怪獣バスターズ

【かいじゅうばすたーず】

ジャンル 怪獣討伐アクション
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 バンダイナムコゲームス
発売日 2009年12月3日
定価 4,980円(税別)
判定 良作
ポイント ウルトラ式モンハン
システム面で粗多し
ウルトラマンゲーム・リンク


概要

バンダイナムコゲームスより発売されたウルトラマンゲーム。
DS初のウルトラゲーであり、携帯機でのウルトラゲー発売は2006年の『ウルトラマン Fighting Evolution 0』以降三年ぶりである。

ウルトラゲーではあるが今作にウルトラマンは一切登場しない。
生身の人間が怪獣と戦い、それによって得た素材から武器や防具を作るという、言わば怪獣版『モンハン』と言った内容である。


特徴・評価点

  • 快適な操作性
    • 操作性はほぼ『モンハン』と同じだが、DSならではのアレンジが加えられている。
    • 十字ボタンで移動(Rボタンを押しながらだとダッシュ)、AボタンとXボタンで攻撃、Bボタンで回避、Yボタンでアイテム使用、Lボタンでカメラ移動。
      回復などに用いるアイテムの選択には下画面を使い、快適なプレイを実現。
    • 怪獣戦ではカメラのシステムが主に怪獣を視点とした自動操作モードに変更される。怪獣戦のカメラは下画面メニューより通常と同様の手動型に切り替える事も可能。
  • 装備について
    • 使用可能な武器種はソードブレードアームハンマーの近接タイプとバスターガンバズーカの射撃タイプ、キャリアボードの特殊タイプの計9種類。
      • いずれの武器もラボでクリエイト(生産)とカスタム(強化)が可能で、うちカスタムを行うと攻撃力の上昇の他、特殊効果の性能もパワーアップさせる事が出来る。
    • 防具は頭、体、脚、装飾品の4種類。
      • 防具も武器同様にクリエイトとカスタム可能だが、装飾品は例外で、主に基地内のイベントをこなすと入手する事が出来るがカスタムは不可能。
      • 防具は組み合わせによってはMT(後述)の効果を使用する事ができる「MTリンク」も発動される事が出来る。
      • また、通常防具の他にもパスワード等特殊条件を経て生産する事が出来る「スーツ」も存在。「スーツ」も通常防具同様に「MTリンク」を発動させる事が出来るが、装備の仕様上単品で発動が可能。
    • 武具と別途にスキルに相当するタイプのMT(メテオールアーツ)も登載。
      • MTでは単独で使用する物の他に、複数のMTをセットすると発動する「MTコンボ」まで様々。
        「MTコンボ」は発動から一定回数ミッションをクリアすると発動コンボに相当する新規MTがクリエイト可能になる。
  • 基地のメインで行う作業は「研究」
    • ラボにて研究員を雇い装備の開発や機能の拡張、怪獣の生態調査を行う事になり、通常の研究の他にもラボの最高責任者であるハカセから依頼の「ハカセの特別メニュー」も同時に行う事ができる。
    • 各種研究員はそれぞれ得意な研究テーマが存在していて、特定の研究を行う為には欠かせない。また、彼らには経験値の概念も存在している事から研究員の育成も本作の楽しみの一つとも言える。
    • 武器・防具の制作を行うクリエイト(生産)や装備のカスタム(強化)を行うには一度「研究」を通す必要があり、これまた独自性が強いと言える。
  • 怪獣と初めて遭遇した際には2画面を利用した大迫力の登場ムービーが挿入される。
    • 一度見たムービーはデータルーム(後述)で自由に見る事ができる。
  • 充実のデータベース
    • 戦った怪獣は宇宙船のデータルームにデータが保管され、ビューワーでモデリングを観察したり、鳴き声を聞いたり出来る。それ以外にも冷凍保存(捕獲)をすれば手に入る素材が全て見られる。
      • 画面内登場ムービーやサウンドも聞けるなど、データ集として充実している。
  • ウルトラマン流にアレンジされた要素。
    • フィールドをサーチして資源を回収、援軍の戦闘機を呼んで攻撃など、ウルトラシリーズである事を生かした要素を多数投入している。
    • 母艦で宇宙を巡る設定の通り、ミッションの主な舞台となるフィールドも惑星になっていて、それぞれ「草原」「マグマ」「砂漠」とSF色が強めの設定になっている他、ウルトラシリーズお馴染みの「怪獣墓場」まで行けてしまう。
    • 怪獣に『モンハン』でよく見られたいわゆる亜種が登場する他、亜種以外にもAC『大怪獣バトル』シリーズで登場したEXゴモラといった強化種も登場する。
  • 快適なゲームテンポ
    • 本作ではハードの関係でロード時間が皆無な事に加えて、1ミッションの所要時間も基本的に約3~5分と短く、ミッションクリア後は即座にリザルト画面に移行する事から、ゲームのテンポが非常に速くスピーディーに感じるだろう。
  • 豊富なやり込み要素
    • 本作では研究や装備作成・強化の他に怪獣データベース埋め、MAの作成及びMAコンボの発見、合成リスト埋めやピグモンの育成と、やり込み要素も他のハンティングゲームと遜色ない量が用意されている。
  • 散りばめられた小ネタの数々
    • ウルトラシリーズにまつわる小ネタが非常に多く、それを知っているファンにはとてもグッと来る物や、笑える物など様々なネタが詰まっている。
      • 例として小型怪獣は過去に登場した怪獣がモチーフ。キングトータスやガランなどとてもマニアックなものがいる。
      • 一部を除いた歴代防衛チームのコスチューム、武装が使え、そのチームの気分を味わえる。この点はファンからも好評で、このために本作を買ったファンも多い。
      • 後に様々な宇宙人が宇宙船に来て、自由に生活する様になる。これはファンとしてはかなり笑える物が多く、シュトロハイムなペダン星人、空き部屋を勝手に畳部屋にするメトロン(モチロンちゃぶ台完備)、バーを開き、ノリノリでバーを経営するペガッサ星人、ツンデレなガッツ星人、いつも通りのザムシャー、ソファでくつろぐダダ等。シリーズファンは必見。

