はっちゃけあやよさん
【はっちゃけあやよさん】
ジャンル
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アドベンチャー (公式ジャンル:大人の電脳紙芝居)
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対応機種
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PC-8801 PC-9801 MSX X68000
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発売・開発元
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HARD
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発売日
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【PC88】1989年2月28日 【PC98】1989年3月16日 【MSX】1989年4月11日 【X68】1990年4月26日
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定価
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3,800円
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レーティング
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アダルトゲーム
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判定
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クソゲー
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バカゲー
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ポイント
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10分で終わる極薄ボリューム ドット絵やキャラは好評で伝説化
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概要
HARD社のアダルトゲーム。ロープライスの3,800円で発売された。
特徴
2択の選択肢一ヶ所のみのノベルゲーム。立ち絵はなく一枚絵のみ。
BGMは通常時とエロシーンの2曲。
X68000版は色数が16色/65536色表示に変更されており、ボイスも追加されている。とはいえ、当時の技術なので、エロシーンのみで喘ぎ声のようなものが流れるといったレベルだが。
ストーリー
女子校に通う少女「沢島綾代」は学校が終わるとおもちゃ屋でアルバイトをしている。
おもちゃ屋の前の掃除をしていると、小学生の子供にいたずらでスカートをめくられる。
そして閉店間際に謎の男が現れる。男の要求したものは……
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水鉄砲編
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水鉄砲を受け取った男はあやよさんに水を発射。あやよさんが目をつぶった瞬間に男はあやよさんに襲い掛かるが、店長が戻ってきてあやよさんを救出。しかしあやよさんは店長に襲われるのでした。
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手錠編
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手錠が壊れていないのを証明するためにあやよさんは自分の右手に手錠をかける。男はあやよさんの左手にも手錠をかけて襲いかかるが、店長が戻ってきてあやよさんを救出。しかしあやよさんは店長に襲われるのでした。
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問題点
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あまりにも薄いボリューム
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10分で全てのCGとテキストを閲覧できてしまうレベルでテキストが少ない。
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上述した隠すほどでもないストーリーがこの作品の全てである。
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エロシーンもテキストが少なくあっという間に終わってしまう。
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念のため補足するが、読み飛ばしやスキップではなく、じっくり読んでもこの程度のボリュームである。
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分岐も劇的な変化はないため、選択肢による展開の違いを楽しむのも難しい。
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参考までに2分もかからない公式プレイ動画がアップロードされているが、ほぼ選択肢までのテキスト量である。
3,800円という安価や時代を考慮してもさすがに薄すぎる。本作で真っ先に挙げられる問題点である。
しかし当時はアダルトゲームがまだ多くは発売されていない時代で、『美しき獲物たち』シリーズ(1988年、グレイト)のように数枚のCGが観賞できる程度の、所謂紙芝居的なソフトは他にもあった。
評価点
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ドット絵は高く評価されている。
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あやよさんは十分魅力的に描かれており、手や足がそれなりに自然にアニメーションする。口パクも搭載している。
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背景のテレビで謎の緑の生物が動いていたり、スタッフロールでは手を振るアニメーションといった遊び心もある。
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選択肢一ヶ所を好意的に見れば、さっくりCGを楽しめるとも言える。
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当時存在した、高難易度を乗り越えた報酬としてCGを閲覧できたADVやRPGとは対極に位置すると言える。
バカゲーポイント
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一応凌辱展開だが、エロシーンで時給交渉に挑むあやよさんのたくましさや、ピロピロ鳴るBGMはちっとも悲愴感を感じさせない。
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エロシーンの男の手はループアニメであり、あやよさんの後ろから生えては消えるような動きを見せる。
珍妙なタイトルや流れるようなエロシーン等から、馬鹿馬鹿しさを感じやすい。
総評
10分で終わるボリュームは当時としてもさすがに薄すぎた。
とはいえ、批判点はボリュームに集中しており、面白いタイトルや馬鹿馬鹿しいシーンからカルト的人気を得ている。あやよさんのはっちゃけたキャラやストーリーを根強く愛するファンも生んだ一作である。
続編
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1994年の『はっちゃけあやよさん5 ピカピカの小惑星』まで、5つのナンバリングタイトルが発売された。
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『3』はシリーズ最高峰の3万本を売り上げている。(2020年9月29日 HARD社公式Twitterより)
移植
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はっちゃけあやよさん1-2-3 For Windows
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1999年に発売。タイトル通り『1』~『3』のWindows移植版。
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はっちゃけあやよさん1-5 Renovation
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2018年に秋葉原BEEPから「はっちゃけ”HARDな”あやよさん本」の通常版が発売され、おまけに『1』~『5』収録のCD-ROMが収録された。価格は4,800円。
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500本以上売れないと赤字だが、「あやよさんがそんなに売れるはずがない」と確信して企画したとの事。(参考リンク)
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復刻の報酬はチーかまひと箱だったそうな。(参考リンク)
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一時期は中古相場が高騰していたため、下記のダウンロード版が販売されることとなった。参考リンク
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ダウンロード版
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2020年にDLsite、FANZAの同人売り場で100円で販売された。
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PC98・X68・MSXの3機種分とおまけ要素がある。現在では最も入手しやすい。
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なお、こちらの開発費は0円である。
余談
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発売当時1万本を売り上げた。(DL版配信サイトより)
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1990年に大陸書房より刊行された『美少女ソフト大研究』で『はっちゃけあやよさん3』が紹介された際は「人気の高い電脳芝居"あやよさん"の3作目」と記載されており、実際にそのゲーム性込みで一定の人気を得ていたことが窺える。
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1999年10月29日の『はっちゃけあやよさん1-2-3 For Windows』を最後にHARDの作品は途絶えていたが、2017年に突如復活して公式サイトとTwitterが設立された。
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その後上記のように復刻版が発売された。
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80年代から活動していたアダルトゲームブランドで現存している貴重な存在となっている。
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DL版移植の裏話を掲載した『復刻版はっちゃけあやよさんの作り方~8ビット編VOL.1』(ProjectRepadars)が同人誌として販売されている。
最終更新:2025年02月03日 14:01