NARUTO -ナルト- 疾風伝 ナルティメットインパクト

【なるとしっぷうでん なるてぃめっといんぱくと】

ジャンル 忍道アクション
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 サイバーコネクトツー
発売日 2011年10月20日
定価 5,230円(5%税込)
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:B(12才以上対象)
廉価版 2013年2月21日/2,800円(5%税込)
判定 良作
ポイント シリーズ初の全方位バトルアクション
携帯機ながら非常に凝った演出
プレイアブルキャラの偏りが目立つ
NARUTO -ナルト-シリーズリンク


概要

  • ナルティメットシリーズ10作品記念として発表された作品。
    開発は勿論、ナルティメットシリーズを手掛けるサイバーコネクトツーが担当。
  • シナリオは風影奪還編から五影と暁編の序盤まで。原作では描かれなかった暁視点のシナリオやオリジナルシナリオも収録されている。

システム

  • 操作は〇で攻撃、△でチャクラロード、□で忍具、×でジャンプ、Lでターゲットロック、Rで防御*1。ロックオンは長押し式と切り替え式を選択可能、ロックオン中十字キー上下でロックオン対象変更が基本操作となる。
  • 操作キャラには「カード」を4枚までセットすることが出来、ステータス強化や覚醒状態・奥義の変化等を行うことが出来る他、特定の組み合わせでセットすれば「マンセル効果」という追加ボーナスが発動する*2
    • ただし、レア度が「二」以上のカードには「熟練度」という項目があり、装備できるキャラに制限が掛けられている。この熟練度はセットしたキャラで戦闘するか、ゲーム中で入手できるNP(ナルティメットポイント)を消費して最大にすることで全てのキャラで装備可能になる。
  • 一部のボス戦では特定のキャラを使用している場合、体力を半分まで減らすと「フィニッシュブロー」が発生する。画面に現れたボタンを制限時間以内に入力するイベント形式のフィニッシュ演出であり、全て入力に成功するとそのフィニッシュブローがギャラリーで閲覧可能になる。
  • 本作のモードは三つ。ナルトとサスケの物語を追体験する「アルティメットロード」、過酷な任務に挑戦できる「エクストラミッション」、COM又は友人との二人でのクリアを目指す「タッグミッション」がある。
    • アルティメットロードはワールドエリアマップのマスをクリアして進んでいく。マスはイベントやショップ、任務と言った種類があり、クリアすることで次のマスに進めるようになる。
      • クリア済みのマスにはチェックが入り、ワールドマップの達成率が上がっていく。
        また、任務マスをクリアした際にはそのステージにお尋ね者が出現する場合があり、倒すことで「カードのかけら」を入手することが出来る*3
      • 道中には鷹や岩などが置かれていることがあり、それらは対応した「マップカード」を入手・使用することで新たなマスが出現するようになっている。
      • ステージをクリアすることで上述のカードや、全て揃えるとカードが入手できる「カードのかけら」、そしてショップやカードの熟練度上げに使用するNPを獲得できる。獲得NPは難易度と戦績によって変動する。
      • また、ショップではNPを消費する事でBGMやカード、及びかけらパックの購入が可能。
    • エクストラミッションではボスラッシュや特定の連討数を目指すといった変則的なミッションのタイムアタックをこなしていく。
    • タッグミッションでは友人やCOMと共闘できるが、選択したキャラ同士の共闘ボーナスレベルが高い程、近くで戦っている際に発生する「共闘ボーナス」というバフ効果が強力になるという特殊な仕様が追加される。共闘ボーナスレベルはキャラ選択画面で確認可能な他、DLCステージも軒並みここから選択する。

評価点

  • 大勢の敵を相手に戦う爽快感
    • 今までの携帯機向けのナルトゲームは2Dベルトスクロールや2D対戦といった傾向が強かったが、本作はそのイメージを覆し、大勢の敵を忍術でなぎ倒していく爽快感を味わえるようになった。
      • ゲーム性が全体的に無双シリーズに近くなったこともあり、「無双系なら」という理由で本作を購入したユーザーも少なくない。
  • 演出関係
    • PSPの前作の出来映えから本作を不安視する声もあったが、本作のムービー演出はPSP中期のゲームとは思えぬほど。アニメのキャライラストを要所要所で挟みながらも迫力ある画面を演出しており、決して手抜き感を感じさせない。細かいところでは、キャラクターセレクト時にそのステージに対応したキャラを選択すると専用のボイスが再生されるという仕様。
    • またムービーのみに限らず、会話イベントと戦闘中の台詞も全てフルボイスとなっている。
    • その他、本作のBGMも良曲揃いで評価が高い。
  • オリジナルシナリオも好評。特にキラーエーに見つかったキラービーの焦燥感たっぷりのラップは、多くのプレイヤーの笑いを誘った。