賛否両論点

  • ゲーム難易度について。
    • 本作の難易度は若干ヌルめ。歯ごたえを求めているユーザーには物足りない点もある。
    • にもかかわらず、2番目に訪れる惑星の「イメル」は危険度レベルが一気に3に跳ね上がる通り重力の地形効果により移動速度が低下する上にARゲージも減らされやすく、その次の惑星の「アペヌイ」ではモンハンにおける火山ポジションの強敵中心のエリアで同エリアで最初に戦う怪獣の赤ゲスラも強敵の難所になっている事から序盤戦から出鼻を挫かれやすいのだが、その次に訪れる4番目に訪れる「モシリス」は危険度が2に減少する他、登場ボスも安置で完封可能と前2ステージと落差が激しすぎる。
  • 独特の装備作成システム。
    • 装備生産には一度特定の研究テーマを通してレシピを完成させる必要があり、その為発売当初は素材を直接生産・強化する物と勘違いするプレイヤーも少なくは無かった。
      • うち、怪獣タイプの装備は研究に怪獣データポイントを使用する関係で何度も討伐しなければならず、他のハンティングゲームとは異なり「初めてモンスターを狩猟した際にいきなり強力な武器を作成した」という行為が起こり辛くなっているのが玉にキズ。
    • 回復アイテム等を購入するカネゴン商会の商品も「かがく」の研究テーマをクリアしないと入荷しない仕組みになっている為、とにかく本作は研究が重要視されているとも言える。

