐさま自分のクローンを作りまくり、その総数は1種族レベルの人口になった。
ヒーローのクローニングが可能。
美にこだわりすぎて艦船に無駄な飾りをつけてしまい、造船コストが +20% となる。
星系の影響圏 +4。
基本的には人口増加に長けた種族と考えてよい。
The Sophons
科学技術に長けた種族。しかし、ひ弱。
星系の科学力 +30%。1ターンあたりの艦船の移動力 +2。艦船のセンサー範囲 +1。
惑星/星系の各種改善施設の製造コスト +10%。星系の防御力 -25%、人口 1ごとに -8防御力。
本来は戦争にペナルティがついている種族だが、他より一歩先ゆく科学力で制覇勝利も十分狙える。
The Cravers
Endlessによって作られた、半虫半機械のハイブリッド種族。
他勢力へ持ちかけられる外交は宣戦布告のみ。相手の提案を受けることは出来る。しかし和平条約は締結不可。
植民した惑星は1ターン毎に 1 Locust Point(以下 LP)を得る。40LP以下であると FIDSに +25%のボーナスを得る。60 LP以上で逆に -25%のペナルティが発生する。Craversが入植していた惑星を他勢力が奪って住むとLPの増加は止まるものの減ることはなく、60LP以上のペナルティは掛かり続ける(惑星の環境を喰いつぶして繁殖するイメージ)。
この特性のため内政重視の籠りプレイには不向きであり、絶えず戦争と拡張を繰り返していかなければならない。
もしプレイヤーの隣人が彼らだったら、どちらかが滅びるまでの全面戦争は避けられないだろう。
The Amoeba
平和を好み外交術に長けたアメーバー種族。
ゲーム開始時点で全てのmapが開示されている。
星系の食料 +3。+4👍 × (和平以上の外交関係にある勢力の数) 。- 交易路ボーナス +50%。協力条約を結ぶと、さらに +30% ×(協力条約の数)。
兵器モジュールを積まない艦船*3の造船コスト -40%。
武器の与ダメージ +平均 10% × (同盟関係にある勢力の数)。
ライバルとして出現した場合、平和主義者だからと甘く見ていると、軍事以外の形での勝利を攫われたりする侮れない種族。
The Hissho (必勝)
名誉を何よりも重んじる、鳥のような姿の攻撃的種族。
武器の命中率 +15%。武器ダメージ +平均36%。武器モジュール製造コスト -50%。
艦隊戦に勝利すると15ターンの間全艦船の与ダメージ +5%。
他勢力の星系制圧に成功すると15ターンの間全星系で FIDに +20%ボーナス。このボーナスは最大+80%まで累積する。
逆に、星系を奪われると20ターンの間、全ての艦船の惑星攻撃力と全ての星系の防御力が +50%。
星系の科学力-20%。
勝てば勝つほど勝ち癖がついていく軍事国家である。
The Sowers
Endlessが開発したテラフォーミング作業用機械種族。
重たいので、1ターンあたりの艦船の移動力 -1。
星系の食糧生産力 -50% だが、工業生産力の 40%分が食糧生産力にプラスされる。
母星のみMetallic Watersというアノマリーが必ず存在し、 +10👍 と人口 1 あたり 工業力 +1される。
惑星/星系改造建造のコストが -20%。
初期からどの種類の惑星にも入植可能だが、当該の惑星への入植技術が未研究の場合は FIDSに -25%のペナルティ。
星系の科学力 -20%。
「最初期からあらゆるタイプの惑星に入植できる」という大きな強みをぜひ活かしたい。
The Sheredyn
ユナイテッド・エンパイア初代皇帝の側近騎士団が力を持ちすぎて帝国の軍隊全体に匹敵するような規模になったとか。
人口 1あたり +1Dust。星系改善施設のbuyout価格 -33%。
艦船のHP +40%。艦隊戦で敵の撤退を妨害できる。
やや軍事寄りのオーソドックス種族。
The Automatons
滅亡した種族Reyansが遺した機械種族。
工業力が備蓄できる。しかも、備蓄している工業力の5%相当のDustの利息がつく。
星系のDust生産 -10%。星系に +20👍。
星系の交易路 +1。交易ボーナス +50%。協力条約を結ぶと、さらに +30% ×(協力条約の数)。
艦船の HP +20%。星系の防御力 +25%。
工業と通商に長け、平和主義と軍事制覇のどちらも狙える万能型。
  • DLC「Disharmony」を適用すると、以下の2種族が追加される。
The Harmony
全身が水晶のような珪素生命体。
Dustを不浄なものと考え、それを一切利用しない。
さらに👍は全星系で50に固定され、「税率」を設定するゲージが「Body&Mind」ゲージというものに置き換わり、FoodとScienceの算出割合を自由に変更できる。
非常に独自色の強い種族。
The Vaulter
惑星Aurigaにて遭難して独自の進歩を経た人類の子孫。元々はスピンアウト作『Endless Legend』にて登場。
科学力と資源の利用に長けており、物質瞬間輸送機を使いこなして大艦隊を一瞬で動かす。

