機動警察パトレイバー
【きどうけいさつぱとれいばー】
ジャンル
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シミュレーション
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対応機種
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スーパーファミコン
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開発元
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ベック
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発売日
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1994年4月22日
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定価
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9,800円
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プレイ人数
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1人
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セーブファイル
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3箇所
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判定
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なし
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ポイント
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原作要素・演出は良好 ゲーム性に原作要素がない
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少年サンデーシリーズ
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パトレイバーシリーズ FCD / 狙われた街1990 / グリフォン篇 / SFC / OPERATION TOKYO BAY ゲームエディション / ミニパト
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概要
多足歩行式大型マニピュレーター「レイバー(LABOR)」が普及している近未来。
しかしレイバーを用いた犯罪も増えた為、警察は対レイバー犯罪専門の部署として特車二課を結成した。
レイバー犯罪を取り締まるレイバー、通称「パトレイバー(PATLABOR)」の誕生である。
人気作品『パトレイバー』がFC、GBに続きSFCでもゲーム化された。
本作では2001年の7~8月の東京を舞台にレイバー事件を解決していく。
シミュレーションゲームと言うとじっくり長期戦のイメージが強いが、本作は1~2機しか出撃しないためスピーディーに進行するようになっている。
特徴
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ゲームは2001年7月1日から開始。
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おなじみ特車二課第二小隊で、パトレイバー「イングラム」の1号機と2号機を操作する。
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ちなみに本作の設定は漫画版に準じている(アニメ版とは登場人物等に違いがある)。
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操作はできないが、ゲームオリジナルのレイバーも登場する。
現場
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機体選択
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1号機、2号機から選択する事になる。最初から最後までこの2機体だけ。
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シナリオによっては出払っていたりするので出撃出来ないこともある。そして最終シナリオでは両方とも出撃する事になるため片方だけを強くしても上手くは行かない。
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現場状況
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勝利条件は敵レイバーを制圧するのが殆ど。レイバー犯罪というと凶悪なイメージがあるのだが、酔っぱらってヤケ起こしたり、自己顕示欲のために挑んできたりしょうもない理由で仕掛けて来る連中も多い。
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時には道案内や逃げ出した豚を捕まえるというものもある。こういう特殊なクリア条件は、登場人物から説明が入るようになっている。
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操作は簡単
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使うのは、十字キーとABボタンとSTARTのみで、ゲーム性のあたりはファミコンレベルと大差ない。
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BATTERY
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レイバーの燃料であり歩いているだけでも結構な速さで減っていく。無くなったら即ゲームオーバーである。
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残り少なくなると「EMPTY」で警告するので、トラックで補給した方が良いだろう。
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M・V・S
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12個のメモリが徐々に増えていき満タンになると行動に移れるようになる。
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相手レイバーと対峙
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MVSが貯まったら、相手に近付いてカーソルを指定すると行動に移れる。
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力技:パンチ、キック、タックルなど格闘技を繰り出す。
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器用技:警棒やRガンやワイヤーなどの機材を使用。Rガンは遠距離対応であるが弾数に制限あり。
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連続技:今まで習得した力技と器用技を連続で繰り出す。並べ替えは出来ない。1つ回避されたとこで打ち止めとなる。
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通信:「投降」で説得を呼びかけて事件解決にあたる。殆どは説得に応じてくれないので実力行使になる。倒してあげると投降して事件解決である。
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相手の攻撃は「よける」「ガード」「返し技」で対処する。
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行動により味方機のパラメータが強化される。
本部
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事件を解決したら本部に戻って来る。
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待機室:次の事件まで時間を進める。サウンドテストも行える。
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格納庫:レイバーの模擬戦が行える。ここで色々と鍛える事が可能で、シナリオで行き詰ったら鍛錬すれば良い。
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電算室:セーブを行う事が出来る。最大3箇所。
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ゲームオーバーについて
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HPや燃料が尽きるとゲームオーバーであるが、「CONTINUE」は無制限であるし、詰んだとしても「SAVE END」で本部に戻って来られるようになっている。
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「SAVE END」についてはステータスの向上は保存されるようになっているので、それまでのプレイが無駄にはならない。
評価点
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グラフィック
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色々な状況では多くの一枚絵とともに状況が説明されている。
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出撃する際は一枚絵が多数登場しており、現場でも自機や敵機の行動に応じてあらゆるアニメーションが用意される。
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現場ではレイバーの行動に応じてアニメーションが豊富に用意されている。
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また、MODE7も使われており、半透明や拡縮補間が併用される事で臨場感が更に向上している。
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フィールドも高品質で色々な場面が用意されており、雨や暗闇のエフェクトも併用されている。
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フォント
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文章も高品質で、漢字が豊富に用意されている。しかも、登場人物の顔グラも用意されているので更に表現力が向上。
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また、メニュー画面の項目も漢字で記されている。
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ステージ数が多い
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本作は20話くらい用意されており、最初は簡単なシナリオから入っていけるようになっている。
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台詞も豊富であり、ゲームオーバーも専用の文章が用意されていたり、現場でも保護するはずの豚に重火器を向けると怒られたり色々な要素が盛り込まれている。
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最終ステージは勝敗によってエンディングが分かれる。
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セーブファイルの仕様
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最後にセーブした箇所は色付きで分かり易くなっている。
賛否両論点
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ゲーム性の方針
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ゲーム性にパトレイバーの要素はなく、攻撃や回避についても運ゲーでありプレーヤーのスキルは問われない。特に、シミュレーションと聞いてフロントミッションのようなゲーム性を期待したプレーヤーにとっては肩透かしかも知れない。
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とはいえ、シナリオや素材や演出が見事であり、ゲームよりもストーリーを楽しむシミュレーションに仕上がっている。
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パトレイバーは極端なシリアスものではないので、高難易度よりも低難易度を望むプレーヤーにとってはベストマッチしていると思われる。
問題点
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音声は一切ない
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贅沢を言えば、音声も収録して欲しかったのは否めない。まあ、そこはプレーヤー諸君の脳内再生で補って頂きたい。
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セーブ周り
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新規ゲームから始めてからゲームオーバーになって「SAVE END」を選ぶと知らない間に従来のセーブファイルを上書きされてしまっている。
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メインシナリオが焼き直し
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基本がグリフォン編と同じ上、首謀者の行動原理は漫画版の西脇冴子そのまんま。要するに内海を西脇冴子に差し替えただけの雑シナリオ。
総評
ストーリー展開についてはおバカなところも含め、原作通りのノリでシナリオも練り込まれており、キャラクターのやり取りも豊富で楽しめる。音声が無いのは惜しい所である。
話数も多めで物語を追従するシミュレーションとしては上手くまとまっており、キャラゲーとしての品質は十分に満たしている。
しかしキャラゲーにはよくある事だが、肝心のゲーム性については褒められたものではなく、原作要素が全く無く適当にやっても勝てたり、どれだけ上手くやっても負けたりする運ゲーに近い。
一応鍛錬システムが用意されているので詰むようなことはない。パトレイバーのファンなら手に取ってみるのも良いだろう。
最終更新:2023年12月15日 15:06