問題点

  • ダッシュ移動について。
    • ゲーム性から頻繁に使うことになるダッシュ移動。しかし、DSにはいわゆるアナログスティックの類が搭載されていないため、Rボタンを押しっ放しにすることが非常に多くなる。
  • 自動カメラに難あり。
    • 怪獣戦ではカメラが自動操作に切り替わる仕様になるが、このカメラには難がちらほら見受けられる。
      • 自動操作だと、初期のモンハンよろしく相手にフィールド端へ追い込まれた際のアングルがアレな事になるどころか、逆に相手をフィールド端に追い詰めた状態だとカメラの影響で逆にこちら側がピンチになってしまう事も少なくは無い。
        とはいえ、怪獣戦では雑魚キャラクターが一切登場しないので不意打ちを食らう心配が無い他、任意で手動操作に切り替えられるのが救いか。
      • また、自動カメラ時に隣接エリアに移動した場合も、カメラが自動から手動に戻る関係で十字キーの上下操作が逆になってしまう事から混乱が発生しやすく、それに気付かず復帰と離脱を繰り返してしまったプレイヤーも多いだろう。
  • 一時停止について。
    • ミッション中にスタートボタンを押すと下画面操作に移行するだけで一時停止出来ず、ミッション中の休憩を行うにはDS本体を閉じる必要がある。
      • また、下画面をタッチペンで操作しながら十字キーで移動するという事は、多くのDS作品の記事で述べられている通り操作性が複雑になりがちで、結局下画面メニューもボタンで操作した方が最適とも言える。
  • 演出面
    • 登場怪獣の亜種が多く種類が少ない。
    • 怪獣戦のBGMもラスボスを除いて1種類のみで少ない。せめて宿敵のバルタン星人やゼットンには固有BGMを用意して欲しかった。
    • また、登場怪獣の鳴き声は網羅されている反面、人間側のキャラクターには一切ボイスが存在しない為、不公平と感じるプレイヤーも少なくは無い。
  • トランシーバー操作が煩わしい
    • オペレーターとの通信、怪獣の位置のマーキング、サポートメカの使用、フィールドサーチを行うには下画面のコールアイコンを経由しなければならず、少し面倒。
      • 一応、ミッション中に特定のエリアに進入するとオート通信が行われる他、転送ユニットは通常アイテムとして扱われているのは幸いか。
  • フィールドサーチに難あり。
    • 序盤戦のフィールドサーチが作業的過ぎる。というのも、最初のうちは一度に回収できる素材の量が1と少ないことに加えて、素材を回収する毎に上述のコール→サーチの手順を踏む必要がある事からゲームテンポが阻害されやすい。
      • 中盤以降はトランシーバーのグレードアップでサーチ量を増やす事が出来るのでテンポはさておき大分作業感が減少する事になる。
    • また、素材回収時には数秒の間硬直が発生する上に敵の攻撃を受けてしまうと回収作業が中断されてしまい、結果素材を入手出来なくなってしまう。
      • その為か、フィールドサーチの為に一々エリア内の敵を全滅させる必要があり地味に面倒臭い。
      • 一応、「ダッシュパッド」のMAをセットしていればサーチ時間が短縮される模様だが、サーチ中断の仕様からあまり恩恵を受けられない。
  • 武器に上位・下位互換が発生しやすい。
    • 本作の武器は基本的に攻撃力及び属性・追加効果が差別点になっており、この為より威力の高い武器を入手してしまうと見た目重視のプレー以外ではドレッサーの隅に埋もれてしまうのが残念。
    • ただし、防具に関してはMTリンク発動の関係で武器よりも上位・下位互換が発動しにくくなっていて、独自性が保たれていると言える。
  • イベントフラグがわかりづらい。
    • 本作ではベース内のクルーとの会話や特定フロアへの移動でイベントが進行するが、明確なフラグが無い為か発生中のイベントを見落としやすい。期間限定の物が無いのはせめてもの救いか。
    • また、ミッションにはストーリー進行のキーとなる物も存在するが、一覧にそれを示す物が無く、基本的にヤガミ長官との会話やリスト内の「NEW」マークがストーリー進行のヒントになっている。
  • 冷凍保存の大きすぎる穴
    • 冷凍保存による捕獲は報酬額が上昇したり怪獣データベースに入手素材が掲載される反面、クリアボーナス素材を一切獲得できなくなってしまうという極めて重大な欠点も存在しているので、同方法で怪獣を倒すのはせいぜい1回のみになりがちで、本作の冷凍保存はほぼ怪獣データベースを埋めるだけの存在になってしまっている。
    • また、初対面だったり1ランク上の怪獣は撃破後に新たな装備を作成する為の素材を落とすのだが、初回で冷凍保存を行ってしまうと素材獲得数が激減してしまうので、冷凍保存は2回目以降に行うのがベストとも言える。
  • 研究仕様に難あり
    • 研究の内容のうち、「せいぶつ」カテゴリでは怪獣一種類につき全てのタイプを一つの研究で纏めて行う物になっている為、どの種類が終了済みかどうか分かりづらく視認性に欠ける。
      • また、同研究で要求される怪獣データポイントの内訳もゲーム内で表示されない事から、攻略本や外部サイトを利用しない限りは研究失敗時に表示されるハカセのヒントを頼りに手探りで研究を行わなければならず、本作には特殊勝利ボーナスといった取得データポイントの追加・変動も無い為、特に序盤戦はポイント稼ぎが苦痛になり易い。ロードが無く快適に進むのが幸いか。
      • 特定の怪獣のデータポイントを溜めると出現する隠し研究員も存在するが、要求ポイントの量が高すぎる上に対象怪獣の種類も多めで対象怪獣のうち数体は後半戦で出現する。非常に複雑な条件の為か最後に加入するクルーになる所かタイミングがタイミングな故に他の研究員とレベルの差も開いてしまって計画無しではイマイチ使いづらい。
    • ラボで研究を行ったメンバーは一度ミッションをクリアするまで再度研究を行う事ができず、メンバーの少ない前半戦では他の研究が行えなくなる事がザラ。
    • アイテム合成の際にも研究員を使用する必要があるのだが、研究に参加済みのメンバーは合成に参加できず、結果、メンバー全員が研究に参加済みの場合は一切合成を実行できなくなってしまう。
      • メンバー全員を合成に使用するのなら研究を行う前に合成を実行する必要がある。
  • MA関連
    • MAコンボは特徴・評価点の項にある通り、発動中に一定回数のミッションを受注すると発動コンボに相当する新規MAのレシピが解放されるのだが、レシピ解放の際のアナウンスが一切行われない。
      • その為か、MAレシピをコンプリートしたいのならミッションの度に解放確認の為にラボに向かわなければならず、更にMAクリエイト時には装備中の物を使用する事が出来ず、新規MA作成の為にマイルームに戻って装備中のMAを外す必要があり面倒な手順も踏まなければならない。
    • 地形効果系MAには惑星コンルで起こるスリップを半減or無効に出来る物が何故か存在しておらず、同惑星で戦う際には常にスリップに気を遣わなければならない。寒さや風圧、地震は無効に出来るのに。
  • 通信関連。
    • マルチプレイのみで取得できる素材とそれを使用しないと作れない装備があり、シングルプレイだけプレイしていると装備をコンプリートすることが出来ない。
      • 特にストーリー上必ず戦う事になる「ゲスラ(赤)」については上位種とはマルチプレイを経由しないと戦う事ができず、装備がクリエイト出来ず面食らったシングル専門プレイヤーも多発してしまった。
    • また、称号の中にもマルチプレイでしか取得できない物もいくつか存在していて、同じくシングルプレイだけだと称号をコンプリートする事が出来ない。
  • ハメ技の存在
    • 登場怪獣のうち「恐竜戦車」には完全なる死角が存在していて、安全地帯を利用するとハメ技で完封できてしまう。
    • また、プレイヤーが高台の上に居る状態かつ崖から一定距離離れていると、飛び道具以外の怪獣の攻撃を完全に無効化出来てしまい、この状態で遠距離武器で攻撃するとハメが成立してしまう。
      • 特に顕著なのはネロンガで、長身な事に加えて飛び道具に相当する攻撃の電撃攻撃の予備動作が大きく回避が容易な為、バズーカ使いの多くにカモられていたとか。
      • このハメ対策の為か、次作では多くの怪獣が戦闘中に別エリアへ逃げる仕様に変更されたのだが……。
  • ストーリー面
    • ラスボス及び中ボスに当たるキャラクターが本作オリジナルで、しかも唐突に登場するのでプレイヤーからの評判が良くない。
      • 一応前半戦辺りから彼らに関する伏線が張られているのだが、これがラスボスへの伏線と気付いたプレイヤーは少ないだろう。
  • その他。
    • 一部登場しない防衛チームのコスと武器がある。
      • 一応登場怪獣モチーフの武器が出ている物はいるが。
    • 素材アイテムの一つの「モノノフのあかし」は特定称号を獲得する度にザムシャーから入手する事になるが、対象の称号は武器種を一定回数使用する事が条件になっている事から、武器使用をやらされているという意見も。