星系

  • 星系には必ず1-8個の惑星がある。恒星には居住できないので、この惑星が植民の候補地となる。
    • どの星系も初めてその星系にやってきた勢力に対して何らかのボーナスを与える。
+ 星系画面
+ 惑星について
惑星の種類
  • クラス 1
    • TERRAN, OCEAN, JUNGLEの3種類。初期から入植可能。
  • クラス 2
    • TUNDRA, ARID(乾燥型)の2種類。専用の研究を研究後に入植可となる。
    • 人口 1ごとに -5👍。
  • クラス 3
    • ARCTIC(極寒), DESERTの2種類。専用の研究を研究後に入植可となる。
    • 人口 1ごとに -10👍。
  • クラス 4
    • BARREN(岩石), LAVA(溶岩)の2種類。専用の研究を研究後に入植可となる。
    • 人口 1ごとに -15👍。
  • 小惑星
    • 人口 1ごとに -20👍。
  • ガス惑星
    • メタンガス、水素ガス、ヘリウムガスの3種類ある。
    • 人口 1ごとに -20👍。
  • テラフォーミング
    • 当該の研究項目を研究することで、別の種類の惑星へのテラフォーミングが行える。なお、テラフォーミングは既に入植済みの惑星しか行えない。
      • 例えば、DESERTテラフォーミング技術を入手した場合、クラス 4の惑星をDESERTへ、クラス 3のARCTIC(極寒)をDESERTへ、クラス 2のTUNDRA, ARID(乾燥型)をDESERTへテラフォーミングすることが出来る。
      • クラス 4の惑星をクラス 1の惑星に直接テラフォーミングすることはできず、クラス 4 から クラス 3へ、クラス 3 から クラス 2へ、クラス 2 から クラス 1へという3段階のテラフォーミングが必要となる。
      • 小惑星は他の種類の惑星に変えることは出来ない。
      • ガス惑星はメタンガスから水素ガスへと、別の種類のガス惑星に変えることは出来るが、ガス惑星以外の種類には変更できない。
  • アノマリー
    • 惑星にはアノマリー(異常気象や特別な特徴)が存在する場合がある。
    • アノマリーには大別して3種類あり、プラス効果のみのもの、プラス効果とマイナス効果の両方があるもの、そしてマイナス効果しかないものがある。
      • プラス効果とマイナス効果の両方あるものは「Adaptive Colonies」を研究すると、星系の生産でマイナス効果を除去できるようになる。
      • マイナス効果しかないものは「Soil Revivification」を研究することで、星系の生産でアノマリーを無効化できるようになる。
  • 星系が各勢力の拠点の単位となっている。
    • 各種改善施設のうち、入植済みの各惑星に1つずつ「惑星改善施設」が建設可能で、ほかの改善設備は当該の星系全体に効果がある。
    • 同一星系内の入植済みの惑星間の住民の移動はペナルティもコストも無しに一瞬で行える。
    • 未入植の惑星への入植は星系の生産項目にて「惑星への入植」を生産(?)するか、他の星系で入植船を生産して入植するかのどちらかとなる。
      • 「惑星への入植」を生産(?)中は人口は増えない。なお、入植船を生産中も人口は増えない。
  • 星系の人口が人口 5に達すると、その星系は影響圏をまとう。
    • この 影響圏の内部だけが勢力の正当な領土 であり、影響圏内の未入植の星系も領土とみなされる。
      • 影響圏の内側は「人口が混み合っている」ので支持率👍にペナルティが発生する。
    • 影響圏外の入植済みの星系は開拓地とされ、 中立地帯とされる 。冷戦中は開拓地の侵略は宣戦布告なしで行える。もちろん交戦すれば相手の好感度は下がる。
    • 『Civilization』などでは好きな位置に「都市」を建造することができるが、(先行作品『Galactic Civilizations II』等と同様に)本作で都市に相当する「星系」はゲーム開始時点で位置が決まっている。新規に作ったり移動させたりは出来ない。

勝利条件

  • ゲーム開始時(map生成前)に勝利条件のon/offが可能。
    • 有効となっていた勝利条件をいずれかの勢力が満たすとゲーム終了となる。
      • シングルプレイの場合はゲームを終了せずに続行することも出来る。
+ 勝利条件
Expansion
銀河の75%以上に入植する。
Scientific
研究項目「Pan-Galactic Society」を研究し終わる。
Economic
Dust産出量の累計が既定値(mapの大きさなどによって異なる)を越える(保有量ではないことに注意)。
Diplomatic
Peace Pointの累計が既定値(mapの大きさなどによって異なる)を越える。
Peace Pointは他勢力と和平状態や同盟を続けることで積算される。
Supremacy
すべての勢力の母星を支配下におさめる。
Wonder
"Endless wonder"を5つの星系で建築し終わる。
Score
最終ターンまでそれ以外の勝利条件で決着がつかなかった場合、最終ターンの各勢力のスコアで勝敗を決める。