賛否両論点

  • 良くも悪くも無双シリーズに近くなったゲーム性
    • 無双ほど操作が単純ではないため飽きにくいという特徴はあるが、結局はボタン連打と移動を繰り返すゲーム性であるため、多少人を選ぶ事は否めない。

問題点/難点

  • プレイアブルキャラの選出
    • 操作可能キャラは総勢25人だが、内5人はナルトとサスケが枠を占めている*4
      また、発売前のPVでは五影が全員参戦するかのような宣伝を行っていたのだが、実際に使えるのはダンゾウ、我愛羅、キラーエーの三人のみ。ゲーム容量や原作の出番の少なさという点を考慮すると仕方ないことではあるが、水影と土影が敵限定のNPCであった点はファンを落胆させた。
  • キャラ毎の仕様や強弱の格差
    • その両方で代表的なのが、上述したナルトとサスケ。ナルトは通常状態と仙人モードで経験値もモーションも別なのに対し、サスケは蛇、黒装束、鷹の全てにおいて通常攻撃のモーションを流用し、経験値ゲージを共有している。
      その上、サスケは奥義のきっかけ攻撃の判定の発生が一瞬かつ全方位なのに対し、ナルトは発生するまでにタイムラグがある上に当てにくい。別にこの2キャラだけに限った話ではないが、「きっかけ攻撃の判定発生前に攻撃を食らうと奥義の発動に失敗する」という仕様の影響を受けやすい点もあり、この格差は目に付くこととなった。
      • 前々から「CC2はサスケが大好き」という噂がファンの間で囁かれてはいたが、本作ではそれが露呈する形となった。
        また、ナルトは仙人モードが強すぎるため、後々通常状態を使わなければならなくなった際のレベルの低さや使いづらさがプレイヤーの印象に残る。
    • また、一部のステージでは強制的に尖った性能のキャラを使わなければならなくなる場合もある。本作は「ストーリーで最初に使った後に他のモードで使用可能になる」という仕様の為、事前にモーションを知っておくといったことはできない。特にダンゾウや仙人モード自来也は独特な使用感という事もあり、使いづらいという印象を抱きやすい。
  • 戦闘中時折キャラの台詞が再生されるのだが、ボイスパターンが少ないため、すぐに聞き飽きてしまう。
  • フィニッシュブローを初見でクリアするのは困難。一切攻略情報無しで遊ぶ場合は内容を記憶し、もう一度ステージを最後までプレイする必要がある。
  • 残念ながらバグもわずかに存在する。特に「サスケ(蛇)の覚醒モード中の千鳥は、敵の体力が必ず1残る」というバグは該当する攻撃の範囲がなまじ良いだけに、「これさえ無ければ」と残念がられる事となった。
  • 幾つか性能に全く関与しないカードがある。
    特に指摘されるのは追加DLCの「ロック・リーのボイスを芸人・ヒカリゴケ片山に変更できる」という効果のカード。
    ユーザーからは「最近のモノマネブームに乗っかってるだけ」「誰得だよ」「装備枠の無駄」という指摘が少なからず上がった。

総評

  • ナルティメットシリーズ初の全方位バトルアクションとして高い完成度を誇る逸品。
    キャラクター同士の強弱差やプレイアブルキャラの選出に一部不満は募るものの、ゲームの容量やマシン性能を考慮すると、当時としては革命的な一作であったことは間違いない。

余談

  • かつて本作の体験版が配信されていたのだが、その内容は 終盤の第8章で仙人モードのナルトを使うステージを遊べる というものであった。
    仙人モードの圧倒的な強さで敵を次々となぎ倒せるため、購買意欲を掻き立てる物であったことは間違いない。
  • Vジャンプの長寿連載作品『犬マユゲでいこう』でも本作が取り上げられた事があった。
    • 尚、作者である石塚氏は 本作第3章の角都戦で詰むほどアクションゲームが苦手。 しかし、何故か ガイ先生を使う時だけ滅茶苦茶上手くなる らしい。 どういうことだってばよ。
  • 本作はPSPからUMDを登録することでDL版がお得に購入できるサービス『UMDパスポート』の対象作品であったため、後継機であるPSVita発売直後には本作を数百円で購入することが可能であった。
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最終更新:2023年11月14日 22:30

*1 これらの操作はコンフィングで入れ替え可能

*2 例えば、一楽の親子のテウチとアヤメをセットすると「回復アイテム"ラーメン"取得時にチャクラが全快する」という効果が発動する。

*3 かけらは任務達成やショップのかけらパックでも入手できるが、当然ながらお尋ね者を撃破しないと入手できないものがある。

*4 ナルト(通常)、ナルト(仙人モード)、サスケ(蛇)、サスケ(黒装束)、サスケ(鷹)という内分け。