総評

初報時は露骨に『モンハン』を意識したと思わしき内容から殆どのファンからの期待を得ることが出来ず、ウルコロやファイエボの続編のお布施にはなるか、といった程度の評価でしかなかったが、体験版が配布されてから状況は一変。
ただ『モンハン』を真似ただけでない作り込みの深さがユーザーの予想を上回り、初期の「駄作」「クソゲー確定」などの評価をも覆した。
製品版が発売されると、購入したユーザーも満足の出来から、恐らく出荷数をかなり絞ったであろう本作が口コミにより良ゲーと広まり、その影響か数多くの地域で売り切れが続出。Amazonですら特典付属版は発売から1ヶ月経たずに在庫切れ、さらに通常版ですら配送にかなりの時間がかかるほどの人気になった。

ただ、初回作故に洗練されていなかった面もちらほら見受けられ、続編での改善が待ち望まれていたのも事実である。


余談

  • 本作では同年に発売された特撮原作ゲーム『仮面ライダー クライマックスヒーローズ』にてプロデューサーを務めていたサタケイドこと佐竹伸也氏が制作に関わっているが、良好な評価を得ている本作とは裏腹に微妙な出来になってしまっている。
  • 本作のTVCMはCGで描かれた警備隊による物と、日本テレビの『世界の果てまでイッテQ』での珍獣ハンターとして一世を風靡していたお笑い芸人のイモトアヤコが出演する物の2種類が制作されていた。

続編

  • 後に続編として『怪獣バスターズ パワード』が発売された。
    • 本作をベースに新規の怪獣やステージの追加及びシステム面の改善がなされた、いわゆるマイナーチェンジ版に相当する作品。
    • 相変わらず平成怪獣は少ないが、一応人気所は押さえてある。