艦隊戦

  • 戦闘は必ず星系内で起こり、星系をつなぐFTLレーンなどでは起こらない。
    • 戦闘は1艦隊v.s.1艦隊の艦隊同士の戦いとなる。
      例えば、うっかり足を踏み入れた星系に海賊の艦隊が2部隊居た場合、おそらく即座に海賊のどちらかの部隊と戦闘になる。その戦闘で自艦隊が撤退戦術を取らずに全滅しなかった場合、おそらく海賊のもう一方の部隊との戦闘が始まることになる。
    • 艦隊は1ターン中に1回だけ戦闘を仕掛ける事が出来る。
      例えば、とある星系に海賊の艦隊が1部隊いたとして、先に他勢力の艦隊がその星系へ足を踏み入れた場合、即座にその艦隊と海賊の艦隊の戦闘となる。同一ターン中にその戦闘後に自艦隊が海賊の艦隊の居るその星系に移動したとしても、海賊の艦隊は既に戦闘済みのため自艦隊へは戦闘をふっかけてこない。海賊と戦うか、見なかったことにして通り過ぎるかはプレーヤー次第となる。
+ 戦闘は5つのフェーズに分かれている。

戦闘開始時に各フェーズで行う戦術のバトルカードを選んでおく必要がある。戦術のバトルカードは研究によって得られる。
途中のフェーズでどちらかが全滅すれば、Phase 5が始まる。

  • Phase 1 - Arrival
    • 艦隊間の距離が遠すぎてダメージを与えられない。
  • Phase 2 - Long Range
    • よっぽど命中率が高くない限り、ミサイルでしかダメージを与えられない。
  • Phase 3 - Medium Range
    • レーザー兵器の命中率が最も高く、他の兵器は少しだけダメージを与えることが出来る。
  • Phase 4 - Melee
    • 実弾兵器がもっともダメージを与えられる。ビーム兵器はそれなりに当たる。ミサイルは少しだけ当たる。
  • Phase 5 - Report
    • 戦闘終了となり、戦闘結果が表示される。

常に遠距離戦から始まるのなら、ミサイルを積めばいいじゃないかと思うであろうが、ミサイル兵器は1つ生産する毎に戦略資源のチタニウム70を1つ消費するため、ミサイルを積めるのは全艦船の中でほんの数艦程度となってしまう。

評価点

  • 洗練されたUI
    • アイコンを多用したUIは、そのアイコンのデザインがシンプルであるにもかかわらず分かり易さを兼ね備えており、それをクリックすることで何が出来るのかということが直感的に理解が可能である。
      • そもそもゲーム内で色々と考えることが多いストラテジーゲームにおいて、考えなければいけないことを減らしてくれるのはありがたい。
    • ストラテジーゲームのUIは本作の前後で大きく変わった。大げさではなく本当に歴史を変えた衝撃作であった。
      • 余談となるが、先行していた宇宙もの4Xゲーム『Master of Orion 3』の失敗の原因の1つがUIの使いにくさであった。『Master of Orion 3』はそのバグの多さよりも、UIの使いにくさを批判されたことから、宇宙もの4Xを制作するのであれば、UIの設計は一番気をかけるべき点ではあっただろう。
  • 神秘的で麗美なグラフィック
    • スクリーンショット画像を見ていただければ分かる通り「絢爛豪華」というわけではなく「上品にまとまっている」という感じだが、長時間プレイする4Xゲームには、このくらいのほうがふさわしいのかも知れない。
  • 賢い敵AI
    • それなりにストラテジーゲームの経験がある人でも、最初は初心者モードですら苦戦するであろう。AI側は本当にゲームを知り尽くしており、骨のある戦いができる。

賛否両論点

  • 自力で「定石」に到達しやすい
    • 4Xゲームは、何でもできる自由度を持つ反面、なにをしていいのか初~中級者にはわからなくなりがち。
      しかし本作では、次に何をすればいいのか、比較的わかりやすいと言える。
+ 序盤の定石・絶対ではない
  • 戦略資源を利用可能とする技術を取得。次いで、取得しやすい初期技術をすべて押さえる
  • 植民星を増やし、海賊と小競り合いを繰り返しつつ、特殊ワームホールを航行できる技術を習得(Civでいう船舶技術に相当)
  • このあたりで他勢力と接触する事になるので和平交渉ができる対話技術を取得
  • 各星系の👍(支持率)を底上げする技術を習得して帝国運営の破綻を未然に防ぐ
  • 中型艦・搭載武器・および「指揮能力」を開発・製造して戦争に備える
  • 初めての戦争。敵勢力を適度に痛めつけて停戦して、植民星を脅し取る
  • 大型艦を開発・製造して、本格的に銀河制覇に乗り出す(もちろん科学や商業での勝利を目指すもアリ)
  • これはやることが毎回おなじになりがちというデメリットでもある。 しかし、例えばCivilizationのような有名作でも、難易度を上げ過ぎれば、やることが毎回同じになるという点は一緒なのである。

問題点

  • 海賊が強すぎる
    • 一定ターンの間、どの勢力からも探知範囲内に入らなかった星系から海賊艦隊が湧く可能性がある。
      • 海賊艦隊が居る付近の星系を避け続けると、さらに海賊が湧いてもっと困ることになる。
    • 発生する海賊艦隊は、発生したターン数に応じて相応の強さとなっており、駆逐するにはそれなりの被害を覚悟する必要がある。
      • 海賊の艦船は序盤から武器モジュールの中で威力が高めなミサイル装備主体となっているのだが、ミサイル装備を搭載するには本来は戦略資源であるチタニウム70が必要であるにもかかわらず、その点を無視して搭載されているため、チート的強さであると言われても仕方がない。
      • 時代が進むと、星系包囲攻撃能力のある艦船も出てきて、星系を奪われることもある。
    • これを深刻な問題点としたのは、最序盤の海賊の動向によってその後の拡張の進展、ひいてはゲームの勝敗まで左右されてしまうためである。これでは運ゲーである。
    • そんな厄介者にも対処法はある。海賊は視界外の星系から湧くので、自分が入植していない近場の星系全てに偵察艦を駐留させればいいのである。しかしそれでもランダムイベントによる海賊発生は防げない。
    • 他の4Xゲームには「蛮族」の強さを調節したり出現を封じるオプションを備えた物もあるが、残念ながら本作にその機能はない。
    • 『Endless Space 2』では海賊が「本拠地星系」を持つようになり、AI勢力が海賊に侵略されて滅ぼされることもあるが、本作ではそんな事態は見たことがないので、そこまで強くないとも言える*4

総評

宇宙…それは人類最後のフロンティア。そんな宇宙を神秘に満ちた空間として描く麗美なCGは本作の最大の見所であり、たかがCGではあるが本作に説得力をもたせる最大の立役者となっている。
何が出来るのかが直感的に分かるアイコンを多用したUIはそれまで多くのストラテジーゲームをプレイしてきた人々をも唸らせた。やらなければならないことが多いゲームだからこそ、シンプルなUIはありがたい。
しかし、このゲームは見た目だけのゲームではない。それなりに癖のある各勢力が、まるで3すくみのようなゲームバランスを保っており、自国の強みを伸ばすだけでは勝てず、隣国との相性で戦略を変えねば生き残れない。しかも敵AIは高度にチューニングされており機械のように正確である。

美しさすら感じられる秀逸なUIと、本当に美しいグラフィックに誘われて、あなたも銀河の覇者をめざしてはいかがだろうか。
(後継作『Endless Space 2』よりは古いゲームであり、スペックがあまり高くないPCでも快適動作するという長所もある)

余談

  • 『Disharmony』という大型有料DLCが存在している。選べる種族が2つ増え、科学技術や戦闘システムなどに追加、変更が加えられる。
    • 現在では本作をもっとも手軽に入手できる手段はGames2Getherにて無料配布されているSteam配信版の『Endless Space Collection』もらうことだが、これには最初から『Disharmony』がついている。

後の展開

  • AMPLITUDE Studiosは2016年6月にSEGAに買収され、現在ではSega Westの1部門となっている。
  • 2014年9月19日にスピンアウトの『Endless Legend』が発売されている。
  • 2017年6月18日に後継作(≠続編)の『Endless Space 2』が発売されている。
  • 2019年にスピンアウトのADV『Love Thyself - A Horatio Story』(日本語なし)がSteamにて無料配布されている。
    • ホレイショの若者がアイデンティティに悩むストーリー。
    • Games2GetherにてDLC『Super Secret Ending』(非売品)が無料配布されている。
最終更新:2022年02月15日 01:00

*1 当初はIceberg Interactiveから発売されていたが、2016年にAMPLITUDE StudiosがSEGAに買収され傘下デベロッパーになったため、現在はSEGAがパブリッシャーとなっている。

*2 発売当初は 2,980円

*3 星系包囲攻撃装備は"支援装備"であって兵器モジュールではない!

*4 『2』のAIが本作のAIより頭が悪いからかもしれない。